インカ時代に思いを馳せて…たくさんの不思議を秘める国「秘露(ペルー)」9日間の旅!

インカ時代に思いを馳せて…たくさんの不思議を秘める国「秘露(ペルー)」9日間の旅!


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小さな水たまりで入浴をしていた美しい姫が、男に覗かれていることに気付き、隠れるためにその水たまりを湖に変えました。
彼女が逃げる際に残されたマントのしわが砂漠化し、彼女は今も人魚となってこの湖に住んでいます。

ワカチナの人魚説にまつわる人魚像

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…今回の旅の始まりはこんな素敵な伝説が残る場所。

ペルーまでは伊丹→成田→ロサンゼルス→リマと約24時間の旅…のはずだった。ロサンゼルス到着後、次のフライトの時間をチェックすると、なんと3時間半も遅延になっている。
ロサンゼルスからリマまでは約8時間半。何とかホテルに辿り着き、ガイドさんにオリエンテーションをしてもらい、お部屋に入ったのは朝の6時。とりあえずシャワーを浴びて、1泊分の荷物を入れ替えて、ほぼ寝ないまま出発!
そんなへろへろな私を迎えてくれたのが、イカから車で10~20分程度のところにある夢のような場所。ワカチナオアシス。


その日宿泊の「モッソーネ」ホテルにチェックイン。ウェルカムドリンクにピスコサワーを頂く。ジュースだと思って飲んでびっくり。ピスコ はブドウ果汁を原料とした蒸留酒で、アルコール度数はなんと36~42度。ペルーでは欠かせないお酒。とても美味しくて、飲みやすいので要注意。ついつい飲みすぎてしまいそう。

ホテルモッソーネ

ピスコサワー。見かけと味によらず意外と度数が高い

到着後少し休憩し、16時からのサンドバギーのツアーに参加。
バギーに乗り込み、ジェットコースターばりに両肩からしっかりシートベルトをしていざ出発。

これまでドバイとカタールでデザートサファリをしたことがあったが、その時はきちんと窓のある4WD。今回は窓がなく風をもろに感じられるので、そのスリルと疾走感は4WDで走るよりも遙かに上回っている。言うなれば、砂漠の中のジェットコースター。容赦ないスピードで砂漠の上を疾走していく。両肩からのシートベルトには納得。これがなかったら、完全に振り落とされてしまっていただろう。
これはやみつきになる楽しさ!キャーキャー叫びながら、お尻を何度も浮かせながらも、周りの景色がどんどんと綺麗になっていくのがまた素晴らしい。砂漠の上にあがっていくと、そこからはイカの町が一望できる。

ある程度の高さまで上ったら、次はサンドボートに挑戦。

ボードの裏にグロスを塗ってくれる

スノーボードの板に腹ばいになって、丘の上から滑り降りる。

ブレーキがきかないのでなかなかスリル満点!これは、サングラスをしていないと目の中が砂だらけで大変なことになってしまう。耳栓もあった方が良い。
そして、1回だけかと思いきや場所を変えてどんどん高いところへ行く。徐々にリタイヤ組も出てくる。

そして最後に着いたのがココ。

めっちゃ高い、そして急。

写真で伝わるか分からないが、結構な高さがあった。この角度を頭から滑り降りる勇気はなかったので、私もリタイヤ。

勇敢な挑戦者

そして、いい感じに日が沈む時間に。

皆で夕日鑑賞


帰りは、砂漠の上からワカチナオアシスを一望。どうしてこんな乾燥地帯にぽつんと湖があるのだろうか… 本当に不思議だ。

ワカチナでは、1泊するのがおすすめ。
訪れるほとんどの観光客はイカに宿泊しているため、ツアーが終わった夜と早朝はとっても静か。夜は砂漠の夜景、朝は青い湖を見ることができる。



まだその夢から覚めやらぬまま、翌日はナスカへと向かう。
皆さん一度は教科書やテレビなどで見たことがあるだろう、ナスカの地上絵。
どうしてここ広大な乾燥地帯に巨大な絵が描かれたのか。
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農耕の時期を知らせるための暦
雨乞の儀式のため
宇宙船発着場
地下水脈を示すため
UFOの滑走路や着陸した痕跡
公共事業の対象(地上絵を描く作業のために人夫を徴用し、その労役に対する報酬として食料を渡すことで地域内の食料を人々に再配分する)
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それにはこのような様々な説がある。UFOの滑走路って。。

セスナに乗り込みいざ遊覧飛行へ

離陸後まもなく地上絵が見えてくる。

宇宙人

ハチドリ


オウム

小さい「宇宙飛行士」で32メートル、一番大きいもので数キロの大きさのものまである。
どうやって、何のために描かれたのか、本当に謎だ。
心配していたセスナ酔いも忘れるほど、パイロットが器用な操縦で羽の下に指し示してくれる地上絵を見つけては感動していた。
イカを後にし、リマから国内線でクスコへと向かう。
インカ時代の首都であったクスコ。今は街全体が世界遺産に登録されている。
石畳の町並み、インカの石造りとスペイン人によって作られた石造りが混在している壁、赤色に統一された瓦屋根、高台から眺める景色、夜景、全てが美しい。

