どこにある国?第2弾 行ってみたらこんな国 フェロー諸島は北大西洋に浮かぶ島々です。

どこにある国?第2弾 行ってみたらこんな国 フェロー諸島は北大西洋に浮かぶ島々です。

大自然豊かな大小18の島々からなるデンマーク領のフェロー諸島。
そんな北大西洋の浮かぶ島々の魅力を紹介したい。

ナショナルジオグラフィックトラベラー誌で「世界一の憧れの島」でも選ばれフェロー諸島は、国中にさまざまな絶景が潜んでいる。
また、バードウォッチャーにとっても憧れの島国で、愛くるしい容姿のパフィンをはじめ多くの貴重な鳥たちにも出会うことができる。
さらにはフィヨルドの最深部や港などがある小さな村々は、おとぎの国に迷い込んだようなかわいらしい家々が立ち並んでおり観光ポイントになっている。首都のトシュハウンに滞在しながら終日観光などでフェロー諸島を満喫する。

成田空港よりコペンハーゲンで乗継ぎフェロー諸島の玄関口ヴァーカル空港に到着。夜8時過ぎだというのにまだ外は明るい。ただし北緯が高いのと強風があいまってかなり寒い。
空港より滞在先のホテルがあるトシュハウンへは途中展望ポイントで下車しながらではあったが約45分で到着。

今回の滞在先はホテル・フェロイヤル。
トシュハウンを見おろす丘の上に建つこの国一番といわれる4つ星クラスホテルは、伝統的な芝屋根の造りと北欧デザインがマッチした快適なホテル。各部屋からの眺めは最高。
ただし市内へ出るためには徒歩で約30分かタクシー利用(100クローネ)が必要。

また夕食時は予約必至のフェローで一番のコックが作るフレンチレストランのコース料理も自慢である。
設備はバスタブ、一般的なアメニティ、ドライヤー、アイロン、ミニバー、冷蔵庫、湯沸し、室内WiFi無料、無料のコーヒー・紅茶。
流通通貨はフェロークローネではあるが、デンマーククローネが普通に利用可能(等価)。
1クローネ=約18円。

観光初日。
朝から強風が吹き荒れ、今日は雨が降り出しそうな天気。
気温10℃前後とのことではあるが、強風のため体感温度は0℃くらいでは?
眺めのよいレストランで朝食を済ませ観光へ。

フェロー諸島では一日の中でも天気がめまぐるしく変わるということで、その日の観光の予定を天気により臨機応変に変更してくれるとのこと。
今日の予定も北部のハイキングツアーとのことであったが、天気が悪いので外洋へも出る島周辺のクルーズに変更される。天気が悪いのであれば外洋にも出るクルーズは・・・。

後でわかったのだが、クルーズは本来はミュキネス島行きであったが波が高く荒れているため、島周辺の周遊に変更されたとのことである。船はヴァーガル島沿いに移動しミュキネス島・ティンドホルム島の西端を巡る。途中、養殖サーモンの生簀も見学できる。

約90分のクルーズで案の定、かなり海が荒れていたため強い船酔いに襲われ、下船後もしばらく体が揺れている状態が続く。
雨交じりの曇った天気ではあったが、最初の観光でフェロー諸島を知るにはよい体験ができた。天気がよければ、どれだけ美しい光景が拝めたであろうかとちょっと残念な気持ちでもあったが。
昼食は空港近くの「北緯62度エアポートホテル」にてビュッフェ。
今回初めての地元料理で、船酔い後ということではあったが、特に特徴や癖があるわけではなくおいしく食べることができた。朝食でもそうであったが、パンが非常においしいのがうれしい。
午後からはヴァーガル島西端の村ガサダールの村へ。

かわいらしいおとぎの国の村と有名な滝のビューポイントを見学。

数軒の家と教会がある村は北欧特有の原色の壁やフェロー諸島特有の芝屋根がかわいらしい。

小さな村々はこの国全体ではあるが、フィヨルドの最深部や島の先端の入り江に多くあり、絶壁の横に造られていることも多い。住環境がよいように思えないのだが、この光景が訪れるものの心をつかむのかもしれない。

観察時期としてはちょっと遅いといわれていたが、パフィンの姿も見ることができた。

その後バーヴォルジュの小さな村を散策した後、ショッピングセンターも見学しその後ホテルへ戻る。

夕食はトシュハウン市内の地元でも人気のすしレストランにて。

北欧らしくサーモン中心のすしメニューではあるが、他にも焼き鳥やてんぷらなどすしレストランというよりも日本食レストランである。米も日本で食べるものと同じでまったく遜色がなくおいしい。料金は高いが日本酒もある(お猪口1杯くらいで約¥1500)。
北欧は物価が高いのは知られているが、陸の孤島であるフェロー諸島ではなおさらのようだ。ここで日本食が食せること自体驚きなので。
観光2日目。

