子供のころからの憧れの島イースター島

子供のころからの憧れの島イースター島

051201_5.jpg子供のころ、世界の7不思議をはじめ世界中の遺跡・自然などを紹介する雑誌があった。大人になったら自分の目で見たいと思ったその中には、ペルーの「空中都市マチュピチュ遺跡」や「ナスカの地上絵」、ブラジルの「イグアスの滝」、イギリスの「ストーンヘンジ」、アメリカの「グランドキャニオン」や「ナイアガラの滝」など、子供心にたいへん興味をそそるものであった。もちろん今回行ってきた「イースター島」もそのひとつ。子供のころよりあこがれていたその神秘の島へはタヒチから行くルートを取った。タヒチの玄関口パペーテを飛び立ったのが、夜中の01:00。太平洋のど真ん中を飛んでいるため揺れが予想されたが、全く問題なく所要時間約5時間で予定通りイ-スター島に到着した。
*空港到着時にテング熱についての注意事項が記載された紙が配られた。
万が一熱が出た場合など病院やホテルに連絡をして治療を受ける。(無料にて)


いつものことながら服装については無計画だったが考えが甘かった。かなり寒い。南極から来る寒流の冷たい水のおかげで、強い風に乗り冷気を運んでくる。現地の人たちは厚手のジャンバーやセーターを着こんでいる。寒さには比較的強いのだが、日中でもTシャツだけでは到底耐えられない。万が一を考え薄手のウィンドブレーカーを持ってきていたので何とかしのげたのであるが(*今回はタヒチにも滞在するので絶対夏服だと思っていたが、日本を出るときちょっと肌寒かったのでウィンドブレーカーを着ていた。それが役立った。)、しのげた程度で快適ではないので皆さんは防寒も考えてください。何はともあれとりあえずはホテルへ向かう。1泊目はマナバイホテルに宿泊する。観光は午後3時からのため、身支度を整え、水などを買うためメインストリートにあるスーパーマーケットへ。ホテルより歩いて5分ほど。一番のメインストリートも「こんなものか」という感じ。買い物はUSドルが利用が可能あるが、小額紙幣でないとだめ。
一旦ホテルに戻り荷物を置き、今度は海のほうへ向かう。ここも歩いて5分程度。ガイドブックにも載っていないようなモアイが一体海に向かって立っている。小さくパッとしないモアイであったが、初本物モアイにちょっと感動。
051201_6.jpg15時より島内観光へ。外は雲が多く雨が降りそう。まずは、カノカウ火山の火口湖「オロンゴ」(島人の儀式が行われる場所・岩絵・住居跡)を見学。次ぎの「タハイ」へ向かう道中、激しい雨に。周囲約60Kmの小さな島でも場所により天候が違うとのこと。今回初のメジャーなモアイ像見学。
*モアイ像だが、最初に作られた頃のものはみんなが知っている顔の長い巨大なものではなく、丸い顔や約30cm~50cm程度のものであったが、7世紀以降巨大化した。モアイ像の下に祭壇(アフ)があるのは、ここがお墓であったためとされ、モアイは日本で言う墓標みたいなもの(位が高い人たちの)と考えられ、現に祭壇の下からは相当数の人骨が出土している。昔のポリネシアの人たちの身体は比較的大きく、男性は172cm/女性は156cmが平均(出土した人骨より)であったようだ。タハイに到着。ここでは完全とはいえない5体のモアイ像「アフ・バイウリ」、「アフ・タハイ」さらに、眼が入った(レプリカの眼)「アフ・コテリク」を見学する。
051201_7.jpg*本来、モアイ像は眼が入って完成といわれ、神聖なものとなる。眼が入ることにより「マナ」と呼ばれる眼通力を発し、村を守る(言い伝えのひとつ)。これが元で「モアイ倒し戦争」が起こったといわれる。一旦は全てのモアイ像に、復元の際に眼を入れたが、復元としてはやりすぎという意見より、全島で1体のみ残し取り外された。終了後、ホテルに戻る。ホテルに戻ったとたんまるで台風のような風と雨。今日の宿泊はハンガロアになるため移動。夜は何もやることがないため食事をし休憩。
051201_8.jpgイースター島2日目
今日は終日島内観光。昨日とうって変わって天気がよさそうだ。
