マチュピチュだけじゃない!砂漠にグルメに宇宙人?!見所いっぱいペルーの旅☆

マチュピチュだけじゃない!砂漠にグルメに宇宙人?!見所いっぱいペルーの旅☆


~ 砂漠と地上絵を求めて!イカ1泊2日の旅 ~
リマからパンアメリカン・ハイウェイを南へ約300Km、所要約5時間。
都会の景色は間もなく消え、どこまでも続く荒涼とした砂漠地帯が続き、道の両脇に砂丘がそびえ立つ砂漠の中の町、イカへ到着した。



この町は少々騒がしい町である。
町の人々の暮らしは平和なものだが、空を見上げればセスナ機が轟音で飛び交い、砂丘近くの道ではバギーが爆音で走り抜ける。
ペルーではこの町もまた、見逃せない観光スポットなのである。
リマを7時30分発のバスに乗り、イカへ。
このデラックスタイプのバスは、2階建てでシートもゆったり、枕、ブランケット、軽食、ドリンク付き、映画上映、トイレの備え付けも有り快適そのもの。


12時30分にイカの町外れにあるリゾートホテル「ラスドゥナス」前へ到着。
このホテルラスドゥナスは、ラグーンを囲むように白い宿泊棟が並び、その奥には砂丘がそびえ立つ、砂漠の中のオアシスホテルといった雰囲気。




2つのプールとウォータースライダー、アスレチックやゴルフ、テニス、バレー、バスケットボール、乗馬もできる広大な敷地を持つリゾート。スパもあり、全身オイルマッサージ60分で100ソル(3000円ちょっと)とお手頃価格でおすすめ。

客室は広々としており、バルコニーからはラグーン又は砂丘が見渡せる。

レストランは砂漠の町とは思えぬほど新鮮な野菜、シーフード、肉料理、デザートと、どれもすごく美味しい。




ホテルで昼食を頂き、ひと休憩した後は小さなイカの町中観光へ。
まずはホテルから車で10分のイカ考古学博物館。残念ながら館内は撮影禁止。


イカのみでなく、周辺のチンチャ、ピスコ、パルパ、ナスカの文化や歴史を展示してある。
かわいらしいデザインの土器やテキスタイル、昔の住居跡の復元など、小さくてゆる~い博物館だなと思っていたら、出口間際まで来たところで急展開のミイラ祭り!
大人や子供の座った姿のミイラ、無数の頭蓋骨、頭を割って脳外科手術をしている様子など・・・・なかなか興味深い博物館だった。
博物館から車で10分。ホテルからは5分。道路脇には砂丘が迫り、到着したのはワカチナオアシス。
その風景は名の通り、まさに絵に描いたようなオアシス!!


そびえ立つ砂丘に囲まれたその中心には、緑で囲まれた湖が!
ドラえもんの映画であれば、しずかちゃんが裸で水浴びをしていそうな場所。
このオアシスは、ここに住む人々の憩いの場となっている。
湖でボートに乗るカップル。芝生で寝転ぶ若者。走り回る子供たち。
ここだけ別世界のように、ゆったりとした時間が流れていた。




小さな町のため、あまりにも早く観光が終わってしまったので、ドライバーのマルゲリータさんとペルーの人気飲料・インカコーラを飲みながら日陰で1時間の歓談タイム。
まだ結婚していないということを酷く憐れまれたところで、次の観光の時間がやってきた。

ワカチナオアシスよりスタートする、今回とても楽しみにしていたアクティビティ「サンドバギーツアー」。(約2,000円) いろんな時間帯で催行しているようだが、夕方、サンセットの時間に合わせてスタート。
このバギー、想像していたものよりも遥かにワイルド!!



