世界の果ては近かった ~アイスランド~

世界の果ては近かった ~アイスランド~

今回、アイスランド航空さん、ブリティッシュエアウェイズさんのもとでアイスランドへ研修旅行に行く機会を得ることができた。
アイスランドというと世界の果てという未知の国のイメージをもつ方もいらっしゃるかもしれないが、今回旅行に参加し非常に観光しやすい魅力的な国だと感じた。アイスランドの情報は少ないので、これからアイスランドに行く方、興味がある方に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。


「自然の脅威」。これが一番アイスランドを表す言葉として合うのではないかと感じた。単に美しいだけでなく、人間という存在が卑小に思えるほどの自然の脅威や暴力性。それらが一緒くたになった様子を目の当たりにできた。
例えば、ウェストマン諸島は1973年に火山が噴火した場所であり、今も残された火山灰や溶岩が島を覆っている。一方で鳥たちが多く生息する島として知られており、パフィン(ヒメツノメドリ)が見られることでも有名である。
またレイキャビックから日帰りで観光できるゴールデンサークル(ゲイシール、グリフォス滝、ギャウ)は、まさに地球の秘めた凶暴性を垣間見ることができる場所である。
今回、5月中旬ということもあり平均気温15℃ほどで温暖な日が続いた。一般的に6月から8月ごろがアイスランドの旅行シーズンといわれており、欧米から沢山の観光客が訪れる。しかし冬にはオーロラを見ることができ違った趣を感じられ、年中通して楽しめる国である。
前置きが長くなったが、日付ごとに観光場所をレポートしたい。
5月15日 (アイスランド到着)
成田からブリティッシュエアウェイズでロンドンへ。
ロンドンでは一旦荷物をピックアップし、入国すること。入国後、第5ターミナルから第1ターミナルへ移動。
第5ターミナルは最近できたばかりのブリティッシュエアウェイズ専用のターミナルである。そこからアイスランド航空便が駐機している第1ターミナルまではもっとも遠いので、余裕をもって移動しておくこと。
そのときのカウンター係員にもよるだろうが、アイスランド航空では3時間前でもチェックインできた。
ロンドンから4時間ほどでアイスランドの首都レイキャビックへ。
レイキャビックには荷物のピックアップ場所に免税店がある。市内での買い物は税金が付くので一般の方々もそこで買い物するようだ。
また、夜遅く着くためか両替所がやっていない。でも心配無用。アイスランドではクレジトカードの利便性が大変よく、空港の売店やスーパーでもサインレスで買い物ができる。現金が必要であればカードで引き出せる。大体、現金のみしか使えないことなど皆無なので引き出す必要もない。1回も現地通貨をつかうことなく旅行できる。
お勧めカードはVISA、MASTER。
JCB、AMMEXはほとんど使えない。
ノーザンライトインこの日はブルーラグーンのノーザンライトインに宿泊。
空港からは15分くらいに建つ、ブルーラグーンというアイスランド名物の温泉施設に近いホテルである。派手ではないにしろ、掃除が行き届いていて快適に過ごせた。部屋も比較的広く、お湯もちゃんと出る(少し硫黄臭いが)。また景色がまさに溶岩台地といった感じで、興味深い。
5月16日 (ブルーラグーン観光、ホテル視察)
ブルーラグーンに来たからにはやはり温泉に入らなければ!
ノーザンライトインから車で約10分、温泉施設に到着(ホテルスタッフに言えば連れて行ってくれます)。
乳白色の温泉は遠目からみると確かに青っぽく見え、温泉なのにやけに幻想的である。
シリカという泥を顔に塗りたくり、パックにする。なんでも皮膚病や湿疹に効能があるようだ。
温度は日本人からしてみれば物足りない。とはいっても、青空の下、広大な温泉につかるのは日本の温泉で絶対味わえないほどの開放感。
温泉だけではなくサウナもある(こちらもちょっと温度低め)。
水着着用厳守、現地でも購入可。バスタオルは無料貸し出しできます。
ブルーラグーンのロッカー
また温泉にはマッサージ施設やレストラン、湯治場が隣接している。湯治場には泊まることもできる。湯治場というと少し古臭いイメージがあるかもしれないが、この施設はかなりモダンな内装なので、ノーザンライトインに泊まるよりも豪華にすごしたいという人にはうってつけである。
午後はホテル視察。20件以上まわったので印象にのこった、またはよく利用するホテルのみ紹介したい。
★デザイン系ホテル
・ホテルホルト
「北欧デザイン」とカテゴライズされるように北欧のホテルはインテリアから内装までレベルが高い。その中で異彩を放つのがこのホテルホルト。革張りのソファー、重みのある光を放つ黄金の柱・・・。高級感漂う洗練された大人のためのホテル。
・101ホテル