まずはバイフヘ。ここは17世紀中頃から19世紀中頃にかけて起こった、部族間の争い(モアイ倒し戦争:フリモアイ)によってうつ伏せに倒されたモアイがある。また、「パイナ」と呼ばれる宗教儀式の舞台も残されている。次にアカハンガへ。ここもフリモアイによって倒されたモアイ像が残る場所、かつてあったとされる大規模な集落の遺跡も見ることができる。また、伝説の酋長「ホツマツア」(イースター島の初代の王様)が葬られたといわれる場所でもある。続いてはトンガリキヘ。有名な(よく写真等でみる)15対のモアイ像が立ち並ぶ、かつては島最大規模の集落があったであろうと推測される場所。これらのモアイ像は日本のクレーンメーカー「ただの」の協力の下に修復・復元された。またここは絶好の日の出スポット(夏季)でもある。15対のモアイ像が並ぶ様は壮観である。午前中最後の場所はラノララク。ここが今回のイースター島の観光ではメインになりえる場所だと思う。島内のほとんどのモアイ像が作られた場所で、約400体のモアイが製作途中のままの状態で残っている。それ以外にも地中に埋もれたものや、岩山から切り出し途中の物など、さまざまなモアイを見ることができる。ここにはお土産屋やトイレもある。昼食は用意されたボックスランチ。出発前にチキンかフィッシュを選択しておく。午後からの観光はテピトクラから。テピトクラとは「光のへそ」という意味。直径70cm程の不思議な丸い石があり、方位磁針をおくとくるくると回ってしまう。となりには以前立っていたモアイ像の中で最大といわれる(9.8m)、「モアイ・バロ」が倒されたまま残っている。今日の最後はアナケナ。白い砂と椰子の並木が特徴でビーチになっている。酋長ホツマツアを祭ったとされるモアイ像がたっている。
051201_9.jpgふんどしをしたモアイ像があることで有名。1時間の自由時間があり泳ぐことも可能(但し、水は非常に冷たいが・・・)。トイレもある。今日の観光はここまで。ホテルに戻る。夕食は一般家庭でのラパヌイディナーへ。簡単に言えばバーべキューみたいなもの。とり・豚・牛肉を網で焼き振舞ってくれる。通常だとワイン1本が料金に含まれているが、ここの主人にたいへん気に入られ、次から次へとワイン以外のお酒が出てくる。しまいには在庫がなくなり追加のお酒を買出しに行く有様。途中地元の友人も訪ねてきて、飲めや歌えの大宴会になる。言葉がわからなくてたいへん楽しいひと時を過ごした。久しぶりに飲みすぎた。恐らくワインに換算したら、1人5~6本は飲んだと思う。写真も酔っているため、ブレブレになってしまった。(お酒を飲んで記憶が飛んでしまうことはめったにないのだが、どうやってホテルにたどり着いたのか、覚えがない。タクシーを呼んだような、家の人に送ってもらったような)。
051201_10.jpg翌日、案の定2日酔い。イースター島最終日。予定通り観光へ出発。ガイドも私も酒臭い。まずはプナパウへ。モアイの頭にのっている「プカオ」が切り出された場所。ここの小高い丘の上からはハンガロアの村が一望できる。酔った身体には心地よい風が吹いている。次にアキビへ。唯一海を見ている(前述したようにモアイは村を守るために内陸に向いている)モアイ像が7体立ち並んでいる。これらの見つめる先は、春分・秋分の日には日没の方向と重なり、美しい夕日が見られるとのことである。つづいてはアナテパフ。火山活動によりできた洞窟のひとつ。住居として、また農作物を育てるために利用された。19世紀には、度々やってきた奴隷狩りから逃れるための隠れ家としても利用していた場所。人が住んでいた形跡がみられる。最後はビナプ。インカの遺跡にも似た石組みからできた祭壇がある。終了後ホテルへ。出発が夜中のため、それまでお土産屋に行く。村の中心あたり(前出のスーパーマーケットの近く)にお土産屋が集まった、モールがある。モアイ像の木彫りの置物や石を彫った置物。Tシャツなどが売られているが、ゆっくり探せば面白いものがたくさんありそうだ。シャワーを浴び出迎えを待って空港へ向かう。
今回の旅程では、一般的な観光ルートに乗っての観光であったが、馬に乗ったり、4WDを利用して内陸部にも行ってみたかった。(観光ルートは海沿いがほとんど)。ただ、子供の頃より一度は見てみたいと思っていたモアイ像を目の前にし、体の中から振るえあがるような感動したことは確かである。もしまた機会があれば、ゆっくりとした日程で自分なりの発見をしに行きたいと思う。
酒井光浩

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