フィリピンって、男の人が遊びに行くところなんじゃないの?なんとな~くそう思っていた。そう、今までは・・・。ちょっと調べて見ただけで、あぁそうだよね、セブとかボラカイっていうリゾートだってあるし、なに、こんなちっちゃいおサルいるの?チョコレートヒル?なんて新しい発見がボロボロでてきた。今回の出張では、セブ島とボホール島を観光し、アイランドホッピングでローカルの人々と触れ合い、ヨガとスパで癒され、マニラの都会でショッピングという、なんとも女の子ウケしそうな日々を過ごしてきた。
とはいいつつも、しっかり仕事だってしています!
初日は終日ホテル視察!足がパンパンになりながらも、8つのホテルを巡った。その中から2つほど紹介したい。
◆シャングリラマクタン リゾート&スパ
これぞ、リゾートホテル!といった施設、サービスとともにとても充実したホテル。プライベートビーチは今回見たどのホテルよりも美しく、プール、ジム、ゲームセンター、キッズルームなどなどアクティビティーも充実している。また、シャングリラ=CHI SPAというくらい有名なSPAがあるのだが、これがまた素晴らしい。完全個室ヴィラで、5つのコースの中からその日の体調に合わせて施術される。また、ゴルフカーで送迎もしてくれるのだ。本当にいたせりつくせりで、普通のホテルの中にあるSPAとはレベルが違う。
観光なんかしないでこのホテルで終日ゆっくりしよう、なんていう贅沢な過ごし方をしてみたくなるホテルだ。
◆プランテーションベイ
広大な敷地の中にある巨大なラグーンにまず目を奪われる。ラグーンの周りにはコロニアル調の客室が並び、部屋のバルコニーは直接ラグーンの入り口となっている。敷地内には白い砂浜のビーチもあり、夜にはビーチ沿いにバーがオープンする。さらに、ここのホテルはチップを一切受け取らない!チップの習慣に慣れていない日本人にとっては、ありがたいシステムだ。プライベートな時間をゆっくり気ままに過ごすには最高のロケーションだろう。
2日目はセブ島から日帰りでボホール島へ行ってきた!
マングローブがきれいなこの島の見所はターシャとチョコレートヒルである。ターシャは世界最小のメガネザル。ほんとにサル?と聞きたくなるサイズ感だ。私の手のひらより小さいし・・・。夜行性らしく、ほとんどが寝ている。たまに目を開くと、顔の半分くらいが目玉になってしまう。こんなにちっちゃいのに、ちゃんと指が5本あるよ~なんて関心しつつ、次の目的地・チョコレートヒルへ。山とは言えない大きさの、50mくらいの丘がポコポコとず~っと並んでいる。なんか、スーパーマリオの背景の山みたい・・・。本格的な乾季になると、このポコポコ丘が茶色に染まり、まるでチョコレートのように見えるらしい。ふむ~
フィリピンは国民の約80%がカトリックだそうで、いたるところに教会がある。ここ、ボホール島には、フィリピン最古の教会のひとつ、バクラヨン教会がある。だれでも中に入れるので、私も行ってみた。まず、入り口で布を渡された。あ、こんな短パンだから布を巻けってことね、と納得し教会内へ・・・。中には観光気分でいるのが申し訳ないくらい、熱心にお祈りをしている人がいた。私と同じくらいの子でも、一心にお祈りしている姿を見るととても神聖な人に見えてくる。教会の壁や装飾も、さすがフィリピン最古を誇るだけあって、とても重厚で歴史を感じさせる。
2時間かけセブに戻ったころにはすっかり日も沈んでいた。
フィリピン出張で楽しみにしていたこと、それはアイランドホッピング!フィリピンはたくさんの島から成っていて、その数小さいものを含め、なんと7000以上。インドネシアに次いで、世界2位の島の多さだ。その小さい島々を小船で繋いで旅をすることを、アイランドホッピングというのだ。今回私は、セブからボートで20分のヒルトゥガン島へ行ってきた。途中、コバルトブルーの海に感動しつつ、島唯一のホテル「アイランド&サンリゾート」へ到着。この日のゲストはなんと私だけで、コックさんは私のためだけに料理をしてくれる。メニューも渡されずに何食べたいかと聞かれ、適当に答えると、私の適当な返答からは想像もできないくらい、しっかりとしたご飯がでてきた。しかもほんっと~に、おいしい!同じ船に乗っていた陽気なおじさんは、実は腕のいい陽気なコックさんだった~・・・。
午後は、ホテルの裏にある村を散策。本当にびっくりするくらいフィリピンの人は気さくだ。恐る恐るカメラを向けると、PICTURE!といいながら、みんなが笑顔で答えてくれる。子供たちは興味津々な顔で私のことを見ていて、は~い!と声をかけると、ハ~イ!といっぱいの声が返ってくる。村の散策を続けていると、いつの間にか子供たちが後をついてきた。することもないので、一緒に海に行き、子供たちを海の中へ投げたり、泳いだりして遊んだ。次は何するの?という期待に満ちたたくさんの目を向けられて、その後も砂浜で山を作ったり、鬼ごっごをしたりして過ごした。
