運動不足な体にしみる マチュピチュ遺跡とペルースイーツ

運動不足な体にしみる マチュピチュ遺跡とペルースイーツ




日本からアメリカン航空でロサンゼルスまで約10時間、そこから乗り継いでリマまで約8時間半。地球の裏側まで行くだけあって、なかなか遠い。ホテルで大して寝ないうちに、翌朝の出発時間がやってきた。朝のリマの道は仕事へ向かう人で渋滞。
バスでイカまで移動し、そこから車で砂漠のオアシス、ワカチナへ向かう。このバスがかなり快適。クルス・デル・スールという会社の大きなバス。座席は広々としてリクライニング可能、各座席のスクリーンでは映画や音楽を楽しめるし(日本語はないけど)、USBポートもついていて、軽食や飲み物も出る。車内にはトイレ完備で飛行機みたい。乗る時にはパスポートと荷物チェックがあり、セキュリティもしっかりしている。約5時間のバスと車の旅を経て、ワカチナオアシスにやってきた。
広大な砂漠の中に突如あらわれる、緑の木々に囲まれた小さな湖。絵本に出てくるような神秘的な景色だ。人口100人あまりの小さな村ながら、オアシスのリゾートとして多くの観光客が訪れる。湖畔のヤシの木の木陰でゆったり寛いだり、ボートを漕いでみたり、開放的に歌っている女性もいたり。




リゾートホテルにはプールがついているところもありますが、出発前から疑問だったのは湖では泳がないの?ということ。小さな魚が泳いでいるし、水も透き通ってはいるけれど、地元の人にきいたら入って泳ぐほど綺麗ではないみたい。水温はまあまあ冷たいので日中の暑い時は入れそうではあるけど、ボートの方がよさそう。


ヤシの木に囲まれた湖。その向こうは砂漠が広がっていて、風が気持ち良い。特に朝、人も少なく静かな時に湖畔を散歩するのがおすすめ。湖に空や対岸のヤシの木が映ってとても綺麗。それに朝は涼しくて気持ち良い。小さな村にはお土産屋さんやレストランも並んでいるが、物価はやや高め。
夕方の少し陽が傾いてきた頃、サンドバギーに出発。窓も扉もないバギーに乗り、シートベルトを締める。砂漠に出ると、砂丘を登ったと思ったら急降下したり、傾いたまま爆走したり、砂がすごい勢いで顔に張り付いてくる。叫ぶ時もあまり口を開けると、砂が入ってじゃりじゃりになってしまう。砂丘の高いところでバギーを降り、サンドボードで滑り降りる。なんと頭を下にして突っ込むのだから恐ろしい。

こんな斜面を滑り降りる


見ただけで諦めようと思ったが、とりあえず滑ってみた。見た目よりは怖くなく、あっという間に下まで滑り落ちてきた。ただ、もっと高い砂丘から滑っている人もいたし、スキーやスケボーで滑っている上級者もいた。一緒にいたベネズエラから来た女の子と、彼らはきっとプロだろう、なんて話していたが、彼女も自撮り棒片手に滑っていたのだからすごい。
ワカチナから車で20分ほどでイカの小さな空港へ。日差しがささるようで目が痛い。そこからセスナに乗り込み約20分でナスカへ。1時間10分のフライトだ。ナスカが近づいてくると、あそこに地上絵があるよ、と言って機長はぐわんと機体を右側に傾けた。頭がぐわんぐわんしたかと思うと、今度は反対側の窓から見えるように、左側に傾ける。窓の外がぐるぐるまわって、自分もぐるぐるまわっているのか、どっちが上でどっちが下かわからない。地上絵を探さなければと焦るものの、探せば探すほど目がまわるし、やっと見つけてもカメラを覗き込むと余計に気分が悪くなり、とりあえず闇雲にシャッターを押した。酔い止めも飲んだのに、残念ながらじっくり地上絵を楽しむことはできなかったが、リベンジしたいとはまだ思えない。

