ありのままの…ノルウェー 絶景フィヨルドの旅

ありのままの…ノルウェー 絶景フィヨルドの旅



「Let it go ~ Let it go~ ♪」この文字を見るとつい口ずさんでしまう。
皆さんご存知ディズニー映画「アナと雪の女王」の舞台となった国ノルウェーを今回訪れる機会を頂いた。今回の旅のハイライトはフィヨルド!ノルウェーのリーセフィヨルドとソグネフィヨルド、2つのフィヨルドを見てきたので紹介したい。
◆リーセフィヨルド◆
成田からコペンハーゲンを乗り継ぎスタヴァンゲルへ。このスタヴァンゲルという小さな港町がリーセフィヨルドへの起点となる。
スタヴァンゲルの空港から市内まではエアポートシャトルが頻繁に走っていて、ドライバーさんにホテル名を伝えると最寄りのバス停で降ろしてくれる。スタヴァンゲルの情報がガイドブック等にもあまりないので少し心配していたが、そんな心配は全く不要だった。
リーセフィヨルドは「プレーケストーレン」という標高600mの断崖から望むことができる。プレーケストーレンまでは片道2時間のトレッキングでしか行くことができない。初日は早速そのトレッキング。
実は1か月前に足を怪我してしまい、つい一週間前まで松葉杖をついていた。まだ100%じゃない足で大丈夫なのだろうか、、と不安を抱きつつ、翌日に備えて眠りについた。
翌朝、いよいよリーセフィヨルドを見るために気合いを入れて出発!港にはチケット売り場があり、その隣がタウ行きの乗り場。

タウ行きのフェリー乗り場


フェリーに乗り込み、約30分でタウに到着。タウからはバスでプレーケストーンへのハイキングのスタート地点となるプレケストーレンヒュッテへ向かう。タウではフェリーを降りたらすぐバス乗り場があり、時間もフェリーに合わせてうまく接続されているので迷う心配はない。

タウのバス乗り場(フェリーを降りた目の前)

プレーケストーレンまでは、お手洗いも売店やレストランもないので、行動食はスタヴァンゲルから持って行き、お手洗いはこのヒュッテで済ませておくのがポイント。
そしていよいよトレッキング開始。


最初いきなり急な坂道から始まる。その後はゴロゴロとした岩場がしばらく続く。


約30分で1km地点に到着。それまで森だったところからいきなり開けた景色が現れ、疲れを癒してくれる。


この印を目印に進んでいく
しばらくすると道が整備された湿地があったり、大きな岩場を登る場面があったり。


1時間でようやく2km地点。2kmくらいまでが一番の山場!ごつごつした岩を、足場を見つけながら登っていく。

それを越えるとあとはなだらかな道になる。

こんな景色に癒されながら進んでいく


まだ少し雪も残っている

そして、最後の急な上り坂を登ると、壮大な景色が目の前に広がる。

最後の力を振り絞って・・


達成感とこの景色の素晴らしさに足の痛みも疲れも吹っ飛んでしまった。約600mもの断崖絶壁。自然が作り上げたものとは考え難い程、まるでナイフでスパッと切ったかのような直角さ。そこには柵も何もなく、高所恐怖症の人は写真を撮るのも恐る恐るだった。

ここにぽつんと立っているのが私

リーセフィヨルド



ちなみにこのプレーケストーレンはアナと雪の女王のワンシーンに使われているらしい。そんな絶景を眺めながら、ランチを取って休憩し、また2時間かけてヒュッテへと戻った。
リーセフィヨルドから戻ってきた後はスタヴァンゲルの町を散策。スタヴァンゲルには木造の建物がたくさん残っている。なんと 年間火事がないからだとか。町自体とても小さいので、1時間もあれば十分に歩いて周れる。石畳にカラフルな建物が立ち並び、どこを切り取っても絵になる。

