何もないけど何でもある マッドマンの村であったかホームスティ!!

何もないけど何でもある マッドマンの村であったかホームスティ!!


電気も水道もないパプアニューギニアの部族の村でホームスティすることになった。
ゴロカ空港から車で約5分の現地オフィスで待っていると、マッドマンのリーダー、通称タイガーマンが迎えに来てくれた。もちろん泥のお面も被っていないし、真っ裸でもない。タイガーマンと一緒にローカルバスの乗り場へ向かった。といってもたんなる広場で、目印も何もない。

日曜日でたくさんの人が買い出しやら用事で出てきていて、そしてみんな何か食べている。そこら辺に唾を吐く。生きたニワトリが袋から飛び出してきた! とその異様な臭いのする混沌とした世界で、パプアニューギニアに着いたばかりの私は、ピタリとタイガーマンの横にくっついていた。
すると、物珍しさからかジロジロこちらを見ていたおばちゃんが、食べているナッツをくれた。おいしい! こういうのって楽しい!
15分ほど待って、お目当てのバスが到着したようで、せかされるように乗り込む。
ぎゅうぎゅう詰めの車内でやっと村へ出発だ!と思いきや、ドライバーはランチを買いに行ってしばらく不在。タイガーマンもバスの外の人にお金を渡して食べ物を買いに行かせる。一体いつになったら出発するのだ…。

心地よい高原地帯の風を感じながら、マッドマンの村へ到着。


まずは出発前から気になっていた今夜の寝床へ案内してもらった。お世話になるマッドマンの家は、入ってすぐに居間、奥にカーテンで仕切られた部屋が3つほどあり、その一つに案内される。個室だ。床や壁は、最高にナチュラルな竹や植物が敷き詰められているが、ベッドが置いてあってその上に寝袋を敷くことにする。快適に眠れそうだ。


お腹もすいてきた頃、ムームー料理をごちそうになる。
ムームーは、伝統的な蒸し焼き料理で、お祝い事やゲストを歓迎する際に振舞われるごちそうだ。まず、たくさんの石を火で焼いて地面に掘った穴の中にいれる。サツマイモやチキンをその辺で取れる葉っぱ(村人はグリーンと呼ぶ)と一緒にバナナの葉で包んで蒸す。味付けは塩だけだがとってもおいしい。

土の中に入れていたムームーを掘り出す

バナナの皮を切り開いて


みんな待ちきれずつまみ食い

みんなでムームーをいただきます!

食事後はいよいよマッドマンダンスの始まり。

偵察隊

そろりそろりと音もたてずにマッドマンが現れる

一つ一つのお面が表情豊かで笑える



くさむらの中から、わっと人々を驚かせたり


最後にそれぞれ自己紹介をしてくれた。
12歳から22歳くらいの若者で構成されている。
後で話しをきくと、後世に伝えていかなければならないんだ!と力強く語ってくれた。
タイガーマンが是非見て欲しいというノコンディ村へ。
すぐ隣だというけど、片道30分以上歩いてへとへと。
マッドマンのすぐは、信じてはいけない。

ノコンディ村のシンシン



シンシンを披露してくれた子供たち

村に戻ってからしばらく女子トークで盛り上がった後、村の人みんなが集まって楽しんでいるビンゴに入れてもらった。



木の版のうえに、15個の数字がランダムに書かれていて、読み上げられた数字にマークしていき、一番に版が埋まった人が勝ち。賞金はみんなの参加費のようだ。
子どもから大人までみんな一緒に楽しむ姿は、なんだかあったかい。
本当に村全体がファミリーのよう。


日が暮れてきたので、夕食の準備を手伝って家族みんなで丸くなって夕食。
村人がグリーンと呼ぶ葉っぱとチキンを蒸して、サツマイモが添えてある…。
あれ?昼に食べた食材と全く一緒だ・・・



食事後は一つの小屋に村人みんなが集まって、発電機を使ってテレビを見る。
この日のプログラムはラグビー、オーストラリアリーグ。
パプアニューギニアではラグビー人気が高いようだ。

翌朝、コーヒーとさつまいもの朝食を食べた後、子供たちと水汲みへ。
小学校に上がる前の子と、2歳の子も!



