来たれ遺跡好き!ハリラヤのインドネシアで世界遺産を巡る旅!

来たれ遺跡好き!ハリラヤのインドネシアで世界遺産を巡る旅!

6月の日本には早くも夏の暑さが到来。日本の夏は湿度も高いしじめじめしてるしべたべたするし、もうこの暑さから逃げたーい!!そんな思いを抱いてやってきたのはまさかのインドネシア!日本より暑いやないかい!ということで、


どーん。ボロブドゥール遺跡~~

やってまいりましたインドネシア。
6/4、ジョグジャカルタ空港についたのは、デンパサール空港で乗り継いでからの夜八時頃。
空港でガイドのアグスさんとドライバーのボウォさんに初めましてのご挨拶をして、ボウォさんの運転でホテルへ。ホテルまでの道は、今まで私が体験してきた渋滞の中でも、最高に賑やかで華やかな大渋滞であった。というのも、私が現地に到着したその日は年に一回の断食明けのお祝い、ハリラヤ真っ最中だったから。街の皆がいえーい断食おわたーと、どんちゃん騒ぎお祭り騒ぎ。よそ者の私を乗せた車を通り過ぎるのは、イルミネーションの装飾をして周囲にけたたましいほどのEDMを響かせるトラック。その荷台にはすし詰め状態になって人々が座り、歌をうたったり笑顔で語らったりしている。花火や爆竹の音とコーランがしきりに色んなところから聞こえてくる。6/4から1週間ほどはお祝いの日々だそうだ。ムスリムでもない日本人がこんな一大行事の雰囲気を感じられるのはとっても貴重な体験。ただ、ラマダン明けから2、3日は多くの店や観光地も閉まるので、旅行に行くならハリラヤの時期は避けるのがベスト。と痛感した数日間の記録をお伝えしよう。

まず初めの観光地は、先程どーんと登場しましたボロブドゥール遺跡。これは7時頃の景色。

6/5の早朝、ボロブドゥール遺跡の日の出を見ようと、真っ暗な中72もあるストゥーパに囲まれながら、そしてガイドのアグスさんの子どもの話や就職の話に耳を傾けながら、体育座りでお日様を待った。昨日のお祭り騒ぎの花火がホテルの真横で夜通し鳴り響いたことで眠れなかった私は、目を開けつつ寝ていた、いや正直言うともう目を閉じていた。ごめんネ、アグスさん。その日は霧が濃い朝だったので、6時になって回りが明るくなってもお日様が見えない。これもはやお日様昇ってる並みに明るくない?という疑惑が頭をもたげたころ、アグスさんがおもむろに立ち上がって、「申し訳ないけど、お祈りしたいから7時までここにいて」と言った。なんでも断食明けの祭日で、6時半から30分、ムスリム達が集まってお祈りする時間があるらしい。私の頭は完全に眠っていたので、二つ返事で合点承知。ということで置いてけぼりをくらった私は、6時から1時間、ボロブドゥール遺跡であぐらをかいて仮眠をとるという貴重な経験をしたのであった。


アグスさんが戻ってきた時の私。睡眠時間を懇願。

ホテルに戻って朝ご飯を食べた後は、ボロブドゥール遺跡群のパオン寺院とムンドゥ寺院を見学に。パオン寺院はボロブドゥールから東に1.5km、パオン寺院からさらに東に3km行くとムンドゥ寺院があり、地図を見ればよく分かるが、東西一直線上に等間隔で並んでいる。それはまるで京都の鴨川に腰掛ける恋人たちのよう・・・。(わかる人にはわかる話)


