MEは何しにチベットへ?チョモランマベースキャンプ?NO!NO! 酸素を補給して都江堰・九龍・九寨溝・3つの世界遺産を満喫

MEは何しにチベットへ?チョモランマベースキャンプ?NO!NO! 酸素を補給して都江堰・九龍・九寨溝・3つの世界遺産を満喫

今回の目的地はチベット、チョモランマベースキャンプ。響きがとても良いが登山素人の私が登るわけではない。
誰もが一生に一度は肉眼で見たいエベレストの山をベースキャンプまで行って写真を撮るという誰しもが羨む
チャンスが巡ってきた。しかしチャンスは出発前までで、チベット到着後はピンチの連続に見舞われることとなる。
結論から述べると行っていない。

<当初のスケジュール>
1日目:羽田から北京経由で成都へ夜着
2日目:朝のフライトでラサへ(標高3,650メートル)
3日目:ポタラ宮、大昭寺、八角街、セラ寺を観光
4日目:車でヤムドゥク湖(4,790メートル)を通ってギャンツェへ(3,950メートル)
5日目:車でチベット第2の都市シガツェ経由でニューティンリへ(4,200メートル)
6日目:車でベースキャンプへ(5,100メートル)宿泊はオールドティンリ(4,300メートル)
7日目:車でシガツェへ(3,900メートル)
このように徐々に慣れながら高度を上げて目的地を目指す理想の旅・・・のはずだった。
予定表と同時に高山病=低酸素症に関する参考資料をもらった。高度2,500メートル以上での酸素不足が招く
トラブルの総称で低地から高地に行った際に気圧の低下や酸素量の減少によって頭痛、吐き気を伴う。その資料には酸素ボンベ、緊急加圧装置、パルスオキシメーターという実際に世話になった血中酸素飽和度測定器など、ちょっとビビってしまうような聞いたことのない単語が並んでいた。今回はいつもと違ってちょっとハードルが高いぞと緊張するも
どちらかといえばまだ他人事で、ひととおり読んでもあまりピンとこなかった。というのも高山病にかかるかかからないかは
生まれつきのもので個人差があるらしくその時の体調によって変わるらしいからだ。なのでこれといった完璧な予防法もないようだが、日本旅行医学会のサイトを見るとダイアモックスという予防薬(特効薬ではないが)があってこれを出発前に飲んでおけば防止できるとのこと。ただし一般の薬局で購入することはできないため必ず医師に相談して処方してもらわなければならなくしかも保険の適応にならない。少々面倒な気がする・・ということで心の準備はしたが具体的な準備はしないまま出発日を迎えた。
ここから先はあくまで個人の体験として主観も交え、今後チベット旅行を計画している人の参考に少しでもなればと願い
結果をリアルに記録したい。まず羽田から北京乗換で成都へ。ホテルでガイドからチベットの入境許可証を受け取る。
入境許可証を取得するには通常はおよそ3週間かかる。また、許可されているといっても原則、ガイドが同行しなければならないから勝手にフラフラうろついては行けない。外国人としての自覚と注意が必要だ。実際はちょっとした街歩き程度なら可能だが。ラサの空港に着いたら出口のところにいる係員から提示を求められる。滞在中はずっとガイドに預ける。帰りは空港の入口で回収されるので、その前に記念に写真に収めておいた。


