こんなの大好き!映画監督チャン・イーモウ(張芸謀)演出の荘厳な野外ショー『印象・劉三姐』<中国・陽朔&桂林(広西チワン(壮)族自治区)>

こんなの大好き!映画監督チャン・イーモウ(張芸謀)演出の荘厳な野外ショー『印象・劉三姐』<中国・陽朔&桂林(広西チワン(壮)族自治区)>

桂林空港にあった『印象・劉三姐』の広告

今回の旅で最も印象に残ったのが、この野外ショー『印象・劉三姐』でした。実は、現地に到着してガイドさんに紹介されるまでは全くのノーマークで、こんなすばらしいショーのことを知らなかったのはお恥ずかしい限り・・・。中国の観光都市では、このような観光客向けのショーがいろんな場所で開催されているそうです。これからは、更にアンテナを張って情報を入手したいと思っています。
ガイドさんから、「中国で大人気のこのショーを是非見て欲しい」とパンフレットを渡されたとき、この地域独特の自然を利用した大仕掛けの舞台、厳かで壮大な雰囲気が満ち満ちた数々の写真に圧倒され、ひと目みてこのショーのけた違いのスケールの大きさがわかりました。更に、中国の映画監督チャン・イーモウ(張 芸謀)が演出を担当したという話を聞いてさらに期待が膨らみました。


ご存知の方も多いと思いますが、チャン・イーモウは、『紅いコーリャン』『紅夢』『上海ルージュ』のいわゆる「紅三部作」や、『あの子を探して』『初恋のきた道』『至福のとき』の「幸せ三部作」。そして、中国の人気美人女優のコン・リーやチャン・ツィイーを見出した映画監督です。また、日本の俳優・高倉健を敬愛し、彼自身が熱心に出演するよう口説いた結果、高倉健の主演が実現した『単騎、千里を走る。』も有名ですね。

会場入口にある門

このショーは漓江下りの終着ポイントである陽朔の漓江の上で風光明媚な山々をバックに毎夜開催されています。平日公演は1日2回、週末・祝祭日は3回。公演時間は70分。
広西チワン族に伝わる民話に登場する聡明で歌の上手い女性、「劉三姐(リウ・サンジエ)=劉家の三女」をテーマにしたもので、序章、赤の印象、緑の印象、金の印象、青の印象、銀の印象、終章の7部から構成されています。

旗を手にした中国人ツアーの添乗員さん

いつも混んでいるからとガイドさんと共に早めに会場に向かうと、まず、そこでビックリ。既に観覧客と車やバスで入口は大混雑。それに、入口から観覧席までゆっくり歩くと10分はかかるらしく、とにかく観覧席に向かいました。歩いていると至るところに手に旗を持った添乗員らしき人。中国の地方からの団体さんがたくさん来ていたようです。

超満員!

既にすっかり日も暮れ漓江の向こうにそびえる山々のシルエットが夜空に綺麗に浮かび上がり開演を待つ気分を大いに盛り上げていました。観覧席に移動したときには目立った空席が始まるころには“満員御礼”。そして突然照明が消され周囲は真っ暗闇。いよいよショーの始まりです。
対岸の山に強烈なライトが浴びせられ自然の風景がステージの背景に早変わり。さすが中国!スケールが違います!もう、これだけで気分は最高潮!!70分間のステージはあっという間に終わってしまいました。

民族衣装を着た少女たち

『印象・劉三姐』の英語版公式ホームページを見ていると次のような紹介が載っていました。
「1654平方キロの水域を使い、12の山々を利用、67名の国内外の著名芸術家が制作に携わり、109回構成を考え直し、5年と5ヶ月を経て完成、600名以上が出演する一大野外ショー」
終わった瞬間また観たいと思いました。DVDも販売されていますが、このショーを実際に見てしまったらDVDで観る価値をまったく見出せなくなってしまいました。人、空、山、川、光、音、空気すべてを同時に体感しなければ・・・。皆さんも是非現地へ行って体感してみてください。観る価値ありです!
秋冬の乾季以外は雨の多い地域なのですが、多少の雨なら開催されます。屋根がないのでカッパが配られるそうです。傘の使用はもちろん禁止です。雨が強いと中止になってしまいます。ファイブスタークラブのツアーでは現地に到着してからガイドさんが天候をチェックし観覧希望のお客様をご案内いたします。

『資江下り』のハイライトのひとつ 一枚岩の“風帆石”

次に、今回新たな観光ポイントとして桂林の北にある資源県を視察してきました。桂林から北へ約70kmの距離にある資源県には独特な風景が魅力のいくつかのスポットがあります。その中のひとつが『資江下り』。あの有名な漓江の姉妹川にあたる資江は、全長22.5km。45の瀬、31の湾を曲がりくねりながら神秘的な丹霞地形の中をゆっくりと流れています。

『資江下り』で利用するボート

自然を身近に感じる『資江下り』

漓江と比べると川幅も狭く雄大さに欠ける部分は否めませんが、水源に近いため、漓江では見られない清流と、巨大な一枚岩の「風帆石」をはじめとする、川の両岸に並ぶ奇峰の美しさに触れることができます。ボートは小型エンジンの付いた10人乗り前後の小型ボートを利用します。観光客が押し寄せないぶんゆっくり、のんびりと、のどかな雰囲気の中で川下りを楽しむことができるのも魅力ですね。『資江下り』は、身近に感じることのできる素朴な自然をお散歩感覚で楽しめる“もうひとつの”桂林の川下りです。
2011年10月 森

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