~対照的な人柄が魅力的★ブルガリア・ルーマニア紀行満足の10日間~

~対照的な人柄が魅力的★ブルガリア・ルーマニア紀行満足の10日間~

今秋、ターキッシュエアラインズ様とリディアツアー様の尽力によりブルガリアとルーマニアへのツアーに参加させていただきました。
機中泊込みで10日間という長い旅行で、この2か国を存分に巡ることが出来ました。
どちらの国も訪れるのは初めてで出発前から興奮気味。自然豊かな東欧の国の旅行を以下ご紹介します。
*1日目*
ターキッシュエアラインズにてブルガリアの首都ソフィアの空港へ到着。
空港から外へ出ると、その空気の良さと広々とした光景に思わずうわぁ、と声が漏れました。
到着後、そのまま市内観光へ。


青空によく映える美しい建造物


古代のインド・ヨーロッパ語族であるトラキア人が移住してからローマ帝国時代、オスマン帝国時代、ソ連介入時代等の歴史を経て今に至るブルガリア。
ソフィアがその首都となったのは100年前に独立した時です。

優しい緑色が美しい

この地は古代ローマ帝国時代のバルカン半島での中心地として繁栄したとされます。
当時の地名は民族の名前を由来とするセルディカ。
現在のソフィアという地名は、6世紀にユスティニアヌス帝が建てた美しい赤煉瓦造りの聖ソフィア教会の名前に由来します。
市内には古代の城塞都市セルディカの遺跡から、オスマン朝時代のイスラム寺院、イスラム勢力の目を憚って建立された地下教会、ユダヤ教のシナゴーグやロシアの影響によるタマネギ形の屋根が特徴的な教会等ボリューム満点の見所があります。

一段下に造り目を憚った地下教会

中心部の大通り沿いはお洒落なレストランやカフェ、ファストファッションのお店等が並び賑わいます。

そこからほど近くに歴史を物語る遺跡や教会がひょこっと現れますので驚きます。

ソフィアの名前の由来となった教会は、緑に囲まれどっしりと佇んでいます。

ブルガリア最大で最も美しいとされるアレクサンダル・ネフスキー寺院は遠くから見ても圧倒的な存在感を誇ります。
ブルガリア独立のきっかけとなった露土戦争で戦死したロシア兵士の慰霊を目的として建てられたものです。


ただこの日は、訪れた時間に丁度大勢のバイク集団が集まっており妙な光景が広がっていました。

たまたまツーリングの皆さんの集合時間に被ったようです。見た目は強くて怖そうな人々ですがよく見ると朗らかで楽しそうに会話をしていました。
大通りのレストランは女性に大変おすすめの、とても可愛らしい内装でした。
野菜スープにピーマンの肉詰め等、日本人の口にもよく合います。



ピーマンの肉詰めが美味!

市内から約30分ほど車を走らせ、ヴィトシャ山の麓に静かに門を構える世界遺産のボヤナ教会も訪れました。
この教会は、美術や歴史に興味があれば必ず訪れて頂きたい場所です。

11世紀の創建から13世紀、19世紀と増築され、3棟からなる珍しい建物です。
貴重なものは内部のフレスコ画。

ここのフレスコ画は、現地の人々をモデルにして描かれた一人一人顔の異なる聖人や、最後の晩餐の場面でイエス・キリストが真ん中ではなく左端に座り、テーブルにはパンとワインの他に大根など庶民的な食べ物も並んでいるなど、珍しい光景を見ることが出来ます。

内部は撮影禁止

一番奥の棟のアーチ状になった天井に描かれている、ベースの青色の上に浮かび上がる光を纏ったイエス・キリストは鮮やかで美しく印象的です。
中間の13世紀創建の部分には、ブルガリア語の古文文字が描かれた碑文があり、寄贈者によりこの教会を聖ニコラウスに捧げたいという内容とのこと。
子供の頃のイエス・キリストや当時の王も描かれています。
夜は民族料理と伝統舞踊を楽しめるレストランへ。

ここだけ別の時代かのような、民族衣装に囲まれたレストランでは伝統的なチーズがたっぷりかかったサラダに、スープ、お肉とコースをいただきます。食事をしながら伝統舞踊も楽しみます。



最後に、ブルガリアにて初のヨーグルトを味わいました。このお店では上に蜂蜜とナッツをトッピングして出して下さり、とても濃厚で食感もしっかりしていて美味!