わくわくしながらバギーへ乗り込んだところで、サングラスを持ってこなかったことに気付く。
出発直前に慌ててマルゲリータさんのサングラスを拝借。これがなければ完全に目をやられていた。サングラスと、スカーフなど口を覆うことのできる物は必須である。耳栓を持ってきている人もいたが、これもあればとても役立つ。耳栓がなかった私は3日後まで耳から砂が出てきた・・・。
張り裂けそうなエンジン音を鳴り響かせ、ジェットコースターのようなスタートダッシュ!何十メートルもの高さの砂丘を上り下り、猛スピードで砂漠を走り回る。


正直、エジプト・チュニジア・モロッコと有名な砂漠へ行ったことがあったので、たいしたことはないだろうな・・と思っていたが、想像以上の大スケール!
奥へ踏み入れば、見渡す限りの砂丘が広がっており、驚いたのはその高さ!大きいものでは、平地から約250mもの高さに及ぶそう。振り返れば、いくつも重なる砂丘の奥に、イカの町が見える。



その後、バギーは砂丘の頂上でストップ。ここからはサンドボードタイム。
またがってソリのように滑るのかと思いきや、ここでは腹這いになって脚を広げ、頭から滑り降りるのが正しい滑り方とのこと。そのため、スカートで参加していたお姉さんはここでリタイア。

見るからに危険なかなりの急斜面を、頭から滑り降りるということに少しビビりながらも、サンドボードに挑戦。

急斜面に加え、30m程高さもあり、滑って行くうちにどんどんスピードが上がる!!
怖くて悲鳴をあげてしまうと、大量の砂が口へ入り込むので無言で耐える。



たっ・・楽しい・・・!!
一度滑ってしまうとこの疾走感が病みつきに!
滑り降りた後は砂丘をよじ登る必要はなく、バギーが下まで回って来てくれるので、再度バギーに乗り込み更に高い砂丘へと移動する。と、繰り返すこと5回。頭からつま先まで余すところなく砂まみれになった。

ワイルドな時間が終わったあとは、しっとりサンセットタイム。
オレンジ色に染まっていく砂丘と、遠くに見えるイカの町を眺めながら思い思いの時間を過ごす。
なぜだかアメリカ人のお姉さんにスイートハニーとあだ名を付けられ、「スイートハニー、写真を撮ってあげる!」、「スイートハニー、こっちへおいで!」と、1人で参加したワイルドな砂漠ツアーだったが、少しのスイートな時間が流れた。




沈み行く夕陽を名残惜しく眺めながらバギーへ乗り込み、ワカチナオアシスへと戻った。

翌日は8時40分にホテルを出発し、車で10分の空港へ。
パイロットと副操縦士を含め、6人乗りのセスナ機へ乗り込み、世界遺産ナスカの地上絵遊覧飛行へ!


飛び立ってすぐ、昨日訪れたワカチナオアシスとどこまでも続く砂漠が見えてきた。

ナスカまで続くパンアメリカン・ハイウェイを眺めながら、セスナ機で約30分かけてナスカへ向かう。天候にもよるが、絶対揺れると思っていたのに、予想外にも超安定飛行。天候もよく、地上絵までまだまだ距離はあるが、ウキウキしながら左右の景色を写真に撮る。
そう、この時までは余裕だった・・・



いよいよ地上絵の上空に差し掛かり、パイロットが日本語でアナウンスを始める。
「これこれ!宇宙人!宇宙人!わかるぅ?」日本語で何度も叫ぶ。

宇宙人?・・ガチャピン?

ハチドリ

そして、左右どちらの座席の人にも見えるよう、右に左に急旋回飛行が始まる・・・
ここで一気に酔ってしまった。車酔いとは違う、Gを感じるような・・・内臓を掴まれたような・・・ひぇ~~・・・
ただ、旋回飛行が終わるとまた安定飛行に戻り、復路はスヤスヤ居眠りするほど安らかな空の旅だった。
ナスカの地上絵は、想像していたよりもサイズは小さかったがくっきりとしており、はっきりと個々の絵を見ることができた。途中、絵を見る余裕もない瞬間はあったが、、一生に一度は見ることができて良かったと思える、貴重な体験であった。
11時過ぎにホテルへ戻り、しばしの仮眠を経てランチタイム。
プールサイドのレストランで砂丘を眺めたり、空を飛び交うついさっきまで乗っていたセスナ機を見上げたり。おいしい食事とのんびりとした空間でリフレッシュした後は、帰りも同じくラスドゥナスホテル前より15:30に出発するバスに乗り、5時間かけてリマへと戻った。
イカは小さな町だが、アクティビティに世界遺産、リゾート気分も味わえる、たくさんの見所が詰まった町であった。
~ もうひとつの聖なる谷!クスコ以南の遺跡とグルメの谷へ ~
標高3,400m。富士山越えの高地に位置する、インカ帝国の古都クスコ。
その北側には、インカの聖なる谷と呼ばれる人気のエリアがある。この聖なる谷の観光に加え、今回はまだあまり知られていないクスコ以南にある、インカやワリ文明、インカ以前のプレインカの時代の遺跡が点在し、ユニークな御当地グルメのある南の谷を訪れた。

