「遠くたって行ってみたい!さすが地球の裏側ペルー」

「遠くたって行ってみたい!さすが地球の裏側ペルー」

クスコの美しい街並み

クスコの道端パン屋さん

南米ペルーに行ってまいりました。ペルーときいてまず考えたのは、地球の裏側!アンデス山脈!マチュピチュ!ナスカの地上絵!のいずれでもなく、高山病でした。私は母から遺伝した貧血もちで、通常の生活でも血液中の酸素濃度は富士山と同じくらいと言われたことがあるのです。体内は富士山でも実際には富士山なんて登ったことがない、そんな私が3000メートルや4000メートルに近いところまでいくなんて・・生きて帰ってこられるのだろうか(ぶるぶる)、と楽しみよりも不安に襲われてしまいました。
結論からいうと、頭痛と睡眠障害と息切れと消化不良のみで行程に差し支えるような高山病にはなりませんでした。もちろんこれは個人差があります。症状が比較的軽かったのは準備していった対策が私に合っていたのか、高山病に強かったのか、分からずじまいです。
私の対策としては、日本ではダイアモクスと呼ばれているお薬を、旅の間中ずっと飲んでいました。これは、処方箋で出してもらう必要があります。今回の行程として、標高の低いリマで2泊してから、3400メートルのクスコに移動するものだったので、リマに到着した日から朝晩、飲んでいました。副作用としては、利尿作用によって水分不足で手足がしびれてくるので、しっかり水分を摂ることが大切です。あとの高山病対策としては、現地で深呼吸をする、ゆっくり歩く、水分を摂る、無理をしない、食べ過ぎない、などをしていました。人よりも高山病にかかりやすいのではないか、と心配な方はお医者さんに相談されて上のお薬をもらってから渡航された方がいいかもしれません。


さて、旅の終盤にあったプーノのお話を先にしたいと思います。
3400メートルのクスコで2泊し、息切れや軽い頭痛はあったものの高山慣れした私は、この旅で最も標高の高い、プーノへ向かいました。プーノは標高3800メートル。富士山を超える標高です。プーノはペルー南部、アンデス山脈のほぼ中央に位置する小さな町です。汽船の航行する湖では世界最高値にあるチチカカ湖に接しています。チチカカ湖にはインカの創始者、マンコ・カパックが降臨したという伝説が残っており、インカ帝国時代のプーノは神様が降臨した地の1つとして重要な町でした。しかし、スペイン軍による占領の後は、先住民たちはプーノの街を追いやられることになります。チチカカ湖にはトトラという植物を積み重ねて作った浮き島が40ほどあり、そこに住むウル族は、スペイン軍に追われてチチカカ湖に住むようになったという説もあります。
プーノの街へは入るとき、出るとき、必ず山越えをするのですが、高いところから見るプーノとチチカカ湖は絶景です。私の写真では伝わらないのがもどかしい・・・太陽の光を受けて輝くチチカカ湖は、さすが伝説が残る神聖な湖だなという佇まいです。

チチカカ湖がキラキラ(伝わらない

チチカカ湖とプーノの街

プーノのアルマス広場

メインストリート

プーノに来たなら、浮き島観光へいきましょう。私は今回、プーノから比較的近いウロス島に行ってきました。ウロス島は、プーノの港からモーターボートで30分ほど走ったところにあります。トトラと呼ばれる水生植物を積み重ねてできた浮き島のウロス島。彼らの住居はその島の上につくります。島には学校や教会もあります。住居や学校もトトラで作られ、島の移動に利用するボートもトトラ製。生活にトトラは欠かせないのです。ここの住民は魚や水鳥を取って何代にも渡って暮らしており、独特の生活形態が守られています。半日観光と短い時間ですが、なかなか日本では考えられない生活に触れることができ興味深いです。なお、お風呂とトイレをどうしているかが気になるところですが、すべてチチカカ湖に頼っているらしいです。午後になると水温が上がってくるため、チチカカ湖の水を使って体を洗っているそうです。面白い・・

ウロス島が近づいてきた

トトラでできた船

ウロス島上陸

ウロス島に住む女性たち

台所

ウロス島には売店もあり、そこの売店では格安料金でパスポートにウロス島の上陸スタンプを押してくれます。ペルーの入国スタンプの横に押してもらうと、いい思い出になることでしょう。

スタンプを押してくれる売店

よいこらしょ


クスコは昔、インカ帝国の首都でした。「クスコ」とはアンデス民族の言葉、ケチュア語で“ヘソ”を意味するのです。太陽神を崇拝し、インカ帝国を築いた人々にとってのクスコは、宇宙観の中心でもあったのです。クスコを特別な街にしている理由のひとつはインカ時代に造られた石組みの壁でしょう。言わずと知れた「12角の石」は必見です。すべて四角で済ますことのできるはずの石を12角にして、かつ他の石とぴったり接合させ壁を造っています。この石の意味については様々な推測がされており、いまだに解明されていません。1年の各月を表わしていると言われたり、12人だった王の一族を表わしていると言われたり・・インカ流の美意識でしょうか。