1泊して2日目の昼にラサに到着。

なんとなく空気が薄いと感じるも、そんなにいきなり頭が痛くなるとは思えない。
ガイドと合流し昼ご飯を食べてホテルヘ。

高地に慣れるためにはアルコールは厳禁なのでランチビールは我慢する。
ホテル到着後、シャワーも浴びない。これも高山病対策。大好きなビールが飲めないのはとてもつらいが以前クスコでついつい油断して350ミリ程度のビールを飲んでしまい3時間後に発症した苦い経験がある。その時は酸素を吸って幸い軽く
済んだがそれなりの悪夢だったので再現しないよう禁酒を心に誓ってラサにやってきた。水をビール替わりに意識的に多く飲むようにしようと企んでいた。現地では到着後にお客様の体調チェックを無料でサービスしてくれる。ただこの無料というのはどこの世界でも怪しいもので、その先に有料という名の扉が開くことが多い。
そして案の定、例外ではなかった。医者というよりは芸人のような風貌の若い先生が目の前に現れた。
到着してから4時間くらいしか経過していないのに顔を見るなり、すでに兆候が出ていると診断されてしまった。
言われてみれば少しだるい感じはしたがまだその時点で頭痛はなかったので、”大丈夫”と強がってみた。
まず血圧を測る、なんと190超え。年に1度の健康診断でも見たことない高い数字にちょっと驚く。次に血中に含まれる酸素の濃度を測る器具、通称パルスオキシメーターを親指に挟む。正常な人は90以上あるそうだ。医者もガイドも90を超えていた。一方自分は70を切っている。確かに爪の色がいつもと違う。鏡を見てないが唇も紫に変わっているらしい。
大きな病気も入院したこともない、かつては健康優良児であった自分がここで人生初の点滴に挑戦することになってしまい
ホテルの部屋が瞬く間に病室に変わってしまった。片手に点滴、鼻から酸素、唇は紫、そして心は折れかける。
点滴が意外に痛いものだということを初めて知らされた。治療の費用は加入している海外旅行保険の適用にはなるが、
ここはいったんキャッシュで払わなければならない。往診料が2,400元、酸素ボンベが500元、合わせて日本円に換算して45,000円くらい。そこで気づいた、足りないのは酸素だけではない。手元の中国元が思いっきり足りない!カードは使えないか?ツケは利かないか?円ではダメかと苦しい状態で交渉を試みるも全てあっさり却下、しかも満面の笑顔で。
仕方ないので医者を待たせフラフラの状態で銀行へ向って現金をおろし無事支払を済ませた。銀行の前に駐車している先生たちの車の中で手渡すが領収書はもらえない。明日持ってくるとの言葉を信じて払う・・・まるでいかがわしい取引をしているかのような光景だ。冗談はさておきこれで少しは良くなるだろうと信じたのだがこれはほんの序章に過ぎなかった。
夕食はなんとかレストランまで歩き、味を楽しむこともなく腹に入れてさっさと部屋に戻り横になるがまず眠れない。
眠いのに眠れない、なんだこの感覚は!一晩中うなされる。眠ってるんだか眠ってないんだかわからない半端な状態で
朝を迎え、軽くおかゆだけを口にして予定通り観光へ出発。何の根拠もないが歩けば良くなる、病は気から、そのうち慣れるであろうとこの時点では信じていた。
初めにラサの象徴、世界遺産のポタラ宮へ。外観が美しい。入場まで長蛇の列で40分近く待ち

入ったら入ったで階段を登り続けたが、後で振り返るとこれがかなりの運動量だった。中では勝手に行動できないためガイドと一緒に決まったルートを見学しなければならない。


息切れはしたが昨日診てもらっているからもうそろそろ体が順応してくると密かに期待もしていた。
ダライラマ13,14世が暮らした場所、白宮(ポタンカルポ)

ダライラマ5世霊塔が必見の紅宮(ポタンマルポ)