マチュピチュ行きが近づいてきて、楽しみな気持ちがおさえきれないまま、リマからクスコへの国内線に乗り込む。ホテルをでたのは早朝だったが、ホテルでは5時には簡単な朝食としてパンとコーヒー、紅茶だけは用意されていた。フライトはあっという間だったけれど、もっと遠くに来たと思えるほど気温が全然違う。リマは半袖でよかったが、クスコはセーターを着たいくらいの寒さだ。一気に標高3,400メートルまできたのだから当然ではあるけど。それに高山病に注意しなければならない。
標高の高いところに行くと、高山病にかかることがある。かかりやすさには個人差があるらしいが、吐き気や熱に襲われる。対策は徐々に標高を上げて体を慣らす、深呼吸する、水分を多めにとる、ゆっくり行動する、コカ茶を飲む等。高山病に効く薬と言われているものに、ダイアモックスがある。ペルーではアセタクという名前で売られている。予防の為には高地に行く前日くらいから、一錠の半分を朝晩のむ。ただし、本来は緑内障の薬だそうで、日本での入手には処方箋が必要。また副作用で手足が痺れたり、トイレが近くなるそうだ。リマの空港やクスコの市内の薬局で買えると聞いて、探してみた。リマの薬局で10ドルくらいで買えた。しかし、半分に割るための線が入ってない…力で割るのは無理だったのでハサミで切った。飲んでみたら、何時間か後でかかとがピリピリしてきて、くすぐったい。それでももし高山病にかかってしまったら、応急措置として酸素ボンベという手もあるが、1番は低いところに移動することだそうだ。
ペルーの雑貨や洋服はカラフルでかわいい。その中でも、今回は靴をセミオーダーして作ってもらう。実は出発前からどんなデザインにしてもらうか考えていたけど、実物を見たら迷ってしまう。結局、直感で選んでしまったので、日本で考えていたのとはベースの色からして違うものをお願いした。このお店のホルヘおじさんは日本のテレビにも出たことがあるらしく、日本大好きだそうだ。明後日までに必ず作っておいてくれるよう念を押しておく。


カラフルな民族衣装のスカートなどは、意外と売っているところを見かけなかった。生地だけでもいいのがあれば買いたかったのに。

聖なる谷のモライの遺跡とマラス塩田へ。モライ遺跡は円形の段々畑で、ここで作物の品種改良をしていたらしい。クスコ到着時はあまりわからなかったが、ここにきて息苦しさを感じる。これが空気が薄いということなのか。
続くマラスの塩田では塩水の温泉を使って塩を作っている。雨季の終わり頃だったのでこの時期はまだ作っていなくて、期待していたような真っ白な塩田の風景は拝めなかった。だが、ミネラルたっぷりの塩を買うことができる。


なんだかんだで夜になり、ペルーレイルに飛び乗り、約2時間でマチュピチュへ。翌朝は5時半には出発しないといけないのに、マチュピチュがすぐそこかと思うと、なかなか眠れなかった。それでもなんとか早起きして遺跡行きのバスに乗り込む。

マチュピチュ行きのバス停には暗いうちから長蛇の列ができる


少しマチュピチュの遺跡内を歩き、ワイナピチュ登山へ。普段まったく運動もせず、体力もない私にとってはかなりきつかった。急な階段も多く、ロープや岩をつたって登るので、先輩のアドバイス通りに持ってきた軍手が大活躍した。汗だくで満身創痍だったが、1時間ほどかかってなんとか頂上まで登りきった。苦労した甲斐あって、最高の景色。くたくただったからか、とても眺めが良かったからか、テレビなんかでよく見るあのマチュピチュを自分の目で見ているんだと実感が沸くまでに少し時間がかかった。



マチュピチュ遺跡を歩いても楽しみは尽きない。ワイナピチュ山に登って疲れていたことも忘れて、遺跡内を歩きまわる。日時計とも言われるインティワタナ、3つの窓の神殿、太陽の神殿。神殿や王の家の壁は間にセメントなどの接着剤を一切使わず、石がわずかな隙間もなく積まれている。修復された部分や、一般人の家の壁はこんなにきっちり積まれていない。恐ろしきインカ文明の技術!