パオン寺院。寺院といってもこんなに小さい。


壁のレリーフ。綺麗に残っているところも多い。


祠の内部はなにもない。盗まれちゃった。


こちらはムンドゥ寺院。パオンよりは大分大きめ。


ムンドゥ寺院を囲う菩提樹。あれ、ガジュマルだったっけアグスさん。


ムンドゥ寺院をバックに菩提樹兼ガジュマルと

6/6
おはようございます。ということでこの日は朝からソロへ。車で三時間、と思いきや祭日の渋滞にはまってもっとかかってしまった。やっとついたと思ったら、ちょっと楽しみにしていたマンクヌガラン王宮は祭日で閉まっている。仕方ないな、次の観光までの時間つぶしに行くか、とアグスさんに案内されたトリウィンドゥ市場も祭日で人っ子一人いない。その後の予定で入っていたカスナナン王宮も閉まっていて、どこか別の開いていそうな観光地をアグスさんが捻出しようとしてくれたが、ブガワンソロの川に行くにもかなり遠いし、この渋滞だと日が暮れてしまう。かといってスク寺院に行くにも遠いしで、色々アグスさんが悩んだ結果、どこも観光しないまま私のソロ観光は幕を閉じた。何しに来たんだっけ?とアグスさん、ボウォさんと3人で失笑。恐るべし、ハリラヤ!

帰り道、ソロの観光を何もできなかったことを申し訳なく思ってくれたアグスさんが、ジャコウネコのコピルアックの工場に行こう!と提案してくれた。観光をまったくしていないせいもあってかこの提案には大興奮!コーヒー好きだしね!ということで幸いにも開いていた工場でコピルアックが出来るまでを、社長さんが日本語で説明してくれた。


工場の看板


バナナを喰らうジャコウネコさん。


コーヒー豆covered withジャコウネコの糞。糞は無臭だから糞っぽくない

@ 0239
綺麗に洗浄されたジャコウネコの糞。じゃなくてコーヒー豆。


何日もの間、干すそうです


これが、かの有名な、世界一高価なコーヒー・・・!!

日本では一杯2,000円~5,000円の高値で出される「世界一高価なコーヒー」を無料で堪能できた私、お土産にコーヒー豆を買えた私は大満足。そんな私を見てアグスさんも大満足。我々お互いの救いとなったコピルアック工場よ、ありがとう。

へぇ~ハリラヤの一日目って大変なんだね。
いやいや、ハリラヤを侮るなかれ。二日目も大変でした。

6/7、午前中はマリオボロ市場へ。朝から果物や野菜、洋服、お菓子や朝ご飯、色んなものを売りに来る人々で市場はかなり賑わっていて、道路も大きな荷物を乗せた車とバイクでいっぱい。


マリオボロ市場。名前の由来はマルボロからきてるんだって。


馬車も通る

今日は朝から滑り出し好調だね、とアグスさんに言うと、「今日はもう全部大丈夫、任せてよ影山サン」とにんまり笑顔で言われた。猛烈に不安だ。

そして案の定、不安は的中したのであった。ジョグジャカルタの王宮に行こうと思ったら、ジャカルタからお忍びで来ている大統領が王宮を見て回っているだとか。アグスさんが「大統領来るなんて聞いてない」と言い出す。そりゃお忍びだからね。ということで、王宮の中には入れず、入り口のみを観光。その後水の王宮へ行って、こちらはちゃんと観光できた。水の王宮は文字通り水の王宮で、かつて王様と彼女たち(愛人たち?)が戯れたであろうプールがたくさんある。今では誰も入れなくなっているが、プール周りの建物や景観の美しさからか観光客は多い。そして心なしか若者の観光客が多いような・・それも男性グループ、女性グループと別れて集まっている・・・ここはもしやと思ってアグスさんに聞いてみると、見事女の勘が的中、ここはナンパスポットらしい。王様がたくさんの女性をはべらせていたのにあやかろうとしているのね。単純。若者たちがキャッキャと出会いを楽しんでいるのを尻目に、はらぺこの私はアグスさんを急かして王宮を出た。

その後散歩しながら、ランチのバイキングレストランへ向かった。道中アグスさんはそのレストランのお勧め料理を細かく教えてくれ、アグスさんの友達も働いているから紹介してくれるとのことで気分はわくわく!しかしのちに気づく。あぁ、期待などしてはいけなかったのだった、と・・。辿り着いた先の閉じたレストランの門には、「本日臨時休業」の手書きメモが。「えー・・・まじかー・・・」と私が物悲しげに呟いた瞬間、アグスさんは先日からのこの調子では私がこの旅に満足できないぞと焦り始める。あ、言っておきますがわざとそんな声出したんではないですよ、決して。