インカの石組みと、スペイン人によって作られた壁


苺を酸っぱそうに食べる姉妹




ジブリにでてきそう・・・

夜のアルマス広場

山の上に建つ家の夜景が美しい

クスコの町中に、「AWAY」というオーダーメイドで靴を作ってくれる靴屋さんがある。
クスコ到着後、まず足のサイズチェックと、皮の色、靴の形、デザイン等を自分好みにオーダーしに行く。皮の色も可愛い柄の布もいっぱいあって、悩んでしまう。

靴会議中

サイズ計測は意外と適当。

靴を作ってくれるホルヘおじさん

受け取りは2日後。どんな靴に仕上がるか楽しみ。
そして2日後・・・出来上がりはこちら。

世界に一足だけの靴完成

かわいい!!サイズもぴったり。ホルヘおじさん、ありがとうございました。大切にします。
クスコから少しいくと、そこにはたくさんの遺跡と素晴らしい自然がある。

聖なる谷

中でも私が一番気に入ったのが、ピサック遺跡。とても美しい段々畑が目の前に広がる。


ここで、ウェディングセレモニー中のカップルに遭遇。

おめでとうございます!

遺跡でウェディング。初めての光景に驚いたが、幸せを分けて頂きました。

お幸せに!

皆さん、「シャーマン」をご存じだろうか?
シャーマンとはいわゆる巫女や呪術者で、霊と交信する特殊能力を持った日本でいういたこのような人。
ペルーでは、インカの時代からコカは神聖なものとされ、儀式の際に神に捧げられ、占いにも用いられてきた。クスコには「コカの葉占い」ができるシャーマンがいて、今回私は実際にシャーマンに会い、コカの葉占いをしてもらった。
正直、私は行くまでシャーマンについてあまりよく知らなかった。
朝、シャーマンと通訳の方が私のホテルまでわざわざ出向いてくれた。シャーマンは英語でもスペイン語でもなくケチュア語を話すため、ケチュア語から英語に通訳をしてくれる専門の方がいる。
見た目は普通のおじさん。この方がシャーマンか・・
行程の都合上、先に観光を済ましてしまう。プカプカラ、タンボマチャイ、最後にケンコー遺跡を訪れた。

プカプカラ

タンボマチャイ

ケンコー

後ろにいるのがシャーマン

そこで、シャーマンからまさかのお言葉が。「人が少なければ、遺跡の中でセレモニーをしましょう」と。
え、遺跡の中・・・?!
そして、ケンコーから少し歩いたところにある小さな遺跡に向かう。日本でいう、”パワースポット”らしい。

ここで占いをする

到着するとさっきまで普通のおじさんだったシャーマンがそれらしく変身していく。
風呂敷のようなものに包まれたコカの葉を広げ、準備を整える。

そして、そこに一緒にいたガイドさん2人と私の3人にコカの葉を2枚ずつ配られる。

この場所でセレモニーをやっていいか、といくことを交信するという。そしてそのコカの葉に自分の願いをこめ、シャーマンは何かを唱え始める。その後そのコカの葉を口に含め、少し噛み、そのまま占いが終わるまで右のほっぺに含んでおく。ガイドさん2人は占ってもらわないのに、その場所にいるため、ということで私が終わるまでずっとコカの葉を噛んでいてくれた。
最初のセレモニー中、遺跡の管理人さんが来て、「No photo」と言われてしまったので、これ以降の写真が残念ながらない。(占い中、ずっと見張られていた・・)
健康、家族、お金&仕事、恋愛、スピリットすべてをコカの葉で占ってもらった。
葉っぱだけで本当に占えるのかな・・と最初は半信半疑だったが、言っていることが当たっていて驚いてしまった。遺跡の中でシャーマンに人生を占ってもらうという、ペルーでしかできない本当に貴重な体験をさせて頂いた。

シャーマンと通訳さんと私

ペルーに行ったのにマチュピチュの話は?!とそろそろ思っている人
がいるかもしれない。マチュピチュを語らずにペルーは語れない・・・ということで、マチュピチュについても少しご紹介。
マチュピチュ村から遺跡までのシャトルバスの始発は5:30発。ホテルを5時過ぎに出発し、バス停に到着すると最後部が見えない程の大行列。残念ながら朝からあいにくの雨。カッパを着てのスタート。

始発前の大行列

始発に乗れなければまた次のバスを待たないといけないかというと、そうではない。バスが満員になると次のバスがどんどんやってきてピストン方式で出発する。私が乗れたのは5:40頃。なんと9台目のバス。一体みんな何時から並んでいるのだろうか。
マチュピチュ村から遺跡まではバスで約30分。遺跡に着いてからまずお手洗い行くことを忘れずに。遺跡内にトイレはありません。遺跡が開くのは6時からで、私はワイナピチュ7時の入場券を購入していたので、軽くマチュピチュを見てワイナピチュに向かう。