伝統舞踊も楽しめる

火の上を歩く舞踊には驚き

昼から薄々気づいていましたがブルガリアはとにかく料理の量が多いです。それでも美味しいのでついつい食べ過ぎてしまい、帰る頃には太っていること間違いなしの予感です。
*2日目*
この日はプロヴディフという長い歴史を誇る都市へ。
紀元前19世紀には既に、トラキア人集落が出来ていたといわれるプロヴディフ。
時代が流れ人口が増える度に区画が拡張され新しい建物が増築されるなか、古代のローマ劇場なども保存されてきました。

美しい紅葉


石畳が敷き詰められた旧市街はまさにローマの影響を色濃く残し、この地方独特の二階部分が突き出た特徴的な家が並びます。

突き出た2階が特徴的

カラフルで鮮やかな色の外壁もかわいらしく街歩きが楽しい場所です。


お土産屋を見ているねこくん

ローマ劇場は現在でも野外劇の上演のため利用されているとのこと。



舞台に立てば3000人もの人を収容できる客席が目の前に広がります。
こんな屋外の舞台で演じることができたらさぞ気持ち良いことでしょう。
伝統家屋に囲まれたテラス席で昼食をすませ、黒海沿岸のホテルへむかいます。

美味しい壺焼き★

シロップひたひたのケーキは確実に太ります!

*3日目*
この日はまずネセバルという都市へ移動します。

ネセバルは、黒海ににょきっと突き出た半島で世界遺産の都市です。

到着してすぐに美しいアイスブルーの黒海が目の前に広がります。
城壁に囲まれたネセバルの入り口へ足を踏み入れると、都市全体の模型があり、四方を海に取り囲まれた天然の要塞都市の全貌がわかります。なんだかRPGの世界に迷い込んだような気分です。

綺麗な模型


この都市の歴史は紀元前2000年頃まで遡り、トラキア人が最初に移住してからギリシア人、ローマ帝国、ビザンツ帝国と支配国は移り変わってゆきます。
その後港町として貿易を展開し繁栄期を迎え、オスマン朝の支配下でもキリスト教に寛容な政策であったがために様々な様式の教会が破壊されることなく残っています。


出窓が特徴

街の中には、現在も住居として使われている民族復興様式という独特な家屋が立ち並びます。

教会の建築様式も独特で、外壁には青色の陶器がはめこまれ半円アーチを描いています。

はめこまれた美しい陶器

とくにメセンブリア通りにそびえる聖パントクラトール教会は、14世紀の第二次ブルガリア帝国時代のもので当時の教会として国内で最も保存状態が良いとされます。

街の奥の黒海が見渡せる場所までくると、ずっとこのままぼんやり海を見ていたくなるほど広大で美しい景色が広がります。
この日昼食で訪れたのは、「メハナ」と呼ばれるブルガリアではおなじみの飲食店。いわゆる居酒屋のようなイメージですが、居酒屋とはまた違うとガイドさんは言っていました。伝統的な装飾と民謡が流れる店内にはワインが並び、洞窟のような雰囲気。

雰囲気の良い店内

カボチャをまるごと甘く煮こんだスイーツ

このあと、夏の首都とも言われるヴァルナ近くのバルチクにある、ルーマニア統治時代のマリア王妃の離宮と植物園を訪れました。




沿岸に建てられた離宮は中の見学もでき、部屋の窓からは黒海が見渡せます。
離宮へと続く植物園は広く様々な植物が植えられており、可愛らしい門や凝った滝まで造られ、のんびりと観賞を楽しめます。




バルチクから車を走らせ、カヴァルナという場所にあるトラキア断崖のゴルフリゾートへ向かいます。
ここでは黒海を眼下に広大な土地をふんだんに使ってゴルフを楽しめます。


断崖絶壁の底には、淡い青色に輝く美しい海が静かに波を立てながら水平線の彼方まで広がります。
長期滞在や家族旅行におすすめのアパートメントタイプのホテルでした。
*4日目*
この日はまずトラキア人の民族文化を学べる屋外博物館へ向かいます。
石器時代のころの家屋が設置され、中にはリアルな人形とともに当時の生活空間が再現されています。

