知られざる南の島々へ 大自然と日本との不思議な縁を訪ねる旅 ~マーシャル諸島&ミクロネシア連邦アイランドホッピング紀行~

知られざる南の島々へ 大自然と日本との不思議な縁を訪ねる旅 ~マーシャル諸島&ミクロネシア連邦アイランドホッピング紀行~


マーシャル諸島は台湾と国交を持つ数少ない国。街のあちこちに台湾国旗が


ポンペイ島の胡椒は質が高いと有名!おすすめのお土産です


チュークの市場で発見した、貝とナマコを塩漬けにしてボトル詰めにしたもの。食べるのに勇気が要りそう。。

日本から南へずっと3~4,000km、無数の小さい島々が点在しているエリアがミクロネシアです。ミクロ(小さい)・ネソス(島々)というギリシャ語由来のめちゃくちゃ安直なネーミングですが、各島それぞれ独自の景色や文化をもち、もちろん海は抜群に綺麗で魅力的なエリアです。
とはいえ、一般的な日本人がこの中で行く国・地域はグアム、サイパン、パラオぐらい。その他はそもそも名前を聞いたことすらない国ばかりですが、かつて日本が統治していたことで今も日本と縁があるエリアです。日本から遠いようで、距離的にも歴史的にも実は結構近かったミクロネシアの島々へいざ出発。

<美しい環礁がそのまま首都に!マーシャル諸島の首都マジュロ>

まず訪れたのはマーシャル諸島。マーシャルの時点で聞いたことが無いうえに国名に諸島まで付いてますますわけが分からなくなります。が、200万平方キロの広大な海域に29の環礁と5つの小島が点在しているということで、さすが諸島と付くだけのことはあります。しかし人口はたった6万人ほどで、首都マジュロでも3万人ほど。

マジュロへはグアムで乗継いで行きます。日本人御用達リゾートのグアムからさらに先に行こうとする日本人はかなりレアです。しかしこのフライトはグアムを朝に出てホノルルに夜到着するまでの間、マジュロを含め3~5島を経由する「アイランドホッパー」と呼ばれるフライト。世界でも珍しいおもしろいフライトということで、一部の人々には憧れの路線になっているようです。
ミクロネシア地域をほぼ横断するこのフライト、もちろん機内からは青い海とサンゴ礁の島々の絶景がこれでもかというほど望めます。普段通路側派の方も、ぜひ窓側を確保しましょう。


世界最大の環礁、チューク諸島上空


同じくチューク諸島。環礁が天の川のように見える・・・。


各空港では一旦降機し、トランジットエリアで休憩することができる

(マジュロの手前のクェゼリン空港だけは米軍基地があるため降機禁止)

朝方グアムを出たのにマジュロに着いたのはすっかり夕方。とてつもなく綺麗な夕焼けが出迎えてくれました。


パイロットの皆様も夢中で写メっていた

マジュロ市内に着くころには暗くなっていましたが、せっかくなのでホテルの近くのスーパーマーケットに行きいろいろ物色してみます。
中に入ると、人口3万人の街にしては不釣り合いなほど豊富な品ぞろえに驚きます。

いろいろ調べていると分かったのですが、この国は軍事権や外交権をアメリカに委ねる代わりに巨額の経済支援を得ており、しかも世界で数少ない台湾と国交を結んでいる国ということでそちらからも多くの援助を得ているそうです。それで食料品や生活物資も多く流入しているようですが、私たちが勝手に持っている南国ののんびりしたイメージとはギャップがありすぎるこの光景。翌日もマジュロ市内を歩いていると次々と大型スーパーが現れ、次に行くミクロネシア連邦でも全く同じ状況でどこか複雑な気持ちになったのでした・・・。

とりあえず刺身とマグロジャーキー、カップヌードルを購入し、ホテルで食べます。さっそく日本と縁のある、、、というかもろに日本食な夕食です。それでも刺身は量が多いのにたった3ドルほどで、この国の食文化として根付いていることが分かりました。

翌日はマジュロ市内を街歩き。ここもネックレスのような環礁でできており、約60の小島が100kmにわたって連なっているとのこと。そのうち中心部はダリット、ウリガ、デラップの3島ですが、すべて道路でつながっており陸続きになっている感覚です。

環礁の内海は市内のどこからでも見ることができますが、首都らしくひっきりなしに船が行き来しているのに驚くほど透明度が高い海。

ふらふら歩いているとビリヤード場を発見しました。誘われるまま中に入り、快くプレイに入れさせてくれます。やはりスポーツができる土地が少ないから屋内ゲームが盛んなのでしょうか。


