知られざるトルコのリゾート地アラチャトと、地中海の絶景リゾートマルタ訪問

知られざるトルコのリゾート地アラチャトと、地中海の絶景リゾートマルタ訪問

ヴァレッタバラッカ・ガーデンからの絶景!!

今回、トルコ・マルタの政府観光局からのご招待を受け、2か国周遊の出張に出た。
トルコは13年前、人生最初で恐らく最後になるであろう、団体旅行に参加した時に行ったことがあるっきり。トルコには楽しい思いでしかなく、いつかまた行きたいと思っていた。広いトルコの中でも今回はパムッカレ周辺とイズミールのみ。そして初めての地、マルタへいざ出発!
イスタンブールで国内線に乗り継ぎ、まず向かったのは石灰棚が美しいパムッカレ。パムッカレとは「綿の城」を意味するらしいが、昔の人は喩えがうまい、確かに山のように大きく真っ白な石灰棚は綿の城といわれてしっくりきてしまう。現在、景観保護のために入場エリアと温泉が流れているところは限られている。
目が灼けそうなほどの真っ白に驚かされるが、同時に中国人の多さにも驚かされた。観光客の9割近くがアジア人でヨーロピアンをあまり見かけなかった。
行った時間帯が悪かったのか、石灰棚に溜まる水があまり青く見えなかったのが残念。

真っ白の石灰棚


石灰棚の先にはローマ時代の遺跡が沈んだパムッカレ温泉がある。この時期はなかなか厳しいが、夏には多くの人でにぎわうそうだ。水の中の遺跡がとても美しく、是非ひと泳ぎしてみたいものだ。

パムッカレ温泉

パムッカレから2~3時間車を走らせ、次に向かったのはエフェソス遺跡である。
ここは世界屈指のギリシャ・ローマ遺跡で何より遊泳なのはケルスス図書館ではないだろうか。この図書館はトルコリラのお札にも描かれている。
こーんなにも立派な古代都市が紀元前11世紀に建てられたなんて、信じられない!そしてまた、エフェソス遺跡は2015年にようやく世界遺産に登録されたそう…え!なんで?こんな素晴らしい、ローマ時代の遺跡の中でもトップクラスの美しさが残るこの遺跡が今まで世界遺産じゃなかったなんて。トロイよりもこちらのほうが世界遺産にふさわしいと思ってしまうのは私だけじゃないはず…。

ケルスス図書館

NIKEの由来でもあるニケの女神像

世界最古、売春宿の看板

エフェソス遺跡でリアル猫集め

さてさて、ここまではまだ旅の前哨戦。
今回のメインの目的は“オリーブ街道”という旅行商材の視察である。我々一行はトルコ第三の都市、イズミールに移りここを起点に新しいデスティネーションの新規開拓に赴いた。
エーゲ海の美しい海と広がるオリーブ畑。と聞くだけでもさわやかな風が吹き抜けてきそう…
オリーブ畑とエーゲ海を望みながらのドライブはとても気持ちが良い。景色を楽しみながら1時間強でチェシメ&アラチャトに到着!(この2つの町は隣り合っている)
ここは本当にトルコなの?!と聞きたくなるような、おしゃれで綺麗な港町。

チェシメの港




アートを感じる、おしゃれなアラチャトの街

私が特に気に入ったのはアラチャト。石畳の細い道とあちらこちらにみられるお洒落なアート!そしてイスタンブールでは雪も降るこの季節に、なんとも温暖な気候。夏はバカンスを楽しむヨーロピアンで溢れかえり、毎夜賑やかな音楽が流れているのだそう。きれいなビーチもあり、アジア人が少ないリゾートに行きたいという人にもおすすめだ。
今回のトルコ研修、チェシメとアラチャトを知れただけでも大きな収穫だ。
次なる目的地はマルタ!
マルタは地中海の真ん中、ちょうどイタリアとアフリカ大陸に挟まれ、その立地故に幾度もの侵略を受けてきた、戦いの歴史を持つ国である。
この国を語るうえで欠かせないのは聖ヨハネ騎士団だ。聖ヨハネ騎士団はマルタ騎士団とも呼ばれ、国家としては承認されていないが、現在でも90か国以上と外交があり国土のない国として知られている。この騎士団が16世紀5万に及ぶオスマン帝国の侵略からたった9千の戦力で見事、島を守ったのである。マルタの首都ヴァレッタは当時の騎士団長バレットから名づけられている。この戦いに勝利するとヨーロッパ各国から莫大な資金が集まった。これを元手にさらに強固な城塞都市を築き、病院や素晴らしい教会、豪華な騎士団の館を造り上げ、マルタの黄金時代へと突入していった。
マルタ初日、突き抜けるような快晴!
こんな天気の良い日は、バラッカ・ガーデンに行くべし。ここからはグランドハーバーとスリーシティーズを一望する素晴らしい絶景が広がっている。

バラッカガーデンからの絶景

大型クルーズ船も来ている

ヴァレッタ観光で外せないのは、やはり街の礎を築いた騎士団長の宮殿だろう。オスマン帝国の侵略を描いた壁一面のタペストリーやステートルームは必見。ただしここは現在も大統領府が置かれているため、ある日、予告も無しにクローズとなってしまう。(そりゃ要人を招く際、あらかじめ告知したらセキュリティに問題が生じてしまうからなぁ)私が訪問した日も、その日からステートルームがクローズとなっていた。そんな時に案内されるのが武器庫である。当時の騎士の甲冑や武器、大砲などなどこれはこれで面白い。
最終日に運よくオープンし、両方を見ることができた。

武器庫


宮殿内

フェリーでゴゾ島に向かう途中、ポパイ村のビューポイントに立ち寄り。1980年に公開された、実写版ポパイの映画セットがそのまま残されている。若干雲行きが怪しいものの、青い海と絵本のようにかわいい街並みがものすごくインスタ映え!

