イビザvsマヨルカvsメノルカ~バレアレス諸島三つ巴~<スペイン>

イビザvsマヨルカvsメノルカ~バレアレス諸島三つ巴~<スペイン>


5月下旬 バレアレス諸島にいく機会を得た。
バレアレス諸島とは西地中海に浮かぶ島々でスペイン自治州の一つである。
今回訪れたのはイビザ島(及びフォルメンテーラ島)、 マヨルカ島、メノルカ島。ヨーロピアンのリゾート地として人気の高い一方でこれらの島は情報が少ないため、どの島がどう違うのか、お勧めはどの島なのか、ガイドブックにはない情報が提供できればと思う。


2日目 マドリード到着
夜行便のカタール航空でマドリードに到着へ。
マドラス空港はやけにハイセンスな新しい空港だ。
マドラス空港からはメトロの8号線でヌエボス・ミニステリオス駅まで4.5ユーロ、そこからレンフェ(スペイン国鉄)乗り換えでホテルの最寄り駅のソルまで1.5ユーロだった。
<リアベニ>
マドリードのホテルは4ツ星ホテルのリアベニ。
ソル駅から5分程度の非常に立地がよいホテルだ。売店や土産物屋、レストランも多く立ち並ぶエリアでショッピングにも困らないだろう。王宮やプラド美術館までも徒歩圏内だ。部屋はいたってシンプルだが広さは十分。掃除も行き届いている。ドライヤー、ミニバー、セーフティーボックス、バスタブあり。WIFIは宿泊客であればパスワードを教えてくれて室内でも利用可能。ホテルにはコンシェルジュもいて本日のフラメンコの予約も快く引き受けてくれた。

ホテルにて少し休憩をして、近くのLA RISUENAという白を基調としたお洒落なバルで軽い昼食。私は昼間からサンミゲルを飲んだ。ほかに生ハムとムール貝を一皿ずつ注文して3人で食べて何と10ユーロ。安い!

腹ごしらえにしばらく歩いてソフィア王妃芸術センターへ。
<ソフィア王妃芸術センター>
マドリードの美術館と言えばプラド美術館だが、せっかくマドリードまできてソフィア王妃芸術センターもいかないのはもったいない。ここにはなんといってもピカソのゲルニカが展示されている。そのほかにもいくつかのピカソやダリなど著名な画家から、現在の作家の映像作品など20世紀以降の現代芸術が目白押しだ。

<シティーツアーバス>
ソフィア王妃芸術センターをあとにして私たちはシティーツアーバスに飛び乗った。シティーツアーバスとはマドリードのメインの通りを車内に搭載された各国の解説テープを聞きながら名所を巡るというバスだ。それでぐるっと市内をまわって約1時間15分。個人旅行者にはありがたいバスだ。乗り降り自由で1日券が20ユーロ、2日券が24ユーロだった。ちょうど1周したところでバスを降りた。
そして歩いてホテルまで向かう。
途中両親の腹の虫がなり出したのでソル駅近くののLIZARRANという午後7時には空いていたレストランへ。ここでシーザーサラダとステーキとパエリアを食べる。私はビール、父はノンアルコールビール、母は水を飲み三人でしめて50ユーロほど。高かったのがパエリアで、2人前からの注文ため25ユーロほどした。
ソル駅近くでアイスクリーム(1.7ユーロ)を買い、ホテルへ。ホテルでシャワーを浴びてフラメンコの会場(タブラオ)のトーレスベルメハスへ。
<フラメンコ鑑賞>
予約した際に午後10:30入場と聞いていたので20分前にゆくと受付のおじさんに20分後にきてくれと言われる。仕方なくホテルのロビーでしばらく待ち丁度10:30に行くもののすぐには入れず結局入場したのは11時を回っていた。
席につくとすぐにギタリストの男性(ギタリスタ)2人、歌い手の男性(カンタオール)2人と踊り手の女性(バイオーラ)1人の5人がステージにあがり、フラメンコが始まった。女性の足の激しいステップに目が奪われる。踊りと演奏と歌が三位一体となり穏やかだった流れが徐々に最高潮に達する。フラメンコの一曲一曲は短く、その中にはっきりした緩急があるので初心者でも楽しんで見ることができる。約20分おきにフラメンコのメンバーがかわり(例えばギタリストだけの演奏になったり、男性の踊り手が参加したり)、お客を楽しませてくれた。
しかし私は夜行便で到着したこともあり、12時を超えると眠くなってきてしまったので、まだ1時間ほど楽しんでホテル戻って寝た。