朝からラーメンを食べるマーシャル人。サッポロ一番が最も人気なのだそう・・・

今度はガソリンスタンドを発見。実はこの国ではガソリンスタンドは魚を買うところでもあります。クーラーボックスがいくつも置かれ、その中に入っている魚を買っていくのです。


おばさんがトングをもって品定め中

そんなわけでマジュロ市内は特にこれといった見どころはありませんが、時折この国ならではの光景に出くわし足を止めてしまいます。


かっこ良くて撮ってしまったナンバープレート。YOKWE「ヤッコエ」はこの国の挨拶で、「あなたは虹」という素敵な意味を持つとのこと


ミクロネシアエリアでよく見るフレームツリー(火炎樹)と教会


日本の援助でできた魚市場。残念ながら部外者は立ち入り禁止のようだったが、「日本のおかげだよ」と職員が声をかけてくれた


啓発広告に「Emman」の文字。マーシャル語で「大丈夫」といった意味で、日本語の「円満」が由来らしい!


マジュロから遠く離れたビキニ環礁の役場がここに。アメリカの核実験で放射能汚染され、今も人が住める状態ではないとのこと。。


ローカルレストランで「この国ならではの料理を!」と言ったら出てきた「パンプキンライス」と焼魚。パンプキンライスはかぼちゃ味のお粥のような不思議な味

マジュロ中心部をひととおり見て回ったので、乗合タクシーで環礁の反対側にあるローラ地区へ向かうことにしました。中心部からは環礁の島々を結ぶ道路を通って1時間半ほどかかり、狭いところでは道の両側に美しい海が迫る珍しい光景が見られました。


この国唯一の橋かつマジュロで一番標高が高い地点、マジュロ橋(標高6m)

道路の終点がローラ地区のビーチエリアになっており、日本風にいうとローラ海浜公園とも呼ぶべきところ。さっそくビーチへ出てみます。


陽気に声をかけてくる地元の皆さん


ビーチといえばBBQ、は万国共通!

海はめちゃくちゃ綺麗なのですが、一人で泳ぐのも空しいのでビーチ滞在を早めに切り上げて村の風景も見て歩くことにします


いかにも南の島なこの風景


ひっそりとたたずむ、大正天皇がここでの台風被害を救済したことを称える記念碑.


偶然出会ったウクレレを持つ小学生。かっこいい!!

マジュロ中心部に戻るとすっかり夕暮れ時。夕日で染まる環礁の内海とそこで遊ぶ子供がなかなか絵になります。

これといった観光地があるわけではないですが、南国らしくどこか居心地の良さを感じたマーシャル諸島。マジュロ以外の島や環礁も魅力がいっぱいあるでしょうから、次は時間をとってのんびり行ってみたいものです。

<緑豊かな「太平洋の花園」ポンペイ島では歴史探訪も楽しい>

次なるターゲットの島はミクロネシア連邦のポンペイ島。国名としてのミクロネシアと地域名としてのミクロネシアが違うのでややこしいですが、もともとミクロネシア地域全体で独立しようとしたものの、アメリカとの関係のあり方をめぐって分裂し、ここポンペイと次に行くチューク、そしてヤップとコスラエという4地区がミクロネシア連邦として独立したとのこと。

各地区それぞれ特色があるそうですが、ここポンペイ(旧称ポナペ)はなんといっても自然豊かなことが自慢。島全体が緑に覆われ、熱帯植物の宝庫で「太平洋の花園」とも呼ばれるとのこと。飛行機から見る風景は、確かに大海原まっただ中に申し訳程度の陸地しかなかったマーシャル諸島とは全く違います。

しかもこの島、降水量が世界第2位を誇るとのこと。800m近い山々が中央にそびえ、貿易風が山にぶつかることでよく雨が降るそうですが、この太平洋のど真ん中に浮かぶ小島が世界屈指の多雨地域だなんて。


日本の援助で造られたポンペイ空港

まずはポンペイの中心都市(都市といえる規模かどうかは微妙ですが)、コロニアの街を歩きます。スペイン語感あふれる名前から想像できる通りスペイン統治時代に造られた街で、その後ドイツ、日本、アメリカの統治を受けました。数が少ないながら今も歴史的遺産が残ります。