今日は晴天。ただしやはり強い風は相変わらずで寒い。
パンがおいしい朝食を済ませ観光へ出発。まずはフィヨルドの展望ポイントへ向かう。
道中は昨日の景色(岩肌の見える山と芝の湿地)とあまり変わらないなあ。
その中でも気に入ったポイントでのシャッターチャンスを見逃さないように目を凝らす。
シャッターチャンスは今。同じポイントでも天気によりまったく違うので「後で」はダメ。
最初に訪れたのはカットラ・フィヨルド。

天気もよくフィヨルドを見渡す絶景の展望ポイントは最高。今まで多くのフィヨルド見学をしたが、天気がよいとなおさらフィヨルドの絶景を堪能できる。
次にチョルトナヴィークへ向かう。
途中、フェロー諸島で最大落差のある滝「フォス・ア・フォス」でフォトストップ。
階段状に落ちる滝の長さは147メートル。

その後もいくつかの絶景ポイントでフォトストップを繰り返しながら、チョルトヴィークに到着。チョルトヴィークは黒砂の静かなビーチがある、エストロイ島最北端の村。

宿泊施設やレストランなど観光施設はないないがプライベート感たっぷりの雰囲気のよい小さな村。

昼食のためストレイモイ島北東のギョグ村へ。北部のフェロー諸島版マッターホルンがある村である。
昼食はギョールガルドゥルホテル併設のレストランにてシーフード中心のオープンサンド風に並べたプレート。

昼食後ギョグ村を散策。パフィンが多く飛び交っている、巣も作っている断崖絶壁まで行ってみる。また村のはずれにある教会や漁師が昔遭難し追悼の意味で建てられた記念碑も見学。

その後、ソルダルフィヨルド近くのガーデンカフェへ。
フィヨルドビューの丘にあるかわいらしいガーデンカフェはオーナーの趣味で作られたかわいらしい庭が自慢。また奥さん手作りのスイーツもおいしくいただいた。

移動の途中で地元の人々の生活用品が売られているスーパーマーケットにも立ち寄る。

やはり物価がかなり高いのがわかる(ちなみに500mlのコーラ1本が約300円)。
その後、最高地点749メートルに観測所やレーダーが建つ崖の下が展望ポイントになっているソルンフェトルへ。暴風が吹くその場所ではカルドバクスフィヨルドの絶景を見おろすことができる。

フェロー諸島ではどこに行っても多くの羊を見ることができる。
一種ということではあるが、毛の色、長さなどがさまざまで一種類には思えない。
ホテルへ戻る。

夕食はトシュハウン市内のハフニアホテル内にある予約必須のシーフードレストランにて。
ビュッフェスタイルの食事は評判が高い。

観光3日目。
昨日までの天気がうそのように風がまったくなく、雲ひとつない晴天が広がっている。
今回一番のお天気。今日は予定に入っていたハイキングがやっとできる(個人的にはあまり乗り気ではないのだが)。

ハイキングポイントへ向かうために乗船するカーフェリー乗り場のクラクスヴィークに約1時間で到着。

出航後約20分で男島といわれるカルソイ島のシドラダールに到着し、そこから陸路でハイキングのスタート地点であるトロットラネス村まで移動。

縦長の島のほぼ先端向かうのだが、岩山をくりぬいた4つのトンネルを通り抜ける。
トンネルを抜けるごとに息を呑むほどの絶景を見ることができ、やはり天気の良さは大自然のすばらしい景色をより美しく見ることができるように演出してくれる。
目標は灯台のある丘の上。往復で約90分くらいであったが、まったくハイキングの準備をしていないため斜めになった山肌を歩くのはちょっときつかった。

足首が固定できるハイカットのトレッキングシューズやストックがあればもっと楽にハイキングができたと思う。
トロットラネス村のトイレもある休憩所で持ってきたランチボックスの昼食。

天気もよく青空の下での昼食は気分がよく、よりおいしく感じる。
昼食後は十数人しか住んでいないという村を散策する。
ここでは海に面した断崖に巣を作るパフィンも見ることができ、巣にも近づいてみたが元気に飛び回るパフィンを写真に収めることは非常に難しかった。

来た道を戻りシドラダールのフェリー乗り場よりクラクスヴィークに渡り、陸路でホテルへ戻る。
フェロー諸島での最後の夕食はホテル自慢のフレンチレストラン「KOKS」にて。
お皿ごとに違ったワインの提供があり、長時間をかけての夕食。
やっぱり長時間の食事は疲れてしまい、物足りなさも残り、自分には向いていないなあと感じた。約4時間掛けての夕食であった。

今回の旅行では改めて自然観察には天気が重要なポイントであると感じた。
同じ展望ポイントでも天気の良し悪しでまったく違う顔を見せる。
写真撮影でも後回しはダメである旨は文中で記載したとおり。
またフェロー諸島では人間がお邪魔してる感を強く感じ、人間主導ではどうにもならない自然に委ねる生活が必要であることも強く感じた。
まだまだ世界には自分の知らない国が多くあるのだなあと体感した旅行であった。

2013年8月 酒井

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