「私的、聖地巡礼。本や映画の中の世界に逢いに行く旅」

「私的、聖地巡礼。本や映画の中の世界に逢いに行く旅」

「俺は・・今日まで・・生きてきて・・・・・・・良かった!!!」
今回の出張先を聞いた時、うっかり某有名漫画宝塚バージョンのセリフを呟き、倒れそうになった。
その理由も、今回の出張先は、なんと今年の初めに密かに心の中で決めていた「いくらツアー代金が高くても、自腹をきって一度は行きたい国NO1」
なぜ私の心の決意がばれたのだろう。しかも行きたい理由はちょっと恥ずかしい。
しかし、ついに憧れの土地への道は開かれたのである。
いざ行かん!フランスへ!!!!
私的、聖地巡礼の旅で出会った様々な美しいものたちと憧れのものたち。
オタクだって旅をする。みなさんの好きなものに出会う旅への参考になりますように。

イケメン探しにもおすすめの国

学生時代、世界史を選択していなかった私にフランスとはどんな国か、どんな歴史をもっているのを教えてくれたのは、あの有名漫画「ベルサイユのばら」でした。
漫画を読み、宝塚歌劇団のベルばらを観劇し、ルイ14世から16世の間のみの歴史を反復学習した末に、オスカルが架空の人物だと知った時の私の心の傷は、未だに癒えていませんが、是非あの時代を象徴する町へ「シュトワイアン、ゆこーーーーう!!(オスカルのセリフ)」と、心の中で叫びながら、いざ飛行機にのりこんだ。


そう、私は今回パリへの憧れでいっぱいいっぱいな状態で出発したため、特にフランスの他の部分には期待もせずにいた。しかし、やはり旅人を魅了してやまない観光大国フランス。行く町、行く町、どこの素晴らしく、おススメしたい町ばかりでした。
パリの部分だけの感想にしようと思っていたのですが、他の町も黙っていられない程素敵だったので、ご紹介。
フランスには、「フランスの最も美しい村協会」というものが存在し、厳しい基準をクリアし、現在約150の村が「フランスの最も美しい村」と認定されています。
「最も」と言いながらも、150村もあるのか・・。良く分からないな・・・。などと思いながらも、フランスの美しい村々観光に参加して参りました。
今回訪れた村は、ルールマラン・ボニュー・ルシヨン・ゴルド。

ルールマラン

ボニューン

ルシヨン

ゴルド

若干あなどって参戦したツアーでしたが、どの村も「こんな美しい村に住んでいる人がいるなんて、信じられない!」レベルでした。
特にゴルドは、ジブリ映画の天空の城ラピュタのモデルになったとも言われており、素敵な写真をたくさん撮ることができました。(素敵すぎて合成写真のようになりましたが)
そして、フランスの昔ながらの美しい村々を見たあとは、ついにやってきました、首都パリ!
観たいものがたくさん溢れているこの町は、危険なことも溢れている町。地下鉄も昔に比べるとマシにはなったそうですが、やはりあまり遅い時間に到着した場合はタクシーを利用するのをお勧めします。
プチ情報として、最近、地下鉄よりもスリが多いのが、意外にもルーヴル美術館だそうです。(みんな入場料を払っているので安心してしまうのと、モナリザの前など人だかりができている場所が危ないそうなので、必ず貴重品は体の前に持つようにしてください)
パリ自由時間が一日しかないため、朝早くにホテルを出発。
一番に、パリの市内で最も行きたかった場所へと向かいました。

ディズニーの映画「ノートルダムの鐘」で有名なノートルダム大聖堂。
実はここも、私的聖地。
高校生時代、この映画で英語の勉強をしていた私。感動で本当に涙を流すという、まわりからみるとなかなか変な人に。
見たかった景色に出会うのは、大好きな人に会うのと同じ感覚に陥りますね。
聖堂内には、「バラ窓」と言われる見事なステンドグラスがあり、大きなシャンデリアがあり、太い柱が何本もあり・・まさに映画そのまま!(むしろこっちが本物)