その名もずばりスパニッシュウォールは・・・


現在野球場になっている


すぐ近くにあるドイツ時代の鐘楼

日本との結びつきは今も強く、日系人経営のスーパーを時々見かけたりします。


品ぞろえが豊富なヨシエエンタープライズ


入口に「豚売ります」などの張り紙があるのがミクロネシア流

またコロニアの街が望める山、ソケースマウンテンには旧日本軍の大砲が今でも残っています。


ソケースマウンテン頂上にある無名戦士の碑

このソケースマウンテンはコロニアからタクシーで登山口まで10分、頂上まで歩いて1時間弱。帰り道ではタクシーが見つからず、わざわざ呼ぶのも面倒なので歩いて戻りましたが1時間ほどで戻って来れました。登山道は急な坂道もありますが、手軽なハイキングコースとしておすすめの見どころです。


空港が一望できる


ソケースマウンテンの麓にはマングローブ林が広がる

ここポンペイで宿泊したのはサウスパークホテル。オーナーは日本人の方で、私が滞在したときは日本人が話せる日系人のスタッフもいて安心でした。そして何より中庭からの景色が最高!


昼の風景


夕暮れの風景


現地の人たちもよく来るよう。厚かましくも学校の卒業パーティー写真に割り込ませてもらう

立派なリゾートホテルではなく小ぢんまりしたところですが、スタッフがいろいろ気にかけてくれアットホームで居心地のいいホテルでした。レストランで食べる料理も美味しく、ここへ来たらぜひ泊まりたいおすすめのホテルです。


一人で来たのが可哀想に見えたのか、ときどき差し入れをいただきました。これはカラチという濃厚な味のバナナと、南国の主食パンの実


ポンペイに来たなら是非食べてみたいマングローブ蟹。殻が固く食べにくいけど味は絶品!


ホテルの近くにある、マングローブ内にできたレストラン「ハイダウェイ」。こんな田舎にお洒落なレストランができたべ!となったようで大盛況のようでした


これまたホテルの近くのビリヤード場。皆さんウェルカムしてくれたのでマジュロに続いて飛び入り参加

またポンペイは、なぜかミクロネシア地域で唯一カバが作られている島ということで、カバとの出会いも楽しみにしていました。カバとはコショウ科の木の根から作られる嗜好品で、見た目も味も泥水だわ飲んだら舌が痺れるわという日本人からしたらとんでもない飲み物ですが、私は以前バヌアツでカバと出会いその不思議な魅力に憑りつかれそうになったのでした。よければその際の旅行記もご覧ください。
「閻魔様こんにちは。いざ、世界で最も地獄に近い地へ!~バヌアツ・アンブリム島火山トレッキング体験記~」

閻魔様こんにちは。いざ、世界で最も地獄に近い地へ!~バヌアツ・アンブリム島火山トレッキング体験記~

ポンペイではカバのことをシャカオというのが一般的なようで、さっそく至高のシャカオ探しに出かけます。しかしバヌアツではカババーという居酒屋的なところがいたるところにあり現地人の社交場にもなっていたのですが、ここではカババー文化は発達しておらず、路上などでボトルに詰めて売っているシャカオを家に持ち帰って飲む宅飲みシャカオが主流のようでした。それでもそれらしき場所を探し出し、さっそく入店。

バヌアツのカババーは薄暗く、男だらけ(現地の女性はカバを飲んではいけない)でしかもとても静か(酒とは違い、飲むと鎮静作用が働くため)と一見さんが入るにはとてつもなく勇気がいる場でしたがここは明るい雰囲気。民家の外がバー(といってもテーブルとベンチがあるだけ)、中がシャカオ作りの作業場となっているようで、男性はひたすらシャカオの汁を絞り出して女性がひたすらボトルに詰めるという分業体制のようでした。この作業場も快く見学させてくれます。

そしてできたてほやほやのシャカオを一杯。やはりとにかくマズい、こんなに万人がマズいと感じるであろう飲み物が存在していいのか!と感じるほどマズい。そしてバヌアツのカバよりも刺激が強いようで、すぐ舌がピリピリしてきます。

それでもポンペイの人たちにとっては大切な文化。みんな酒よりもシャカオが好きだからポンペイが平和なんだ、と居合わせたご婦人が教えてくれました。こうして私のカバ経験値がまたひとつアップしたのでした。

しかし緑豊かなポンペイ島の本当の魅力は街の外、大自然のまっただ中にあります。その魅力を満喫するために、島一周ツアーに参加してみました。

街を出てまず目に入ったのは、道端に生えているカラフルな木々。レインボーツリーと呼ばれ、七色の樹皮を持つといわれる珍しい樹木です。

そしてポンペイ島のシンボルであり、世界遺産にも登録されているナンマドール遺跡へ。
世界遺産といってもこのあたり一帯が私有地ということもありまだまだ整備が進んでおらず、車を停めてからマングローブ林の中を進んでいきます。

そして唐突に現れた石積みの遺跡。こんなところに、という意外性もありとにかく圧倒されます。


水路を渡って中に入っていく。いろんな意味でアトラクション感満載!?

