ハノイからフエへ、そしてホイアン、最後にホーチミン<ベトナム>

ハノイからフエへ、そしてホイアン、最後にホーチミン<ベトナム>


ベトナム4都市を北から南へ、そして世界遺産へ登録された5ヶ所(ハロン湾、フエ王宮群、フォンニャ洞窟、ホイアン、ミーソン遺跡群)を巡って参りました。その中より印象的だったところをPICK UPしたいと思います。


★ハロン湾
1993年に世界遺産となったハロン湾、ここではやっぱりクルーズ!12月は少し寒い、上着が必須アイテム。
奇岩を眺め、シーフードを楽しみながらのクルーズは、その道中に鍾乳洞や水上家屋、養魚場を訪れることができる。




ぼこぼこと海へ突き出す奇岩には名前が付いていたり、ガイドさんが教えてくれる通り動物に見えたり。その大小約2000あるといわれる奇岩と静かな海の景色はまるで水墨画のよう。とても幻想的で美しい。
ハロンという地名は「ハ=降りる」「ロン=龍」という意味。むかしむかし、外敵の侵入に困っていたこの地に龍の親子が現れ、敵を打ち破って宝玉を吹き出した。それが奇岩となり、その後それらが外敵から守ってくれたという伝説よりその名が付いたという。


美しい景色を眺めていると3時間のクルーズはあっという間。もう少し眺めていたいな、と未練たらたらで下船することとなる。

★統一鉄道、ハノイからフエへ!
ハノイからホーチミンまでを29時間30分かけて走る「統一鉄道」。今回ハノイ~フエ間に乗車した。ハノイを23時に出てフエへ到着したのは11時ごろ、約12時間の移動。私にとって人生初の寝台列車!どきどきしながら列車へ乗り込んだ。


列車の利用する外国人旅行者は少なかった。見かけたのは数人の欧米人旅行者。ちょっぴり不安になりながらもコンパートメントへ向かう。コンパートメントには上下2段のベッドで4名1室。シーツも毛布もきれいだし、トイレ、洗面所も問題なく利用できる。毛布はぺらぺらなので少し寒いかもしれません。


「鍵をもっていったほうがいいよ」という先輩のアドバイスがあったので、自転車の鍵(ループタイプ)を持っていった。父の自転車の鍵を拝借したので、私の荷物より父チャリが盗られないか心配になったが、きちんと荷物とベッドの足をつないでおいた。ぐっすり眠る・・・つもりだったが、わくわくどきどきしてうまく眠ることができなかった。

がたん ごとん がたん と進む列車。寝転がって過ごす時間はとても穏やか。
がたん ごとん がたん ご… がががががん!と、時折「え!線路走ってるやんな!?」と疑いたくなるほど揺れることも。
車窓からの景色は雨に濡れる緑が眩しいTHE田舎。ぽつぽつとまばらに建つ家や畑、山、林。のどかな雰囲気に癒されながら、のんびり過ごした。
列車の乗務員さんたちは言葉の分からない外国人の私にも親切に対応してくれた。
制服を着てちょっぴりヒールのある靴を履いて、きりっとコンパートメントを回っていたお姉さんがかっこいい! が、写真はNGでした。
しょんぼり振り返ると、そこにいたおじさまは写真OKと言う。有難く1枚撮らせていただいた。

同室だったのは、ベトナム人のお母さん。彼女は終着駅ホーチミンへ向かう。
道中、ドアを上手く開けられない閉められない・なぜか消灯できない・立ち上がれば頭を打つ、など非常にどんくさかった私の世話をあれやこれやと焼いてくださった。ありがとう、お母さん。
言葉が通じなくてもなんとかコミュニケーションをとれた。けれども、やっぱり残念。私がベトナム語を話せたら・・・。

そんなこんなで寝たり起きたりしているうちにフエへ到着。同室のお母さんに別れを告げ、列車を降りた。ふらふらと列車を降り、さ迷いだした私に不安を感じたのか列車の乗務員さんが降りてきて出口まで誘導してくれた。お手数をおかけしました。

★フォンニャ洞窟
フエから北西へ210キロ、2003年世界遺産となったフォンニャ洞窟へ!
途中、コーヒー休憩。初めてベトナムコーヒーにトライ!あまりに濃くて飲めず、店員さんにお湯をいただいて割って飲むことに。ガイドさんは「そんなの薄いですよ、コーヒーじゃないですよ」と笑っていた。


