北京・上海 中国二大都市の旅

北京・上海 中国二大都市の旅

私は横山光輝の描いた漫画の『三国志』、『史記』、『項羽と劉邦』などを読破しており、中でも三国志は全60巻を持っているという(自慢にならないけど)ちょっとした中国歴史にわかファンだ。(といっても読んだのは漫画だけで、マニアの方には足元にも及ばないのだが。)とにかく、出てくる皇帝達はもんの凄い権力を持って何万人、何十万人の人を処刑したり、何百人という側室を持ったり、都を燃やしちゃったり・・・、とその歴史のスケールの大きさを生きてるうちにいっぺん見とかないと、とずっと思ってたので今回研修で中国に行けるというのは幸運だった。


関空から中国国際航空に乗り込み、手荷物を頭上の荷物入れに入れようと開けてみてびっくり!!電化製品だらけ・・。日本に来た中国人の方々のお土産であるが、そういや会社の近くにあるヨドバシカメラにいくと必ず中国語でもアナウンスが流れている。中国人をはじめ多くの外国人も日本の電化製品を大量に買っていることを飛行機の中で実感。あと、驚いたことはスチュワーデスさんも中国語で話しかけてくることであるが、どこの国に行っても私は中国人に間違えられるので、きっとこの人も間違えてるんやろと思ってた。だが、あとあと気づいたことは、どの中国人も相手が外国人であろうが誰であろうと中国語でワーっと話しかけ、話しつづけるのが普通であることだった。今まで会ったことがある人は外国人と気づいた瞬間にジェスチャーを使ったり英語を使い始めたり、という人が多かったのでこのことは新鮮だったし、中国人ってなんだかかっこいいなぁと思ったことの一つだった。
北京空港で李さんというガイドの方に迎えられ、車に乗り込み北京の町を見ると凄い車の量で、街には高層マンションがたくさん建ち、通勤バスには今まで見たこともないくらいの人がぎゅうぎゅうに押し込められていた。
北京についた翌日、故宮へ観光に行く前にちょっと早起きして骨董品など古い物を売る店が並ぶところ、琉璃廠へタクシーで行ってみた。ただ古い町並みを見にきたのだがもちろん早朝なので骨董品の店は開いてないのだが、ちょっと奥の道へ入ると子どもが学校に通う風景、小さな市場で餃子のようなものを売ってたり、という風景に出会うことができた。このときも何人もの人に中国語で話しかけられたのですっかり気を良く(?)して、ホテルへと帰る道にはバスに乗ってみよう!とはりきって挑戦してみた。確かこのバスがホテルの近くを通ってた(と思った)バスにのったのだが、通勤時間だったので今まで体験したこともないもの凄い人でぎゅうぎゅうにもまれながら、いついくらお金を払えばいいのだろう?どこで降りればいいんだったっけ?と考えていた。バスの車掌さんは客が乗ってきてもいっこうにお金を集めようとしない、というか動けないほど人が多いので(後からわかったのだがみんな定期を持ってる人が多いからなのだそうだが)払わず勝手に降りていいんだな,と都合よく解釈して下車したのだが、降りたところが間違えていてしかも雨に降られてどのタクシーも既にお客さんがいてひろえず道に迷い右往左往してたところを結局八百屋のおじちゃんにホテル前まで連れてってもらったという事態になってしまい、ガイドさんとの待ち合わせ時間に遅れてずいぶん心配をかけてしまった。縦さん、ごめんなさい。無銭乗車した罰があたったのかな、と思いつつもちょっと面白いハプニングだった。
故宮の見学を終え、午後から万里の長城の八達嶺長城に行ったのだが、その日は運悪く10m先が見えないほどの霧がたちこめ、長城が山に沿って連なっている風景を見ることができなかった。ガイドの縦さんによれば、こんなことは一年にほんの数日だけだという。うーん、なんという不運・・。絶対にもう一度万里の長城にくるぞ、と心の中で誓った。