民族衣装が格好良い





遺跡から出土した金の飾りのレプリカなども展示され、また弓矢の体験などもできました。
見学後、次の目的地ルーマニアへ入るため国境まで車を飛ばします。
車のまま国境を越え、パスポートを提示し審査官が車内に入って軽く確認をしたら車を乗り換え、ブルガリアのガイドさんと別れを告げます。
バスを乗り換え、サンタさんのようなガイドさんに迎え入れられると最初の都市シナイアへ向かいます。
夕食ではすり潰したナスのサラダや焼いたマスの料理などこちらも料理が美味しいです。
ルーマニアの人々はラテンの血が入っているからかとても賑やかで沢山お酒を飲むようです。

ナスのペーストは素朴で美味しい


食前酒のツイカと呼ばれる、濃いウィスキーのようなお酒は度数によって名前が変わり、ツイカが30~40度、次のパリンカが40~50度、ホーリンカが50度以上とのこと。
ショットグラスで出されますが唇が痺れる強さ。ルーマニア語で乾杯は「ノロック」。この後何十回も聴くことになります。
*5日目*
出発後、美しく色付いた木々に囲まれるペレシュ城を見に行きました。
1875年にルーマニア王室の離宮としてカロル1世が建て、現在でも王族所有の建物です。
今回は中には入りませんでしたが、部屋にはカロル1世の美術コレクションや中世の武器などが展示されています。

庭も美しい

ドイツ・ルネッサンス様式の建物は木組みの外壁や窓枠の装飾も美しく見ごたえがあります。



シナイアをあとにし、ついにドラキュラ城として名高いブラン城を目指します。
ブラン城はシナイアと同様にトランシルヴァニア地方にある、中世の街並みをいまなお残す古都です。
アイルランドの作家であるブラム・ストーカーによる小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場するドラキュラ城のモデルとなったとされる城がブラン城。
この城はドラキュラのモデルであるヴラド3世(ヴラド・ツェペシュの祖父が居城とした場所であり、ヴラド・ツェペシュ本人は実際に訪れたことがないとされています。


彼の父親はワラキア公のヴラド・ドラクル(ヴラド2世)という名で「竜公」と呼ばれており、ドラキュラという名は「竜の子」を意味するニックネームのようなものとなります。
またヴラド・ツェペシュの「ツェペシュ」は串刺し公の意。
彼は15世紀、ワラキア公国の領土を脅かしつつあったオスマン朝への朝貢を断りオスマン朝からの使者を串刺しにして処刑しました。
その後もオスマン朝から攻め入ってくる兵士を次から次へと串刺し刑に処したことからルーマニア語で串刺し公という意味の「ツェペシュ」が異名としてつけられました。

大きすぎて収まらない城

ハロウィンのおばけ

訪れたときはぐずついた天気でしたが、それがなおドラキュラ城という異空間を演出していました。
また、ちょうどハロウィンの時期で装飾がされていました。

ブラン城の中には、レプリカとなりますが当時の家具や服飾品、武器などが展示されています。部屋数が多く、また中庭部分のつくりも興味深くつい長居してしまうような場所です。





城のふもとには土産屋が並び、妖怪の被り物やドラキュラグッズ、伝統的な陶器などさまざまなものを取り揃えています。


ブラン城への徒歩圏内に、窓から城を眺められるお部屋があり、部屋の装飾も可愛らしいホテルがあります。


ドラキュラルームも完備!
城下で一泊のんびりしてみても良いかもしれません。
ブラン城をあとにし、ブラショフの中心部へ向かいます。
天気がいきなり晴れて快晴に。

広場からのびる大通りにはカフェやレストランが並び賑わいを見せます。
その広場にずっしりと重厚な建物がそびえ建っています。
これは黒の教会という後期ゴシック建築の巨大なプロテスタント派の教会です。
中にはルーマニア最大のパイプオルガンが置かれています。


「黒の教会」の名の由来は、14~15世紀の戦乱で大火事になり黒く焼けてしまったこと。
現在は修復されて真っ黒くはありませんが、その荘厳さと存在感はこの街で圧倒的なもの。
夏はパイプオルガンコンサートも行われるそうで、行く機会があればぜひ見てみたいものです。
内部は通常の教会装飾ですが、壁にはオリエント風の絨毯コレクションが飾られており東西の文化交流が見受けられました。


中心部ストゥルファイ広場からのびる大通りにはカフェやレストランが並び賑やかな雰囲気
このブラショフをあとにし、次の街シギショアラへと向かいます。
シギショアラは歴史地区全体が世界遺産に登録されている街です。
ドラキュラのモデルとなったヴラド・ツェペシュの聖地として名を馳せる街でもあり、今もなお中世の街並みが美しく保存されている場所です。

時計塔

ドラキュラレストラン!

