もうすぐ直行便が飛んでくる!イスラエル・パレスチナ、ついでにペトラ遺跡へ

もうすぐ直行便が飛んでくる!イスラエル・パレスチナ、ついでにペトラ遺跡へ

2020年3月から直行便が就航することもあり、いよいよ身近になるイスラエル・パレスチナ。
現在イスタンブール乗換で17時間以上かかっているところをノンストップの12時間で行けるようになる。(成田発着・週3便)これを機に日本人観光客の誘致を促進する目的で企画されたツアーに参加した。さらにヨルダン、ペトラ遺跡への1泊2日のサイドトリップ、イスタンブールでのストップオーバーも盛り込まれた中身の濃い10日間。
自身2年ぶり3度目となるパレスチナ。1度の人生でまさか3度も来るとは思ってもいなかったので
何かの縁を感じずにはいられない。前回は社員旅行で訪れた。そもそも社員旅行で行ったという話をするだけで大抵の人は驚くが旅行した私たちから見れば決して特殊な国ではない。かつて同じ旅行業界で働いていた友人でさえも”凄いところに行くね”と驚くくらいに危険というマイナスイメージがいまだに先行しているのはただただ残念だ。あらためて現在の平和な日常を伝えることで少しずつマイナスのイメージを払拭して頂きたいと思う。
主な訪問地はイスラエル(ナザレーガリラヤ湖)-パレスチナ(ジェリコ)-ヨルダン(死海ーペトラ)ーパレスチナ(ベツレヘム)-イスラエル(エルサレム)-トルコ(イスタンブール)
外務省の危険情報では、飛び地となっているパレスチナのガザ地区とレバノンの国境付近だけが
「渡航はやめてください」のレベルであり、今回訪問するこれらの都市については
4段階の危険情報のうち最も危険度の低い「十分注意」のレベルである。(2019年12月現在)

<まずはイスラエルから>
テルアビブ・ベングリオン国際空港から北上してナザレへ。もしイエスの足跡を辿るツアーだったら、後日訪れる聖誕教会や誘惑の山、聖墳墓教会へと繋ぐスタート地点ともいうべき場所を最初に訪れた。
・受胎告知教会

聖母マリアがイエスの受胎告知を受けたとされる教会でキリスト教徒にとって非常に重要な場所。教会の中央に告知を受けたとされる洞窟がある。また世界各国のカトリック教会から寄贈された聖母マリア像を見ることができる。日本から贈られた華の聖母子

<続いてさらに北のティベリヤのガリラヤ湖畔へ>
・山上の垂訓教会

1930年に完成したフランシスコ会の教会でイエスが最も重要な教義を語った教会でガリラヤ湖が見渡せる丘の頂上に建つ八角形の教会。遠くに見える湖が綺麗

・カペナウム  慰めの村と言われ、新約聖書に登場する町。洗礼者ヨハネが捕らえられたあと、
イエスはナザレを去りこのカペナウムに住み始めた。


横たわるイエス

イエスが説教したとされるシナゴーグが埋もれているという説がある。

<南に下りチェックポイントを越えてパレスチナのジェリコへ>
現在も対立が続くイスラエルとパレスチナ自治区。それぞれの境界にはチェックポイントと呼ばれる場所があり、正確な数は定かではないが100は超えるらしい。私たちのような団体観光客は車に乗っているだけでパスポートの提示はほとんど求められないがここで暮らすパレスチナの人たちにとっては生活を制限されるほど重大なポイントであり、中にはハードルの高いチェックポイントもいくつか存在するらしい。写真はチェックポイント付近に立つ、入域を警告するもの。

ここから先はパレスチナの居住区、いわゆるエリアAであることを示す赤い看板に、イスラエル市民に対して命の保証はない、といった警告文が書かれている。※A地区とはパレスチナ自治政府が行政権、警察権共に実権を握る純然たるパレスチナ地区。

・ジェリコのヒシャム宮殿

地震で埋まった個所を日本政府の援助で現在修復中。そのため残念ながら有名な「生命の樹」のモザイクを現在見ることができない。4年前に来たときは工事前だったので見ることが出来た。2020年5月にお披露目の見込らしいがイスラエルからの許可が下りずに資機材の通関が遅れ工事が長引いており、さらに遅れる可能性があるとのこと。

