白夜と北欧デザインの世界へ ~フィンランド~

白夜と北欧デザインの世界へ ~フィンランド~

6月1日PM7:30
ヘルシンキの沖合いに浮かぶ世界遺産のスオメンリンナ島の風景である。
日本ではいくら夏至が近いとはいえこんなに明るくない。ここは白夜、そう、短い夏を迎えたフィンランドなのだ!!


この日私は、夏の観光シーズンを迎える直前のフィンランドを訪れた。
ヘルシンキの空港から市内へ向かうバスから見えるのは緑!緑、新緑!!
日本の緑とはなんだか違った。バスから降りて駆け出したくなるような、草の上に寝転がりたくなるような、そんな世界が広がっていた。
緑に囲まれた道を通り抜けると、ヨーロッパらしい町、ヘルシンキにたどり着く。ヨーロッパらしいといっても規模は他の国の首都に比べると大きくはない。各通りにはきちんと看板が出ているし、トラムも慣れれば簡単なので、ヘルシンキは女性一人でもとっても歩きやすい町だ。
最近、日本でも北欧デザインが人気だが、ヘルシンキを歩いていると、自分自身が北欧デザインの中に入り込んだような気分になる。

ヘルシンキは街全体が洗練されていて、歩いていて気持ちがいい。今、ヘルシンキには「デザインディストリクト」という北欧デザインのお店等を歩いてまわれる地区がある。有名な陶器やテキスタイルのお店に入ってみるのもいいし、ホテルのカフェや通りのレストランに立ち寄ってみるのもいい。それが一人歩きでも誰かと一緒でも、常に懐かしく、新しい発見をくれるだろう。
ところで、ヘルシンキ以外のフィンランドの町といえば、どこを思い浮かべるであろうか。サンタクロースのいる「ロヴァニエミ」、夏は太陽の沈まない「サーリセルカ」、それらを含むオーロラの「ラップランド」、ムーミンワールドの「ナーンタリ」などなど皆様ご存知の見どころはたくさんある。
しかし、今回はあまり知られていない場所、ガイドブックでも紹介されているのは2-3ページという町を2つ紹介したい。ヘルシンキ北東の「ポルヴォー」、そして北カレリアの「クオピオ」である。
1.ポルヴォー
 この町はヘルシンキから日帰りでも行ける。ポルヴォーはフィンランドで2番目に古い町であり、旧市街の石畳の上を歩いているだけで、中世にタイムスリップしたような気分を味わえる。ポルヴォー大聖堂でオルガンを聴いたり、カフェに立ち寄ってみたり、1871年創業のブルーンベリチョコレート店に立ち寄ってみたり、地元の人と触れ合いながらの待ち歩きが楽しい。
ポルヴォーにもいくつかホテルはあるが、ヘルシンキからバスで1時間なので、日帰り旅行にもぴったりの町だ。
2.クオピオ
ヘルシンキから国内線で約1時間。空港の目の前に湖と緑が広がるクオピオ空港に到着。クオピオは東部地方最大の都市と言われているが、人口は約91,000人、面積の多くが湖や緑という湖水地方である。
町にはマーケットや北欧雑貨のお店もあるが、ヘルシンキに比べると規模は大きくない。クオピオはぜひ、アウトドア好きの方、とことん自然を味わいたい方に訪れてもらいたい。コテージに泊まり、川を眺め、小鳥のさえずりを聞き、フィンランドらしいサウナに入ってゆったりと過ごすなんて、とっても贅沢ではないだろうか。

私が特に気に入ったのは、サウナである。フィンランドでは、日本の「湯船」くらいサウナが暮らしに定着しているため、コテージにもしっかりサウナがついている。サウナでたっぷり汗をかいて、湖に飛び込む!なんて体験ができるのもこのクオピオや東部地方の魅力である。
さて、このようにフィンランドは魅力的な町が多いのだが、フィンランドはバルト3国や北欧の国々など近隣の都市へのアクセスもしやすい。そんな中、今回は前述のクオピオから列車でサンクトペテルブルグまで行くことになった。私にとって、列車で国境を越えるのは初めての体験であったが、飛行機とはまた違った楽しさがある。フィンランド国境の町まではフィンランドの車両であった。

そしてそこから乗り換えた車両はブルーの車体のロシアの車両であった。(写真後ろの青い車体がロシアの車両である。)列車の外見も座席もトイレも乗務員さんも何もかも違う!!それだけでちょっと緊張したが、無事に到着。

日本を発つ前、友人に「ロシア人は皆、『サンクトはロシアで一番美しい町』と言っているんだよ」と教えてもらった。実際に訪れてみて、ロシアで一番かどうかは分からないが、とにかく美しい町!!であると実感した。建物や町が美しいのだが、フィンランドのような自然と調和した美しさとはまた違うのだ。歴史に翻弄されながらも懸命に生きた人々の軌跡を感じるような、強さや壮大なドラマを想像した。(ガイドさんに話を聞きながら歩いたからかもしれないが。
サンクトペテルブルグの見どころはたくさんある。大聖堂、血の教会、エルミタージュ美術館などなど。その中でも私が特に気に入ったのはペトロドヴァレッツのピュートル宮殿である。かつての王家が暮らした大きな宮殿は、外観も内装もとにかく豪華で、壮大で、素晴らしかった。1日だけ当時にタイムスリップしてエカテリーナ2世のいるこの宮殿を見て、その空気を味わって見たいと思った。

サンクトペテルブルグのお土産はやっぱりマトリョーシカである!町にはかわいいマトリョーシカがいっぱいで、ついつい立ち止まってみてしまう。
             

サンクトペテルブルグからは飛行機でヘルシンキに戻り、少しヘルシンキに立ち寄り、帰国となった。
フィンランドのおすすめのお土産もたくさんある。おすすめをご紹介したい。

やっぱり定番は北欧の食器!!

ムーミンの今年限定のデザインも気になる!!

1914年開業の老舗コーヒー店「パルヒアラ(PARHIALA)」

そのほかにいろいろおすすめのお土産、観光スポットはあるが、ぜひ実際に訪れてみて、自分なりの北欧らしさを発見してほしい。
美しい自然と、おいしい空気、優しくてあったかい人々と、歩きやすい町と、かわいい雑貨。いろいろ並べてみると、北欧は女の子にぴったりの場所だ。
ぜひ、日本から一番近いヨーロッパ、ヘルシンキへ!!
2009年6月1-10日 西田

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