3日目 マドリード→イビザ島
ホテルリベアニでは朝食なしのプランだったため、起床後は朝食の食べられるおいしそうな店を探しに朝の散歩。いくつかのカフェはオープンしていた。私はそこでイベリコ豚のサンドイッチとコーヒーを注文。店頭にチュロスが並んでいるのを母が見つけ、チュロスはスペインが発祥だということを教えてくれた。せっかくなのでチュロスを注文。チュロスは日本では砂糖がまぶしてある甘いお菓子というイメージだが、本場では砂糖はかけずホットチョコレートを浸して食べるそうだ。

朝食後、荷物をまとめてチェックアウト。ホテルにスーツケースを預けた。旧市街を徒歩観光に出かけた。
<マヨール広場>
旧市街の中心部にあるにもかかわらず、大通りに面していないためか観光客が多すぎずテラスのカフェでゆったりできるスポット。母親とここで朝食にすれば良かったね、という話になった。フェリペ3世像のそばになぜかミニーマウスがいたので写真をパチリ。もちろん客引きなのだが、中世スペイン風の格好ではなくなぜ著作権にも引っかかりそうな被り物をチョイスしたのか、そのセンスが気に入った。

<サンミゲル市場>
マヨール広場そばのサンミゲル市場へ。
真新しいアーケードには野菜、チーズ、魚介類を売る店やタパスが軒を連ねる。正にマドリード地元の台所を覗いたような場所だ。
<王宮>
そして美しく整備された王宮周辺へ。
この辺りはゴミ一つ落ちていないほどきれいで、朝の散歩にはもってこいだ。王宮側にはサバティーニ庭園があり、ここもまた絵に書いたような優雅な場所だ。ここからさらに歩きスペイン広場へ。スペイン広場にはドン・キホーテとサンチョの像があり、市民憩いの場となっている。

<グランビア通り>
おそらくマドリードいち賑やかな通りで、様々なショップやデパート、レストランが立ち並ぶ。ウインドウショッピングしているだけでも楽しめるだろう。グランビア通りを抜けて、ホテルへ。
ホテルにてスーツケースをピックアップ。ホテルからタクシーでバハラス空港へ。今回イビザ島まで行くブエリング航空はターミナル4から出発だ。マドリード市内から空港までは約30分で30ユーロくらいが相場だ。
空港到着後、ブエリング航空のカウンターに向かう。出発2時間半前のためかまだカウンタースタッフがきていなかったので、昼食を取ることに。この日の昼食は3人で70ユーロ位。たかい。やはり空港は値段が高めの設定だ。一番高かったのがチキンの煮込みで18ユーロくらい。

定刻通りブエリング航空は出発し、約1時間でイビザ島に到着。
さすがバカンスの島だけあり、マドリードよりも一層暑く感じる。
空港からはタクシーでイビザタウンへ。空港にはバス停もあり、そこからイビザタウンやサンアントニまでのバスが発着している。我々3名だとあまり値段がかわらなさそうだったのでタクシーを使う。イビザタウンのロイヤルプラザホテルまで約15ユーロ、約15分の道のりだった。
途中、クラブのパーティーの告知の大型看板をいくつも見かける。
<ロイヤルプラザ>
我々が宿泊したのはロイヤルプラザという3つ星の旧市街そばの立地のよいホテル。コンドミニアムや海が見えるといったわけでなく、所謂どこにでもありそうなシティーホテルなのだが観光が目的であればお勧め。ダルトヴィラまでは徒歩5分程度。ホテル近くにはお店も多く、ドライヤー、ミニバー、バスタブあり。WIFIは室内でも利用可能(パスワードを無料で教えてくれる)。セーフティーボックスは壊れていて使えなかった。

<ダルトヴィラ>
イビザタウンには16世紀の要塞がそのままの形を残している。丘の上にはカテドラルがあり、中に入ることもできる。カテドラルはここが「クラブアイランド」と呼ばれている島だとは思えないほど静かで厳かな雰囲気を漂わせている。頂上からの眺めは美しい地中海とイビザの街並みが見渡させる絶景ポイントだ。なかでも丘の麓にいまだ残る白い街並みは夢に出てきそうなほど美しい。真っ白な壁とブルーのドアやエメラルドグリーンの窓枠、それに植物の緑に赤い花。
途中リコーダーを吹く少年に出会い、写真を取らせてもらう。小学生のリコーダーの課題は世界共通なのかな。
タウレス門の近くではお土産や、イビザ名物の白い服がたくさん売られていたり、お洒落なカフェがあったりと素敵な時間が過ごせそう。
タウレス門を出ると一気に下町の雰囲気となり、野菜の市場や売店が所狭しと並ぶ。お土産屋さんも多く、このあたりでお土産を選ぶのも良さそう。



