今回中国の東北地方を中心に6日間の旅をしてきた。友人や家族からは「大丈夫なの?」と不安と心配をされながら日本を発った。今回大連、丹東、瀋陽、北京と東北地方を中心に4都市周遊の旅。初めての中国旅行だったが、実際に行ってみてイメージとのギャップを多く感じた。中でも印象的であった丹東を紹介したい。
丹東
丹東へは大連や瀋陽といった大都市から車で約4時間。日本ではまだ馴染みのない中国と北朝鮮の国境沿いで賑わう観光都市が「丹東」なのです。川を挟んでわずか数百メートルで北朝鮮という場所で、中国の国境線沿いには多くの公安の人々が警備をしています。
ここでの楽しみは何と言っても「鴨緑江クルーズ」、「北朝鮮歌謡ショー」や「夜景」です。
[鴨緑江クルーズ]
約120人乗りの遊覧船に乗って北朝鮮の国境観光を楽しむ事が出来るのが丹東の鴨緑江クルーズ。まずは鴨緑江断橋を渡って、船をUターンさせます。次に中国側から北朝鮮側へ船を進めます。
左には北朝鮮側ののどかな風景、右側には中国側の近代的な風景が見えて来ます。数分船を走らせ、北朝鮮側を見ていると、船舶の工事をしている人を見かけたり、子供が遊んでいたりと素朴な風景が目に見えます。
一方、中国側を見てみると高層ビル群が立ち並び、近代的な街並みが広がっています。中朝の経済格差を間近で見られるのはクルーズならではの体験です。
[北朝鮮歌謡ショー]
丹東には従業員の北朝鮮の人がウェイトレスをしつつ歌謡やダンスの公演をしてくれるレストランが多数あります。店に入ると胸に北朝鮮の国旗が入った名札をつけた女性の店員さんが迎えてくれます。
料理は朝鮮料理の一般的なビビンバやチャプチャなどもあって、食事に飽きることはありません。ウェイトレスさんが料理を運んでいると思ったら、衣装を着替えてショーの始まりです。
正味30分程度、バンド演奏やエレクトーンを使いながらの華麗に踊ってくれます。曲が分からなくても、北朝鮮独特のメロディは強い印象を受けます。最後は花束を渡されて、ショーにも参加することも出来ます。
[夜景]
夜景はガイドブックにも載っていなかったので、あまり期待はしていなかったのだが、食後の散歩がてら鴨緑江断橋周辺を歩いてみたがこの旅の中で最も印象的であった。
時間によって様々な色彩に変化する鴨緑江断橋。色鮮やかなライトアップとは対照的に、川を挟んだ北朝鮮側にはほとんど明かりがない何にもない風景とのコントラストは印象的だった。
また付近の広場では、中国ならではの太極拳や体操、習字といった稽古事を地元の人が楽しんでいる光景がとても新鮮に感じた。
まとめ
6日間という短い期間ではあったが、今回中国を旅して必ずしも渡航する前にイメージしていた国や情勢ではないと感じた。各都市には西洋建築や伝統的な建築が融合したり、また隣国の北朝鮮との文化なども体験出来た。道を英語で聞いても理解出来なかったり、ちょっと不便だったりと感じることもあるけど、伝いたいことがあれば真剣にジェスチャーや電子機器を用いて教えてくれる心暖かい人々も多かった。今回私が旅してきたところは中国の中でも割と田舎の町。今だからこそまだまだ知らない中国を体験してはどうでしょうか?
2012年10月 中出