中国旅行記~北京上海周遊~

中国旅行記~北京上海周遊~

はじめて中国に訪れたのは昨年の11月。「少数民族」今流行りの「トンパ文字」(象形文字です)で有名な雲南省だった。私の好きな秘境巡り的な旅で、素朴で情緒溢れる風景と町に一気にとりこになる……そんな旅であった。そして今年の5月、人生2 度めの中国を訪れた。はじめての一人旅でもあるし、景気づけにめっきり飲まなくなったお酒を機内で飲み、寝てしまったのか、気づいたときにはもう北京に着いていた。
今回の旅先は“北京”と“上海”。中国の代表的かつ対照的な二大都市を一気に回る、1回めとは打って変わった大都会巡りである。雲南省の旅を金沢巡りに例えるなら、“東京”、“大阪” 2都走りといったところだろうか。両都市とも驚くほどの大都会。ノッポなビルに溢れんばかりの車に人、人、人……。想像以上のスケールに「あんぐり」してしまった。


北京では天気に恵まれ暑いくらいだった。いったい一戸建ての家がいくつ入るのだろう? と真剣に考えた天安門広場。「見るものは全部台湾にあるんでしょ」とあまり期待していなかったが、これだけ見るものがあれば充分だと思った故宮。「安いよっ、安いよっ!」と威勢のいい声が飛び交う日本のアメ横とよく似た前門の商店街。足の悪い私のおじいちゃんが気に入り何度も訪れた万里の長城は、仕事で写真を撮らなければいけないという義務感と、自分だけのベストスポットを探しだそうとついムキになって登ってしまった。元体育会系の私だが、山登り、階段登りといった、何かに登ることが苦手な上、直射日光に当たったせいか、北京市内に戻る車の中で爆睡してしまった。

それにしても、北京で訪れる場所すべて中国人観光客がやたら多い。聞いたところ日本のゴールデンウィークがちょうど中国の大型連休に当たるそうだ。納得。ガイドさん曰く、ほとんど田舎の人らしいが、どこに行ってもカメラ片手に「あーだこーだ」と大きな声で話をしている。カップルは人の目を気にせずイチャイチャしているし、こういうところは日本とほとんど変わらないんだな、と思った。ただ、中国では平気で列に割り込むといった日本の常識が、常識ではないことは以前訪れたとき教えてもらったが、また一つ新たな発見!!! 写真を撮るとき、構えてから撮るまで、ポーズをとったりアングルを変えたり、何が気に入らないのかとにかく長い!!! 大して変わりもしないのに~!!!!! 何が違うのか、さっぱり分からない。どうしても撮りたいアングルにカップルが入ってしまい、待つこと数分カップル退場。やっとの思いでシャッターを押したら誰か知らないが平気でカメラの前を横切った!!!!! はじめはプンプン怒っていたが、あっという間に慣れ、逆に写真を撮るから待ってほしい、と身振り手振りで一生懸命伝えたら何とかなって、またひとつ中国人に近づいたような気がして、つい得意になっていた。
さて、 4日間に渡る北京見物を終え、18時5分発、人生初の寝台列車に乗り込み上海へ向かった。4人一部屋の軟臥(一等車のこと。ちなみに二等車は硬臥)に乗ったがこれまた快適! 部屋は決して広いとはいえないが、一つ一つのベッドにはちゃんと専用テレビと(チャンネルは中国語と英語のみ)リモコンやヘッドフォンもあり、とても満足したのもつかの間、じっとしていられない私はテレビを観る以外やることがないので退屈してしまい、気がつけば20時にはもう爆睡、起きたら上海に着いていて、列車の旅を楽しみそびれてしまった。

残念なことに北京で運を使い果たしてしまったのか、上海では3日間とも太陽を見ることができなかった。でも郊外の見所では雨には降られなかったのでラッキーだったかも知れない。
北京で感動したような名所はなかったが、今も上海で特に印象に残っているものが3つある。
一つめは雑技。北京でも観たが、上海の雑技を観たときは目の前で繰り広げられているパフォーマンスに目を疑ってしまった。クレイジーな発想、スリル満点のパフォーマンスにヨーロッパからきていた観光客たちがスタンディング!(ここに内容を書いてしまうとつまらないので、あえて書かないことに)
 二つめは夜のクルージング。古い建物と現代の建物がライトアップされてこれまた絶景!右岸と左岸の夜景の違いをぜひ楽しんでいただきたい。19時からライトアップがされるので、この時間にクルージングすることをお薦めする。
最後はホテル。ウェスティン、ハイヤット、シャングリラにリッツカールトンといった近代的な外資系ホテルもすばらしい。が、やっぱり上海の老舗ホテル“和平飯店” と“錦江飯店”は外せない。
まずは和平飯店……バンドにあるクラシックホテルでロケーションもバッチリ。マンハッタンにある車道からホテルを繋ぐテント(?)のようなアーケードがついている入口を入ると「ここは中国?」と疑ってしまうほどレトロでお城のようなロビーが出迎えてくれる。部屋もシックでゆったり、ロビーにあるスチームもかなりいい味を出している。
次に錦江飯店……いやはやなんといっても錦江。70年代まで上海で一番高級なホテルだったが、何の変哲もない入口を入って納得。タイタニックに出てくるようなクラシックな階段をバックに、シックでバランスの良いロビー中央に飾られたゴージャスな花、レトロな時計の文字盤のような階数を表すエレベーターがインテリア好きな私を一気にとりこにした。天井の高い部屋にゆったりしたベッド。歩き疲れた体を洗い流すにはもってこいのバスルーム、言うことなし。
次に上海に行くときは絶対泊まろうと決心したホテルになった。
追伸
ホテルの写真がないのがとても残念! ぜひぜひ直接泊まって見てください!
朴 静淑
2002年5月

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