船着場からはボートで洞窟へ。入口が見えてきていよいよ・・・!と思いきや、雨で川の水量が多く通常のツアーのようにボートで洞窟へ入ることができなかった。残念。泣く泣くボートを降り、歩いて洞窟内へ。


広く大きな洞窟に感動!
たまたま観光客が私を含め3人ほどしかいなかったため静かで、雫の落ちる澄んだ音がよく聞こえる。そのきれいで透明な音に耳をすませながら、じっくりと洞窟を探検することができた。

★ホイアン
海のシルクロードの町、ホイアン。1999年世界遺産に登録されたその小さな町は情緒溢れる素敵な場所だった。陽が暮れればランタンが灯り、ノスタルジックな雰囲気に。



日本人が作ったとされる来遠橋や、古い民家、博物館など見所があるホイアン、町歩きが楽しい!
最初、レンタサイクルでぐるっとしてみたが、歩くための町だ!と思えたのでレンタサイクルは30分でやめてお散歩へ変更。この選択は正しかった。雰囲気抜群のこの町はぶらぶら歩くだけで楽しい。


お土産屋さんも素敵だったし市場も古い民家も橋も面白かったけど、私のイチオシはカフェ!

ホイアンにはおしゃれでレトロなカフェがたくさんある。お茶したり、ベトナム料理を食べたり、テラス席で通りを眺めたり。普段からカフェでのんびりするのが好きな私は楽しくて楽しくて、たくさんハシゴした。あっちでコーヒー、こっちで軽食、そっちでデザート。そしてお茶して、夕ごはん食べて、またデザート探して…
翌日お腹の調子が優れなくなったのは必然、それでも懲りずに出発までぐるぐると歩き回った。


★クチの地下トンネル
ベトナムを旅すると戦争の傷跡を目にすることがたくさんある。フエの王宮やミーソン遺跡などの遺跡も破壊されてしまっているし、道中に爆弾が落とされてできた穴を見かけることもある。
あんな立派な歴史的建造物を失ってしまったのはなんて悲しいことだろう、そう思いながら訪れたのはクチの地下トンネル。ベトナム戦争時、ここには解放戦線の拠点が置かれた地。解放勢力は地下にトンネルを掘ってゲリラ戦を続け、難攻不落と呼ばれた。

観光地となった今は公園のような穏やかな雰囲気。でも射撃場があるので、時折銃声が響く。爆撃の跡を見ながら聞く銃声はなんだか切ない。はじめにビデオ(日本語)を鑑賞して予備知識をつけたら、いくつかのポイントを順に巡って歩く。トンネルに入ったりするので歩きやすい靴&汚れても良い服装でご参加ください。
とっても狭い地下トンネルの入口。ちょこっと入って記念撮影。出られなくなりそうになった・・・。

その後、バンブートラップ、戦車、作戦会議室、自製武器展示室などいくつかのポイントを通過し、当時の地下生活の様子を見学しながら順路をゆっくり歩く。ハイテクで攻める米軍に工夫を凝らしてローテクで応戦するベトコン。近年、注目されているローテクがここで見られるとは思っていなかった。ローテクといえば近代アートの世界最高峰といわれる某美術館でNO.1を記録した日本のマフラーを思い出す。地味だけど大切なローテク、ここではそのハイテクに負けない力を感じられる。



最後はトンネル内探検。ゲリラ兵に扮したスタッフが案内してくれる。しかし、ここでまさかの展開。なんと私、狭くて暗い場所がダメだった。それに気が付かずトンネル内へ入り・・・少々パニックに。
狭い狭いトンネル内で一歩も動けなくなる増井と焦りだすゲリラ兵。戻れないので進むしかない。気合を入れて1歩踏み出すとほっとしたゲリラ兵は言う、「20メーターズ・モア」。 後20mも!?と、また動けなくなる増井とまた焦りだすゲリラ兵、彼の引きつった笑顔に励まされ、なんとか脱出した。なんて情けない・・・でも2011年で1番怖かったです。閉所恐怖症のかたには決してオススメできません。


最後に余談ですが、この旅で韓国に圧される日本のアジア市場を垣間見てしまった気がする。
ハノイ・ホーチミンでホテルを下見して回ると、そこへ置かれる電化製品はLGとSAMSUNGが圧倒的に多いし、走る車はHYUNDAI、KIAが目に付く。「がんばれクール・ジャパン!!!」そう思いながらベトナムを旅した。

2011年12月 増井

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