すぐにアグスさんは切り替えて、別のレストランを探し、電話で空いているかを確認してくれた。幸い開いており、向かう道中バティック工房へ寄って行こう、ということに。


バティック工房


アグスさん。休憩中。


バティックの作業場、染場。誰もいませんでした。

「普段はここで皆作業してるんだけど今日は祭日だからいないネ」と申し訳なさそうなアグスさん。なんだかアグスさんが本当にかわいそうになってきた。ムスリムが皆休んでいるということはアグスさんもボウォさんも本来お休みのはず。そんな中タイミング悪く来てしまったムスリムでもなんでもない私のお世話をしてくれているのに、こんなに申し訳なさそうな顔をさせてしまうなんて・・。こちらこそ申し訳ございません、アグスさんボウォさん。ありがとうございます。二人といて話せるのがすごく面白いから、観光なんてどうでもいいよ。ということで、せっかく誰もいないなら、と二人で遊んでみた。


作業してるふりな私。


作業してるふりなアグスさん。


やたら写真を撮ってくれるアグスさん。

たっぷり伝統的なバティックを購入して大満足。ほくほくな気持ちで連れて行ってもらったランチのレストランは、レストランというより大衆食堂。地元感漂う雰囲気が大好きな私は、ランチのレストランが閉まってくれていてよかったと思った。しかも出てきたフライドチキンが今まで食べたチキンの中で最上級に美味しかった。ケンタ〇キーなんて目ではない。めちゃくちゃ美味しい。食べ物で感動したのはとんでもなく久しぶりである。
うまうまなフライドチキンを食べてほくほくな私を見て、アグスさんが心底安心しているのがとてもよくわかった。お互いにほっとできたチキン食堂、ありがとう。


チキン。うまし。

午後はプランバナン寺院へ。インドネシアといったらボロブドゥール遺跡とプランバナン寺院、と勝手に思っていた私は割とこの遺跡を楽しみにしていた。


プランバナン入口。む?なんか人多い?


プランバナン内。すごい人多い・・!


恥ずかしそうに一緒に写真撮ってって言ってくれたガールズ。


やはりこういう装飾やレリーフが魅力的・・


一つ一つの物語・逸話をアグスさんが説明してくれる。


ほら、ヒンドゥーは大体卑猥。とアグスさん。言葉のチョイスに笑った


撮って~って話しかけてくれたBOYS&GIRLS

一通り回って観光客の多さに驚いたけれど、同時に意外と地元の人たちも多いことに気づいた。皆座ってゆっくりしたり、子どもは嬉しそうに走り回っていたりする。彼らにとってはプランバナンは世界遺産の遺跡、というより日常の一部、身近な公園のような存在なのかもしれない。こんな憩いの場がうちの近くにもあればなー。


遺跡に遊ぶ。

インドネシアといえばバリ島と思う人も多いでしょう。勿論バリもゆっくりしたりショッピングしたり、楽しいでしょう。でも私は勧めたい。ジョグジャカルタ、ボロブドゥール、ソロ(観光できれば素敵なところだと思う)、この田舎感、素朴な遺跡群、ひとの楽しさ、優しさ!観光地すぎるバリではなかなか難しい地元の人の生活に触れたり、話したり、一緒に笑ったり、素敵。やっぱり私は田舎と素朴が好きだと感じた旅だった。

<オススメ度>
・ボロブドゥール遺跡群★★★★・・・72あるストゥーパはひとつひとつ趣向が凝らしてあって昔の方々のアイデアを尊敬せずにはいられない。写真を撮るだけでなく、装飾にも注目してみてください。
・コピルアック工場★★★★・・・世界一高級なコーヒーの生産地!これは見ておくべきです。見学すれば味見として無料で飲めちゃうところがお得!
・プランバナン寺院★★★★★・・・一大観光地でありジモティーの憩いの場。観光した後は遺跡周りの原っぱでごろり寝転がるのもよし。

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