<カーササラダ>
ダルトヴィラからタクシー乗り場へ。カーササラダに行くためだ。
カーササラダとはサンアントニ近くの小さいビーチ。イビザの夕陽は素晴らしいらしく、夕陽を見るのにこのビーチをチョイスした。なぜこのカーササラダをー選んだかというと、2009年に高城剛氏が編集した「GO IBIZA」というまるごとイビザのムックが発売されたのだが、この本で日本一のイビザ通と思われる高城氏がオススメしていたのがこのビーチなのだ。(この本、私は当時買わず、あとから買えばいいだろうとたかをくくっていたらすでに簡単には手に入らずしょうがなくアマゾンでプレミア価格で購入。)
カーササラダは小さいビーチと1軒のチリンギート(海の家)があるだけの静かな場所。家族連れがその時は多く、のんびり静かに過ごしたい人には最適。チリンギートのおじさんも優しくてアットホームな感じもいい。
イビザの夕陽は遅い、カーササラダに到着したのは午後8時ごろ。午後9時を過ぎたころから日が暮れていった。
夕暮れのなかビール片手にパエリヤ、ムール貝、イカ料理を食べる。生涯忘れ得ない体験になりそうだ。
チリンギートのおじさんにタクシーを読んでもらい、イビザタウンのホテルへ。(片道30分、30ユーロほど)




<アムネシアとプリビレッジ>
カーササラダに行く途中に、かの有名なクラブ「アムネシア」と「プリビレッジ」に立ち寄り写真を取らせてもらう。これらのクラブはイビザタウンとサンアントニのおよそ中間の幹線道路沿い、だだっ広い野原の中にある。太陽の光がさんさん降り注ぐ中で見る人の方が少ないだろう。これが夏の夜ともなると、溢れんばかりの車とクラバーでごっちゃになるから驚きだ。私もタイミングが合えば、ホテルを抜け出して行きたかったな、泡パーティー。

あいにく5月はまだクラブはオープンしていないのでおとなしく就寝。
4日目 イビザ島→マヨルカ島
朝7時ごろに起床し朝食。
ホテル近所のスーパーへ、お土産を探しに行くがちゃんとパッケージされたイビザ産の塩とオリーブオイルがなかったのでスーパーで買うのは諦めた。
この日の午前はフォルメンテーラ島へ。
(両親はあまりビーチには興味がないらしいので私一人で出発)
<フォルメンテーラ島>
イビザ島から高速船で約30分のバレアレス諸島ではイビザについで4番目に大きな島だ。
イビザタウンからフェリーが発着しておりチケットも予約なしで当日購入できる。フェリー会社はBALEARIAとTRASMAPIの2社が運行しておりどちらも1時間に1便程度の頻度で運行している。チケットは往復で買った方が安く私はBALEARIA社のフェリーで往復45.5ユーロだった。

フォルメンテーラ島に到着し私はレンタサイクルをした。バイクか自転車のどちらか迷ったが、自転車の方が写真を気軽に取れそうなので自転車にした。それも電動自転車に。普通の自転車は1日8ユーロ、電動自転車は1日20ユーロ、バイクは25ユーロだった。
<セス・イリタス>
近くのスーパーで飲みものを購入(ここでお土産用のイビザの塩を見つける)。準備万端!いざセス・イリタスへ出発。セス・イリタスはフェリーターミナルから3キロの自然公園。出発から約30分、舗装された道路抜け、でこぼこの道をしばらく走り続けるとビーチが見えてくる。500メートル続くビーチは息を飲む美しさ。昨日のカーササラダも美しいと思ったがそれ以上に透明な海。まさに地上の楽園だ。もう一つ楽園と呼ばれる所以がある。何とここはヌーディストビーチなのだ。人がそれほど多くない夏手前のこの季節にまさかいないだろうと思っていたが10人に1人位の割合で女性はトップレス、男性は全裸の常連っぽいおじいさんが1人いた。
セス・イリタスの有名レストラン「ホアン・イ・アンドレア」にて一休み。ここは世界のセレブも通ったという有名なシーフードレストランだ。




その後、自転車でサンフェランやサンフランセスといった小さな町を自転車でサイクリングして港へ戻る。面白そうな雑貨屋さんなどがあって立ち寄りたかったが両親との待ち合わせの時間もあるためなくなく諦めた。
帰りも当然BALEARIA社のフェリーでイビザへ舞い戻る。船上からイビザの城塞が出迎えてくれた。

イビザ島のフェリーターミナルで両親と無事に合流。
フェリーターミナルの売店でハンバーガーとビール(8ユーロ)を食し、タマランカビーチを目指す。
<タマランカビーチ>
タマランカビーチはおそらくイビザタウンから最も近いビーチ。タクシーで五分程度の距離にある憩いの場だ(徒歩だと20分くらい)。ビーチとしてはプラヤイリェタスやカーササラダの透明感のある海には及ばないがアクセスが良いだけあって夏前にもかかわらずたくさんの人々で賑わっていた。