クスコから約30km、車で約1時間のところにある、ティポン、ピキリャクタ、サイリャへ向かう。いずれの町もすぐ近くにあるため、このエリアに到着してしまえばそれぞれの見所へは車で5~15分程で回ることができる。
●遺跡編
『ルミコルカ遺跡』
ワリ文化の頃、30Km以上離れた山より雪解け水を引き込む水路として建設され、今も上部にその跡を見ることができる。
その後、インカ時代にはプーノからクスコへ続くインカ道の関所として利用され、クスコへ出入りする人々を管理する場所となった。壁から突き出るように設けられた、見るからに足が震えそうな階段は、マチュピチュでも同じ造りのものが見られた。



『ピキリャクタ遺跡』
ルミコルカのすぐ後ろにあり、こちらもワリ文化の頃の大規模都市遺構。
ワリはのちのインカに大きな影響を与えた文化として知られる。石を積んだ12mもの高さの塀で囲まれた中には、住居、神殿、広場、畑、工房の跡などが広範囲に残っている。住居は耐震構造の分厚い壁で作られており、2~3階建てであったとされる。現在発掘されている状態から、まだ地面を1~2mは掘り下げなければ本当の地面は出てこないとのこと。高度な建築技術を持ち、大変貴重な遺跡ではあるが、あまりに規模が大きいため、なかなか発掘調査が進まないそうだ・・。入口ゲート脇には小さな資料館があり、復元予想図の写真などの展示を見ることもできた。




『ティポン遺跡』
麓の町から車で山を登ること約15分。ここには、水の神殿と呼ばれるインカ時代の農業施設の遺跡と段々畑がきれいに残っている。
現在も水が流れる灌漑設備が整備されており、最上段の水場では湧き水を貯え、一定の水量で放水されている。この遺跡は石垣の美しさと緑の多さが印象的。周りの景色を眺めながらお弁当を広げ、ピクニックに来たくなるような場所。しかしここは標高3,400mの高地。ルンルンする気持ちとは裏腹に、少し登ればぜーぜーはぁーはぁー・・最上段までは非常に厳しい道のりだった。



ティポン遺跡からの眺め

●グルメ編
『クイ料理』
ティポン遺跡から山を下ったところに、クイ(テンジクネズミ!)料理のお店が軒を連ねる。クイは昔から貴重なタンパク源とされていた。

調理方法は、生後3か月程のクイのお腹をぱっくりと割り、中へワカタイと呼ばれる薬草を詰め込む。


そのまま窯へ入れて約1時間で出来上がり。同じ窯で焼いたジャガイモや、大きなトウガラシ、パスタなどを付け合せとし、薬草とトウガラシを混ぜたウチュクタという酸っぱ辛いソースをお好みでかけていただく。
丸焼きなのでお口には歯がしっかりと残り、かわいらし手や足も悲しいほどそのままのお姿。あまり観察すると食欲がなくなりそうなので、ささっと撮影を済ませて頂く。




食べてみると外側は香ばしく、お肉もさっぱりしており思いのほか食べやすかった。ただ、薬草の味がかなり効いているので、香草(パクチー)などが苦手な方は食べ辛いかも・・。
ビッグサイズのクイを注文して3人で分け、お値段は1匹45ソル(約1,400円)。
正直何度も食べたくなるようなものではなかったが・・アンデス地方に古くから伝わる伝統料理を記念に一度チャレンジしてみては?
『チュータ』
オロペサという町に、直径約30cmのおばけパンと呼ばれる大きなパン、チュータを売るお店がたくさん並ぶ。




シンプルなものであれば、1つ2.5ソル(約80円)程。まわりはサックサク!中はふっくらしているが、乾燥に弱く?時間が経つと中までカッチカチになってしまうので、出来立てをすぐに頂くのがおすすめ!ずっしりと中身が詰まったタイプのパンではなく、軽い食感のパンなので、大きくてもたくさん食べられる。