こんなちっちゃなうちからお手伝いしてえらいなーと思ったら、
遊びの延長のような感じで楽しんでいる!

その後は、水浴びや洗濯をする水場へも連れて行ってもらった。


村の長老アサロックにご挨拶。年齢不詳。
すでにお葬式をあげているそう…。



たった1泊の宿泊なのに、別れ際、涙が止まらなかった。
圧倒的な優しさや純粋さに完全にやられてしまったのだ。
何にもないけど、日本では見られなくなった生活がそこにはあった。
食べ物はスーパーで買うのではなく森や川で手に入れる。
ゲームなんかなくても自然相手に遊ぶ。
村人みんなで子供を育てる。
大きい子供が小さい子供の面倒を見る。
お腹が空いたらそこらへんにある木の実を食べ、大笑いして、
みんなで集まって村で唯一のテレビを楽しむ。
そして言葉は通じないけど、小さな子供たちは手をつないでいろんなところに連れて行ってくれ、若者たちは将来の夢を語ってくれた。
それと3食さつまいもの食事で体の中もすっきり。
たった1泊だけど心も体も浄化されてすっかり軽くなった気がする。
こんな素敵な場所にたどりけたことを幸せに思う体験だった。
パプアニューギニア滞在3日目、アカメク村半日観光へ出発
ゴロカから車で約30分、途中からはコーヒープランテーションの間、悪路を進むとその村はある。山からキレイな水が至る所に流れていて緑の多い美しい村だ。村人の案内でまずは滝を見に行くことに。時折すれ違う村人と立ち話をしながら歩いて行くと、橋から迫力満点の滝を眺めることができる。時間があればここでムームーランチをしながらのんびりと過ごしたい。村人はよくピクニックにくるのだとか。
村に戻ると軽快な太鼓のリズムが聞こえてくる。

アカメク村のシンシンだ。



犬の踊りや、赤ちゃんが産まれた踊りを披露してくれた。



ここはマダンに近い(といっても歩いて3日はかかるらしい)ので、マダンのシンシンの影響を強く受けているそう。衣装もマッドマンやグルポカのような、グレーな感じではなく、明るく華やか。太鼓もありとっても陽気な雰囲気のダンスだ。



アカメク村の陽気な人々

最終日は、ポートモレスビーのエラビーチからボートで約30分のフィッシャーマンズアイランドへ。

ここはポートモレスビーから飛行機を使わずに行ける唯一のシュノーケリングスポット。
島には一つだけゲストハウスがあって、宿泊することも可能。

ゲストハウスの部屋


ゲストハウスのキッチンとリビング

ゲストハウスから少しだけ離れたところにあるトイレ

島の食材たっぷりのランチ


ゲストハウスのお姉さんに島を案内してもらった。




島の産業はナマコの輸出。至る所でナマコを煮たり干したりしている。
小学校へ行ってみた。




授業中にもかかわらず、教室に案内してくれ授業を見学。人懐っこい子供達はみんなカメラを向けると笑顔でポーズを決める。
パプアニューギニアの人々は、本当に写真が大好き。
カメラを向けるといつも大集合写真になる!

木の下で会議中の先生たち。




教会や病院もあり、1000人ほどが暮らしているらしい。
南国らしい明るくてあっけらかんとした人々との楽しいひとときを過ごせた。
「自然と人間が共存する地球最後の楽園」といわれるパプアニューギニア。
物に依存しないからこそ生まれる、その素朴さと笑顔と生きる力強さ!!
3泊5日という弾丸ツアーだったが、たくさんのパワーをもらって帰国した。

マッドマンの村とお別れの時、タイガーマンがくれた手作りのお面 やっぱり愛嬌たっぷり!

【スタッフおすすめ度】
●マッドマンの村・・・★★★★★
パプアニューギニアに来たら必ず訪れたい!素朴な村の人々との触れ合いもの楽しい。
●グルポカ山のハイキング・・・★★★★
頂上からのアサロ渓谷は絶景。門外不出のモコモコダンスは必見!
●アカメク村・・・★★★★
アサロ渓谷には珍しいコーストエリアの影響を受けたシンシンが魅力的。
(2017年 4月 山本みな)
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