世界の絶景シリーズ第17弾!虹色の谷ウマワカ渓谷と白銀の塩湖サリーナス・グランデス巡る!知られざるアルゼンチン北部を訪ねて~オルノカル、ウマワカ、ティルカラ、プルママルカ、サリーナス・グランデス、雲の列車、サルタ、フフイ

世界の絶景シリーズ第17弾!虹色の谷ウマワカ渓谷と白銀の塩湖サリーナス・グランデス巡る!知られざるアルゼンチン北部を訪ねて~オルノカル、ウマワカ、ティルカラ、プルママルカ、サリーナス・グランデス、雲の列車、サルタ、フフイ


十四色の丘オルノカル<ウマワカ>


7色の丘プルママルカ(プルママルカ村)


サリーナス・グランデス(サリーナス・グランデス)


アルゼンチンの郷土領地料理「パジャリーダ」

南米大陸でブラジルに次ぐ国土面積を誇るアルゼンチン。世界三大瀑布のひとつに数えられるイグアスの滝や、雄大な自然が広がるパタゴニア地方などが有名ですが、「南米のグランドキャニオン」とも称される世界遺産の谷があることをみなさんはご存知でしょうか?

その絶景はアルゼンチン最北部、ボリビア国境と接するフフイ州のウマワカ渓谷にあります。今回の旅の目的地はふたつ。1つ目のプルママルカは南北約150kmにわたるウマワカ渓谷の南部に位置する小さな村で、ここでは「七色の丘」と呼ばれる、さまざまな鉱物が生み出したカラフルな地層の丘を間近で望むことができます。そして2つ目は「十四色の丘」の異名を持つオルノカル。プルママルカから数時間の距離にある秘境で、よりダイナミックな山相を堪能できます。

今回ラタム航空とアルゼンチン観光公社共催のファムトリップに参加しアルゼンチン北部の世界遺産、ウマワカ渓谷を訪れました。

ブエノスアイレス→サルタ経由サリーナス・グランデス観光後プルママルカ泊→オルノカル観光後ティルカラ泊→近郊ワイナリー訪問後サルタ泊→雲の列車見学後サルタ泊の旅程です。今回はウマワカ渓谷の様子をメインにご紹介いたします

ウマワカ渓谷とは・・・

ウマワカ渓谷の壮大な景観は南米のグランドキャニオンとも呼ばれ、その独特な色の山肌は「七色の丘」とも呼ばれ、2003年には世界遺産に登録されています。渓谷の周辺には小さな町や村が点在していますが、そのうち観光の拠点となるのは「プルママルカ」「ティルカラ」「ウマワカ」の3つです。最寄りの空港はアルゼンチンのサルタです。サルタ州の州都・サルタは古くから交易路として栄え、首都のブエノスアイレスからはもちろん、周辺国からのダイレクトフライトもありアクセス面の心配は無用です。例えばラタム航空はサルタからリマへのダイレクト便を運航しているほかプエルトイグアスからも運航があります。チリやペルー側からのフライトであれば、アンデス山脈を眼下に望む雄大な窓景を楽しめます。

プルママルカ村へ


リパン峠(プルママルカ近郊)


リパン峠(プルママルカ近郊)


塩湖でトリック写真(サリーナスグランデス)


サリーナス・グランデス(サリーナス・グランデス)


塩湖ならではのお土産(サリーナス・グランデス)


プルママルカ村の土産(プルママルカ村)


プルママルカ村の広場のフリーマーケット(プルママルカ村)


プルママルカ村のロッジ(プルママルカ村)


日干し煉瓦の家々がたつプルママルカ村(プルママルカ村)

サルタ空港到着後、まずは「七色の丘」を目指して車で一路北へ。フフイ州に入るとそれまでの緑生い茂る高原風景から一変、赤土とサボテンからなる山がちな大地が姿を現し、絶景へのきざしに自然と胸が高鳴ります。サルタより車で約2時間、そのまま山肌に沿って緩やかにうねる山道をしばらく進み、ようやくプルママルカに到着。周辺でひときわ目立つ色彩豊かな丘の懐にすっぽりと収まるその村は、1時間ほど歩けば一回りできてしまうほどの大きさで、日干しレンガで造られた伝統的な家屋が軒を連ねていました。