右がスペイン軍の造った壁、左がインカ時代の壁

壁が美しい街並み

12角の石

クスコの中心はアルマス広場。アルマス広場は、ペルーの至る所にありますが、クスコもその1つ。アルマス広場にはカテドラルやレストラン、旅行会社、土産物店などが並び、いつも観光客で賑わっています。また、ここからクスコの美しい家並みも臨むことができます。
クスコ自体はそこまで大きい街ではありませんが、周辺も含めて見どころが多い街です。かならず1泊はして観光したい街です。クスコはその街自体にも充分に魅力がありますが、マチュピチュへ向かう旅行客が立ち寄ることも多くあるため、民芸品店や土産物店が多くあります。ペルーにはフワフワの毛をもつアルパカやリャマ、ビクーニャなどがいます。お土産はそのアルパカを象った人形や、毛を利用した暖かいセーターやストール、カラフルな民族衣装の生地を使った鞄や小物がおすすめ。民芸品店や土産物店はクスコ観光の拠点、アルマス広場の周辺に点在しています。可愛らしい「チョーヨ」と呼ばれる、カラフルな耳当て付の毛糸帽子はアンデス地方のもの。様々な柄があるので試してみたいものです。

アルマス広場からの眺め

アルパカの人形

クスコ夜景

また、クスコから車で20~30分走ったところに、聖なるインカの谷と呼ばれるところがあります。5000m級の山々に囲まれたその土地は、クスコを始めとする、インカ帝国の中枢をなした遺跡や村々が残されていて、必見の場所です。その中の1つの、ピサックには遺跡があります。段々畑や太陽を利用したカレンダー、お墓、見張り台の他、太陽の神殿もあり、ミニ・マチュピチュといったようなところです。ピサックへ向かう前にリャマやアルパカが飼育されているアワナカンチャに立ち寄って、餌をあげたり間近で触れ合うことも楽しみの1つ。クスコから聖なるインカの谷へ向かう際の山間部を臨む車窓も美しいです。

アルパカ―!アワナカンチャにて


マチュピチュは?という声がきこえてきそうなので。
すごく天気がよかったマチュピチュ。いわずもがな素晴らしかったです。まずは現れ方。マチュピチュは徐々に姿を現すことなく、ある時突然、デデーン!と姿を現します。徐々にチラチラと見えてきたら興ざめやなと思っていましたが、期待を裏切らない現れ方でした。
マチュピチュはガイド付きで入場するので、説明を聞きながらゆっくりと堪能することができますが、もっと奥深くマチュピチュ遺跡を堪能したい方には、隣の山、ワイナピチュへの登山がおすすめです。ワイナピチュはマチュピチュと標高差300mほどなので登山を普段していない方でもまだ比較的登りやすいですが、途中、ロープを掴んだり手を使って登ることもあるので軍手を持っていきましょう。頂上からはマチュピチュ遺跡を一望できます。私が登ったときは天気も良く、気持ちの良い登山にはなりました。ただ、運動不足と貧血の私には大変体に堪える登山ではありました。。一緒に登った外国人の方たちも息を切らして登っていたので、登山に慣れている方でも登りごたえのある山なのかもしれません。

ワイナピチュ登山後で疲れてる


ものすごい棚田

ワイナピチュ登ったぞー!

ワイナピチュからマチュピチュを臨む

ワイナピチュ頂上までの急な階段

今回、私は1人でペルーに参りました。ペルーは冒険のイメージが強い国ですが、実は女性にもぴったりな国でもあるのです。マチュピチュ始め“インスタ映え”のするスポットも多く、お土産に最適な可愛い雑貨もたくさん。民芸品に使われるカラフルな小物や、手触りの良い上質なアルパカセーターがいいですね。また、「チョーヨ」と呼ばれる、可愛らしい耳当て付の毛糸帽子はアンデス地方のものです。食事は、あっさりとしたセビーチェ(魚介類のマリネ)や、美容にもいいキヌアを使ったサラダなど、日本人の口に合うものが多いです。変わったものを試してみたい方は、クイと呼ばれる、モルモットの丸焼きがおすすめ。

鮭のセビーチェ

モルモット!

今回、マチュピチュだけではないペルーを知ることができました。日本から飛行機で往復50時間ほどかかりましたが、疲れを吹っ飛ばすそれ以上のものに出会えますのでぜひ皆さまにも訪れていただきたいです。


クスコ近郊サクサイワマンにて現地の学生と

【スタッフおすすめ度】
チチカカ湖/ウロス島★★★★ 独特の生活形態が魅力
クスコ★★★★★      絶対訪れてほしいインカの街並み
マチュピチュ★★★★★   一生に一度は訪れたい
(2017/11 楠本悠子)
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