到着後少しホテルで体を休め、世界遺産に登録されている旧市街の中に店を構えるレストランへ。
ここはヴラド・ツェペシュの生家をレストランとして利用している、カサ・ヴラド・ドラクルという店です。
鮮やかな黄色の壁を横目に入口から中へ入ると、雰囲気抜群の店内。
壁にはヴラド・ツェペシュの肖像を用いた絵が描かれています。


血のスープ★

牛肉の煮込み

出てくる料理は美味しく頂き、ガイドの皆さんもお酒が入り楽しくなってきたのか店の音楽を勝手に変えはじめ音量もアップ。まわりに他のお客さんがいないのを良いことに踊りはじめました!
ここではなんでもありだと言っていました。すごい。
なんやかんやで来ていた皆さんも踊りに引きずり込まれ、全員で輪を描いてダンス!ルーマニアの方は本当に陽気で明るい方が多いです。忘れられない夜となりました。

ハロウィン仕様の店内

*6日目*
朝からシギショアラ旧市街のシンボルマークである時計塔頂上を目指して出発します。
旧市街に入ってすぐ目の前にそびえる時計塔の上からは、街の景色を一望できるのだとか。

大きな時計塔

塔の入り口

中は木の階段でギシギシと鳴り、そのうち落ちてしまうのではないかとドキドキしながら頂上へ向かいます。
途中、かつてここで栄えたギルドで利用されていたものが展示されていたり仕掛け時計の中を見られたりと建物内部はワクワクします。

仕掛け時計

頂上に着きギーッと鈍い音をたてるドアから外へ出ると、そこにはオレンジ色の屋根が並ぶシギショアラの街並みが待っていました。



その後シギショアラからクルージュ・ナポカという都市へ向かいますが、途中でビエルタンの要塞教会へ寄りました。
12世紀にトランシルヴァニア地方へ商業を興すことを目的に入ってきたドイツ系の人々により、この地方ではドイツ文化が伝わりました。
彼らにより、周辺の遊牧民族の攻撃から身を守るための要塞教会が建てられることとなりました。

中でもビエルタンの教会は三重の分厚い壁で覆われた非常に強固なものとなっています。
入り口から屋根付きの階段を登って教会まで行くと、近くでは写真に収まらないほど大きなクリーム色の建物でした。

中央の祭壇には、枠組みの中に描かれた宗教画が鎮座しています。

この教会でとくに特徴的なものは、祭壇の横にある聖器室のドアです。一見、なんの変哲も無い木のドアですが開けて中に入ってみると頑丈そうな鍵がついています。

このドアの向こうに

こんな鍵が・・・・

なんとパリ万博で金賞を受けたというこの鍵は重厚で精巧なものとなっており、中世の細工技術の高さが窺えます。

ギルド用の席

要塞からは街を見渡せる

途中の街で食事をとってから、トランシルヴァニア地方の中心部クルージュ・ナポカに到着。
到着は夜でしたが、少しだけ散策へ。
ホテルの近くに川が流れていて夜景が美しい街です。

夜も安全そうな雰囲気

*7日目*
朝、車窓から市街地を眺めながら中心の統一広場まで行きます。広場では朝からマーケットが開かれ、野菜や蜂蜜、大きなパンなどが売られていました。



第一次世界大戦までここはハンガリー領土だった場所で、現在も色濃くその言語や文化が残っています。
広場中心部にはこの街で生まれのちにハンガリーの英雄となったマーチャーシュ1世の像が堂々と立っており、その近くにはゴシック様式の聖ミカエル教会やビザンチン様式の生神女就寝大聖堂など美しい建築を誇る建物が並びます。

そこから、最近ではガイドブックにも掲載されご存知の方も多いかもしれませんが奇想天外なテーマパーク、サリーナ・トゥルダへと向かいます。
サリーナ・トゥルダは、かつて岩塩坑として栄えていた地下に作られた博物館と遊園地。地下にある遊園地なんて、何だかワクワクします。薄暗い岩塩坑の中に淡い照明が光り、観覧車や最深部の池のボート、ボーリングやビリヤードも出来ます!