遺跡のすぐ向こうには大海原が見えます。実はここは海沿いではなく、海上を埋め立てて造られた遺跡。世界でも珍しい海上遺跡なのです。

この遺跡の基礎となる人工島が海上に築かれ始めたのは、なんと西暦500年ごろ。その後12世紀ごろにこの地に栄えたサウテロール王朝の中心地となり、多数の巨石建築が作りあげられました。


王の墓といわれている石室

こんな太平洋のど真ん中に大規模な古代遺跡があるとは、ということでとにかく謎が多いといわれており、「太平洋のアンコールワット」「南洋のベニス」と呼ばれたり、果てはムー大陸の一部説やら竜宮城のモデル説やら伝説には事欠かさないようです。今でも地元の人々に聖なる場所と信じられ、むやみに立ち入ると祟りがあると恐れられているそう。とにかくロマンあふれる遺跡ということは間違いありません。

ポンペイ州のナンバープレートにもちゃっかりナンマドール遺跡が描かれています。


ナンバープレートがかっこいいのはミクロネシアあるあるなのか?「KASELEHLIE」はポンペイ語でこんにちはの意味

その後ナンマドール遺跡から程近い、迫力満点のケプロイの滝も訪問。

最後はミクロネシアの首都、パリキールを見学。コロニアから1989年に遷都しましたが、街らしきものはなく国会議事堂や省庁など行政施設が一箇所に集まっているのみ。大都市=首都という私たちの常識を覆してくる首都です。


国会議事堂。「ガードマンが一人もいない国会議事堂なんてここだけだよね!」とガイドさんが笑っていた

太平洋のど真ん中に位置し、秘境と呼べる場所にありながら、ポンペイ島は自然に歴史にシャカオにと見所盛りだくさんの島でした。小さい島ながら緑豊かで、独自の文化が今でも大切に保たれていることは、日本の離島にも通じるところがあると感じます。

<絶景の無人島から古き日本の面影が残る島へ 島巡りが楽しいチューク諸島>

ポンペイ島から、同じミクロネシア連邦内のチューク諸島へ。同じ国内とはいえ別の国のような扱いのようで、出発・到着時にはちゃっかりイミグレーションカウンターでパスポートにスタンプが押されました。


ポンペイ―チューク間の移動で利用したニューギニア航空は搭乗券が手書き


クーラーボックスをスーツケース代わりに使うのがミクロネシア流?

チューク諸島があるチューク州はミクロネシア連邦内では最も人口が多い州ですが、ポンペイとは違い環礁内に無数の島があり、人口もばらけているようです。街らしい街もほとんどなく、ポンペイよりもさらにゆったりした雰囲気が流れているようでした。


漁港の時点で海がこんなに綺麗


素敵な民族衣装を着た家族が声をかけてきた


着いていくと教会でミサの真っ最中


そして教会の方に「一緒に読んで」と聖書を渡される・・・

チュークではなんといってもマリンアクティビティが豊富。チューク環礁は世界最大のラグーンといわれ「太平洋の湖」とも呼ばれるそうですが、その穏やかで超絶に美しい海をいろんなアクティビティで満喫できます。
チュークで有名なのが、本島のウエノ島からボートで20分ほどの無人島のジープ島。テレビ番組で世界の絶景100選1位に選ばれたほどの島ですが、実際に行ってみると納得です。

どんどん近づいてくる、ヤシの木数本だけの小さな島・・・。
ザ・無人島というべき完璧なフォームです。なんとこの絵に描いたような無人島に宿泊できてしまうのです。

到着した瞬間からこの美しい島と海を独り占め。「この島はワシが占領したのじゃ、ワッハッハ!」と海賊気分に浸るもよし、日々のせわしい生活を忘れてハンモックに揺られるもよし、人懐っこい名物犬と戯れるもよし、シュノーケリングを楽しむもよし。誰にも邪魔されることのない夢のような時間がここにあります。


