中東3カ国を訪れる旅 ~カタール・シリア・ヨルダン~

中東3カ国を訪れる旅 ~カタール・シリア・ヨルダン~


今回、カタール航空さんのご協力のもと、カタール・シリア・ヨルダンの中東3カ国を訪れる事ができた。いずれも日本人にとってまだあまり馴染みの無い国かもしれない。
しかしいずれも今後、旅行者が増加していく要素はたくさんあると思う。
関空から出発し、乗継地のカタールにてシリア・ダマスカス行きのフライト待ち時間を利用してほんの数時間だけ入国して観光。カタールの位置を地図ですぐに指差せる方はなかなかの中東通であると思うが、ペルシャ湾の中央に突き出した半島で秋田県と同じくらいの大きさしかない。


国民の8割近くは外国人労働者が占め、産油国なのでお金持ちの国である。

首都はドーハで、日本人にはある意味こちらの方がよく知られた名前であろう。1993年のサッカーワールドカップアジア予選で、「ドーハの悲劇」があった場所だ。今回は運良く当時のスタジアムを見学して、さらにピッチに立つこともできた。
当時まだ中学生だったが、テレビで何度も見た現場だけになぜか親近感すらおぼえてしまう。
2006年にはアジア大会を開催し、カタールはサッカーで金メダルをとるなど、スポーツにも国をあげて力を注ぐ等、今後さらに注目されていくかもしれないカタール。

観光についてはラクダのマーケットや青果市場を訪れたりする事もできる。
青果市場で売られているものはほとんどが輸入物で占められている。

オールドスークでは、衣服や香辛料、食料等が売られており庶民の生活を垣間見ながらのんびり買い物を楽しむも良し、あるいは新市街へ行けばシティ・センター・ドーハのショッピングモールがあるし、高層ビルが立ち並ぶ様に圧倒されつつ昔ながらの風景とのギャップを楽しむのも良いかもしれない。
カタールをあとにして次に向かったのはシリア。シリアで最も有名な遺跡はなんと言っても世界遺産にも登録されているパルミラ。
空港のある首都ダマスカスより車で走る事、およそ3時間。ダマスカスは都会だが、だんだん建物が少なくなってくると緑が多くなり、更に進むと見渡す限りの地平線で茶色一色の世界、あたりはタドモールと呼ばれる砂漠地帯に入る。約2,000年前、中国とヨーロッパを結ぶシルクロードの商隊都市として重要な役割を担っていた当時の面影が残っている。
中でもベル神殿は広大な敷地に、見事に保存された柱や、祭壇、当時の用水路、どうやってこんな砂漠の中につくる事ができたのか、本当にただ驚くばかりである。



遺跡を巡ると当時の繁栄がリアルに想像できる程、どの遺跡もあまり破損されていないので自然とタイプスリップしたような気すらする。
最後に訪れたヨルダンへは、シリアから陸路での国境越え。主な見所はぺトラ遺跡と死海リゾートでの滞在が中心になるだろう。
映画「インディージョーンズ」の舞台として大変有名なぺトラ遺跡のエルハズネは崖を削って彫刻され、そのスケール、きれいなピンク色の岩、しばし圧倒されながら眺めていた。上部にある柱は発見された当時6本のうち1本が折れていた為に修復されたとの事だが、逆に5本も残っていたというのが驚きだ。


このぺトラ遺跡、とにかく広く、入り口からこのエルハズネまででさえ歩いて30分近くもかかる。シークと呼ばれる道をひたすら歩く。そして突如、道が開けてエルハズネが目の前に広がる光景は圧巻だ。
まだこの時点では遺跡全容からすればまだ序の口で半分の距離にも満たない。他にもローマ円形劇場跡や王家の墓などみどころは多い。

かと言って全部を1日ではまわりきれないので、遺跡内には移動手段として、ロバ、馬、ラクダの動物が頻繁に行き来している。
面白いのが、気温は軽く30度を越えているはずなのに、乾燥しすぎていてほとんど汗をかかない事だ。湿気の多い日本ではなかなか味わえない体験である。
そして実施される曜日は限られるが、このエルハズネが綺麗にライトアップされ、昼間見るそれとはまた違った姿が現れるぺトラ・バイナイト、なんていうのもある。現地のべドウィンが楽器を弾いたり、歌ったり幻想的な光景だ。ちなみにエルハズネまでの行きの道のりだけ参加者は私語が禁止されるという、雰囲気を大事にしているらしい。

遺跡を歩き回ることに疲れたら最後は死海リゾートへ。塩分濃度が異常に高く、生物が住むことのできない、自然と体が水面に浮いてしまう有名な死海だ。沿岸に立ち並ぶ各リゾートホテルから徒歩で容易にアクセスできる。水はしょっぱいと通り越して苦いので、飲んでしまわないように注意しないとおけないが、沈む事ができないなんて貴重な体験ここでしかできないはず。是非トライして下さい。
2010年3月 南口

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