村の中心部には土産物屋のほか、レストランやホテルも点在していますが、集落のすぐ背後に迫る七色の丘も村人にとっては日常風景の一部といった様子で、カラフルな民芸品を露店で売る先住民族のインディヘナの女性たちも観光客よりおしゃべりに夢中。少なくとも現在においては過度な観光開発とも無縁のようで、その自然でのどかな光景に少しほっとしたのでした。
ガイドさんの話では七色の丘を堪能するならば、丘に日が差し込む午前中がおすすめ。今回はあいにく午後の到着となったため、丘は日陰になり色が映えません。そこで翌朝の日の出のタイミングを狙うことに。

ランチ後、プルママルカ近郊にある南米第3位の塩湖サリーナス・グランデスへ。

プルママルカからは車で約1時間です。雨季の時期はウユニ塩湖よりも綺麗なんじゃないかと思うほどの鏡張りに出会えるようですが、9月は乾季のため一面雪景色のような風景が広がります。トリック写真を狙うにはよい時期です。みんなであれこれ知恵を出し合いながらトリック写真を撮ります。このトリック写真、なれないとなかなかうまく取れないのですが、撮りなれているガイドさんやドライバーさんにお手伝いしてもらえばよい写真が撮れるかもしれません。いくつかアイテムを持参するのもよいでしょう。鏡張りを狙うなら雨季の時期に訪れるのがよいでしょう。

一通り写真を撮ったら、一路プルママルカへ戻ります。プルママルカにあるホテルは小規模な個人経営のものが中心ですが、それでも設備は十分。雄大な丘に抱かれながら屋外プールでリラックスしたり、夜には満天の星を眺めたりと贅沢な時間を満喫できます。

朝日に輝く七色の丘とご対面


通常の7色の丘(プルママルカ村)


朝日に照らされた7色の丘(プルママルカ村)

精鋭隊は翌朝、寝ぼけまなこをこすりつつヘッドライトを片手にいざ絶景鑑賞へ出発。展望スポットは国道を挟んだ村の対岸の丘を10分ほど登った先にありますが、道しるべはところどころ岩に描かれた矢印のみ。また砂利で滑りやすいので、歩きやすい靴で登りましょう。抜けのよい高台にたどり着いたら、あとは朝日に染まるときを静かに待つだけ。空はすでに明るく遠くの山から徐々に照らされていきます。そしてついに光を浴びた七色の丘は、その岩肌の本来の色を取り戻し、自然が作り出したとは思えない鮮やかな断層をあらわにしました。朝日が徐々に丘の岩肌と村を染め上げてゆくこの光景は、宿泊した者だけしか味わえない特別な絶景でしょう。

さらにウマワカ渓谷を北へ

朝日に染まる七色の丘を十分に堪能したあとはさらに北、七色の丘ならぬ十四色の丘の異名を持つ「オルノカル」へと針路を定めます。道中のウマワカ渓谷沿いには小さくも活気あふれるインディヘナの集落が点在し、移動に疲れた旅人を癒やしてくれることでしょう。
オルノカル観光の拠点となるウマワカの町では伝統料理のリャマの煮込みをほおばり英気を養いました。

ウマワカの先は未舗装の山道がひたすら続き、車は苦しそうなエンジン音を立ててグングンと高度を上げていきます。標高はすでに富士山越え。高山病にかからぬようこまめに水分を補給します。そうして峠道を上り切ること約1時間、突如視界が開け、カラフルな地層をむき出しにした山々が目に飛び込んできました。これこそが十四色の丘、オルノカルです。

これぞ絶景!オルノカルの十四色の丘


12色の丘オルノカルにて(ウマワカ近郊)


12色の丘オルノカル(ウマワカ近郊)


12色の丘オルノカルにて(ウマワカ近郊)


12色の丘オルノカルにて(ウマワカ近郊)

展望スポットは十四色の丘から谷を挟んだ対岸に位置していました。「4350m」と刻まれた岩の隣に立ち、改めて眺めるその光景はまさに奇跡の絶景。スケール感はプルママルカの七色の丘を遥かに凌駕し、午後の強い日差しを浴びた色彩豊かな山々がまるでその姿を誇示するかのように大きくそびえ立っていました。
谷底から立ち上がる山容を見るには駐車場からトレイルを下って崖の先端まで行く必要があります。しかしそこは4000mを超える天空の大地。歩くだけでも息が切れる環境ですからくれぐれも無理は避けましょう。ブエノスアイレスからきたというツーリンググループと記念撮影を撮るなど現地の人たちとの交流も。

インディヘナの暮らしとともにあるプルママルカの七色の丘と、壮大な地球規模のスケールを感じさせてくれるオルノカルの十四色の丘。アルゼンチン北部が擁するこれらの絶景は日本での知名度がまだそれほど高くない分、知られざる秘境を求める旅人の目には余計に魅力的に映ることでしょう。一生のうちに一度は訪れたい場所のひとつとして心に留めておきたい景色がここにあります。

インカ人のミイラに遭遇!