帰りによったジャージャー麺を食べた店は、店員が全員男の人で服装が上半身の裸の上にバスケットの練習試合で着るゼッケンのようなシースルーの服を着ているんだけど(あまりセクシーとは言えない)、お客さんが来店すると「何名様、ごあんな-い!!!」と全員で太い低い声でいうものだから、私は思わずそのたびにビクッとしてしまった。色んなお店で関羽が商売の神様として祭られているのだが、このお店でももの凄く立派に飾られていて思わず「みんなに尊敬されてやっぱり関羽ってかっこいいなぁ」とうっとりしてしまった。
竹園賓館翌日いくつかホテルをみて周ったのだが、私が一番いいと思ったホテルが竹園賓館である。建物が中国式で竹林に囲まれた庭園が素敵で立地も静かなところにある。
その後大柵欄をぶらぶらと散策したのだが、そこには有名な老舗が多くお茶、小龍包、薬屋など中国的情緒があふれるところなのだが、私はそこでぎっくり腰の母に湿布薬、中国にきて食べ過ぎてしまった自分へ痩せ薬とダイエットのお茶セットをお土産に買った。
大柵欄 それから、李さんに見送られ列車に乗ったのだが、私の乗ったのは軟臥で4人部屋だがテレビも付いててかなりきれいで快適だった。同室の人は中国人のおっちゃん3名で質問攻めにあったが何を言ってるのかわからないため「うんうん、そうそう」と日本語で相づちを打ってコミュニケーション成立。そして夜になるとそのうち一人のおじちゃんがお約束以上の豪快ないびきをかき始めたが、その部屋全員が問題なくぐっすり眠れたようだった。
上海駅についてガイドの任さんに迎えられ、車に乗り込んでびっくりしたのが、乱立する高層ビルの波だった。思わずポカーンと口をあけてしまった。上海がこんな大きな街だったとは・・・。街には洗練されたおしゃれな人たちであふれているし、人々の服装、走っている車の種類の多さ、きれいさ、などは北京とは違う。中国に来る前によく聞いた話は「中国人は食べ方が汚い」とか「街中でたんを平気できる」とかだったんだけど北京・上海に関してはそのような光景は一回も見なかった。(「しゃべる声が大きい」というのは事実だったけど)上海にきてさらに今まで持っていたイメージを払拭された。この数十年に急激な発展をとげ、それは現在進行中で人々も変ったんではないか。何もかも新しくなりその変化に上海人もついていけず、ちょっと残念に思っている上海の人もいるそうだが、私はグランドハイアットの88階からみた夜景は人が作った新しいものだけど純粋に美しいと思ったし、エキサイティングでおもしろい上海がとても好きになった。
金門大酒店ファイブスターで使うホテルに関してだが華東大酒店は地下鉄の駅のそばにあり便利でSARSの時期を利用し部屋のリノベーションを行ったばかりなので、とても清潔、きれいで居心地がいい。鉄道賓館は町の中心地にあり、2つ星ホテルだが、部屋はこじゃれたモダンな部屋と木目に合わせた色調の部屋等があり、割と清潔だった。今度泊ってみたいと思ったのが金門大酒店で、格式高すぎることもなく、外観も部屋もクラシックで美しい。
あと上海名物のものに関してだが、上海にきたら絶対、上海雑技団をその目で見て欲しい。思わず目をふさいでしまうようなアトラクションが最初から最後まで続き、満足すること間違いなし。和平飯店のOLDJAZZBANDは、どうも演奏が素晴らしいから有名というわけではなくメンバーがみんなお年よりだから有名なようだ。演奏もジャズというよりマーチに近いような感じを受けた。雰囲気は良い。豫園は中国式の庭でそれほど古くなく、近年増築されたりもしてるようだが、上、下:豫園はぁっとため息がでるような美しさで、是非再び訪れたいと思うほどだった。
中国は広くまだまだ訪れるべき名所があるので、今度はもっと中国について勉強してもっといろんなところに行こうと思ったし、北京・上海にも再び訪れたい。
辻 理恵子
2003年9月

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