どちらも内部は一切撮影禁止となっている。
ランチを食べて世界遺産の大昭寺へ

五体投地をする人々の姿が印象的。

お寺を取り囲む八角街は多くのみやげ屋が並ぶ

お昼を食べていったんホテルに戻る、ここまでは良かった。
ところが最後のセラ寺に着いた頃、急に苦しくなり観光もそこそこ早めに切り上げてホテルに戻る。


平日の午後に中庭で行われる問答修行が有名で見ておきたかったがとてもそれどころではない。
体の状態が良くないので再度医者を呼んで2日連続の点滴治療。これだけでは不安なのでついに緊急用の酸素ボンベを購入。
ボンベがあれば安心ではあるが、頼っていてはいつまでたっても体が慣れない。わかっちゃいるけどやめられない。
そして今日もお金が足りないので銀行でキャッシング→お支払→車中で金の受け渡しという昨日と全く同じシーン。
食欲がないのでレストランでの夕食はキャンセルしてパンとヨーグルトで就寝。酒なんてとても飲む気がしない。
またしても眠れない、眠いけど眠れない、昨夜と同じじゃないか!ということでいよいよこの先の行程を真剣に考えなければならないステージに来てしまった。冷静に考え、やはりチョモランマは見たい!写真を撮って帰る!キャンセルは絶対したくないとの気持ちが勝っていたのでとにかくここで体を慣らそうと踏ん張ろうと決意するが昨夜以上にしんどい。
部屋の空調も最悪で口がカラカラ渇くのでガムを噛み続け、水を飲んで凌ぐ。痛みに耐えて慣らしたいという気持ちと吸って楽になりたいとの気持ちの矛盾に悩みながらまたしても眠るに眠れない夜を過ごす。
ある程度の覚悟はしていたがこんなに苦しいものなのかと悶え続けて朝を迎える。少し落ち着いていたので予定通りギャンツェへ向うことにする。苦しくなった場合に備え昨日買ったボンベを車に積んで出発。運悪いことに途中で猛吹雪のため撮影に降りるに降りられない。景色が楽しめない上に4,000メートルを超えてさらに息苦しい。想像以上の頭痛と吐き気に耐えられず途中で車を停めて吹雪の中、嘔吐。ホテルに着いたころは寒さも増してきて体の震えが止まらない。食欲もレストランに行く気力もまったくなく夕食はガイドさんに焼き餃子を買ってきてもらった。いよいよもって体が限界。細胞レベルで悲鳴を上げているのでついに翌日以降の行程を断念したいとガイドに告げて行先の変更手配に着手する。そして酸素ボンベを追加購入。

吸っている間は熟睡できるので今夜は安心、のはずが夜中に頭痛で目が覚めてしまう。なんでだ?と目盛を見ると酸素が切れている。480元も投資した高額ボンベなのにもう終わりかよ!もう1本残っていたので手をつけようかそれとも慣れるために朝まで我慢しようかとグダグダ悩んでいるうちに朝が来た。車中では酸素ボンベを吸いながら移動。結局ギャンツェでは何の観光もせず、ただ行って折り返しただけ。来た道をそのまま戻りヤムドゥク湖、カローラ氷河を経由して成都まで戻ることにする。幸いにも復路は晴天に恵まれたので昨日撮リ損なった写真が撮れた。以上、空気と記憶の薄い成都で行ったところは
①ポタラ宮

②セラ寺

③大昭寺(ジョカン)と八角街


④ギャンツェ

⑤満拉ダム

⑥カローラ氷河

⑦ヤムドゥク湖

⑧カムパラ峠

まったく収穫が無かったわけではないが俺は何しにチベットへ・・・という中途半端な思い出だけが残った。
後半は成都に戻って九龍、九寨溝を観光にプランを急遽差し替えた。志半ば、どころかクォーターで断念するとはあまりにも悔しい。あきらめがつかないがいずれ九寨溝も行きたいと思っていたのでこれも良い機会と前向きにとらえて気持ちをリセットした。
<成都パンダ繁育研究基地>

市内のホテルから車でおよそ30分、60頭以上のパンダがいるファンならたまらないスポット。緑に囲まれた道をゆっくり歩いて見学。地元の小学生たちの遠足と鉢合わせになった。そういえば自分が小学生の時、日中国交回復の記念にパンダが上野動物園に贈られたことを思い出した。ランランとカンカンの2頭は社会現象級のもの凄い人気だった。
あれから45年・・月日が経つのは早いなと思いながら園内を歩いた。

レッサーパンダも見られる


<都江堰>

次に向かったのが成都の北西にある古代水利施設、都江堰。

中国の重要文化財で世界文化遺産に登録されている世界水利施設の元祖ともいうべき所。
紀元前3世紀に岷江の氾濫を防いで成都平野に水を引く目的で築かれ今日まで約2,300年間にわたって防災・灌漑・水運の働きをしていてここからの水が成都を豊かな都にしたと言われている。ダムではなく人工の中州と流水路を巧みに配置して、
水量によって流れが変わるように造られている。自然を破壊することなく、自然を上手く利用した潅漑事業の模範としても
世界的に有名。現在はこの都江堰水利施設を取り囲む広大な自然公園が一つの観光地として管理されていて中国でも有数の観光地として多くに人が訪れる。

泯江の水を振り分ける魚嘴(ギョシ)

