どでかい大自然を求めて~オーストラリア紀行 世界遺産の大自然めぐり~

どでかい大自然を求めて~オーストラリア紀行 世界遺産の大自然めぐり~

定番の絶景、シドニーのオペラハウスとハーバーブリッジ

市内中心部にありながら大規模な、ワイルドライフ・シドニー動物園

シドニーのダーリングハーバーではラッキーなことに花火に遭遇!

新大陸オーストラリア。
人生初訪問で、それどころか英語圏の訪問も初。そもそもプライベート旅行では考えもしないような行先だった。
そんなわけで、私にとっては文字通り未知の大陸であるオーストラリア。何が待っているのだろう?やっぱり国がでかいだけあってあらゆるもののスケールもでかいんだろうか?200年も前、長い長い航海の末この地に降り立ったヨーロッパからの移民や囚人たちもこんなことを考えていたのかなーと思いながら、初秋のオーストラリアへ旅立った。


<ウルル(エアーズロック)>
そんな期待に応えてくれそうなウルル(エアーズロック)にいきなり訪問。東京を夜出るとシドニーで乗り継いで翌日昼にはエアーズロック空港に到着することができるので、思ったよりも近い。大陸のど真ん中、ど秘境のイメージがあったのだけど拍子抜け。
それでもシドニーからは約3時間半のフライト。東京発だと中国あたりまで行けてしまう。やっぱりでかい国なんだなあと実感。

いきなりウルル

到着日はまずウルルから西45kmにある巨岩群、カタジュタ(マウントオルガ)のツアーに参加。ウルルが一枚岩なのに対してカタジュタは大小36の岩から成り立っている。カタジュタが現地アボリジニの言葉で「たくさんの頭」という意味だと聞いて納得。

ユニークで美しいカタジュタの姿

その巨岩の間にある遊歩道が、今回のツアーで歩いたウォルパ渓谷。片道約2kmのしっかりした道で、両側にそそり立つ巨岩にはただただ圧倒されるばかり。


振り返ると、巨岩の間からどこまでも続くアウトバック(荒野)が見える。

気軽に行けるのでつい忘れそうになるけど、この荒野が示すようにオーストラリア中央部の風土は過酷で厳しい。このときも初秋とはいえなかなかの暑さで、ガイドさんも「15分に一回は水を飲むようにしてください。写真より水分補給の方が大切ですよ!」とおっしゃっていた。
さて、ついにウルルへ近づく。
ウルルが最も美しく見える瞬間はサンセットとサンライズ。
サンセットでは日の入りに近づくにつれ岩肌がどんどん赤く色づき、日が沈むその一瞬だけ燃えるような色となる。そしてサンライズでは、鮮やかなサーモンピンクに染まった後、朝日に照らされて徐々にオレンジ色に変化していく。
その色の移ろいには息をのむばかりで、とても言葉で言い表せられるものではなかった。

真っ赤なウルル

逆さウルル

満月とウルル サンセットバージョン

満月とウルル サンライズバージョン

アウトバックに朝日が昇る

朝日に照らされるウルル

ウルルは眺めるだけではもったいない。登ることもできるが、気温や風の強さ、降雨、さらにアボリジニの文化的理由などで禁止されることも多い。私が訪れた日も強風によって登山禁止とのことだったが、その前日と私が行った次の日は開いていたとのこと。日ごろの行いの良さにもよるのかな?
登山ができない場合はウルルのふもとツアーへ。ウルルの周囲には遊歩道が張り巡らされ、アボリジニの聖地でありながら観光客も訪れることができる。

ニシキヘビにまつわるアボリジニ神話の舞台、クニヤウォークのムティジュル水場

壁画

このような地形は昔のアボリジニの生活の場だったとのこと

約4万年も前からこの地に住み、天地創造の神話「ドリームタイム」という独自の世界観を持うつ先住民アボリジニ。彼らに国民としての権利が認められ、その豊かな民族文化が評価されるようになったのは案外最近のこと。現在では、多文化国家オーストラリアにとってなくてはならない存在となっている。
ちなみにウルルには彼らの聖地であるがゆえに立ち入り禁止や撮影禁止の箇所がある。なぜ聖地になっているかは彼ら以外には教えようとはしないそうだ。
ウルルを訪れた際は、彼らの奥深い文化についてちょこっとでも勉強しておくと、より充実した旅になるはず。

さらばウルル!