お洒落散髪屋さん

カラフルなお店が建ち並ぶ


マクドナルドもお洒落


静かな公園があったり、港には大きな船が停まっていたり、港町ならではの美しい景色が楽しめる。私が行った5月ではもうすでにかなり日が長く、夜の22時でもレストランやバーはたくさんの人で賑わっていた。

公園にいたわに

三角屋根のかわいい木造の家


◆ソグネフィヨルド◆
ソグネフィヨルドは、入り江の全長205km、最深部水深1308m、周囲には標高1700m超の山々が連なる世界最大スケールのフィヨルド。
ノルウェーナットシェルを使い、列車やバス、フェリー乗り継いで周遊する。まずはオスロからスタート。オスロからミュールダールまではベルゲン鉄道に乗って約4時間半。景勝ルートとしても有名なベルゲン鉄道の車窓からは変化に富んだ景色が楽しめる。

ベルゲン鉄道の車窓

車内には大きな窓付きの食堂もある

最初は真っ青な海と新緑のコントラストの間を爽快に走り抜ける。やがて、ちらほらと雪がかる山が見え始める。

ミュールダールに近づくにつれ真っ白な銀世界!サングラスをしていないと眩しくて目を開けていられない程。



フィンセ駅は吹雪

そして景色に見とれている間にミュールダールに到着。

赤色のベルゲン急行

ミュールダールは標高約866mの場所に位置し、この日のミュールダールの気温はおよそ0度。ミュールダールからは、このフィヨルド観光の一つのハイライトとなるフロム鉄道に乗車しフロムを目指す。

ミュールダール駅にてフロム鉄道を待つ人たち

フロム鉄道

1940年に開通したフロム鉄道は、今や鉄道ファンだけでなく多くの観光客を魅了する鉄道となっている。標高差約900m、距離20kmを約1時間かけてダイナミックな景色の中20のトンネルをくぐりながらゆっくりと走り抜ける。途中落差93mの 巨大瀑布、ショースの滝で停車し写真タイム。停車中音楽が流れ始め、この地方に伝わる、歌で男性を誘惑する妖精「フルドラ」の伝説に因んだ演出が行われる。


レトロな車内

フロム鉄道の車窓からの風景

フロムに到着。フロムはアウルランフィヨルドとフロム渓谷という豊かな自然に囲まれており、住民わずか500人程の小さな町。今回私は乗り継ぎに立ち寄っただけだったが、このフロムで1泊するのも良いかもしれない。緑豊かで可愛らしい町並みがとても素敵だった。

フロム鉄道

フロムからグドヴァンゲン行きのフェリーに乗り込み、いざフィヨルドクルーズへ!船に乗るやいなや、窓側席に外のデッキへとみんな良い場所を確保するため椅子取りゲームが始まる。この日は日曜日だったためか、船は満席。外は寒いのに、みんなマフラーをぐるぐる巻いて帽子をかぶってスタンバイ。
左右に高くそびえるフィヨルドの間をゆっくりと航海。途中小さな町や滝があり、シャッターチャンスは絶え間ない。最初から景色の壮大さに感動しっぱなしだったが、一番の見所はソグネフィヨルドの最奥部、細く枝分かれ先端部のネーロイフィヨルドとアウルランフィヨルド。