<アルゴス>
ホテルアルゴスは弊社がイビザ島のツアーでよく利用するホテル。タマランカビーチの真ん前にある4ツ星ホテルだ。外観は一昔前のセンスだが、最近リノベーションしたらしく内装は一部デザインホテルのような佇まいになっている。人気がでたのか、あいにく私の訪れた日はフルブックで部屋を見ることができなかった。いくつかの施設を確認したのみとなったがプールやパソコンコーナー、ジム、ジャグジーなどの十分な設備は備えていた。またスタッフに室内の備品を確認したところ、全室ドライヤー、ミニバー、セーフティーボックス、バスタブあるそうだ。WIFIもパスワードが必要だが利用可能。近くにスーパーもあって食料調達にもことかかない。

<サンアントニ>
アルゴスを見学後、サンアントニへ。
サンアントニはイビザ第2の都市だ。島の西側にあるため、イビザの夕陽が堪能できるスポットでもある。特に音楽バーのカフェ・デル・マーは夕陽の見える絶景ポイントであることとそのチルアウト系の音楽で有名である。
サンアントニを歩いていて気づくことがある。若い人が多いということと水着率が高いということだ。イビザタウンにいたときは、ここがあの「クラブの楽園」と言われるイビザと実際のイビザタウンの風景がうまく脳内で一致しなかったのだが、サンアントニにきて納得。多くのクラバー達はイビザタウンを素通りしてサンアントニにきているのだ。
それもそのはず、いわゆるアムネシアやプリヴィレッジといったビッグクラブはサンアントニやイビザタウンからも離れた郊外にあるのだから、観光目的でなければイビザタウンにいる必要はない。むしろクラブ目的であればエデンやパラダイスといったクラブが徒歩圏内に位置するサンアントニの方がよい。またすぐそこにビーチがあるのも魅力的。クラブで酔ってふざけてこの海に飛び込む外国人の遊び人の姿が目に浮かぶ。
若い人達が多いせいか、お店も若者向けのブティックが多い。各クラブが出しているオリジナルTシャツが、サンアントニでは目白押し。特にさくらんぼ2つならんでいるパチャのマークは、イビザのシンボルマークと言われるほどあまりに有名。また有名といえば沢尻エリカ御用達のという「F*** ME IM FAMOUS」のお店もあった。Tシャツだと1枚25ユーロとそこまで高くはないため、ちょっと気の利いたお土産にはもってこいだ。
(イビザタウンからサンアントニはタクシーで片道約20分、20ユーロほど)



イビザタウンのホテルへ戻り、マヨルカ行きのフェリーターミナルを目指す。フォルメンテーラ行きとはまた別の場所の乗り場、ダルトヴィラの近くのマリーナ地区にある。ターミナルの前のレストランで夕食。サングリアのほかにパエリア、ピザ、コロッケ、生ハムなど3名分で50ユーロ。
マヨルカ行きのフェリーもBALEARIA社。この区間は満席になると行程が狂ってしまうので事前にネットで日本から予約してきた。
出発は午後8時だが、1時間前にならないとフェリーは船着場にこないらしい。食事をしながら待ち、出港の30分前くらいに乗船。自分の控えと会社(BALEARIA社)控えの2枚の内、会社控えの方を乗船時にスタッフに渡す。
出発前はデッキにのぼることができるのだが、ここからのイビザ島は見事な美しさだった。
フェリーの中はいくつか等級が分けられており、通常のリクライニイングのシートのほかに高級感のある広い席もある。我々はSIRENAという一般のリクライニイング席に座った。
席は指定になっておらず、好きな場所に座ればよい(トイレの近くは水が流れるのがうるさいので避けるのが無難)。船に揺られること2時間、マヨルカ島到着。
船を降り、タクシーでこの日のホテル<HMハイメⅢ>へ。
<HMハイメⅢ>
フェリー乗り場からタクシーで約10分。中心部のマヨルカ通りにある3ツ星のデザインホテル。ホテルの周りにはいくつかのカフェが立ち並ぶおしゃれな立地だ。旧市街までは徒歩6、7分。シックな黒でまとめたデザインといたるところに飾られるポートレイトがどこかのブティックか、現代美術の展示会のよう。ホテルのクオリティーは4つ星以上の価値あり。ただこの大胆なセンスを有りか無しの判断で良し悪しが分かれるかも。シンプルなジムとジャグジーの施設、室内にはドライヤー、ミニバー、セーフティーボックス、バスタブあり。WIFIはパスワードにて無料利用可能。