少女のミイラ(サルタ)


少女のミイラ(サルタ)


カテドラル(サルタ)


街を一望できるロープウェイ(サルタ)

アンデス山脈の麓にあるサルタ は、16世紀に、スペイン人によって作られた町。ペルーとアルゼンチンの都市を結ぶ商業的・軍事的中継点として栄えた町なので、コロニアル調の美しい街並みが残っています。豪華に装飾された教会や街並みを一望できるロープウェイもあり、眺望も抜群。特に必見はサルタ高地考古学博物館のミイラです。

6739mの高地で発見された古代インカの生贄の儀式カパコチャで生き埋めにされたミイラは、保存状態が極めて良く、非常に安らかな表情で知られており、ここでしか見られない貴重なものです。最年長の15歳の少女は身に着けていた装飾品に落雷があり一部焦げた部分があるものの、ほとんど外傷も無く、ふっくらとした肌は“まるで数週間前に亡くなったみたいだ”という。また500年もの間放置されていたにもかかわらず少女のミイラには心臓や肺に血液まで残っているのだ。ここまで状態の良いミイラは初めてであり、現在も様々な分野から解剖が進んでいるという。

標高4220mを走る絶景列車! アルゼンチンの「雲の列車」


アルゼンチン鉄道発祥の地「カンポ・キハノ」(サルタ近郊)


サボテンが群生するトロ渓谷(サンアントニアオコブレス近郊)


雲の列車(サンアントニアオコブレス)


雲の列車の中へ(サンアントニアオコブレス)


雲の列車の客車((サンアントニアオコブレス)


雲の列車の食堂車(サンアントニアオコブレス)


ラ・ポルボリージャ鉄橋(ラ・ポルボリージャ鉄橋駅)


ラ・ポルボリージャ鉄橋下にてジャンプ(ラ・ポルボリージャ鉄橋駅)


アンデスの女神パチャママの壁画(ラ・ポルボリージャ鉄橋駅)

サルタ観光のもう1つの目玉として「雲の列車」といわれる列車があります。
「雲の列車」とはチベット鉄道に次いで世界2位、中南米では一番高い所を走る列車です。
その名の通り、最も高いところで標高4,220mと富士山よりも高い場所を走ります。
今回はスケジュールの関係で乗車はできませんでしたが、見学だけしてきました。

1,187mのサルタよりスタートし、途中スイッチバックをしながら上り、終点の4,220mのポルボリージャまでの山岳ルートを片道8時間かけて運行する世界的に有名な人気の高原列車ですが、残念ながら現在は、サルタからサンアントニオ・デ・ロス・コブレス間は専用のバスでの移動となり、サンアントニオ・デ・ロス・コブレスとラ・ポルボリージャ鉄橋駅の間のみを列車運行しております。それでもアンデスの雄大な眺めも楽しめる雲の列車は鉄道好きじゃなくてもなかなか魅力的です。

最後に・・・

ボデガ(ワイナリー)の主人と(フフイ近郊)


アルゼンチンのスポーツショップにて(ブエノスアイレス)

アルゼンチンと言えば華やかで洗練された都会のブエノスアイレスや、人気の観光地・イグアスの滝に南部のパタゴニアなどが有名です。それに比べてアルゼンチンの北部はまだ知る人ぞ知る穴場の観光スポット。色とりどりの山を見ながら、プルママルカやティルカラなど周辺の小さな村めぐりを楽しんだり、有史以前の石造りのプカラ遺跡を訪ねたり、アルゼンチン北部の素朴で穏やかな雰囲気にきっと魅了されてしまうことでしょう。
お天気も良く充実の研修となりました。ラタム航空の原田様はじめアルゼンチン観光公社の方々には大変お世話になりました。この場をおかりし御礼申し上げます。

【スタッフおススメ度】
●オルノカル ★★★★
14色の岩肌は絶景!!

●プルママルカ・ティルカラ ★★★
日干し煉瓦の素朴な街並みと温かい人々との交流もGOOD!

●サリーナス・グランデス ★★★
塩湖マニア必見!トリック写真をとって楽しみましょう!

【おすすめツアー】

(2018年10月 渡邊竜一)

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