バラ窓

映画のミサシーンにでてきたところだ!(思い込み)

聖痕に指・・(いたたた・・)

胸いっぱいになりながら大聖堂を出、いざ塔の中へ!と、塔への入り口に向かうと、午前11時ですでに長蛇の列。結局1時間待ち、中に入ることができました。しかし、この待ち時間は全く惜しくはないです。
塔の上からはパリの町が一望でき、エッフェル塔や凱旋門なども見えます。また、大聖堂には、多くのガーゴイルという伝説の怪物(キマイラなどとも呼ばれる)が使われており、彼らを間近で見ることができます。
ノートルダムの鐘に出てくるユーゴ達三人組のことですね。
表情豊かな彼らに逢うためにも、是非登ってみてください。


何かおもろいことないかなぁ。の像

次に向かったのが今回のベルばら聖地巡礼ではかかせない場所。「バスティーユ広場」

記念碑

・・・え!?これだけ!?
日本で、漫画の主人公でありながらも、実際に葬儀が行われたほどの人気がある、オスカル終焉の地が、ただの交差点の真ん中に建った一本の塔のみとは・・。
まぁ、オスカルはフランスではきっと無名なんでしょうが、あの有名なバスティーユ襲撃事件も、こんな扱いなのですね。(新選組の池田屋跡地がパチンコになっているようなものか)ベルばらちょっとがっかりポイント。
他にもパリの見どころを回り、大充実の一日となりましたが、やはり一日では見きれないなぁというのが正直な感想。今度行く機会があれば、是非パリでは3日ぐらい滞在したいものです。

美術館とは思えない程豪華な、ルーヴル美術館

昔のプレイボーイの絵(勘違い)

パリで一番の危険地帯

ミッキーが一人旅にきてました

きらきらエッフェル塔

そしてついにやってきました、決戦の日。
パリから電車で二時間ほどの町にある古城ホテルで私が目を覚ましたのは、朝6時。まだ外が真暗な中、出発の準備をし、太陽がでてくるのと同時に外に飛び出し、敷地内を探検。
お部屋まで運んできてくれる素晴らしい朝食をいただき、朝一の電車でパリへ!
そう、この旅のハイライト、ヴェルサイユ宮殿観光の日!
ちなみに、この日私が宿泊していたのは、オンザンという街にある古城ホテル「ドメーヌ・デ・オー・ドゥワール」。
敷地内には大きな森とお花畑があり、裏にはブドウ畑の広がる、なんとも可愛いホテルです。古城ホテルというと、高い天井に、お姫様天蓋がついたベッドを想像していたのですが、まるで小人のお家のように可愛らしい建物と、居心地の良い室内、バスタブもついており、スタッフは丁寧でありながらもとてもフレンドリー。ホテルのレストランは、ミシュラン2つ星をもっているのですが、アットホームな雰囲気の中、気負うことなく楽しむことができました。




素敵なホテルを後にし、パリのホテルに荷物をほりこみ出発。
ヴェルサイユ宮殿までは、パリ中心部から電車で約30分程度かかります。途中で乗換えを間違え、隣にいたフランス人を必死でつかまえ、どうにかこうにかヴェルサイユに到着したのが、既に15時。涙をこらえながら、17時18時には閉まってしまうヴェルサイユ宮殿内を、走り回ることとなりました。
ヴェルサイユ宮殿のチケットは、列に並ばなくても良いように、事前にオンラインでご取得されるのがお勧め。空港のように、持ち物とボディチェックを終え、やっと宮殿内へと入れます。