地元の学生が社会科見学で訪れる場所。この日も多くの学生に囲まれた。

<麓のテルアッスルターンからケーブルカーに乗って誘惑の山へ>

イエスが40日間断食をして悪魔の誘惑を受けたと言われるギリシャ正教の修道院がある。

<キングフセイン橋から国境を越えて隣のヨルダンへ>
陸路でヨルダンに入る場合はビザが必要。現地取得も可能らしいが不確定なので事前に日本の大使館でビザを取っておいた。(無料。翌日受領) 記録のために撮影を試みるがイミグレーションは写真不可。

団体ツアーなので個人とは少し流れが異なるかもしれないが以下簡単に流れをまとめる。ヨルダン川西岸のジェリコから車で15分くらいのキングフセイン橋(別称:アレンビー橋)へ。ここでパレスチナ(イスラエル)を出国する。建物の入口で荷物を預けて出国審査へ。パスポートにスタンプは押されない。出国税52USドルを払い、空港で入国時にもらった物と同じサイズの出国カード(ピンク色)をもらい荷物を受け取る。次にバスを乗り換えて緩衝地帯を通り抜けヨルダンの入国審査場へ。ここでヨルダン側のガイドとミートする。荷物検査のあと入国印が押された紙を受け取る。流れはシンプルなので行けば誰でもわかると思う。(因みにヨルダンの地球の歩き方にも詳しく出ている。)はじめにJICAが援助して作られた死海博物館に立寄り、そこから死海のパノラマを楽しむ

続いてアンマンの南に位置するマダバへ。ここはイスラム教徒の多いヨルダンにおいてキリスト教の古い教会と多くのモザイクが残る町。


聖ジョージ教会


マダバ地図 

6世紀に描かれた古代パレスチナのモザイク地図を見ることができることで有名な教会で世界各国から多くの人が訪れる。

<世界遺産・ペトラ遺跡へ>
今回はあくまでパレスチナがメインのツアーであるが最大の楽しみは未だ見ぬペトラ遺跡。紀元前1世紀から紀元後1世紀にかけて建設された古代アラブ民族ナバタイ人の首都の遺跡で19世紀にスイス人探検家によって発見された中東3大遺跡、または3P遺跡と呼ばれる遺跡のひとつ。世界遺産はもちろん、2007年には新・世界7不思議にも選ばれている。ペトラはギリシャ語で岩を意味する。文字通り岩の迫力が訪れた多くの人の心を打つ。宿泊はペトラゲストハウスで遺跡の入口に隣接していて観光には非常に便利な場所にある。

朝7:30に出発。ガイドのアブラハムさんは御年80でトークが冴えわたるとても面白いおじいちゃん。とても80才とは思えないテンションと遺跡を攻めるスピードと足腰の強靭さに驚いた。

遺跡の入り口から歩くこと5分、シークと呼ばれる高さ80メートルの切り立つ岩の裂け目が登場。道幅は2~3メートルくらいか、広くない。

陽の当たる角度によって色の変わるバラ色の岩肌を両手に眺めながら遺跡の中心へとおよそ1キロ
メートル近く進んでいく。

アラビア語で宝物殿を意味するエルハズネが岩と岩の隙間から視界に入った瞬間が最も感動的だ。

これがインディージョーンズの舞台かというエピソードはどうでもいいくらいの感動が襲い掛かる。


ファサード通り


ファサード通り

・歴代の王様が住んだ宮殿


王家の墓


壺の墓


絹の墓


コリント式の墓


宮殿の墓

ペトラ教会は6世紀、ビザンチン時代の教会で保存状態の良いモザイクが見れる。

ペトラの町の中で最も重要な神殿と言われるカスルアルビント

柱廊通り


列柱道路とも言われるかつてのメインストリート


大神殿


有翼ライオンの神殿

ツアーの時間の都合で奥にあるエドディル修道院までは行けなかったがここまで往復およそ4時間くらいの見学でも十分に感動した。もしガイドなしの一人旅であったとしても十分楽しめるほどその迫力に圧倒されるペトラ遺跡。天気が良かったのも幸いし青い空とピンクの岩のコントラストが綺麗で一生忘れないと思う。そのペトラ遺跡を後にし、車で4時間かけ国境を越えてで再びパレスチナへ。
復路の出国→入国手続きも思ったよりスムーズに終わった。