名物犬ジープとジプシー。喧嘩の様子もここでは絵になる


この島はヤドカリだらけなので、ひたすらヤドカリを観察するのもいいですね

宿泊施設は男女別の相部屋となるコテージ。グループで来るなら貸切りも可能ですし、一人旅でもここで気が合う人と巡りあえばさらに楽しい旅行になるはず。

トイレや簡単なシャワー(バケツに水を入れて体にかける)と最低限の設備は整っていますがもちろんネット環境はありません。日本では経験できないワイルドな生活を楽しみましょう。


海も島も真っ赤に染まる美しい夕暮れ


常駐している管理人さん手作りのおいしいカレー。お酒を飲む方はボートに乗る前に買って持っていきましょう

就寝のときにも楽しみが。この島は一年を通して温暖で、しかも蚊がいないので雨が降っていなければ外で寝ることもできるのです。満天の星空で、波の音を聞きながら眠るなんて贅沢すぎる!
しかし自分は疲れていたのかコテージの布団に入るとすぐ寝入ってしまい、気づいたら朝でした・・・。


朝の景色もやっぱり絵になる


朝食も美味しい

1泊だけの無人島滞在でしたが、360度真っ青な海に囲まれてほぼ100%の大自然真っただ中に身をおき、心が洗われるような忘れられない1泊になりました。1週間も滞在したら心が浄化されすぎて人格まで変わっていたかもしれません。

しかしチュークで訪れたい島はジープ島だけではありません。ジープ島から直接向かったのはトノアス島、別名夏島。日本統治時代にチューク諸島(当時の名はトラック諸島)の中心であった島です。

太平洋戦争中この島は日本軍の南方前線基地として栄えていたため、アメリカ軍による大規模な攻撃を受け(トラック島空襲)、大きな被害を与えられました。けれども当時の様子をしのばせる光景も見られます。
こちらは当時の病院跡。


かろうじて当時の面影が残る程度ですが・・・


なんとここに住んでいる人もいて驚き!

また大正天皇の即位を記念して造られた公園も残っていたり、


「都洛公園(=トラック公園)」と書かれた石碑

島の学校では防空壕跡が見られたりします。


とにかく人懐っこい学校の子供たち

チュークの学校では運動会をそのまま「ウンドウカイ」と呼び、「イチクミ」、「ニクミ」・・・と組み分けして行うそうです。その他シャシンも普通に通じ、シャシンシャシンというと皆撮って撮って!とポーズを決めてきたりします。

ここチュークは、なんといってもダイバーにとって憧れの地。車のナンバープレートにもちゃんと「DIVER’S HEAVEN」=ダイバーの天国と書かれています。


ミクロネシアのかっこいいナンバープレートpart3

その理由は、日本の艦船が多数沈んでおり沈船ダイビングのメッカになっているため。日本がこの地に残した貴重な遺物が美しいサンゴ礁の海の中で何十年もの時を越え、世界中のダイバーを魅了しているのです。


一部の沈船は陸上からも見ることができる


ホテル内に展示された沈船の遺品


沈船スポットの地図。こんなに多数の沈船が・・・とあっけに取られてしまう

いろいろな島に滞在し、文字通りアイランドホッピングであった今回の旅行は、美しすぎる海に感動する心洗われる旅になりました。冗談抜きで自分の中の綺麗な海ランキングが毎日更新された気がする。
また、なかなか知られていないこの地と日本との様々な発見できたことも大きい収穫でした。特にミクロネシア連邦は人口の2割が日本人の血を引いているとされ、偶然出会う人に「私のおじいちゃんが日本人なんだ」など声をかけられることも。まだまだ世界には知らないこと、知っておきたいことが多すぎますね。これからも知的好奇心が満たされる旅行をして、その魅力をお客様へ伝えていければと思います。

【スタッフおススメ度】

●マジュロ(マーシャル諸島) ★★★★
南の島らしい美しい環礁と、首都らしくないのんびりした街並み。有名な見所はないがどこか居心地がいい。

●ポンペイ(ミクロネシア連邦) ★★★★★
コロニアは街歩きにほどよいサイズで、市場やお店をのぞいたり歴史的建造物をめぐるのが楽しい。世界遺産のナンマドール遺跡はぜひ訪れたい。

●チューク(ミクロネシア連邦) ★★★★
沈船ダイビングのメッカでダイバー憧れの地だが、ノンダイバーにもおすすめ!ぜひ絶景の無人島ジープ島に滞在を。

(2019年5月 伊藤)


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