夜のパルマを少し歩いて、就寝。
5日目 マヨルカ島(パルマ→アルクディア)
朝7時過ぎに起床しホテルの朝食。
9時すぎにチェックアウトし、パルマ・デ・マヨルカの旧市街を目指す。
<カテドラル>
マヨルカ島で一番の見所と言えるだろう。私が夜、フェリーでパルマに到着したしたときに遠くからもその姿を確認でき印象に残っていたのがこのカテドラルである。あのガウディも携わっているとされる巨大な大聖堂。1230年にハイメ1世の名により建設が始まり、完成したのは何と4世紀もあとのことだという。日曜だったためか通常は入場料がかかるとガイドブックに書いてあったがミサのためか無料で入ることができた。外観もさることながら内装も負けずに素晴らしい。色とりどりのステンドグラスから太陽の光が流れこみ、反射し、幻想的でそれでいて厳格な雰囲気が漂っている。向かい合わせのアルムダイナ宮殿とあわせて噴水の手前からが写真を撮る時のベストポイント。
カテドラルの周りの旧市街エリアはお土産屋さんをはじめブランドショップ、カフェなどが立ち並ぶマヨルカいち賑やかな場所になっている。旧市街の雰囲気もよいためぜひ訪れたい。


<ベルベル城>
ベルベル城はパルマの旧市街から10キロ程度離れた小高い丘に立てられているため、バスかタクシーが主な交通手段となる。バスでもゆくことができるが、時間に余裕があればマヨルカシティーツアーバスを使うのもおすすめ。マドリードでも我々は利用したが、1日券さえ購入すれば乗り降り自由で、メインの見所を周遊してくれる。特にマヨルカはバスの本数が多いわけではないし、便利な地下鉄もないので重宝する。(1日券は15ユーロ、日本語解説は残念ながらなかった)
ベルベル城はかつての要塞で現在は博物館となっている。城は3階まで登ることができて、そこからパルマの眺めを一望できる。眺望目的でもぜひ訪れたいポイントだ。日曜日は入場無料だった。

パルマの市内にもどりデパートの屋上のファミリーレストランで食事。大衆的なレストランは安いのかな、という試みだったがあまり観光地のレストランと料金は変わらなかった。(サラダ、牛肉の煮込み、生ハムと飲み物で3名トータル55ユーロなり)
午後はパルマ郊外の見所まで足をのばす。
ホテルで預けたスーツケースをピックアップし、スペイン広場の荷物預かり所に荷物を預け(スーツケース1つ5.5ユーロ)、タクシーのドライバーに立ち寄りたい街を伝える。
<バルデモサ>
バルデモサまでタクシーで約20分。修道院を中心としてオリーブとアーモンドの常緑樹に囲まれた、乾いた色の家々が折り重なるように連なる姿が見えてくる。
ここがショパンが女性作家のジョルジュ・サンドと愛の逃避行の末に過ごした場所として知られている村だ。二人が滞在したと言われる修道院は現在展示室として公開されている。村自体はさほど大きくはなく、おしゃれなお土産屋さんやカフェがメインストリートに並ぶ、とっておきの静かな場所だ。

<デイラ>
バルデモサから車で約10分。オレンジ色の柔らかな光を降り注ぐ太陽とアーモンドとオリーブの緑樹が美しい小さな村。歩いているとどこともなく鳥のさえずりが聞こえてくる。まるで何百年と取り残されたような、バルデモサさえも喧騒の中に思えるようなひっそりした隠された村。ここにはいつもと変わらない生活がある。余裕があれば、この美しい田舎に1泊するのも忘れられない体験となるだろう。

オレンジ畑やレモンの畑を抜けてソーイェルを目指す。
美しいのはデイラからソーイェルにかけての海岸線。
ドライバーさんにお願いして途中で写真ストップ。
この辺りにマイケル・ダグラスの別荘があるらしい。
<ポート・デ・ソーイェル>
その名の通りソーイェルから車で10分ほどにある近郊の港。入江が美しくいくつものヨットが並ぶ。ビーチではカップルや家族連れが休日を過ごし、おしゃれなカフェでは皆、海を眺めながらお茶を飲んでいる。太陽の光が水面をキラキラ反射させ、海岸線をトラムがノロノロと走っている。まるで映画にもなりそうな景色だ。

<ソーイェル>
ポート・デ・ソーイェル駅から5ユーロのトラムで20分(切符は車内で購入)。レモンとオレンジ畑をいくつも越えるとぽつぽつと家が立ち並びはじめ、やがて大聖堂が見えてくる。この街がソーイェルだ。
パルマのソーイェル鉄道の終点はこの街の大聖堂の裏側にある。トラムとソーイェル鉄道駅は同じ場所にあるため相互乗り換え可能だ。タイムテーブル上、ソーイェルを素通りすることも可能だがぜひとも大聖堂前の広場でゆっくりした時間過ごして欲しい。のんびりとした市井の人々に囲まれて、日本とは違う時間の流れを感じられるはずだ。