<再びパレスチナのベツレヘムへ>
世界遺産である聖誕教会はベツレヘム観光の最大の見どころで世界中からキリスト教徒が巡礼に集まる

入口は低く狭い。背の高い人でも必ず入る時は体を傾ける、つまりお辞儀をしないと入れないよう作られていることから謙虚のドアとも言われている。

教会の地下にはイエスが生まれたとされる場所があり訪れる信者が祈りを捧げているのだがこの日はとても混んでいて見ることが出来なかったのが残念。また現在は一部修復工事が行われているのでやや見劣りする感も否めない。

床のモザイクは見ることが出来た。

12月前半とタイミング良く、ちょうどクリスマスの準備をしている時期なので夜のライトアップが綺麗だった。

スペインから来ていたグループと一緒に記念撮影も

<歴史を考える・バンクシーホテルと分離壁>
今回のパレスチナで最も興奮したのがウォールドオフホテル。

2017年3月オープンなので最初に来たときは無かった。ベツレヘムの聖誕教会から車ですぐ、イスラエルが造った分離壁のちょうど前にある。この分離壁はヨルダン川西岸地区にイスラエル政府が建設した高さ8メートル、長さ710キロメートルに及ぶ壁でパレスチナ人の自爆テロ防止が目的とされているが実質は占領地の一部を併合する目的で建設されていて、イスラエル人の入植地をイスラエル側へ取り囲むかのように伸び、パレスチナ自治区を飛び地状態にしている。その結果、パレスチナの住民に学校や職場、病院などに行くための道路が閉鎖される、チェックポイントで足止めされるといった日常生活に支障をきたす事態が起きている。パレスチナの生活圏が分断されるこの事態に国際司法裁判所が壁の建設は国際法に反するとの裁定を下したにもかかわらず建設は続行されている。
話をホテルに戻す。ホテルのアルファベットのつづりはWALLED OFF。壁に囲まれた、遮断された、の意味を持つこのホテルはロンドンを中心に活動する覆面アーティストバンクシーがプロデュースしたアートホテル。すべての部屋が分離壁に面していることからその眺めを皮肉って“世界一眺めの悪いホテル”と呼ばれている。ネーミングはニューヨークにあるデラックスホテルのウォルドルフをもじっているらしい。バンクシーは政治的メッセージが強い絵が特徴で自身の情報を一切公開しない謎のアーティストとして世界中にその名が知られている。
東京でも今年、バンクシー作品らしきネズミの絵が発見され話題となった。壁で国を分断するというイスラエルの政策に疑問を持つバンクシーは芸術を通してパレスチナの人たちの現状、苦しみを伝えている。このホテルもその目的のために建てられており、建物内のいたるところからそのメッセージを読み取ることができる。個性的なドアマンとチンパンジーの歓迎を受けてホテル内へ。

ロビーはコロニアル調。とてもレトロな雰囲気にまず興奮。

この空間はピアノバーとなっている。ホテルのオープニングにはなんとエルトンジョンが演奏したとのこと(遠隔操作によるゴーストピアノ)

”花を投げる人”と言われるバンクシーの作品の中でもおそらく最も有名な絵
(=自動車修理工場の壁に描かれた平和を訴える巨大な絵)が飾ってある。暴徒と化した少年が石でなく花束を投げるウォールアートを花瓶に生けた花と重ね合わせアレンジしたところが興味深い。

宿泊客がいない午後の時間帯なら交渉すれば部屋を見せてもらえるらしく幸運にも見せてもらうことに。こちらのマネージャーはバンクシーの正体を知る男。そのように紹介されただけで本日2度目の興奮。

ホテルのマネージャーだから知ってて当然ではあるが・・・
本棚かと思ったら実際は本が描かれた壁。鍵をかざすと扉がスライドして客室へ入れるという仕組みになっている。まるでからくり屋敷のような仕掛けに3度目の興奮。泊まらないとこの仕掛けは楽しめない。

