2島2様5街5様100種100様のインドネシア

2島2様5街5様100種100様のインドネシア

300以上の民族が共存する国。世界人口第4位の国。島の数が1万を超える国。ナシゴレンの国。
宗教も文化も違う人々が交わって生きているエネルギッシュで魅惑的な国、インドネシア。
今回はそんなインドネシアの中の2島、バリ島とスラウェシ島を訪れた。
【バリ島&スラウェシ島7泊9日の旅】
1日目:成田→バリ島【バリ島泊】
2日目:バリ島観光【バリ島泊】
3日目:デンパサール→マナド【マナド泊】
4日目:マナド市内観光/タンココ自然保護区ジャングルトレッキング【タンココ自然保護区】
5日目:タンココ自然保護区ジャングルトレッキング→メナド→マカッサル【マカッサル泊】
6日目:マカッサル市内観光→タナトラジャ【タナトラジャ泊】
7日目:タナトラジャ観光【タナトラジャ泊】
8日目:タナトラジャ→マカッサル【機中泊】
9日目:成田
●バリ島
日本でも人気の旅行先でお馴染みのバリ島。空港についた瞬間から感じる南国特有の暑さと世界中から集まるサーファーや観光客。その中にいる、それだけでテンションがあがる。
今回滞在したクタ・レギャン地区はビーチだけでなくショッピングや多国籍レストランも集まる人気のエリア。最近はショッピングモールやおしゃれなカフェも多く、世界中から多くの観光客が集まり、昼夜問わず賑わっている。バリ島ビーチはクタ・レギャンだけでなく、スミニャック、ジンバラン、ヌサドゥアなど様々なエリアがある。その中から個人的お気に入りのホテルベストツーをご紹介。
★ONE ELEVEN
スミニャックエリアに位置する2012年9月にオープンした高級プライベートヴィラ。全9棟のヴィラは完全なプライベート空間になっていたり、ヴィラ内にゲスト専用のスパトリートメントルームも完備されており、ハネムーンやホテルステイを楽しみたい方にはおすすめのホテル。また、日本人のマネージャーがいるため、日本人のニーズに応えたつくりとなっている。また、ここONEELEVENがあるスミニャックはのんびりと時間が流れるエリア。ビーチでのんぶりと過ごした後はおしゃれなショップが並ぶエリアを探索するのもおもしろい。

プライベートな空間と静かな雰囲気

スパトリートメントルームも完備


リビングは吹き抜けになっている

アメニティも充実

★AYANA RESORT & SPA
ロックバーがある場所としても知られているアヤナリゾート。ジンバランにあり、ホテルの中でパターやプールも楽しめるまさに楽園。中庭から見える海は壮大で、まさに死ぬまでに見たい世界の絶景にランクインしそうなムードが満点。バリ島のホテルステイを楽しみたい、と考えているなら必ず候補に入るのがここ。
私もバリ島でどこでも泊まっていいと言われたらここを選びます。はい。

ロビーを抜けるとこんな風景が

私の頭上にあるのがロックバーです

スパルームも広々

この日の夕方はサヌールでサンセット鑑賞。わたしがビーチが好きな理由のひとつはこれだ。太陽がゆっくりと海に沈んで行く様子はとても神秘的。今回もそう。地元の人も多く集まるビーチで静かに見るサンセットは雰囲気があってだんだんと夕陽の色が変わっていく時間は言葉では表すことのできない一瞬なのだ。

サヌールのビーチでみるサンセット

今回はビーチ周辺の滞在だったが、ひとつだけどうしても心残りなことがある。それは、ウブドに行けなかったこと。最近もっぱらヨガにはまっているわたしにとってヨガの聖地、バリ島のウブドでヨガをすることは夢のまた夢!クタ・レギャンでもヨガができるところを探したが時間が合わず断念…最近ではヨガ留学や、ヨガをやりにバリ島へ訪れる人もいるらしい。次は必ずヨガをやりにバリ島へ戻ると誓い、デンパサール空港をあとにした。
●マナド
マナドの空港へ到着すると、ザーザー降りの雨がお出迎え。さすが東南アジア、夕方頃になるとスコールが降る。マナドの海はきれい、と聞いていたのでその日は海沿いでゆっくり…と思っていたから残念だなあ。ホテルに着いてもいっこうに雨はやまずあきらめかけていたが、だんだんと雲がひき明るくなってきた。気をとりなおして街へ出る。海岸のテトラポットへ上ってサンセットをぼーっと眺める。インドネシアで2度目のサンセット。いつの間にか陽がだんだんと落ちて海へぽっと落ちる。あの瞬間は格別で何度見ても素敵な光景だ。
マナドはさすが港町だけあって朝の市場から活気があり歩いているだけでとても楽しい。日本では見られないような色の魚やフルーツがよりどりみどりだ。魚屋さんがその場で魚をさばいてくれる。わたしもランサと呼ばれるインドネシアのフルーツをいただく。ライチがもっとさっぱりしたような味でおいしい。
マナドにはキリスト教を信仰する人々や中国系の人などさまざまな人種の人々が集まっていて、観光名所もそれにちなんだものが多い。中国寺院も観光名所のひとつである。

インドネシア名物ナシゴレン

ここからブナケン島へむかうボートがでる

色鮮やかなインドネシアのスパイス(市場にて)

魚をさばく漁師さん

ランサを試食してみました

マナドの海

● タンココ自然保護区
【ジャングルトレッキング夕方編】
太陽が傾いてきた夕暮れ、いよいよタンココ自然保護区に出発。
道なき道を歩いて、登って。そんなこんなしているとレンジャーガイドのメリさんが急に「そこ!」と木のてっぺんを指差す。目をこらしてよーく見てみると、そこにいるのはクスクス!クスクスって食べ物だけではないんです。コアラの仲間なんです。なんとも言えないまったりした表情でこちらをみているクスクス。双眼鏡で見てみると表情もよくわかる。少し微笑みながらこっちをじーっとみるクスクスなのでした。

