後悔はフラメンコを観なかったことだけ・・情熱のスペイン

後悔はフラメンコを観なかったことだけ・・情熱のスペイン

好きな国はと問われればアイスランド、国内では冬の北海道・・そんな私にポカポカ陽気なスペインとは、なかなかどうしたもんか大丈夫かと思ったものですが、とても素敵な大周遊になりました。スペインは世界史でもよく登場する国。受験で世界史専攻だった私は、グラナダ、コルドバで世界史を肌で感じることができたことも、楽しかったことの1つです。
今回は、マドリード→コルドバ→グラナダ→バルセロナとまわり、その間にアンダルシアの白い村や小さな村などに訪問しました。今回はその中でも特に印象深かったコルドバと白い村についてご紹介しようと思います。

白い村、フリヒリアナで

<コルドバ>
いきなり世界史全開ですが。711年にイベリア半島に侵攻したイスラム教徒は、占領した土地の首都をコルドバに置きました。全盛期のコルドバにはイスラム教の伝来とともに、古代ギリシアやローマの文献がアラビア語によって伝えられ、これらを学ぼうとする人たちがヨーロッパ各地から集まりました。そのためコルドバでは多くの学問が開花します。
1232年にキリスト教がイスラム教徒に占拠されたコルドバを奪回しますが、完全に拭い去ることの出来なかったイスラム文化は、コルドバのユダヤ人街を歩くことで見ることができます。
そしてコルドバ観光の一番の楽しみはそのユダヤ人街を散策することと、メスキータというイスラム教とキリスト教が混在するモスクを訪れることなのです!


私のコルドバのイメージは、そのメスキータとユダヤ人街ばかりでした。コルドバ駅に到着し、最初の驚きは「え!めっちゃ近代的!!」。コルドバ駅は、目的のメスキータやユダヤ人街からバスで15分ほど離れたところでした。メスキータまでは想像していたコルドバの街の風景と全く違う、普通の市街地なのです。なるほど、私がイメージしていたコルドバの街は、メスキータとその裏の部分なのでした。そのようなわけですので、宿泊は駅から離れていても、メスキータの近くがお勧めです。

コルドバ駅

さて、コルドバ駅からは多くのバスが出ています。どのバスに乗ればメスキータにいけるのか・・駅の前で右往左往していたら、突然通りかかったおばちゃんが「これ!めっきーためっきーた!!!」よく分からないスペイン語で迫力満点、親切心満点で教えてくれますが全く分かりません。とりあえずメッキータという言葉を信じてみてバスに乗ったところ、無事にメスキータに到着することができたのでした。スペインの方は優しい。

夜のメスキータ

スペイン語が分からないで思い出しました。かなり余談ですが、グラナダでは夜遅くに街に到着し、暗い街の中を重いスーツケースをひっぱる私の前に、一人のおじいちゃんが通りかかりました。その時私はホテルが見つからずホテルの最寄であるはずのバス停から20分以上歩き続け、飢えと孤独と不安で泣きそうになりながら歩いていました。英語がわかるかどうか不安になりながらも、とりあえずそのおじいちゃんに尋ねてみようと思い、また、ご老人なので極力丁寧にしなければと思い、オラー(スペイン語で「やぁ」)といってからブエノス・・(こんばんは・・)さらにお辞儀もすると、おじいちゃんにはとても良い印象を持ってもらえたらしく、にっこりと微笑んでもらえました。それからホテルの場所を知ってるか伺ったところ、そこから2分ほどスペイン語でお話をしてくれたのですが、かなり一方的でさっぱり分かりません。多分ホテルとは関係ない話だったのかなと思います。とても笑顔で、杖を振り回して楽しそうで。私は戸惑いながらも、その笑顔をみて孤独で不安だった気持ちが楽になったのでした。結局、英語が分かる方に出会い、丁寧に教えていただいて無事にホテルにたどり着くことができたのです。スペインでは言葉がほとんど通じないですが、他にも、困っている私を助けてくれた人は多くいました。
メスキータの辺りはタイムスリップしたよう。細い路地は石畳で造られており、カラフルな家々が両側に並びます。

石畳の街

メスキータは、イスラム教とキリスト教が混在するモスクです。入口から入ると少し薄暗く、円柱とアーチが無数に続き荘厳な雰囲気です。いわゆるイスラム教部分とされるところです。


そこを過ぎて、内部の中心まで移動するとカテドラルという、キリスト教の部分が現れます。こちらはステンドグラスから光がさし、大変明るいのが先程の円柱とアーチの間とは対照的です。

突然ひろがる神々しい世界


ついついどうしても明るいカテドラルが人気のようでしたが、私が目を奪われたのは薄暗い中でのイスラム部分の繊細な装飾。人が少なかったらもっといいのに・・

ステンドグラスから漏れる光


メスキータ裏のユダヤ人街は歩いているだけで楽しい街。白い壁に青い植木鉢、鮮やかな花が目を楽しませてくれます。そこに住んでいる方もいるので、ドアが開いていれば、こっそり玄関を覗いてみましょう。ドアの形はもちろん、お宅によって玄関の飾りつけは様々。色鮮やかな植物やタイル、置物などどれもが美しいです。

お土産やさん

しのびこみたくなるほど素敵な玄関!

散歩していたら見つけた広場で

街歩きにつかれたらコルドバの街に流れる川のほとりへ。ローマ橋のあたりは川が流れているせいかのんびりした空気が流れます。
<フリヒリアナ>
アンダルシアの街、白い村フリヒリアナ。街のどこを切り取っても絵葉書のように美しい景色は、かつて「スペインで最も美しい村」として選ばれたことにも納得。遠くに地中海をのぞむことができ、これぞスペイン、な景色が広がります。フリヒリアナに特にこれといった見所はないですが、白い村観光のハイライトといってもいいでしょう。可愛い雑貨屋さんでお土産を買ったり、坂の上のレストランから街を一望しながら食事をするのがお勧めです。



また、バスで20分ほど走ったところにネルハという街があり、ヨーロッパのバルコニーとよばれる地中海に張り出した展望台があります。岩場の間に小さなビーチがいくつも続き、ちょっとしたリゾート地です。地中海を初めて見た私は大興奮でした。

小さいがビーチもある


<バル>
最後にスペイン料理についても触れます。日本にスペインバルが登場して久しいですが、やはり本場のバルは違います。特にグラナダは、ビールを1つ頼むと1つのタパス(おつまみ)がついてくるのでとてもリーズナブル、そして楽しいです。お店を選べば女性1人でも気楽に入れるのでぜひ全ての都市でバルに訪れてみたいですね。また、パエリアは必食。日本で食欲不振だった私はどこへやら、パエリア恐らく2人前をペロリと平らげたのでした(ビールも)。1人だから2人前を出されたら仕方がない。本当に美味しいですスペイン!!!

老舗のバル

恐らく2人前を平らげた

タパスたち

スペインは街によって本当に色んな顔をもつといわれますが、本当にそうでした。大都会のバルセロナ、歴史香るグラナダ、コルドバ、美しい風景が広がるアンダルシア。スペインは1度だけではもったいない、何度も行きたくなる奥深い国です。

<スタッフおすすめ度>
コルドバ・・★★★★★ メスキータは必見。その裏のユダヤ人街もぜひ訪れたい
白い村・・・★★★★★ これぞスペインアンダルシア!な風景。
2014年10月 楠本悠子
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