約2時間半のクルーズの後、船はグドヴァンゲンに到着。フェリーを降りるとまたすぐにバスが待っている。ここでもまた椅子取りゲームが始まる。

グドヴァンゲン港

バスに乗り換え

約50分の道のりとなるが、その車窓の景色もまた素晴らしい。スタルハイム付近の渓谷の九十九折の坂を登る。




ヴォス到着後は、再度ベルゲン急行に乗りゴール地点のベルゲンへと向かう。
フロムからグドヴァンゲンまでのクルーズだけでなく、オスロからミュールダール間の列車やミュールダールからフロムへのフロム鉄道、そしてグドヴァンゲンからヴォスへのバス、どれも車窓からの移り変わりゆく景色を楽しむことができるのもフィヨルドエクスカーションの醍醐味。
ナットシェルはみんなが同行程で移動するので、次にどのバスに乗れば良いのか、と迷う必要がない。実際、ヴォスからベルゲンの列車が地すべりの影響でキャンセルになり、ボート、バス、列車に乗り継いでベルゲンまで行かないといけなかったが、皆が同じなので、国籍も全く違うみんなが声を掛け合い、訳も分からず次の交通機関に乗り込み、どこからか団結が生まれていた。
実はもう一つフィヨルドクルーズに行く予定だったが、今回この地すべりの影響で行くことができず、ベルゲンで1日半ほど過ごすことになった。
ノルウェー第二の都市であるベルゲン。細長いヴォーゲン湾を囲むように街が広がり、見所は小さなエリアに集まっているので徒歩で簡単に周れる。エリアは港周辺と駅周辺に分かれていて、町の中心は港の周辺。中心には魚市場が開かれ、活気に溢れている。

魚市場から西へ延びるトーグアルメニング通りがメインストリートで、大型デパートやショップ、レストランがたくさん並んでいる。

近くには山もあり、魚市場あたりからふと見上げると山に張り付くように家が建っている。

そして一番の見所が港に面してカラフルな三角屋根の木造建築が立ち並んでいる「ブリッゲン地区」。ここは世界遺産に登録されており、またアナと雪の女王にもここの風景が使われたらしい。確かに、映画に出てきそうな雰囲気。

ブリッゲン地区



ハンザによって建てられたという奥に長細い形状の建物。当時(13~16世紀頃)にはハンザ商人の家や事務所として使われていたそう。

建物の正面には動物の像が残る

もう一つの見所となるのがフロイエン山。魚市場から150m程のところにあるケーブルカー乗り場から山頂まですぐアクセスができ、山頂からはベルゲンの街と港湾を一望できる。

ケーブルカー乗り場


ベルゲン港

山頂にいるトロル

ノルウェーに行くにあたり、物価の高さには覚悟をしておいた方が良い。物価の高い北欧の中でも特に高いのがノルウェー。例えば、オスロの空港から市内までのエアポートエクスプレストレインは所要20分程の距離で170NOK(約3,000円)。スタヴァンゲルから市内までのバスも160NOK(約3,000円)した。ノルウェーの後に訪れたコペンハーゲンでは空港から市内までの電車は所要約15分で36DKK(約700円)だったので、比較してみるとやはり高い。500ml の水1本が約30NKR(約500円)、ランチはものによるが2,000~3,000円、ディナーは4,000~6,000円くらい。ただ、どこでも大体クレジットカードが使えるので、現金がなくても困ることはない。レストランはもちろんバスや電車のチケットもクレジットカードでOK。しかし、クレジットカードが使えてしまうだけに、使いすぎには注意したほうが良いかも。
本州の1.4倍もの大きさのあるノルウェーの人口はたったの約500万人。ちなみに東京の人口は約1300万人。
そこには広大な自然があり、ゆったりとした時間が流れている。
かわいい北欧雑貨を物色し、美味しいノルウェーサーモンを食べ、お洒落な町並みに癒され、何よりも壮大なスケールのフィヨルドに感動し、大満足の旅となった。
〇スタッフおすすめポイント〇
プレーケストーレン ★★★★
2時間のトレッキングはハードだが、プレーケストーレンから眺めるリーセフィヨルドは登る価値あり!
ソグネフィヨルド ★★★★★
世界一のフィヨルドは必見!移り変わる景色全てが壮大で美しく言葉を呑むほど。
スタヴァンゲル ★★★★
小さい港町で特に見所は多くないが、可愛らしくおしゃれな町並みでおすすめ
ベルゲン ★★★★★
世界遺産のブリッゲンがカラフルな三角屋根の家が港を彩り、歩いているだけで楽しい
(2015年6月 池田郁依)
ノルウェー
デンマーク

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