体感する世界遺産エアーズロック・ケアンズ研修9日間に参加して ~オーストラリア~

体感する世界遺産エアーズロック・ケアンズ研修9日間に参加して  ~オーストラリア~

エアーズロック今回機会あって、オーストラリアの山と海両方の世界遺産を制覇する研修旅行にでかけた。今回の予定は、まずケアンズ経由で世界遺産ウルルで有名なエアーズロックへ行き(2泊)、そこからキングスキャニオン(1泊)、アリススプリングス(1泊)と周り、最後ケイアンズ3泊(世界遺産キャランダとグリーン島)という行程である。いつかは行きたいと思っていた憧れのウルル、いった人みんなが口を揃えていうグレートバリアリーフの美しさとはどんなものなのか、半ば興奮気味で出かけた。


滞在1日目
マウントオルガ夜、成田よりカンタス航空60便で定刻どおりに出発。たまたま一緒の席だったシドニー在住のオーストラリア人とたわいのない話をしていると、ケアンズまであっという間に着いた。
ケアンズ到着は早朝6:00.。到着後、荷物をピックアップし、入国審査・税関を抜けたところで乗り継ぎ手続き(国内線チェックイン)を済ませる。国際線ターミナルから国内線ターミナルまでは徒歩5分ほど。入るとすぐ手荷物検査を受け、出発ゲートへ。早朝ということもあり、混雑もなくスムーズであった。
約3時間のフライトでエアーズロック空港着。すぐにハエの洗礼にあい、エアーズロックに来たことを実感する(内陸はハエが多いのだ)。荷物をピックアップすると、早速バスで、ウルル観光の基点エアーズロックリゾートへ向かった。ここは3つのリゾートとショッピングセンターからなる複合リゾートとなっている。本日の宿はその3つのホテルうちの1つ、アウトバックパイオニアホテル。アウトドア風のホテルで、エアーズロックの環境になじんでいるように感じた。
到着後、係員より滞在中の説明を聞き、一時間後、早速、1つ目のツアー、マウントオルガ散策とウルルサンセットツアー(日本語混載ツアー)に参加した。36個の巨大奇石郡であるマウントオルガの見所はオルガ渓谷。片道2キロのウオーキングトレイルに足を踏み入れるとそこは別世界。壮大な迫力に圧倒される。
その後、いよいよウルルへ。この日はサンセット時のウルルを見ることがメインのためウルルのすぐそばへはいかず、サンセットビューポイントと呼ばれるウルルから少し離れた展望ポイントへツアー客は集結することになる。良いころあいに、ポイントに到着。既にツアー主催会社が場所取りをしてくれていた。遠景にウルルを見守ること5分、サンセットが始まりウルルを照らす。シャッターチャンスはサンセットが終わるまでの約10分間。これを見逃すとライトアップされたウルルの幻想的な姿は拝めない。実に感動的な瞬間だ。ツアー客にはシャンパンが振舞われ、感想を分かち合う。サンセットを望みながらのシャンパンは格別だ。終了後、余韻に浸りながらホテルへ。ホテルのバーでライブをききながら軽い夕食をとり、眠りに付いた。
滞在2日目
サンライズツアーこの日はウルルのサンライズを見るために、早朝よりウルルサンライズと麓めぐりツアーへ参加。リゾートからバスで30分ほどのサンライズビューポイントへ移動。イスが貸し出され、各自場所を確保し、サンライズを待つ。約10分後、サンライズが始まり、ツアー客は一斉にシャッターを切る。あっという間に終了。
そしていよいよ登山のためウルルの登山道入口へ向かう。ウルル登山は、登山道が滑り易く、急勾配の道であることから、天候に大きく左右される。係員の判断でOKがでないと、登れない。登山道が見えてきた瞬間、バスの中はため息に包まれた。登山道が強風を理由にしまっていたからだ。仕方なく、日程を変更し、ウルル周辺を散策することになった。アボリジニーの聖地ウルル周辺には、多くの洞窟や数々の伝承まつわる岩場があり、そこに残る壁画は、その場所が彼らの聖地であることを物語っている。約2時間周辺散策を楽しんでツアーは終了。
