ザグレブからプリトヴィッツェへ
クロアチアに着いて2日目、なんと、予定のバスに乗り遅れてしまった。理由はザグレブ散策に思わず時間がかかってしまったこと、ホテルの近くから乗ったトラムが間違っていたこと(ホテルのおばちゃんはこの番号のトラムっていったのに!)がある。バスのチケットを買いなおすはめになった。
定期バスはスーツケースなど大きな荷物を預ける場合は別途約6クーナ必要で、運転手に渡せばよい。乗る際にプリトヴィッツェのホテルに泊まる人はその旨を運転手に伝えて一番近いところで止めてもらうよう頼もう。途中のバスのストップする場所は乗客が運転手に止めてー!と叫び、その人の家の前で泊まったりするので面白い。
プリトヴィッツェのウォーキングのために、登山靴、ゴアテックスのレインウェア、行動食、ヘッドランプ、足専用のシップなど大張り切りで準備をしてやる気満々!(注:こんな重装備は必要ありません)上湖群と下湖群とどちらとも周る5~6時間コースを選んだ。よく雑誌などで紹介されるのは下湖群のほうでこちらのほうが淡い青色の湖が多く、人がとにかく多い。次から次に人が来るので落ち着いて写真もなかなか撮りにくい。比べて上湖群は人が少なく、深い緑色をしていて、ゆっくり散策が楽しめる。地元の人か観光客のどちらかはわからないが、犬を連れて歩いている人がいて、こんなところで愛犬をつれて散歩できるっていいなぁと思った。時間があるならどちらとも行くのがお勧めです。九寨溝とは違って自分の足で周ってウォーキングを楽しめるのが良い。10月上旬のプリトヴィツェ公園は紅葉がはじまりかけ、という感じでこれから本格的に紅葉が楽しめるのだろう。大小様々の滝、エメラルド色の透き通る湖、鬱蒼と茂る森。とても素晴らしい。
お昼過ぎから歩き始めたので日が暮れるのを恐れてハイペースで歩いていたのでさすがにくたくたになった。
その日の夜は鱒料理を食べた。うん、うまい!!!歩いてたまった疲れが癒される~。
翌早朝、昨日の下湖群を急ぎ足で見てしまった気がして、日が昇る前にホテルを出、ヘッドランプをつけ再度湖畔散策に出た。時季によるが朝8時から公園内のエコロジーバスが動きだすので、今回はバスを使わず行った。入場券は前の日のものをホテルのスタッフにはんこを押してもらえば翌日も使える。
誰もいない公園で、この素晴らしい景色を私だけが独り占め!こんな体験もプリトヴィツェでの宿泊した人だけが経験できるのだ。
孤独な手長エビとの戦い
出発前に友人に「スカンピ(手長エビ)が美味いよ」と言われていたので、絶対逃すまい、と心に決めていた。プリトヴィッツェからスプリットに移動してきた日に早速、シーフードレストランに出かけた。ガイドブックに載っているお店で、地図上近くに見えるのに意外と遠く、外灯もない夜道に少々おびえながら、何度も人に場所をききながらようやく到着した。ウェイターさんに席に通され、「とにかくスカンピが食べたいんだけどお勧めは?」と聞いたところ、スカンピのグリルを勧められたのでそれをオーダー。エビ用ニッパー?ペンチ?エビの皮をきる道具と一緒に登場。今までスカンピを食べたことがないので、その道具をどう使っていいかわからず、ちょっと皮を切って後は手を使って食べたのだがトマトソースで手とナプキンがベットベトの真っ赤っかになり、ウエイターさんもびっくりしたのか、別のおしぼりを持ってきてくれた。このスカンピ、かなりの労力のわりには身が少なく、むいて食べて、むいて食べて、と何度繰り返してもちっとも空腹が満たされない。しかしながら、トマトソースに出ている出汁はむちゃくちゃ美味しかった。あーこれをパスタに絡めて食べたらどんなにおいしいことか・・・タッパーにいれて出汁だけもって帰りたい・・・ スカンピは身より出汁やみそを味わうものらしいと聞いたのは帰国後だったので予習をしておかなかったことがとても悔やまれた。
翌日も別のレストランで昨日のリベンジを果たすべく、スカンピのパスタを別のレストランで頼んだのだが、これが大失敗。“イタリア人も舌鼓をうつイタリア料理がうまい”とかガイドブックにあったから、パスタもおいしいに違いないと思っていたのに、茹ですぎのぐでんぐでんの麺に、むきエビがまたまずく、あの昨日食べたスカンピの出汁はいずこ?冷凍だろ?というエビたち。私が日本人だから手を抜いたのか?その日は日曜だからシェフが休みなのか?ウエイターのお勧めに従わなかったからか?いろいろ考えたがとても楽しみにしてただけにとても腹がたった。よし、ウエイターにクレームを言おう!パスタはアルデンテだ!と教えてやろう!!と心の中で決めたが、いざウェイターがきて「おいしかった?」と聞かれて「はい・・」と言ってしまった・・・ ああ、やっぱり私って日本人だ・・・。
近郊バスを使ってシブニク&トロギールへ
スプリットから日帰りでシブニク、トロギールに出かけた。スプリットのバスターミナルから約1時間30分でシブニクへ。バスはトロギール経由シブニク行きとなっている。
シブニクの小さい街ながらも見所がたくさんあって、まずはなんといっても世界遺産の聖ヤコブ大聖堂で、完成までに100年かかり、たくさんの建築家が関わったルネサンス様式の大聖堂だ。ユニークなのが聖堂の壁面に72人もの頭部の彫刻を施している点で、一つ一つ表情豊かでそれぞれ比べてみるのも面白い。
二つ目の見所が標高70mの丘に建てられた聖ミカエル要塞で、一番上からはアドリア海と旧市街が一望できる。その日は雲ひとつない晴天で夏の名残を残す日差しが街と海をきらきら照らしていた。What a beautiful world!
三つ目の見所、楽しみが街散策だ。丘に建つこの町は小さな階段、細い路でできていて、至るところに生活の息づかいが感じられて、それでいてとてもかわいい。歩きつかれたらカフェで一息つくのもよい。
シブニクからトロギールへは30分ほど。トロギールの街の中心にそびえたつ聖ロヴロ大聖堂の鐘楼はランドマーク的存在だ。何段もの階段を登り塔の頂上からも絶景がアドリア海と街が望める。この街もぶらりと散策が楽しめる。海沿いのメイン通りは南国を思わせる椰子の木が並び歩いているだけで楽しい。
その後、ウイーンに1泊立ち寄ったが、今まで周遊していたクロアチアの街とはうってかわって、洗練された大都会でなんだか落ち着かなかった。クロアチアの町々がいかにこじんまりとしていて、気取らない、かわいい国だったかを実感することになった。クロアチア、またいつか再訪したいなぁ・・・。
2010年10月 辻