入口


壁にびっしりと岩塩が残る通路を歩いてゆくと、岩塩坑の頃に使われていた道具の展示があります。



階段やエレベーターを使って下の階へ到着すると、ファンタジーの世界であるかのような空間が広がっています。



暗くてわかりにくいですが行ってみるととっても不思議な空間です
家族連れの観光客も多く、子供たちはテーマパークではしゃぎながら楽しそうにしていました。
このテーマパークをあとにすると、アルバ・ユリアという要塞教会のある街へ向かいます。この都市は美しい星型の要塞となっています。
星といっても通常の5つの角からなる星ではなく六角星が花びらのように重なっている構造です。

跳ね橋を渡り中に入ります。
要塞内にはカトリック教会とルーマニア正教会があり、広場にはカフェや土産屋が並びます。

広々とした要塞内は建物も自然も整備され美しい場所で、心が癒されました。






たなびく国旗が美しい

要塞内の景色を堪能したあと、トランシルヴァニア地方南部の都市シビウへ到着します。
シビウは中世にドイツ系の住民による行政をもとに、商業によって発展したギルドの街です。
現在も、旧市街を取り囲んでいた城壁と見張り塔が残っており、見張りの塔には「大工の塔」などと街の防衛を担当したギルドの名前がついています。RPGの世界のようです。


ギルドのモニュメント

冬はクリスマスマーケットが開催される!

広場は大広場と小広場があり、それぞれ可愛らしいシビウの家に囲まれています。小広場を抜ける際に通る橋は「嘘つき橋」と呼ばれ、嘘をつくと橋が崩れるという言い伝えがあるそう。大広場ではクリスマスに近づくと沢山の露店が並ぶクリスマスマーケットが開催されるとのこと。ここのマーケットは国内でも有名で、国中から人々が集まる賑やかなものということで冬には是非訪れてみたい場所です。
一通り散策が終わるとこの旅最後の夕食へ。




長い旅も最後の夜。伝統的な料理を楽しみながら話も弾み、店を出た頃には雨も降り始めさらに冷え込むなかホテルで疲れを癒します。
*最終日*
シビウ郊外にあるアストラ伝統民族文化博物館という野外博物館へ向かいます。
朝早すぎてまだ開館していない様子ですが、自由すぎるガイドさんはちょうど出勤してきたと思われるスタッフに話しかけ、見事に入れていただきました。何でもありです。
シビウ周辺やマラムレシュ地方、コンスタンツァなどルーマニア全土から集められた民家のコレクションや水車、風車など豊かな自然の中での生活をありのままに展示した博物館です。



なんとガイドさんの親族が自ら提供した家もあってか、嬉しそうに案内をしてくれました。
博物館をあとにして空港をめざしブカレストへ戻ります。
ブカレストでは、初日には見ることのできなかった革命広場などを観光しました。
1989年12月22日、共産党政権が政治を行なっていた当時のルーマニア大統領ニコラエ・チャウシェスクが最後の演説を行った共産党本部はまさに革命の中心地。
この演説後、失脚が濃厚と知ってヘリコプターで逃走するも空港で拘束され裁判で処刑されるという世界にも驚きを与えた政治的事変が起きた場所です。



同年に起きた民主革命の銃撃戦の舞台となった場所でもあり、近くには犠牲者を祀るモニュメントや犠牲となった人々の名前が書かれた壁があります。
ルーマニアの歴史を語る上で外すことのできない重要な出来事が起きた場所で話を聞き終えると、空港へ向けて出発です。
長かった旅もこれで終わりかと思うと寂しいような、でも白米が恋しいような不思議な気分で飛行機へ。
振り返ってみると、隣接するふたつの国でまったく国柄が異なることが個人的にはとても興味深く感じました。やはりもとの民族が異なるということもありますが、ブルガリアの人々は静かで温和、ルーマニアの人々は明るく朗らかという極端な違いに驚きつつ、それを楽しむことが出来ました。

加えてどちらの国も美しい自然と歴史ある貴重な街並みを保有し、食事も美味しくプライベートでもまた訪れたいと思う素敵な国でした。
とくにルーマニアではギルドが栄えた街を歩くことが多く、中世の時代に入り込んでしまったかのような夢のような気分を味わうことが出来ました。

メジャーな国にはもう行きつくして飽きてしまったという方にもおすすめのこの2か国、是非次に足を運んでみてはいかがでしょうか★
スタッフおすすめ
★★★★★
ボヤナ教会     ★★★★
ネセバル      ★★★★★
シナイア      ★★★
ブラン城      ★★★★
シギショアラ    ★★★★★
サリーナ・トゥルダ ★★★★★
(2017年10月 山口優)
ブルガリア
ルーマニア

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