帰りのバスで思いもよらぬ知らせが舞い込む。希望者に限り、翌朝、ウルル登山に再チャレンジできるというのだ。しかも無料で。私を含め大半の人々が申し込んだのはいうまでもない。やっぱり折角きたのだからという思いは強い。お昼前にはホテルへ戻った。
その後、軽食を取り、エアーズロックリゾート内を散策した。下記ホテルについて若干紹介する。
アウトバック・パイオニアホテル
アウトバック・パイオニアホテル長屋タイプの宿泊等がレセプション棟を囲むように建っている。全体的に高級感はないが、部屋は清潔で、アウトドア風の雰囲気が心地よいリゾート。プールも小さいがある。アラカルトのブッフェレストランとハンバーガーなどの軽食が買える売店がある。売店で手に入るアウトバックバーガーは、オージービーフ、目玉焼き、野菜に特性ソースを絡めたものでボリュームたっぷりでおいしい。併設のバーでは夜、生バンドの演奏もあり、演奏をBGMに呑むビールは格別だ。ショッピングセンターからは離れているがリゾート内には無料シャトルバスが15分おきに走っているので不便はない。
デザートガーデンホテル
デザートガーデンホテル4つ星風のホテル。2階建ての宿泊棟がレセプション棟隣にある。基本的に1階がスタンダードルーム、2階がデラックスルーム。このホテルの売りはなんと言ってもデラックスルームのエアーズロックビューのお部屋。約20部屋ほどがエアーズロックに面して立っている。遠景とはいえ部屋のベランダからエアーズロックが見えるのはここだけ。このホテルに泊まるなら迷わずこの部屋を選びたい。ハネムーナー特典もあるとのこと。
隣にショッピングセンターがあり、買い物や両替に便利なのもうれしい。
セイルズ・インザ・デザ-トホテル
セイルズ・インザ・デザートホテル唯一の5つ星ホテルでハネムーナーの利用が多い。広いプール付きの庭は開放的で他のホテルと比べて高級感がある。全て部屋はこの開放的な庭に面したガーデンビュー。アラカルトレストランとシーフードレストラン、プールサイドバーがある。ショッピングセンターからも徒歩5分。ちょっと高級な気分を味わうならこのホテルがオススメ。
滞在3日目
エアーズロック滞在最終日。早朝6:00ウルル登山の再登頂ツアーに、半ば祈るような思いで参加したが、結果はこの日も悪天候の為登山口はクローズ。結局登れずホテルへ戻った。朝食を済ませ、チェックアウト。午後、エアーズロックを後にし、「オーストラリアのグランドキャニオン」と呼ばれるキングスキャニオンへ向かった。途中、マウント・コナを横目に見ながらオフロードをバスで進むこと5時間。ドライブイン兼宿泊施設である「キングス・クリークステーション」に到着すると、既に今日泊まるホテルの係員が迎えにきていた。ワンボックスカーに乗り換えて、本日の宿「キングスキャニオン・ワイルダネス・ロッジ」へ。全10個のロッジからなるこの宿は、キャンプ仕様だが、清潔感もありエアコン付き。猫足のバスタブとシャワーが別にあり、アメニティーもそれなりにそろっている。但しカギがない(笑)。係員にきくと必要ないから付けないのだという。まあ、周りに何もなくこれだけこぢんまりとした敷地内で物騒なこともないからなのだろう。本日は自分を入れて宿泊客は7組、日本人は私一人であった。こんなツアーに参加するとバックパッカー魂が顔を出しはじめる。到着し荷物をおくとまず夕食前までに1杯ひっかけながら、お互いなんとなく自己紹介。オランダ人の老夫婦やイギリス人の若いカップルなど年齢もさまざま。それぞれこれまで旅話に花を咲かせた。その後、キャンプファイヤーを焚きながら、外のテーブルを囲んでみんなそろっての夕食。今日の料理はカンガールーのステーキをメインデッシュとしたフルコース。カンガールーの肉は、“味は牛肉、食感は魚”というのがみんなの一致見解だった。その後。たわいのない話で盛り上がり明日は早朝から登山だというのに夜更けまでみんなで楽しい時間を過ごした。