<ハミルトン島>
今までリゾート地系には全く縁のない人生を送ってきたのだけど、なんと今回オーストラリアを代表するリゾートアイランド、それも世界中からバカンス客がやってくるハミルトン島に滞在することになった。もちろん一人で・・・。
リゾートビギナーが一人で行って楽しめるところなのだろうか?いきなりプロ野球開幕戦の4番に指名されたような高卒新人のような心境。正直不安の方が大きかった。

飛行機から見える透き通った海。窓側席で本当に良かった!

ハミルトン島は世界遺産の大サンゴ礁、グレートバリアリーフの真っただ中にある。その魅力は、有名リゾート地ながら豊かな大自然が広がっていること、そしてそれを生かした豊富なアクティビティが楽しめること。
空港でホテルスタッフの方が出迎えて下さり、リゾートビギナーのハミルトン島一人旅がスタート。小さい空港なので預かり荷物はターンテーブルから取るのではなく、荷物を載せたカートから各自取っていくという珍しい方式だった。

ホテル「リーフビュー」の客室からはいきなりこの景色!

まずは島を探検。そんなに大きい島ではなく、島内をくまなく回っている無料バスを使えばだいたいどこへでも行ける。また日本の免許証とクレジットカードがあれば電動バギーを借りることもでき、ラクラク移動できる。このバギーを利用した島内日本語バギー観光は日本人旅行者に人気のツアーだとか。

海と島の眺めがすばらしいワンツリーヒルから

サンセットの景色も最高!

海を望む丘に建つオールセイント教会。ここで結婚式を挙げるカップルも多いとか

翌日は、まるまる一日グレートバリアリーフクルーズへ。


約2時間の船旅ののち、美しい海にぽつんと浮かぶポントゥーンと呼ばれる浮島へ。ここを拠点としてさまざまなアクティビティやツアーに参加することができる。ハートリーフが見られるヘリコプターの遊覧飛行ツアーもここから発着。
そう、このクルーズはただの船旅ではなく、グレートバリアリーフをとことん楽しむことができる体験型のクルーズなのだ。しかもほとんどの場合日本人スタッフもいるので安心。

浮島だけど設備はしっかり整っているポントゥーン

まずはお手軽に海中探検を、と半潜水艦へ。



世界遺産のサンゴ礁がこんなに間近に見えるとは・・・!
さらに海中展望室もあり、こちらでは色とりどりの魚が目の前を泳ぎ回っているのが見られる。海に入らなくても、こんなに海中の世界を楽しむことができるのだ。


それでもここまで来たのならやっぱりシュノーケリングやダイビングは体験したいもの。用具はレンタル可能で、スタッフも優しくやり方を教えてくれるので初めての方でも大丈夫。リゾートビギナーの私もここでシュノーケリング初挑戦!


というわけで、大大大満足でハミルトン島に帰ってきたのだった。
まだまだ続くハミルトン島遊びまくりの旅。最後は、動物園のワイルドライフパークへ。カンガルーや爬虫類も見られるけど、ここの目玉はコアラ。しかもコアラと朝食を取ることができるそうな。
動物園でよく見る、檻に入ったコアラを眺めるだけなのかなーなどと思っていたら、、、

!!!
想像をはるかに超えるオープンさ。こっちの方がコアラも居心地よさそうだね。

といってもちょっと居眠り気味

コアラを見ながら朝食が取れるだけでなく、コアラとの抱っこ写真も撮れるのがここのすごいところ。オーストラリアでは州によってコアラの抱っこを禁止しているところもあるけど、ここはばっちりOK。

間違いなく永久保存写真ですね

というわけで、お一人様のリゾートビギナーでもハミルトン島を大満喫できました。ここまでたくさんの魅力がぎゅっと詰まった島は世界中探してもなかなかないのでは・・・。
さらにここで紹介した以外にも水上スキーやパラセーリングなどのマリンスポーツ、ハートリーフへ遊覧飛行ツアーやホワイトヘブンビーチクルーズといったアクティビティも人気。まさに島全体がテーマパークといっても過言ではなく、何日間滞在しても遊び足りないはず。
日本人スタッフも常駐しており、島の情報なら何でも載っている日本語アプリもあるなどまさに誰でも楽しめる環境が整っているハミルトン島。私のようなリゾートビギナーも、ベテランのリゾート愛好家の方もぜひ一度出かけてみては?
<ブルーマウンテン>
オーストラリア最大の都市で、20世紀最後のオリンピックが開かれたことでも知られるシドニー。その西の郊外に広がっているのが、ユーカリに覆われた壮大な森、ブルーマウンテン。2000年には世界遺産にも登録されている。
広い森の中には遊歩道が張り巡らされ、多くの見どころがあるが、その中でも3つの岩が並ぶスリーシスターズはブルーマウンテンを象徴する奇岩。ブルーマウンテンを紹介するときに必ず出てくるスポットで、写真で見たことのある方もいるのではないだろうか。

遊歩道を下っていくと、こんなにこの岩に近づける!