魚嘴は魚の頭に似ているということでつけられた名前。宝瓶口に水が流れるように川の真ん中に造られた堤で
泯江の水を本流と運河につながる川(灌江)の二つに分け、比率を配分する最も重要なポイント。
ここで分けられた川が内江と外江に分かれる。内江は狭くて深い川、外江は広くて浅い川で、水位が高くなると川幅の広い
外江に流れる仕組みになっている。
<黄龍>
成都からの途中、茂県で1泊。そこから松藩を経由して車でおよそ5時間、中国屈指の奇景と称される黄龍へと向う。
黄龍は九寨溝とともに世界遺産に登録されていて地名は黄金色の龍が天に向かって舞い上がっていく姿に見えることに
由来している。ここは敷地が広い上に標高3,000メートルを超える高地にあるので登りはロープウェイが断然おすすめ。

このロープウェイができたのは10年前と歴史は浅い。それまでは2キロ近い階段を上がっていたそうだ。
なのでもちろん歩いて登ることも可能だが時間と体力を要するので効率よく、且つ楽にまわるためにロープウェイを利用した。

入場料とは別に80元を払って一気に上昇する。上に着いたら揚州から来た学生と記念撮影。

最も高いところで3,500を超えるので当然ここでも高山病への注意が必要。そのため途中に酸素休憩所がある。

1回3分程度で1元と安いが薄くて吸った気がしないのであまり役にたたないかもしれない。幸か不幸か一昨日までの苦しい経験がここに来て生きたので全くつらくない。ようやく体が慣れたのだろう。てっぺんからあとは徐々に下るだけでおよそ4時間かけて森林散策を楽しむ。木の遊歩道が整備されていて歩きやすいといえば歩きやすいのだがとにかく広くただ黙々と
歩く。

運動不足を解消するにはちょうどいいかもしれない。1時間くらい経ったであろうか、ようやくメインである五彩池が姿を現した。ここは自然が作り出したエメラルドグリーンのライステラス。石灰岩の層が地面の傾斜にそって連なって生み出された、独特の美しさが楽しめる絶景スポット。


見る角度、時期や時間、晴れか曇りかの天気によって光の具合が変わり水の色が異なって見えるという神秘的な魅力を持っている。いつ来ても楽しめそうだが強いて言えば雪解け水の多い5月から9月が良く、特に9月末あたりがベストシーズンと言われている。
<九寨溝>
翌日は数ある未到達の地の中でもいずれは行ってみたいと焦がれていた1つ、中国が誇る世界遺産の九寨溝へ。
結果的にはここが今回の旅のメインになった。

九寨溝は四季折々で楽しみ方が変わると言われている。中でも
ベストシーズンというか観光客が多いのは水が多い7月から10月頃らしい。春は降水量が少ない分、年間で一番透きとおった湖沼群が楽しめるのが特徴。ネットの写真を見る限り秋の紅葉や冬の雪景色もいい。つまりいつ来てもその時々の表情が楽しめるのでいつがベストかは自分のお好み次第であろう。写真のイメージからひっそりとしたところと想像していたがとんでもない。とにかく人が多い。まずチケットを買って中に入るまで4月の平日でも30分以上はかかる。周りは当然ながら中国人だらけで日本人はほぼいない、完全アウェイの状態。そしてやかましい。バスの列に平気で割り込むわ、車内で騒ぐわ、
で移動の時に一番苦痛を感じる。 ドイツ人のペアとフランス人の3人組みを見かけたくらいで他はほぼほぼ中国人しかいない。

自撮り棒と時に奇妙な様々なポーズ、そんな人たちを眺め、紛れるのも悪くはないが良くもない。写真を撮りたくても撮れない場面もあって正直なところうんざりした。中国人のガイドさんも嫌がるほどの喧騒に対して、なるべく彼らとはかぶらないよう動いてくれたガイドさんに感謝している。オフでさえ1日1万5千人、ピークは4万を超えるらしい驚異の動員力!やかましいバスを避けたいなら追加料金で小型マイクロバスという手段もある。敷地が広すぎて歩くのは無理、というかいない。九寨溝はガイドブックによって分け方が微妙に異なるが大体は次の4つにエリアが分かれている。
<樹正景区>入口から最も近いエリア
老虎海