こっちをじっと見ているクスクス

バードウォッチングもできる

そしてだんだんと日が暮れてきたのでタルシウスミーティングポイントへ。個人的に1番見られるのを楽しみにしていた動物なので、本当に見れるのかわくわくどきどき。タルシウスはここ、タンココでしか見られない世界最小級のサルで、日中は木の隙間にある巣で寝ている。暗くなると巣から出て食糧を探しに外へ出る。そのタイミングを見計らって私たちは巣の前で待機。メリさん、みつけてくれてありがとう!
じっと待っていると、いつのまにかひょこっと顔を出しているタルシウス。そのあまりの小ささは本当におサルさん?かわいい。かわいすぎる。愛くるしい。大きな瞳でこっちをジッと観察しているが少しでもこちらが動くとすぐに巣の中に戻ってしまう。また顔を出すまでそこで待つ、の繰り返し。すると突然バッとなにかが外へ飛び出した。音のする方向へ目を向けるとタルシウスが木の枝に!カメラの音がするとすぐにそっぽをむいてしまうタルシウス。シャッターチャンスはほんの一瞬なので要注意!そしてぱしゃぱしゃ撮りすぎてわたしのカメラにはびっくりするくらいのタルシウスが残ったのである。

巣の中には2匹のタルシウスが

タルシウスベストショット!

【ジャングルトレッキング早朝編】
朝5時、若干薄暗い中再びタンココのジャングルへ。少し歩くとブラックマカカのファミリーに遭遇。20〜30匹の群れの後を追って行く。見た目は少し怖いと思っていたわたし(ごめんなさい)。でも実際のマカカはとてもおだやかで思っていたより至近距離まで近づくことができた。木から木へジャンプしたり歩いたり1時間程一緒に歩く。途中でリラックスしたり毛繕いしたり自由気ままに動く彼ら。ここでは日本ではなかなか出来ない体験をすることができた。1つはメスのブラックマカカに跳び付かれたこと。お互いが突然接近したのでびっくりしたんだと思うが、わたしもその瞬間は息が止まるかと思ったが思い返してみるとおもしろい経験になったかな。
少し一緒に歩くと警戒心もたいぶとれてくるようで、ブラックマカカの赤ちゃんが近寄ってきてくれる。カメラに興味を持ったようでぴょんぴょん近づいてくる。枝からぶらさがってカメラをぺたぺた。そのかわいらしさといったら言葉にはできずこのままだっこしちゃいたいと思ったけれどそこは野生の生き物。ちょっとどきどきしながらじっとしていた。これが日本ではなかなか経験できないことの2つ目である。

ブラックマカカの親子

おしりのハートがとってもキュート

ブラックマカカと一緒にぱしゃり

ガイドのフレディさんとメリさん

●タナトラジャ
今回の最終デスティネーション、タナトラジャ。マカッサルから車で7時間、揺られに揺られ山を越えるとトンコナンのミニチュアがそびえる門がみえてくる。タナトラジャへの入り口だ。タナトラジャに入るといたるところでこの地区に伝わる船形の伝統家屋、トンコナンハウスとそれと対になる米蔵、アランが目に入る。最近は古いトンコナンハウスの老朽化が進み新しく建てかえられたり、屋根がトタンになっていたりと、本当に昔から建っているトンコナンハウスを見られるのも難しくなっているそう。それでもタナトラジャには独特の雰囲気が漂っていて秘境感は満点。隔離された村に連れて行かれた気持ち?
タナトラジャの人々の死生観は独特で、その考え方に基づいたお葬式などの行事も観光客には必見のものとなっている。タナトラジャのお葬式は亡くなってからすぐに開かれるものではなく、中には10年後に行われる場合もある。家族や親戚が水牛や豚などを買い、完全に準備が整った段階でお葬式は執り行われる。葬式が終わると、村にある墓穴に棺が運ばれる。故人の身代わり人形タウタウも棺の近くに置かれる。

おいしいコーヒーとして知られるタナトラジャのコーヒー

車と同じ値段で売買される水牛

今回はタナトラジャの3つの村を訪れた。1ヶ所目はケテ・ケス村。トンコナンが残る集落のひとつである。ケテ・ケス村は地元の人々も訪れる場所のようで、近くの町からきた中学生の団体を見かけた。ここではトンコナンだけでなく、タナトラジャの典型的なお墓も見学することができる。

トンコナンハウスが並ぶケテ・ケス村

トラジャ文字が描かれている

地元の中学生と一緒にぱしゃり

人骨がそのままの状態で置かれている

2ヶ所目はレモ。ここでは岩壁に並ぶ死者の身代わり人形タウタウを見ることができる。高いところにあればあるほど地位が高いことを表すそうだ。3ヶ所目はロンダ。ここでは洞窟穴につくられた伝統的なお墓を見学することができる。

タウタウが並ぶレモ村

洞窟穴におさめられている棺(ロンダ村)

ロンダ村でもタウタウを見ることができる

今回はビーチ、ジャングル、ユニークな村という、まったくちがうタイプの3カ所を訪れることができた。バリ島は言わずとしれたビーチリゾートの魅力を再確認。タンココ自然保護区では刺激的で珍しい経験、そしてタナトラジャでは異文化を感じることができた。それぞれの街にそれぞれの雰囲気があり、皆がインドネシア人、そして自分の民族に誇りを持っていることを感じられる旅だった。
(2016年4月 若狭由希)
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