この森の移動手段は徒歩だけではなく、乗り物も使える。
「シーニックワールド」は、乗り物から大パノラマが楽しめるブルーマウンテン随一のアトラクションスポット。

世界一の急勾配を誇るトロッコ

かつての鉱山の再現

ロープウェーからは滝の景色も!

ブルーマウンテンは大自然だけではなく、すぐそばにあるカトゥーンバとルーラの街も人気の観光スポット。どちらもおしゃれで小ぢんまりとした街並みで、ちょっとした散策に最適。

坂が多いカトゥーンバの街並み

教会とオシャレなグラフィティ

ルーラの街は端から端まで歩いても10分ほど

駅もやっぱり小さめでかわいらしい


そしてブルーマウンテン観光のトリを飾るのはキングステーブル。あまりガイドブックに載っていない場所だけど、「これぞ壮大なブルーマウンテンの森!」な絶景が視界いっぱいに広がる。

柵がないのでこんなことも!実はそれほど怖くないのです

想像通り、いや想像を超えた「とてつもなくでかい」大自然に出会えたオーストラリア。なんせ一つの大陸=一つの国なのは世界でもここだけ。同じ国でもさまざまな景色が待っており、そのひとつひとつのスケールが桁違いだった。
また時差が少なく治安が安定しており、人もおおらかということで、老若男女さまざまな年齢層の方が安心して旅行できる国であるということも嬉しい。「安全」で「お手軽」に「大自然」が味わえる国オーストラリア、次のご旅行先にいかがでしょうか。
<おまけ・実は奥深いオーストラリア食文化>
出発前までは、正直オーストラリアにご飯がおいしいというイメージがどうしても持てなかった(オージーの皆さんすみません)。
でも行ってみて分かった。オーストラリアの食事はどんな方でも絶対満足できるはず!

ご存知オージービーフ

オーストラリアの食文化を語るうえで前提となるのが、純粋なオーストラリア料理といえるものはほとんどないということ。移民国家であるオーストラリアでは(現在オーストラリア国民の約4分の1が外国生まれなのだとか!)、食文化も移民によって形成されてきた。最初はイギリス系、第2次大戦後はイタリアなどの南欧や南欧、そして最近はアジア系・・・というふうに。

ハミルトン島、港を望むカフェでピザを食べる

シドニー中心部の本格ベトナム料理屋でフォー

シドニーには大規模なチャイナタウンも

そしてオーストラリアは大陸国家、つまり長い海岸線を持っている国。ということは海の幸が豊富に取れるということで・・・

シドニーのダーリングハーバーで絶品生ガキ!

イギリスでもおなじみ、フィッシュアンドチップス

そして最後に紹介するのはオーストラリアならではのこれ。

ウルルが見渡せる絶好のロケーションで開かれるエアーズロックのバーベキューディナー、そこで出てきたのがカンガルー肉。食べる前は想像もつかないような味だったけど、脂が少なく牛肉が引き締まったような味で美味しかった。
このカンガルー肉、低カロリー食ということで最近注目されているのだそう。またアボリジニの伝統食でもあったが、近年アボリジニ文化が評価されていることもあり、都市部にはカンガルー肉が食べられるアボリジニ料理レストランもあるとのことだった。
この国の歴史をそのまま表しているかのようなオーストラリアの食文化。食事のたびに思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
【スタッフおススメ度】
●ウルル(エアーズロック) ★★★★★
写真では見慣れていても、その地に立つとやっぱり感動。サンライズとサンセットの瞬間の美しさは言葉にできない。
●ハミルトン島 ★★★★
クルーズ、マリンスポーツ、動物園、遊覧飛行・・・。オーストラリアが誇るリゾートアイランド、楽しみ方は無限大。
●ブルーマウンテン ★★★★
どこまでも続く緑のじゅうたん。ユーカリの森に癒されよう!
(2015年3月 伊藤卓巳)
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