ポパイ村

現在はテーマパークになっていて、ポパイやオリーブがいるらしい。しかし、腕はムキムキではなく普通の二の腕だという。そのユルさもほほえましい・・・
マルタ島~ゴゾ島間のフェリーは約20分で深夜にも船が走っている。

絵葉書のように美しいゴゾ島

ゴゾ島ではジュガンディーヤ神殿へ。ジュガンディーヤ神殿はなんとエジプトのピラミッドよりも1000年近く前の遺跡なのだそうだ!8mもある巨大な石をどうやって積み上げたのだろう…ジュガンディーヤ神殿は世界遺産にも登録されている。

ジュガンディーヤ神殿

美しいタ・ピーヌ教会

た・ピーヌ教会でお祈りをするとけがが治るとされ、奇跡の教会と呼ばれている。教会の中にはけがが治った人の写真や手紙、使っていたギプス、松葉杖や事故時のバイクのヘルメットまで奉納?されていた。
ゴゾ島では坂道を登った高台にある大城塞(シタデル)も必見!入口の大聖堂と堡塁からの眺めがとても美しい。

シタデル

堡塁からの眺め

大聖堂

ゴゾ島の観光を境に徐々に怪しくなる雲行き…翌日は青の洞門のボートツアーを予定しているがどうなるか心配していたら、案の定翌日は雨。
もちろんボートは出ず、青の洞門を上からシャッターに収めた。

青の洞門、洞窟の奥が美しいブルーになっている

それにしても寒い!マルタは冬でも温暖だと思っていたけど、足がかじかんでくる寒さだ。
マルタのカラフルな伝統漁船と青い海のコントラストがかわいいと評判のマルタシュロックに行ってもこのあり様…(´;ω;`)

普段はカラフルでかわいいマルタ・シュロック

あ~悔しい!
足の最終日はAM10時頃から天気が良くなるという予報だが…
翌朝目が覚めると目を疑いそうになるほどの豪雨。台風が来たときの沖縄からのお天気中継を見ているかのように、頭を左右に振られるヤシの木が目に飛び込んできた。
がしかし、ホテルを出る時刻には風が弱くなり小雨程度まで挽回してきた。
そして最終日はラバト&イムディーナへ。
まず向かったのは、モスタドームだ。この教会は世界で3番目に大きいドームを持っている。(ちなみに世界1位はバチカンのサンピエトロ大聖堂、2位はロンドンのセントポール大聖堂とのこと)

モスタドーム

ここには信じられない逸話がある。第二次世界大戦中、モスタドームめがけて爆弾を投下。教会のドームを突き破って落ちてきたものの、爆弾は不発で中にいた約3000人のうち、一人の死傷者も出さなかったという。これは「モスタの軌跡」として現在に語り継がれている。

実際に投下された爆弾のレプリカ

静寂の街呼ばれる、イムディーナ。
16世紀に現在のヴァレッタに遷都される前に首都だった場所で、当時は貴族の館などがありとても賑やかだったそう。首都が移った後は人々が去り、静寂の街と呼ばれるようになった。イムディーナは周囲を堀に囲まれており、現在3つのゲートがある。その中でもメインゲートは観光客が皆、足を止めるほど美しい装飾が残されている。イムディーナの城壁内には現在30世帯くらいしか住んでいないそうで、夜は本当に静寂に包まれるのだそうだ。

イムディーナ メインゲート

イムディーナの街並み

大聖堂

街は中世の雰囲気がそのまま残っており、なんだか厳かな雰囲気が漂っていた。
この雨、風の強かった2日間、本当はマルタのカーニバルが予定されていたのだった。
残念ながら天候により私の帰国日以降に順延となっていたが、街にはカーニバルに参加したかった人たちがチラホラ。

パレードの山車




仮装した人々

今回の研修は天候によって影響が出た部分があり、多くの禍根をマルタに残してきてしまった。青が美しい夏に是非リベンジしてみたい!今度は研修ではなくプライベートでのんびり過ごしにきたい。
<パムッカレ・エフェソス遺跡>★★★★
絶景の石灰棚とローマ遺跡の中でも指折りの美しさを持つケルスス図書館は必見!
<アラチャト&チェシメ>★★★★★
トルコにあるヨーロッパ!夏はまるでイビザのように華やかになる。オフシーズンでも楽しめる穴場リゾート
<ヴァレッタ>★★★★★
幾度もの戦いに彩られた城塞都市。鮮やかな海と城塞のコントラストが美しい。何度でも来てしまいたくなるような雰囲気の街。
(2018年2月 久保井奈々子)
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