湖面が鏡のようで感動的。最後に振り返ってみて、今回1番美しいと感じた場所となった。
諾日朗瀑布

幅320m、高さ25mの九寨溝最大の滝。他にも犀牛海という九寨溝で2番目に大きな湖がある。
<長海景区>入口から最も遠いエリア
長海


九寨溝最大の湖で標高約3,060メートル
五彩池


水が少なかったがそれでも神秘的な色彩が印象的。
<日則景区>九寨溝の中心エリア
代表的なイメージの青い海や滝、緑豊かな木々、色彩豊かな場所はこのエリアに多い。
箭竹海

パンダが好きな竹があったことが名の由来。現在はまったく生えていない。
パンダ海

昔パンダがこの湖に水を飲みにきていたことが名の由来
五花海

九寨溝絶景のハイライト。九寨溝にしかないと称えられていて最も透明度が高い。湖底には多くの藻が生えているので鮮やかな色彩が楽しめる。残念ながら水量が少ないので今が最高とは言えない


珍珠灘瀑布

最大落差40メートル。九寨溝で最も迫力があると言われる滝。絶好の撮影ポイントらしく人がやたらと多い。
鏡海

湖面が静かで鏡のように見えることからそう呼ばれているが残念なことに曇天で反射していない。
<宝鏡崖景区>出口に近いエリア。
4月なので水が少ない。7月になればもっと綺麗だろう。
火花海

日光の反射により、湖面に火花が散ったように見えることから名付けられた。
芦葦海

水が全くない。逆にこの状態を見られたのは貴重な経験。
盆景灘

木の根元に酸化カルシウムが着いた様子が盆栽みたいに見えることから名づけられた。
以上、途中ランチを入れておよそ8時間の観光。昨日に続いて歩き疲れたが、良い運動にもなった。午前は晴れていたが午後になって曇り、一瞬雨、といった天候であったため、肝心な写真の撮れ高は低い結果になってしまったがとても見応えのあるところだった。グループなど他の観光客とかぶらないよう、ガイドさんの配慮で微妙にルートを変えて動けたのが良かった。
こんな素晴らしいフォトジェニックなところは誰にも邪魔されずゆっくり静かに楽しみたいと思う。
以上
前半は病に苦しみましたがあっという間の10日間でした。旅にトラブルはつきものですがフライトが遅れたとか、手配ミスによって行けなかったのではなく健康上の理由で旅程を変えたのは初めての経験でした。でもこういうアクシデントを楽しむ旅もありかな、と思っています。無事に帰ってきたので良い経験です。行き損なったチョモランマのベースキャンプに再挑戦したい気はありますが正直なところ体力的に自信がありません。今後チベット旅行を計画する人にお伝えしたいのですが必ず事前に高山病に関する知識を備えて下さい。それから海外旅行保険には必ず入らなければならないとその必要性をあらためて実感しています。入院にしても往診にしてもこれだけの治療で10万円近くかかってしまいました。もしも意識不明で緊急搬送となったらさらに莫大な費用がかかるのでクレジットカードの保険では賄えません。必ずサービスと補償の充実したプランの保険に入ってください。またチベットのホテルに酸素は置いてあります。たまたま今回は備えがなかったのでクレームを入れましたが通常は宿泊客のために常備しているそうです。それから吸い比べていないので何とも言えませんが市販の酸素缶は効き目がないとガイドさんが強調していました。最後に予防薬を飲むかどうかなどの判断は個人にお任せいたします。自分は健康な方ですが今回の結果に対して心当たりがあるとしたら酒です。“毎晩お酒を飲む習慣が原因で順応が鈍り耐えられなかった説”を立てています。この説が正しければ出発前の2週間くらいは飲酒を控えればよかったかなという無念の気持ちです。そしてこの無念をいつか社内の誰かに晴らしてもらいたいと思います。
【スタッフおすすめ度】
●九寨溝・・・★★★★★
季節によって表情が異なる中国屈指の景勝地!ゆっくり時間をかけて隅から隅まで訪れたい!
●九龍のロープウェイ・・・★★★★
一気に標高3,500メートルの頂上へ。そこから森林を散策しながら下って絶景ポイントの五彩池へ!
●カローラ氷河・・・★★★★
標高5000メートル。意外に知られていない絶好の撮影ポイント。
(2017年4月 櫻本竜一)
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