滞在4日目
キングスキャニオン・リムウォークツアー翌朝6時サンドイッチをかかえてキングスキャニオン登山へ向かう。この日は曇り。キャニオニングにはもってこいの天気だ。登山道は宿から車で30分ほどのところにある。到着すると、ガイドと一緒に、登山へ。登山道はアップダウンの激しいものだったが、素人では登れないような難しい道ではない。往復3時間の登山は普段運動不足の体には少々こたえたが、登りえた後の景色は絶景そのもの。風化によってドーム型になった岩が集まるロストシティと呼ばれるポイントや、険しくきりだった強大な岩々と草木が独特に景色を織り成すエデンの園とよばれる景観は言葉を失う。日本で大ヒットした映画「世界の中心で愛を叫ぶ」の舞台として使われたのにもうなずける。ガイドにきくと、あのグランドキャニオンよりも断然こっちの方がいいという旅行者も多いという。
登山が終わると、楽しかったこのロッジでの生活も終わり。到着時に立ち寄ったドライブインへ行き、次の滞在地アリススプリング行きのバスを待つ。アリススプリングスへいく目的はケアンズへのトランジット。特に町自体に見所はない。ガイドさんや他の宿泊客と暇乞いをし、昼食後、バスに乗る。約6時間ほどでアリススプリングスにある本日の宿クラウンプラザに到着。町から少し離れたところにあるホテルだが、ホテル内には2つレストランがあり困ることはない。この日はインド料理のレストランで夕食をとり就寝。
滞在5日目
翌朝飛行機まで時間があったため、町に足を延ばした。トッド・ストリートと呼ばれるメイン通り沿いには、ホテル、御土産物、旅行会社、ショッピングセンターが集中している。このショッピングセンター内にはサンドイッチやハンバーガーなどの軽食が安く手に入るフードコートがあり、朝8時30分ごろからやっている。ホテル内の食事は高めなので、食事代を節約したい人にはお勧め。町の中心に教会があり、アボリジニーの人々が多くいたのが印象的だった。その後、ホテルへ戻り、シャトルバスで空港へ。空港でキングスキャニオンで一緒だったオランダ人夫婦にうれしい再会。この夫婦もこれからケアンズへ行くそうだ。定刻どおり飛行機に乗り込む。いよいよ旅も折り返し。明日からの滞在に思いをはせながらケアンズへ。着後、今夜の宿アカシアコートホテルへ。
滞在6日目
パロネラパーク翌朝、9時より現地旅行会社の人とホテル巡りをした。この日も朝から真夏の天気で、直ぐ汗だくになった。アカシアコート、リッジス、メルキュール、プラザホテル、ホテルケアンズ、シーベル(旧ケンズインターナショナル)、ヒルトン、シャングリラ、パシフィックホテルなどたくさんのホテルがある。アカシアコートやメルキュールは町の中心より徒歩で30分ほど離れた場所にあるが、海沿いの立地で眺めがよく、ケアンズ一安いといわれるブッフェがあるのと、裏口に酒屋さんがあるのがうれしい。また比較的街中にあるホテルケアンズは、南国の雰囲気があり、お勧めだ。フェリー乗り場直ぐそばにあるヒルトン、シャングリラは文句なしの高級ホテルでオープンテラスのレストランでの食事は格別だろう。このあたりは目的に応じて使い分ければいいかもしれません。視察を終え、ホテルへ戻る途中、ケアンズ市街地近くにある人口プール「エスプラネードラグーン」に立ち寄った。猛暑だったため、予想通り多くの人々でごった返していた。
