カイロから車で約3時間。到着したその場所にはだだっ広い荒涼とした土地に巨大な像などの遺跡がゴロゴロと無造作に横たわっている。どこか違う惑星にでもやってきたような感じがする。
そう。ここはデルタ地帯最大の規模を誇るサーン・イル・ハガル(タニス)遺跡だ。新王国時代に首都として栄えた、歴史的にも重要な所である。
車を降り、早速遺跡を見てまわる。タニス遺跡には遺跡を管理している人がいて案内人がついて一緒に観光をする。他には観光客も誰もいない。タニス遺跡を独り占め☆目に入ってくるのは折れて倒れたオベリスクやバラバラの状態で横たわっている巨像。
まだ観光地としては整備されていない、発掘途中の遺跡が放置された状態。エジプトの他の遺跡では見ることができない、何とも遺跡らしい風景がここでは味わえる。発掘途中ということで、まだまだ謎に包まれた部分が多いであろうタニス遺跡。本格的にここが発掘されたら未発見の遺跡がゴロゴロ見つかるんじゃないか、と思うとますますこの場所が特別な気がして古代文明のはるかなロマンを感じることができた。
ピラミッドやルクソールにアブシンベル。エジプトへ行くならまずその3つが挙げられると思うが、ちょっぴり違った遺跡を味わいたい人には是非このタニス遺跡を訪れてみることをオススメする。往復でカイロから約6時間近くはかかるが、カイロから日帰りでちょっと足をのばすと行くことができるし、タニス遺跡までの道のりではいくつかの町を通っていくので、カイロのような大都市とはまた違ったエジプトの人々の暮らしが垣間見ることができてとても興味深い。
今回はエミレーツ航空を利用して行ったので帰りはドバイにも滞在した。ドバイの滞在の中でとても楽しかったのが砂漠に泊まったこと。夕刻前、4DWに乗り込み近代的できらびやかなドバイの中心部を離れ、約1時間近く走ったところで周りの景色は砂漠へと変わる。車が急に停まったかと思うと・・・砂漠サファリのスタート★油断は禁物です。結構揺れます。
しばらく砂漠をくねくねとジェットコースターのように移動し楽しんだ後、夕陽が見える絶景ポイントで停車。砂漠の雄大な景色と夕陽のコラボレーションが何ともステキな一瞬。
夕陽が沈むと別の場所に移動して、バーベキューディナー♪食事の準備が整うまでラクダにのったり、水たばこをしたり、ヘナをしたりアクティビティが楽しめる。楽しい音楽とベリーダンスのショーでバーベキューディナーに参加していた人たちのテンションも上がるばかり。
砂漠での楽しい余韻に浸りながら、この日はこのまま砂漠に宿泊する。私が泊まったのはアラビアンナイト1001ホテル。アルマハやバブアルシャムズなどの高級リゾートまではちょっと予算的に難しいけれど、砂漠でのキャンプはどうも厳しいなぁという方にはオススメです。部屋はアラビア風な家具や小物が置かれてあり、センスの良い内装。部屋の中にトイレもシャワーもあり。エアコン、テレビ、セーフティボックスも完備で快適です。
砂漠に泊まった翌朝は是非早起きを!せっかくだから夕陽に引き続き朝日も制覇しようと、まだ暗いうちから屋上のテラスに登ってスタンバイ。 あたりがどんどん明るくなってきて・・・ついに朝日のご登場。
ドバイに来たら市内だけではなくて砂漠にもやっぱり砂漠にも行ってほしい。そして、できたら1泊砂漠に泊まってみてはいかがでしょうか。砂漠で見る朝日は格別です。
2007年10月 田中