3つの窓の神殿

王女の宮殿の門は二重になっている

翌朝のペルーレイルでクスコへ戻る。そういえば、マチュピチュの小さな村にはレストランもお土産屋さんもマッサージ屋さんあるが、物価は高め。列車の窓からウルバンバ川の濁流を眺めながら、ホルヘおじさんは私の靴をちゃんと仕上げてくれているかな…と思う。
人を疑うようなことを考えたのがいかなかったのか、列車がマシントラブルで3時間近く遅れた。やっとオリャンタイタンボの駅に着き、車でクスコへ。ずっと晴れていたのに、クスコの街に着いた途端、大粒の雨がみぞれのように降ってきた。出窓やヒサシがある建物が多いので、道行く人は雨避けのために壁に張り付くように建物の前に並んでいるのがなんだかおかしい。今日は偶然にもクスコで年に一度の地震のお祭りなので、あちこちに建てられた出店にも雨避けのシートがかけられ、一部の道は通行止めになっているようだった。カトリックのお祭りで、聖人の像をお神輿のようにして、街中を練り歩くのだそうだ。そのルート上の家では、家々に出窓に飾り付けをしている。


人だかりの向こうで像を担いでいる

道ではお花の飾りを手作りして売っていて、これをイエス・キリストに捧げるのだそうだ。夜には花火もあがるらしい。そんなこんなでランチを予約していたレストランについた頃には16時をまわっていた。さっと昼食を食べて市内観光に向かうが、到底予定していた全てはまわれない。サクサイワマン、ケンコー、サント・ドミンゴ教会を外観だけ見学した。さっき昼食を食べたばかりだけど、数時間でもう夕食の時間。今夜のホテルはアルマス広場にあるロレト・ブティックホテル。石組みのお部屋がある貴重なホテル。ここから夕食を予約してあるレストランまでは広場を横切るだけの近距離だが、広場は人で埋め尽くされていて、とてもこの人の波に入って行けそうにはない。クスコ中の人がここに来ているのだろうか。広場の外側の道を遠回りしてレストランへ向かった。フォークロアディナーショーを観ながら、お祭りが終わるらしい9時を待つ。

お祭りの後のアルマス広場

インティワタナのお祭りの時もこのくらい混み合うそうだ。
そういえば、ホルヘおじさんに頼んでおいた靴はちゃんと出来上がっていた。かわいい!ブーツの感じなので、季節的に日本に帰ってからしばらくは履くことができないが、秋頃まで楽しみにして待ってみようと思う。
リマに戻るフライトはいつの間にかピスコ経由に変更されていて、到着が2時間ほど遅れてしまったが、最後にリマでスイーツ巡りをした。
ペルーのスイーツはとても甘い。特にススピロ・リメーニョ(リマっ子の溜息)はコンデンスミルクを煮詰めて、その上にメレンゲをのせた激甘スイーツ。これだけ食べるというよりは、何かにつける甘いソースのようで、予想をだいぶ上回る甘さだった。甘党の私でも食べきれなかった。ピリ辛のポテチがあいそう。

ピエ・デ・リモンと呼ばれるレモンパイはレモンクリームの上にたっぷりのメレンゲがのっている。すっきりした甘さで、大きなホールのまま売られているほどの人気。スーパーや普通のレストランによく置いてある。

さつまいものドーナツ、ピカロネスはかかっているソースは甘いけれど、ドーナツ自体は素朴な味で、日本人にはたぶんこれが一番食べやすい。

あとはクレマ・ボルテアダと呼ばれるプリンも味は日本と同じかより甘くした感じで、ただ1つが大きい。

あちこちにあるアイスクリームのお店4Dでは、ルクマ味が人気だ。ルクマは栗のようなきな粉のような味のフルーツで、ペルーではアイスやケーキに多用されている。なんとも説明しにくいが、ねっとりした独特の味で、この味に慣れたら癖になりそう。

地元民に評判のケーキ屋さんというか、喫茶店のようなところでドンマミーノやサンアントニオがある。ケーキとコーヒーを頼むと甘さと苦さとでちょうどいいので、一休みするならおすすめ。

興味をそそられる古代遺跡がたくさんあり、カラフルなかわいい雑貨に、かわいいアルパカ、そして甘いスイーツ。ペルーには好きなものがたくさんあって、予想以上に楽しいものだった。怖い目にあうこともなかったし、ごはんも美味しかったし、ペルーいいな。単純に思っていたよりもずっといい国を見つけてしまった。
おすすめ度
リマ…★★★★スイーツやグルメも楽しめる街
ワカチナ…★★★★大迫力のサンドバギーで度胸試しが楽しい
マチュピチュ…★★★★★一生に一度は訪れたい!本物はやっぱりいい!マチュピチュ遺跡
クスコ…★★★★★インカ帝国の名残を感じる古都
2017年4月 増田里紗
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