南海の孤島イースター島とハネムーンのメッカ・タヒチ

南海の孤島イースター島とハネムーンのメッカ・タヒチ

南海の孤島イースター島とタヒチの組み合わせを奇異に感じられる方も多いと思う。実際イースター島には主に2つのルートがあって、サンチアゴ経由で入るのと、タヒチ経由で入るルートがある。成田~サンチアゴまでの所要時間は22時間弱。そこからイースター島までは飛行機で5時間40分。一方成田~タヒチ間は11時間。タヒチからイースター島まで5時間15分。お分かりの通りタヒチルートが圧倒的に早くて便利だ。すぐイースター島には行けないので前後、楽園のタヒチに滞在しなければならないが。(ハネムーンのメッカのタヒチを経由地なんてなんと贅沢な)イースター島の場所を確認すると、タヒチから4,000㎞、南米のチリから3,800km、最も近い人の住む島まで1,900kmとまさに南海の孤島だ


こんな秘境の地になぜか日本人を引きつけるものがあるのだ。それは「モアイ」。巨大な石の像「モアイ」は日本各地で展示会が行われるなど日本人の郷愁を誘い非常に人気が高い。「モアイ」の顔をよく見るとバレーボール選手のゴッツこと石嶋雄介にそっくり。日本人と同じDNAを持つ祖先がインドシナ海、南太平洋をはるか舟を漕ぎ南海の孤島にたどり着いたのだと思うしかない。亡き映画俳優、松田優作にもそっくりとくればあながち私の推理も捨てたものではないと勝手に思っている。昔はすべての「モアイ」の頭の上には帽子があったが、よく見るとそれは日本の侍のちょんまげとも見える。いやそうに違いない。このちょんまげ、「プカオ」はアナケナ海岸にあるアフ・ナウナウのモアイの4体の頭にきっちり載っている。なぜ、大きいのは20mも越す「モアイ」が見つかっただけでも1000体もあるのか、何のために造られたのか、どのように造られたのか、その目的は何なのかは大いなる謎だ。部族間の権力を表すため造ったとも言い、ほとんどのモアイは海を背に村を守っているようにも見える。モアイの眼から出る強力な電波を恐れ、ほとんど眼は敵の部族に取られた。(見た目は無い方が神秘的だが)

1722年のイースターの日に発見された故にその名のついたこの島の魅力はモアイだけではない。地球の丸さを地平線から感じ取れるのだ。時間と喧騒さを忘れ、自然の中に一体化してしまう。夕日はあくまで赤く、星はどこまでも澄んでいる。星を見るため夜中の2時に起きることも全く苦ではない。今日の夕食も昨日と同じ絶品のマグロのカルパッチョを食べながら、真っ赤な夕日にうっとりしてしまう。虹のような色を醸し出す、ラノ・カウ山の火口湖の美しさといったら形容のしようがない。

それらをすべてを支えているのが、4,000人の島の人々だ。暖かく、人なつこく、親切で、誠実だ。地元の民家の料理もとても美味しかった。地理的な意味だけでなく、ここは本当の意味で最後の楽園・秘境かもしれない。


国際空港はパペーテ、タヒチ本島にある。ここからボラボラ島やモーレア島に向かう。タヒチといってもパペーテの町は大都会。朝夕は車の交通渋滞があり、人も多い。町の真ん中には写真のル・レトロのような洒落たカフェが並ぶ。ゴーギャンの愛したタヒチのイメージとはだいぶ違う。とは言うもののやはりタヒチ。ラディソンプラザホテル前の美しい黒砂海岸。美しいタヒチアンダンサーやすぐそばに見えるモーレア島の眺め。ホテルも一流が勢ぞろい。他の島に行かずともタヒチを満喫できる。


タヒチ本島から高速船で30分、フェリーでも1時間でモーレア島に到着する。ここモーレア島はもっともタヒチらしさを残していると言われるのもうなずける。人も少なく、車もまばら。ビーチにはのんびりムードがあふれている。

もちろんホテルは超高級。きれいな海と水上コテージ。あこがれるタヒチがここにもある。仕上げは島の象徴「バリハイ山」。その洗練された姿に心を奪われる。


パペーテから飛行機で45分、各ホテルの船が迎えに来ている。海の蒼さ、ホテルの豪
華さではボラボラ島の右に出る島はないかもしれない。海にバスクリンをばらまいたかと思うほどの乳白色をした蒼い海。海の色が違う。超・超・超一流のホテルばかり。一生の思い出を作るのに最適な島だ。ウエデイングセレモニーをあげる日本人カップルの気持ちもよーく分かる。これほど舞台装置が揃っているところがあるだろうか。

最後に泳いでいるだけでは退屈と言う方にスリリングなジープサファリをご紹介。道なき道をぐんぐんジャングルを進み、キャーキャーと悲鳴をあげていると、全島が見渡せる頂上に到着。古い大砲がアンバランスでおかしい。そこから見た絶景はいい思い出になること間違いなし。いろいろな顔を持ったタヒチだが、こんなに贅沢なところがこの地上にあったなんて、人間の欲望は深くて大きいものだ。

2007年11月10日~19日    本山泰久

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