<ソーイェル鉄道>
パルマ/ソーイェル間を結ぶ鉄道。面白いのが使われる車両が1912年から変わらず同じ木製の列車であるということ。
レトロなこの列車にゆられて約1時間、パルマを目指した。
切符は切符売り場で事前に購入すること。我々は出発30分前にチケット売り場をみてもやってなかったのでトラムと同様にきっと車内で購入するのだとかってに思い込んでいたら、実は25分前から売り出しているそうだ。車掌さんにいったら車内でも売ってくれた。

パルマに到着したあと、駅近くの荷物預り所に直行。この日の営業時間は19:30までとのことだったので予め10分ほど遅れるかも、と断りをいれておいたのだ。問題なく荷物をピックアップ。
アルクディア行きのバス時間と、バスの降車場所からタクシーが問題なく捕まるかを駅前のツーリストインフォメーションで確認。明日朝のアルクディアから出港するメノルカ島行きのフェリーに乗るため、この日はアルクディア港近くに宿をとったのだ。ツーリストインフォメーションのスタッフが親切に教えてくれて、バスに乗る時にホテル名を伝えれば降ろしてくれるよ、とのことだったので安心した。
バスの出発時間の21時まであまり時間がなかったのでこの日はスペイン広場のケンタッキーにて夕食。3人で18ユーロ。
普通にレストランで食べるよりも3倍くらい安い。
21:00にパルマのバスターミナルから出発。
途中、インカなどの街を経由しアルクディアを目指す。
<アルクディア>
パルマから約1時間後、アルクディアに到着。パルマからの交通の悪さを考慮しても、想像以上に賑やか街だった。大型ホテルがビーチ沿いに立ち並び、合間を縫うようにレストランや土産物屋が存在する。
私がこれまで想像したリゾートで近いのはカンクンだ。もちろんカンクンよりもローカル色強く、派手さはないが、施設が充実しているので子連れ旅行にも安心できるデスティネーションだ。
<イベロスター・アルクディア・パーク>
スペイン国内のほか世界各国に系列店を持つ有名ホテルチェーン、イベロスター。今回は港にも近いこの4つ星を選んだ。ビーチ目の前のカフェバーにはステージが併設されており子供が喜びそうな催し物が連日開催されている。ホテルが主催するアクティビティも充実。もちろんスパやプール、コインランドリー、パソコンコーナーもある。室内には長期滞在用にキッチン、冷蔵庫あり。またバスタブ、ドライヤー、テレビ、セーフティーボックスも備え付けられている。WIFIは有料。

6日目 マヨルカ島→メノルカ島
7時発のメノルカ島行きのフェリーに乗るため朝5時に起床し、朝食を食べる。(このホテルでは早く出発する人用にコールドビュッフェが用意される)
6時すぎにホテルをチェックアウトしタクシーを呼んでもらう。
ホテルからフェリー乗り場までのタクシー料金は呼び出し料金込みで15ユーロほど。
アルクディアのフェリーターミナルは新しい。
イビザ/マヨルカのフェリーと比べてパスポートの提示を求められチェックが厳しいように感じた。イビザ/マヨルカの時と同じSIRENAクラスの席だが、こちらの方が船も大きめで一つ一つのシートピッチも広い。インターネットコーナーやWiiができるWiiルームやキッズルームまで完備。

<シウタデラ>
フェリーターミナルのあるメノルカ島の西側の街。市内中心地まではフェリーターミナルからタクシーで約7,8分の距離。(値段は7ユーロほど)
私達はバスから降りたあと、荷物を預けるところがないかをツーリストインフォメーションに確認しに行ったがあいにくこの日は丁度休業日だった。仕方なく、ふと見かけたレンタサイクル屋さんに聞いたら置かせてもらえるとのことだったのでお言葉に甘えて荷物をおかせてもらった。もちろん自転車をレンタルした。5時間で8ユーロ、1時間は4ユーロだった。私は5時間で契約し、午後3時頃に返すことを約束した。
シウタデラはカテドラルを中心地としたメインストリートが一番賑やかな場所、お土産屋さんが軒を連ねる。メノルカの名物はなんといっても皮のサンダル。一つ20ユーロ程度。お土産屋さんには必ずこれが売っていると言っても過言ではない。
また必ず立ち寄りたい場所はヨットハーバー。たくさんの数の立派なヨットが並んでいる。この辺りは別荘地らしく白亜の美しいいくつもの豪邸が居を構えている。