あいにく霧がかかっていてワイナピチュのてっぺんは真っ白。登っても絶対何も見えないだろうな・・ と思いながらも、ここまで来て登らない訳にはいかない。

悪天候のワイナピチュ

頂までの道のりはなかなかハード。急な斜面を、滑らないようゆっくりと登っていく。

そしてなんとか登頂。

眺めはというと。

何も見えない

やはり。真っ白でした。
頂上で粘って待ってみるものの、一向に晴れてこないため、またゆっくりと来た道を戻っていく。
ワイナピチュは残念ながら雨だったが、ワイナピチュから降りると少し雨があがり、マチュピチュは綺麗に見ることができた。ただ、マチュピチュ内は一方通行になっていて、来た道は戻れないし、決まった道以外は進めないようになっている。そのため、ガイドをつけるか、事前に見たいところ、行程を決めて行くことをおすすめする。私はワイナピチュから降り、一番下の道を歩いてマチュピチュ遺跡を周っていたので、中腹にある遺跡を見に行こうと登っていくと、ダメと言われて追い返されてしまった。
また、ワイナピチュは天気も変わりやすいので、雨具と両手のあく鞄(岩をよじ登る場面もある)、軍手(私は持ってなかったので手がどろどろになった)は持って行った方が良い。天気の良い日は、日焼け止めと虫よけ、帽子、サングラスは必須。
最後に。帰国のフライトの前、リマで「世界のベストレストラン50」で世界第4位に選ばれたレストラン「セントラル」で最後の夕食を頂いた。

「世界のベストレストラン50」で中南米1位の「セントラル」

そう、リマは近年世界でも注目を集める美食の都市。中でもこの「セントラル」は、「NOMA」などの有名店をさしおいて4位に立ち、世界でも最も注視されている1軒だ。
オープンは19時45分。19時30分くらいに到着し、オープンまで少しお店の前で待っていると、スーツを着た人やお洒落なワンピースを着た女性たちが続々と集まってくる。
19時45分、ぴったりにそのドアが開いた。順番に中に入ると、ガラス張りのキッチンの中でシェフ達が集まり、真剣な面持ちで話し合っている。今日のメニューについて最終チェックを行っているのだろうか。テレビでしか見たことのないような光景にテンションがあがる。
今回私が予約したのは、「MATER ELEVATIONS」(母なる標高)というコース。全部で17皿、それぞれの標高で取られる食材を使い、メニューには料理名の隣にその標高が書かれている。地元の人々と協力して絶滅の危機から救った希少な食材のほか、”食べられるバクテリア“としてアンデスで珍重されるクシュロ(藍藻)なども取り入れられている。

綿の川/140m

砂漠植物/230m

岩上の蜘蛛/-5m

トウモロコシの多様性/2010m

ジャングルの秤/230m

海底の土/-20m

樹木の肌/2300m

茎の端/4100m

途中、シェフのビルジリオ・マルティネ氏がキッチンから出てきて、タコの料理をサービングしてくれた。すごくオーラがあった・・

ビルジリオさんにサービングしてもらった料理「近場の釣り/-10m」

奥のカップに注がれたのは、なんと血のスープ。ごめんなさい、せっかく注いで頂いたのに飲めませんでした。。
10皿目にメイン。牛肉と様々な種類のキヌア、サボテンの実、アンデスミントなどが入っている。

アンデス山脈の低地/1800m

そして、デザート。

緑の高地/3800m

薬用と染用/3050m

一皿一皿、本当に考え抜かれたメニューになっていた。なんとレストランの2階には植物研究所があるらしい。すべてが独創的で、日本では味わえない未知なる食材を使用した料理は前代未聞だった。
ペルーにとっては決して安くない金額。だけど、予約はなかなか取れず、その日も満席。
ミラフローレス地区にあるので、リマを訪れた際はぜひ一度南米1位の味を試してみて欲しい。

セントラルの店内

帰りのダラス空港でパスポートにおされた入国スタンプ。その隣にちょうど1年前の同じ日のダラスの入国スタンプがあった。そう、1年前の12月、初めての中南米、メキシコを訪れていた。初めての中南米に治安を心配しつつも、日本と全く違う文化を持ち、人は本当に暖かく、見るもの全てに目を輝かせて、心からまた来たい!と思っていた。
今年もまたダラス空港で、同じことを思っている自分がいた。美しい遺跡、歴史ある街、陽気な人たち、美味しい料理、そしてたくさんの「不思議」がそう思わせてくれたのだろう。

【スタッフおススメ度】
ワカチナオアシス★★★★★ まるで絵本の中に入ったような、不思議な世界。のんびりできるリゾート。サンドバギーはスリル満点でおすすめ!
クスコ★★★★★ さすが世界遺産に登録されているだけあり、歴史残る街並みは美しい。夜のアルマス広場もロマンチックでおすすめ。
マチュピチュ★★★★★ ペルーといえばマチュピチュ。ここを訪れずにペルーは語れません!
(2016年12月 池田郁依)
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