ホテルのスタッフと仲良くなり、夜には村へお酒を飲みに連れてってくれるという。行った先は、青空カラオケならぬ、星空カラオケだ。2m圏内に寝静まった家があることは誰も気にしないのだろう、そこらじゅうから大音量の歌声が聞こえてくる。とりあえず、ビールでマブーハイ!外で飲むビールはなんておいしいのだろう。カラオケは日本ではもう見ないような、コイン式。お金を入れた分だけ歌えるシステムだ。歌はもちろん英語の歌詞しかないなので、私はだいたい鼻歌でごまかしながら歌っていた。そして、陽気なコックに誘われ踊っていたら、いつの間にかギャラリーまでいた。とにかく、この夜がフィリピンで一番楽しい夜になったのは間違いない。
せっかく仲良くなったのに次の日にはもう出発・・・。出発までの短い間に、シーカヤックをさせてくれた。今日は海には入らないよ!と言っていたのに、結局海に飛び込んでいた。
飛行機の窓からセブの海を見下ろし、楽しかった思い出に浸りつつ、私はマニラへ向かった。マニラから車でさらに2時~3間かけ、サンベニートという土地へ。ここにあるのはザ・ファームという、メディカル・ヘルススパリゾートだ。ホームページによると、ザ・ファームとは「自然療法を通して健康増進をめざす優れた施設」だそうだ。食事は肉類(魚を含む)、牛乳、卵、お酒は一切禁止。完全なるベジタリアンミールしかでてこない。敷地内には、孔雀やアヒルなどが放し飼いにされ、農園、滝(人工だが)、プール、スパ施設、ジム、ジョギングコース、ライブラリーなどがある。
スタッフの人が英語でいろいろと説明してくれるが、今日はもう頭に入ってきそうになかったので、とりあえずスパとメディカルコースの予約だけして眠りについた。
さてさて、今日はどう過ごしたら良いのだろうと早く起きて計画を練り練り。どうやら、YOGAとMOVEMENTという運動は参加自由で一日各2回づつ行われているらしい。スパとメディカルコースの間を縫って、参加してみよう。とりあえず、朝イチに予約を入れた、メディカルチェックへ。血を採血して自分の血液を見ることができる。いわゆる、血液サラサラ、ドロドロのチェックができるようだ。ドクターによると、私の血は若干ドロついてるが、まぁ問題ないでしょうよ、くらいのレベルらしい。あなた運動してないね、野菜食べてないね、なんて忠告を受けた。
そして、MOVEMENTに参加。YOGAとの違いが良くわからないが、YOGAよりも筋肉にプレッシャーを与えるような運動のようで、筋肉がプルプルと震える。
一休みして、午後はYOGAに参加した。体がとても硬いので、何度も辞めてしまおうかと思ったが、なんとか1時間乗り切った。YOGA道場は外にあって、よく風が吹いてくるので、ほてった体にはちょうどいい環境で運動ができる。
その後また一休みして、SPA体験。髪の毛から体の隅々まで塩のスクラブでマッサージをされて、いつの間にかリラックスして眠ってしまった。90分のコースで日本円にして6000円ちょい。安い!なんか、お肌がもっちりしている気がする!日本じゃ高くてできないからな~。
気になる食事はというと・・・。ベジタリアンミールは想像と違い、味がしっかりついている。そして、なによりものすごく手が込んでいる。ココナッツのベーコンやライスパンケーキなんてものが出てくる。へぇ~っと感心してしまうものばかり。彩りもきれいで、とてもヘルシーだ。ここに1週間くらいいたら、体の中から健康になれるだろう。
2泊のド短期ベジタリアン生活に別れを告げ、マニラに戻った。
マニラはとても都会。大きなショッピングセンターに、立ち並ぶ高層ビル群。短いマニラ滞在中はほとんどホテル視察で終わった。視察を終え、疲れた体にムチ打って夕方からグリーンベルトというショッピングモールへ行ってみたが、そんな気合の無さではここでのショッピングは堪能できない。フラッと見るだけでも半日コースだ。お疲れモードで行くべきではないと悟った。残念ながら、そうそうに切り上げホテルへ帰っていった。
最終日はこれまた巨大なショッピングセンター「MALL OF ASIA」へ。特に買い物欲のない私はその大きさに「ほぇ~」っと関心しつつ、周辺に止まっていたジプニーを写真に取りまくっていた。このいかついフォルムと、乗っている人の趣味がモロに現れた配色が実に楽しい。町を走っていても、かなりどきつい柄のジプニーを目にする。日本で言う、ヤン車(ヤンキー仕様の車)のようだ。
そんなこんなでフィリピンの出張を終え日本に帰国。
総評は・・・マニラの都会もいいが、やはり私には田舎の人々との触れ合いが心に残った。ぜひ、アイランドホッピングをしていくつかの島を巡ってみてほしい。海のきれいさは目を見張るものがあるし、そこに住んでいる人々は驚くほどやさしく外国人を迎えてくれる。だいたいの人が英語を話せるし、物価ももちろん安い。リゾートホテルなどで優雅に過ごすのも良し、離れ小島でネイティブの暮らしに触れるのも良し、思い思いの時間を過ごしてみてはいかがだろうか?
2010年4月 久保井