午後1時ごろまでサイクリングを楽しみ、ヨットハーバーを眺めながらの昼食。ムール貝の煮込みとサーモンのグリル、デザートのランチセットで一人16ユーロ。優雅な食事となった。
思ったより早くシウタデラの観光が終わったので自転車を返しにレンタサイクル店へ。しかし、誰もいない。午前中と比べかなり観光客の数が少ない。そうか、シエスタか。私は自分ではどうしようもない事態に肩を落とした。だからレンタサイクル店の兄ちゃんはいつ自転車を返しにくるかを念入りに確認したのだ。
ホテルを予約したマオ市内へのバスは1時間に1本。貴重な時間を無駄にした。
いやこういう考え方はよくない。のんびりスペイン風の考え方に身を任せなければ楽しめないぞと自分に言い聞かせる。
仕方なく自転車屋さんの前で誰かがくるのを1時間ほど待った。
メノルカはイビザやマヨルカと比べてシエスタの文化がはっきり残っているように感じた。
15:15出発のマオ行きのバスに乗り込む料金は一人4.8ユーロ。約一時間でマオへ。
<マオ>
メノルカ島の一番の大きな街。メノルカ島の空港はこのマオ近郊にある。
街の中心はカテドラル。このカテドラル沿いにメインストリートがのびている。どちらも大きな港街なのだがシウタデラと比べるとこちらに方がローカル感がある。シウタデラはメインストリートを外れるとひと気のないひっそりとした感じがしたが、マオではメインストリートを外れてしばらく歩いても生活音がどこともなく聞こえてきそうな雰囲気の街だ。
簡単に分けるとするならシウタデラがお金持ちの別荘の街。マオは地元の人達の街、というイメージだ。

マオのバスターミナルから歩いてこの日のホテルへ。
<カプリ スパ&ウエルネスホテル>
マオのバスターミナルから徒歩で3分くらい、中心地までも徒歩5分くらいの好立地の比較的新しい4つ星ホテル。デザインはシンプルで、宿泊だけであれば十分。スパやプール、簡単なジム、パソコンコーナーもある。室内にはミニバー、バスタブ、ドライヤー、テレビ、セーフティーボックスが備え付けられている。WIFIはフロントでパスワードを教えてくれる。もちろん無料、室内でも利用可能。

ホテルにチェックイン後、タクシーでビニベカへ向かう。
<ビニベカ>
マオから車で南に15分程度にある小さな村。すべての家が真っ白な壁をもち、村の一部はまるでモロッコのメディナのごとく入り組んでいる。迷路のように彷徨っていると青い空と白い街の境がなくなりまるで自分が村と空とも一体となってしまうような錯覚に陥る不思議な村だ。
また村の近くには小さなビーチがあり、ビニベカで余暇を過ごす外国人達にとって、絶好の海水浴場となっている。
もしマオに滞在するのであれば手軽に行くことができるオススメの場所だ。


マオ市内に戻り、ホテルのバーで軽めの夕食。
明日はラストのバルセロナだ。
7日目 メノルカ島→バルセロナ
朝7時ごろに起床し、ホテルの朝食。
この日は11時のバルセロナ行きの飛行機に乗るため9:30までマオの街をウロウロ。
マオのメインストリートの入口、スペイン広場にてバザールが開かれていた。メノルカ名物のサンダルかここでは10ユーロ。普通のお店では20ユーロ以上するので、ここは安い。
ホテルをチェックアウトし、タクシーで空港へ。約10分、料金は10ユーロ。
マオ空港にてブエリング航空チェックイン。
バルセロナまでは約1時間の距離だ。
バルセロナ空港到着。
バルセロナ市内へはアエロバスを利用5.65ユーロ。
カタルーニャ広場からは歩いてホテルへ。

<コンスタンザ>
カタルーニャ広場から徒歩5分程度のデザインホテル。室内はシックな落ち着きある雰囲気で、気取りすぎずリラックスできる空間を演出している。バスタブはなくシャワーのみ。ミニバー、ドライヤー、セーフティーボックスあり。WIFIは無料で利用可能。ロビーにはパソコンコーナー、屋上にはバー、近くにはレストランやカフェがいくつかある。