「パンが無いなら、お菓子を食べればいいじゃない」というマリーアントワネットの言葉はあまりにも有名ですが(実際は彼女の発言ではないそうです)、こんな噂が広まるのも分かるなぁと思ってしまうような、もう柱の一本一本、天井の角っこにまで手が加えられた宮殿内は、何時間観ても観きることはできないほどです。
また、ヴェルサイユ宮殿から少し離れた場所にある、マリーアントワネットが窮屈な宮廷の生活から逃れたという、プチ・トリアノンも絶対に外せないスポットです。
広大な敷地の中に、小さな農村があり、小川や農場などに囲まれた、可愛らしい王妃の隠れ家がその姿を残しています。



「ああ!これも観たことある!」「ああ!これが例の!」と、一人で感動しまくり走りまくりのヴェルサイユ宮殿ベルばら聖地巡礼ツアーは、約3時間でも大満足でした。(できることなら朝から夜まで時間をかけたかったですが)
想像していたものが、実際に目の前にあるという感動は忘れられません。
ベルばらを読んでなかったら、きっとこんなに感動しなかったのだろうなぁと、隣にいた退屈そうな日本人ツアーの方を見て思ったので、オスカルとアンドレに感謝感謝!
最後に、この旅で、とても素敵な出会いが私に訪れたので、ご紹介。
ブルゴーニュワイナリーツアーに参加した際、ワインが保管されている地下室(ケーヴ)を探検していると、なんと、私と同じ年のワインを発見!!だいぶ残数は少なくなっておりましたが、同じ年のワインに出会えるなんて感動!ついテンションもあがり、記念撮影。

お口のお上手なオーナー曰く、「1988年生まれは、味も良いし量も取れたし、優秀な年だったから今でも人気があるんだよ!この年生まれの女の人も、美人しかいないしね!」とのこと。
くすんだラベルや、ホコリのたまったボトルを手に取り、私の生きてきた年月の長さを、しみじみと感じましましたが、やっぱりお値段はなかなかのもので、ワインの味もよく分からない私にはもったいないのであきらめました。

ワイナリーならではの素敵な遊び<フリーでビューティフルな指輪>

ワインが穴から蒸発する現象を“天使の分け前と呼ぶ”

その後、近年作られたワインを試飲していると、オーナーがにやにやと古いボトルをもって現れ、なんと、特別に私の生まれ年のワインを特別に飲ませてくれました!
やはりヴィンテージ物は、全く味が違い、オーナー曰く「キノコや土の香りがする、深みのある良い味」だそうです。色も全く違い、ワインに詳しくない私でも、その深みについ引き込まれそうになるような、人生初の体験をさせていただきました。感謝!

ケーヴの中はひんやり

正直、ベルばらの世界を体験しに行くことにしか興味がない中始まった今回の旅でしたが、意外や意外、フランスという国自体の虜になって帰ってきてしまいました。
凱旋門も登りたかった、エズ村も行ってみたくなった、あぁ、なんでフランスまで行ってモンサンミッシェルに行かなかったんだろう・・・そんな思いが日々沸々と湧いてくる。
これがフランスマジック。フランス、恐ろしい子。
悔しいが、どうやら私もそんな魔法にかけられてしまったようだ。
世界中の旅人を虜にする国、フランスに行く際は、ベルばら・ノートルダムの鐘・マリーアントワネット・アメリなど、世の中に溢れているフランスを扱った本や映画を是非観てからご出発していただきたい。
そして、そんな本や映画の世界で出会った、憧れのものに実際に出会うことができる感動を、是非味わってみてください。

同じ時間を重ねてきたワインちゃんと

ヴェルサイユ宮殿 ★★★★★
栄華!を体現したような宮殿は、一日いても時間がたりません。
宮殿だけではなく、マリーアントワネットの離宮や愛の神殿も是非。
ルーヴル美術館 ★★★★
やっぱり外せない。一日いても観きれないほどの絵や彫刻があります。
本物のモナリザやナポレオンの戴冠式の絵に出会える感動を是非!
ブルゴーニュワイナリーツアー ★★★
ワインが好きすぎてフランスに移住してしまった日本人の方が説明してくれるので、全くワインが分からない人でも、好きになってしまいます。
2014年10月 大野史子
このエリアへのツアーはこちら

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