午後、スペイン移民・ホゼ・パルネラが作った城跡パロネラパークを訪れるツアーに参加する。この場所は、もともとパルネラの住居兼地元の人々の社交場として使われたが、今や洪水や火事によって荒廃が進み当事の面影はほとんどなく、逆にその荒廃した姿が、熱帯雨林という場所とあいまって人気を呼び、最近では宮崎駿監督のアニメ「天空の城ラピュタ」のモデルになったのではないかと噂されている。約1時間の散策後、夕食をとり、懐中電灯片手にツチボタルを見にいく。青白い光を放つその姿は神秘的であったが残念ながら写真撮影禁止でその姿を紹介できないのが残念だ。そしてクライマックスは、「聖堂の木」とよばれる大木を見にバスを走らせること1時間。バスを降りて歩くこと10分。突然ラピュタのテーマソングが流れ、あのラピュタを彷彿させる大木がライトアップされて目の前にあらわれる。心憎い演出だ。あたかも本当のモデルかもと思えてしまうほどだ。心地よい感動に酔いながらバスはケアンズへ戻るのであった。
滞在7日目
グリーン島翌日、ケアンズの2つの世界遺産、熱帯雨林クランダとグレートバリアリーフに浮かぶグリーン島を制覇するというなんとも欲張りなツアーに参加した。この日も絶好の天気に恵まれた。午前中はまず、世界遺産の熱帯雨林クランダの上をスカイレールと呼ばれるロープウエイでの登り、クランダ村を目指す。クランダ村には、蝶園やコアラを抱いて記念撮影ができる動物園がある。迷わずコアラのいる動物園へ直行。コアラを抱いて記念撮影した。ぬいぐるみのような姿に癒された。
クランダを後にし、グリーン島へ向かう為、ケアンズ市街のフェリーターミナルへ。約40分でグリーン島へ。ここは本当にきれいな海だ。美しいサンゴとあのニモ(カクレクマノミ)がいっぱい泳ぐにしばし目を奪われる。島内はホテル、各種ツアーを扱うショップ、ワニ園などがある。グラブボトムボートに乗って美しいさんご礁を見る人、シュノーケルやパラセーリングを楽しむ人、何もせず美しい海を眺めながらゆったと時間を過ごす人など過ごし方は様々。今回は折角なので人生初のパラセーリングに挑戦してみた。空から美しい海を独り占め。気持ちがよかった。あっという間に楽しい時間は過ぎ、午後4:00頃の最終フェリーでケアンズへ。夜、最後なので奮発し、最近人気だというパシフィックホテルのレストラン「ブッシュファイヤー」で石焼ステーキを食べ、就寝。
滞在8日目
気球ツアー早朝4時気球ツアーに参加。この日のケアンズ市街は雨だったが、約一時間後、到着した気球ツアーの基点アサートンは晴れており、心配ないと思われた。気球ツアーは前半と後半組みの2つに分かれてやるのだが、後半組みだったのが不運だった。前半組みの出発を見送りながら写真を撮り、次は自分たちの番とツアー客のボルテージは上がっていたところへ突然の残念な知らせ。強風で危険だから後半のフライトはキャンセルだと。
がっかりしたが仕方がない。後味の悪い思いを旨に帰路に付いた。
帰りの飛行機。心地よい疲れを足に感じながら、うとうとしているとこの9日間のことが走馬灯のようによみがえってきた。気球の乗れなかったりエアーズロックに登れなかったことなど残念なこともありましたが、それ以上にたくさんの魅力に出会えました。すばらしい出会いもあり、あらためて旅行の面白さを痛感しました。そして、オーストラリアは、単に観光箇所をみて回るだけでは味わえない旅の醍醐味を味わえる格好の場所だと感じました。これをみて、オーストラリアに行きたいと思ってくれる人が増えたらうれしく思います。
2008年11月   渡邉

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