一番安いバジェットルームは6人利用のドミトリー

ここが1泊6千円くらい。
バンクシー本人が手がけたプレジデンシャルスイートは1泊5万くらいから

踏み入れた瞬間に4度目の興奮。十分な広さに見たこともない凝った造りの部屋に驚愕。
ベッドには武器ではなく枕を投げて戦うイスラエル国境警備隊とパレスチナ人の姿。

お風呂もベッドもユニーク。


せっかくなので記念にソファーでくつろいでみた

BREAKING NEWSと書かれたテレビ画面のオブジェ

ホテルの宿泊客に石を投げつけることでやりきれない気持ちを表そうとするパレスチナ女性の絵。テレビ画面にひびを入れることでパレスチナ人たちが地獄の中で暮らしているということを強く表現している。以上、バンクシーづくしのこの空間、次に機会があれば是非泊まってみたい。泊まりたい!と思っても客室が9つしかなく予約が取りづらいのが難点ではあるがギャラリーとミュージアムを備えているので宿泊しなくても楽しめる。ギャラリーには、パレスチナのアーティストの作品が展示されている

が、どちらかというと個人的にお勧めなのはミュージアム。

まず受付から凝っている。第一次世界大戦末期に、パレスチナにユダヤ人国家を建設することを宣言した英国外務大臣のアーサー・バルフォアが座っている。このバルフォア宣言をきっかけにイスラエルが建国されたことが100年経った現在も続くパレスチナ問題の引き金となっている、パレスチナ側からすれば不公平極まりない宣言。そうした歴史的背景を知るとこのセットはなんともバンクシーらしい皮肉たっぷりの演出だと感じる。入場料は15シェケル、日本円で約500円なのでベツレヘムに行ったら絶対に寄るべきホテルであり覘くべきミュージアム。イスラエルが建設している分離壁のことやパレスチナ紛争に関してより理解が深まると思う。入植者がパレスチナ人を襲撃するのに使用したと言われる武器が展示されていたり分離壁の歴史が映像で流れている。

印象的なのは鳴りっぱなしの受話器。なんだろう?と思って取ってみると・・・・・
とてもリアルな警告メッセージに恐怖を感じる。

見学の最後にここでしか買えないバンクシーオリジナルグッズを見つけて5度目の興奮。
Tシャツも約2,000円とわりとリーズナブル。

ちなみに非公式のショップだとTシャツはおよそ1、000円で買える。
最後まで興奮の連続であったホテルを出て歩いて分離壁をじっくり観光してみた。
この分離壁あたりで見ることが出来るバンクシーの作品は次の2つ。
防弾チョッキを着た鳩

分離した壁を開こうとする天使

イスラエルの兵士がロバの身分証をチェックしている風刺作品。

バンクシー作品としてよく紹介される有名な絵だが実はこの壁のものはコピー=偽物ということを
初めて知り驚いた。バンクシーを知るホテルのマネージャーからの情報なので信憑性は高い。
本物はパレスチナの別の場所で描かれた後に壁から切り取られ、ロンドンで展示された後に
アメリカでオークションにかけられたらしい。他にもバンクシー作ではないがトランプ大統領が
イスラエル軍の監視塔を抱きかかえる様子が最近描かれた。愛情を示すハートマークがたくさん浮かぶ皮肉タップリの絵、などなど、この壁の持つ悲しい意味とは別な目線から芸術鑑賞が出来る場所。
この他にもベツレヘムの町中でいくつかかの政治的メッセージ色の強い本物の作品を拝むことが
できるので時間があればタクシーに乗って他の絵を探しに行くのも良いと思う。

<チェックポイントを越えて再びイスラエル、エルサレムへ>
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、 3大宗教の聖地が集中するエルサレム。
異なる多くの信者がすれ違う旧市街は世界唯一の場所とも言われる。

・聖墳墓教会 イエスの十字架が建てられた場所。世界各国から多くの巡礼者が訪れる。


イエスの十字架


香油を注がれた石


イエスのお墓


イエスがゴルゴダに向けて十字架を背負って歩いたとされるヴィアドロローサを


旧市街の写真館


笑顔で反応する床屋さん

・嘆きの壁 ユダヤ人にとって最も大切な場所

願いを書いた紙を石の隙間に挟む信者がいる。
男性は向かって左側。頭を隠さないといけないので帽子、または入口で貸し出ししている
キッパという小さな帽子を頭に乗せなければならない。
<チェックポイントを越えて再びパレスチナの政治的首都ラマッラーへ>
ヨルダン川西岸の行政機能が集中している実質的な首都ラマッラーへ足を運んだ。


マナラ広場

東京で例えると渋谷のようなところで街には若い人が多く活気がある。

といってもそれほど喧しくない、むしろのんびりした町。名物ファラフェル(コロッケのようなもの)
をほおばりながらの町歩きや雑貨屋巡りが楽しい。

アラファト議長のお墓もこのラマッラーにある。


東京ストリートもある!