デコレーションタイプも多くあり、こちらはカトリックの宗教的な捧げものとして用いられる。馬や子供のデコレーションなど、それぞれ男性用と女性用があるそうだ。近く祝日があるらしく、現地の人たちもたくさん買いに来ていた。



『チチャロン』
サイリャという町に入ると、道路の両脇の店先に、クリアケースに飾られた大きなせんべいのようなものが現れる。


その正体は豚の皮のから揚げ!
お店に入ると、その皮のおせんべいが小さく割られて出てくる。なんだか昔食べたことがあるような、どことなく懐かしい味。軽いスナック感覚で食べられる。まわりに添えてあるジャイアントコーン炒めがとてもおいしかった。

その後、角煮のような大きな豚肉の塊が登場。豚肉を30~45分ほど煮込んだ後に揚げてあるため、まわりはこんがり、中は非常に柔らかい!余分な脂も落ちており、さっぱりと食べやすい。お好みで薬草と玉ねぎのソースをかけてさらにさっぱり。こちらには茹でたジャイアントコーンと薬草、フライドポテト、生たまねぎが添えられていた。



●おまけ編
『宇宙人?』
この遺跡とグルメエリアに到着する直前の町で、ドライバーさんが一押しの、今注目の町へ急遽立ち寄ることとなった。
その町の名前は、アンダワイリーリャス。某有名ガイドブックにも一応掲載されており、バロック様式の協会やフレスコ画が見所と書いてある。

しかし、今この小さな町でもっとも注目されている物、それは、宇宙人の骸骨である。
宇宙人にも骨があるんだ・・?などと思いながら、いざ保管されている博物館へ。

ここは村人個人の私設博物館のため、入場料は無料。チップ入れが置いてあるのみ。なんともゆる~い、無防備な展示が並び、いざ宇宙人とご対面!

左が宇宙人、右が人間

・・・・・・・。
確かに人間の頭蓋骨と比べれば明らかに細長く、違うような気がする。復元写真を見ると、よくイメージされる宇宙人像の形状をしている、が・・・。

今から約2年前、村の外れに隕石を発見し、そこにこの宇宙人(仮)の骨があったそう。
その後、ロシアの専門機関が調査に訪れ、なんと正式に宇宙人の骨と認められたとのこと…!話によると、アメリカやロシアなど世界中で5ヶ所に本物と認定されている宇宙人が安置されており、このアンダワイリーリャスの宇宙人もその一つなのだそう。なんと、近いうちにNHKからも取材予定がはいっているらしい。
さて、皆さんはどう思われますでしょうか・・・?

博物館の管理人Jr.

『お土産』
近年、クスコを訪れるバックパッカーの間では有名なこと。
それは、本革+民族調のブランケットを用いたオーダーメイドの靴を作ること!
クスコ到着後、マチュピチュへ1泊しに行く前にオーダし、その後クスコに3泊滞在の日程だったため、無事滞在中に完成した靴を受け取る事が出来た。
足のサイズを測り、ディスプレイにある希望に近い形の靴と、革の色、ブランケットを選ぶ。部分的に革の色を変えたり、ブランケットのどの部分をどんな角度で入れるか、フリンジを付けたり、好きな形のくり抜きを入れたりなど細かいリクエストも可能。


ただし細かい指定をしたい場合は、何度も念を押して職人さんへ伝える。
普段であれば軽く2時間は悩みそうだが、時間がないため20分程で急いで注文。
後は楽しみに待つのみ…だが、出来れば予定日前にもう一度訪れ、「明日だよ?大丈夫?絶対仕上げてね!」と、念を押しに行く。

そして念願の受け取り日。
最後に靴ヒモを選んでついに完成!!サイズはもちろんぴったり!一部リクエストと違う箇所や、想像よりもやや派手だったが…これも、ペルーならでは!
完全オーダーメイドで、混み具合にもよるが所要時間は2?4日程。靴のタイプにもよるが、3500円程~で、ブーツなどは6~8000円程。後はひたすら値切るのみ。
ペルーの物価からすると決して安くはないが、本革靴のオーダーメイドでこのお値段。時間のある方には大変お勧めの一品です。







マチュピチュはもちろん、ペルーにはまだまだたくさんの見所が溢れていた!
2012年10月 冨樫

中南米カテゴリの最新記事