ホテルから歩いてすぐのカフェバーで食事。
ここで初めてイカスミのパエリアを食べた。うまい。
<シティーツアーバス>
昼食後は今回の旅行で何度も使ったシティーツアーバスに参加。
料金は一人24ユーロとそこまで安くはないが、見所が広範囲に渡るバルセロナ。3路線にまたがるこのバスを使えば有名どころは必ず立ち寄るので、どこを観光するのかを決めていない旅行者は一周してみて面白そうなポイントを絞るのもオススメの方法だ。
また各観光地の入場券が安くなるクーポン券ももらえるので、有効活用すればバス代金のもとがとれるのも嬉しい。
<ミロ美術館>
モンジュイックの丘にあるミロ美術館。
モンジュイックにはそのほかにも見所が多く、カタルーニャ美術館、スペイン村、軍事博物館、ロープウェイなどがある。丘からの見晴らしもよいのでオススメ。
私はミロ美術館に入場。シティーツアーバスのクーポンを使って一名8ユーロだった。
一般的なバルセロナのイメージはガウディとミロによるところが大きいのではないかと思う。その中で特にミロはバルセロナを題材としているような太陽や海をモチーフとしたような作品が多く、まさにバルセロナで見たい作品だ。
<サグラダファミリア>
アントニ・ガウディが半生を捧げたモデルニスモ建築の極北。プリミティブなその曲線と繊細な彫刻、その巨大さ。いつか見たいと思っていたサグラダファミリア。実際初めて実物を目にした時は感動でしばらく動けなかった。私の想像以上素晴らしさだった。
外観もさることながら2010年に完成したばかりの聖堂は、まるで樹木が天井を支えているような列柱をもつ身廊と色鮮やかなステンドグラスが幻想的で厳粛な雰囲気を湛えている。
チケットはインターネットでも購入できるが、閉館時間近かったためかすぐ入場できた。
シティーツアーバスのクーポンを利用し12ユーロだった。サグラダファミリアの工期が時間がかかる要因の一つとして、すべての工事費が寄付で賄われているということがあげられるが、入場料にもこれは含まれているので私もサグラダファミリアの完成に寄与したことになる。2026年の完成が待ち遠しい。

夕食はグランビア通りのTXAPELAというバルで。
メニューに日本語表記があってびっくり。メニューには全てナンバーがふってあるので数字をいうだけで注文できる。初めてでも安心、オススメのバル。


8日目 バルセロナ出発
朝7時半ごろに起床。15:40のカタール航空に乗るため13:00まで観光とショッピング。
まずはグエル公園へ。
<グエル公園>
メトロの3号線でレセップス駅まで(片道2ユーロ)。駅から徒歩でグエル公園に行くつもりが道を誤ったらしくバイカルカ駅まで来てしまった。道を尋ねてなんとかグエル公園へ。
グエル公園はガウディのパトロンであるグエルがガウディに依頼して建設された公園。実際は住宅地として売り出そうとしていたが買い手がつかず結局は公園となった。ガウディ特有の生き生きとした曲線と鮮やかなタイルを多用した作品だ。
この日は朝食が含まれていないため、グエル公園の入り口のカフェで昼食。公園内にはいくつかのカフェのほかに唯一入場料が必要なガウディの家博物館がある。ガウディの家にはお土産屋の他に実際に使われた家具などがおかれている。

あまりに坂道が多いグエル公園。両親は疲れたようで帰りはタクシーでカタルーニャ広場まで約10分、10ユーロほど(タクシー乗り場は公園のすぐ入り口にある)。
ショッピングエリアはカタルーニャ広場を中心に広がっている。地下にスーパーマーケットがあるデパート、エル・コンテイングレスがあるのが嬉しい。
ホテルに戻り荷物をピックアップ。タクシーで空港へ。バルセロナ市内から空港まで約30分、約30ユーロであった。
その後問題なく帰国の途についた。
まとめ
では一体、バレアレス諸島でどこがオススメなのか。それぞれの魅力を述べたい。
・イビザ島
オールマイティーなのはイビザ島。イビザは騒ぎたい時には騒げる、のんびりしたい時にはのんびりできる、泳ぎたい時には綺麗なビーチやフォルメンテーラに行けば良いし、観光するところもある、という懐が広い島だ。
場所によっては大音量でクラブ音楽がなり響き、タトゥーを入れた若者が水着で街を闊歩しているので人によっては水が合わないかも。
・マヨルカ島
観光をメインに考えるのであれば、マヨルカ島だ。なんといってもバレアレス諸島内でもっとも大きい島だけあって賑やかなビーチから静かな田舎町まで観光場所も多い。特にバルデモサやポート・デ・ソーイェルはマヨルカに立ち寄るのであればぜひ訪ねて欲しい。
・メノルカ島
とにかく日本人には会わずのんびりすることだけを考えれば、これ以上ない選択肢であろう。特にシウタデラはハーバーが美しく、この眺めだけで何時間でも過ごせてしまうほどの魅力的な街だ。またシエスタの文化が、ほかと比べて根強く、まさにスペインライフを過ごすにはぴったりのバカンスの島だ。
余談
スペインはとにかく生ハムとムール貝が日本で食べるより、格安でおいしい!ぜひ食も楽しんでほしい!
2012年5月 橋本

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