その他、今回のツアーでは観光振興のプロジェクトとしてJICAが力を入れているツーリズムの
いくつかも見学・体験させて頂いたので写真で紹介したい。


ベドウィンテント


ベツレヘムフェアートレードティサン


料理体験

<帰国のフライトの前にテルアビブ>
写真だけをみるとここはアメリカ西海岸?ハワイ?と思うテルアビブの海岸通り。


週末・夕暮れ時の海岸通り

エルサレムからわずか1時間ほどの距離なのに雰囲気がとても対照的で新しい都会的な町と
いう印象を受ける。ユダヤ教の安息日である金曜日の日没から土曜日の日没までの間、
エルサレムの人々が祈りを捧げるのに対してテルアビブの人たちは海辺を散歩したり
お酒を飲みにバーに繰り出すらしく生活パターンは日本の週末とそれほど変わらない。
ちょうど土曜日だったからか街には家族連れやカップルが繰り出してそれぞれの週末を
楽しんでおり、とても平和な時間を過ごしていると感じた。


海岸通りで週末を過ごす人たち

テルアビブを発った後、イスタンブールに1泊して帰国し無事ツアーが終了した。

以上、個人的に3度目と言うこともあって構成がペトラ遺跡とバンクシーに偏ってしまいましたが
最後に最も重要なパレスチナ観光遺跡大臣の表敬訪問について触れたいと思います。

今回も私たちを招待してくれたマアーヤ観光遺跡大臣と意見交換の場を持ちました。
4年前もJICA、現地オペレーター協会と共にこのような機会に参加しましたが
あの時と変わることなくとても好意的に迎えてくれました。
彼女は日本のツーリズムに大変興味を持っており7月に来日をしています。
その際にNHKのインタビューで次のようなメッセージを日本人に送っています。
「私たちは占領下にあります。旅行者に見てほしいものは、移動にも困難を伴うような
私たちの置かれた現実です。空港を持つことが許されず、“国境”を管理することもできませんが、
皆さんが来てくれることでパレスチナが栄えることにつながります」(NHK NEWSより引用)

シンプルでとても切実な思いのこもったメッセージだと思います。
ツーリズムに携わる一人として、またパレスチナに関しては日本で一番の取り扱いを誇る
ファイブスタークラブの一員としてこの思いを共有し続けたいと思います。
世界遺産はもちろんのこと観光資源は豊富です。にもかかわらずイスラエルの占領の影響で
ツーリズムがなかなか盛り上がらないのが現状です。食事もお酒も美味しい、特にタイベイビールは世界レベルの味だと私は思います。そして何と言ってもパレスチナの人たちはとてもフレンドリーです。
目が会えば必ず微笑みがえし、シャッターを向けても気軽にポーズを取ってくれます。
こんな国はなかなかありません。

2020年3月11日、いよいよテルアビブから直行便が飛んできます。
歴史を理解し、危険という偏見を捨て、現在のパレスチナとイスラエルを自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。

2019年12月 櫻本 竜市

追記:相変わらずテルアビブの空港は出国審査前の尋問が厳しいです。
正直嫌いになるかもしれません。これから旅行を計画されている方はせっかく好きになった
国をたかが出国手続きで嫌いにならないよう、これも大切な儀式の一つだと思って、
笑顔で係員と接することを願います。

★★★ ウォールドオフホテルと分離壁  パレスチナの歴史と現実に向き合う
★★★ ペトラ遺跡  巨大な岩の裂け目・シークを歩いた先に辿り着く光景は感動的
★★  聖誕教会  イエスが生まれたとされる教会はパレスチナ観光のメイン。
★★  タイベービール パレスチナといえばこれ! ビール好きには堪らない絶妙な味わい。

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