デザインに凝っているホテルの中で最たる例。アイスランドのアーティストによって制作された絵画やオブジェがホテル内を彩っている。室内は白と黒を基調にしたモダンな佇まい。
★大型ホテル
・ヒルトン・ノルディカ
レイキャビック市内に存在する大型ホテルのなかで、トップクラスの設備とサービスを誇る。ロビー、室内のインテリアも落ち着きがあり、万人に歓迎されるホテルである。
・パークイン・イースランド
ホテル自体はそれほど新しくはないが、明るい色合いの室内はほかのホテルと比べて比較的広い。地下にはクラブ(踊る方)があるため、夜はホテル入り口で若者が賑わっている。
・ラディソン・SAS・サガ
部屋も清潔かつ比較的広い。サービスでも設備面でも文句なしのホテル。宿泊者であればジャグジーやサウナが無料利用可。屋上のレストランも雰囲気がよい。
・ホテルグランド
こじんまりしているアイスランドのホテルの中では最大の大きさと高さを誇る。レイキャビックを代表するホテル。気を張ることもなく、ゆとりがある広さをもつ室内でゆっくりリラックスできそう。スパもある。
★小・中ホテル
・フォスホテルリンド
日本の感覚でいうビジネスホテルに近い。室内はそれほど広くはないが、最低限の宿泊設備はととのっている。安くアイスランドの旅行を楽しみたい方にはお勧め。
・フォスホテルバロン
おなじフォスホテルのリンドと同じ系列のホテル。リンド同様、豪華さには欠けるが宿泊のみを考えれば問題ない。近くにスーパーあり。
・ ゲストハウス・イーサフォルド
ゲストハウスというように大型ホテルのようなサービスや設備はない。だがこの経営者であるおじいさんの優しい顔が忘れられない。室内は綺麗に保たれている。トイレ・シャワーは共同。ホームステイするような感覚にちかい、温かみあるホテルである。
5月17日(レイキャビック市内観光、ゴールデンサークル)
午前はレイキャビック市内観光。まずはホフディハウス、そして国会議事堂、その後ハトルグリムスキルキャ教会を周った。
ホフディハウスは冷戦の終結した場所である。この迎賓館のドアの前でアメリカのレーガンとソ連のゴルバチョフが握手を交わした。そんな重要な歴史的な建築物がぽつんとひっそり存在している。
国会議事堂も最初、その事実を疑ったほど実に飾り気がない。もちろん威厳がある建物であり、決してうらぶれているわけでない。しかし警備員がいるでもなし、実にさりげない。こういったところに職業や肩書きによって偉ぶらない、人を判断しないアイスランド人の気質があるのかなと感じた。
ハトルグリムスキャルキャ教会は街のシンボル的な存在。教会といってもステンドガラスに、天井まで描かれた宗教画、聖母マリアの像・・・というものではなく、いたって簡素。しかしもちろんお金をかけていないということではなく、ゴシック調の教会に入ったときの張り詰めた空気とはまた違ったリラックスした身近な雰囲気である。
そしてゴールデンサークル。
ゴールデンサークルはギャウ、ゲイシール、グトルフォスを結ぶ円状のルートのことである。アイスランドの来たなら必ずここに来たほうがいい、というより行くべきである。なぜならここにはアイスランドのすべて、とは言わないまでも、もっとも極端な形でアイスランド自然を堪能できる。ましてやそれがレイキャビックから1日で、日帰りで観光できるということであれば、行かない理由はないというものだ。
最初訪れたのはギャウ。ギャウとは大地の裂け目のことであり、ユーラシアプレートと北アメリカプレートが分裂してできたものである。裂け目という印象から、地面にひびが幾千にも入っている様を想像していたが、まったくスケールが違う。裂け目とはいうもののその幅は数キロメートルにも及び、現在でもその幅は広がり続けているという。
ゲイシール。アイスランドの写真といえば、ブルーラグーンかこのゲイシールか、というほど有名な間欠泉。地下の温泉が平均3分おきに地上に吹き上げる。他の火山国でもこの間欠泉はみることができるが、この高さで、この頻度で見ることができるのはこのゲイシールのみである。噴出口が音とともに徐々に盛り上がり、瞬間的に一気に吹き上げる。まさに地球の呼吸のようで神秘的だ。
グトルフォスは巨大な滝である。驚異的な自然をもつアイスランドでも最も激しく、その最大のものがこのグトルフォスである。滝を上から見下ろす形になるのだが、見ているだけで身がこわばるほどの恐怖を感じる。
ロブスターこの日の夕食はロブスターを食べた。ロブスターはアイスランド名物のひとつである。日本でロブスターというと伊勢えびのような巨大なものを考えるかもしれないが、アイスランドで言うロブスターは小ぶりである。しかし、日本で食べるえびと全く引けをとらないので、えび好きな人種としては食べないわけにはいかないだろう。
5月18日(南海岸とソルスモルク観光)
オプショナルツアーで「南海岸とソルスモルク」というプランに参加した。
滝の裏側をまわれるセリャランスフォス滝、スタックホルツ渓谷でのハイキング、3つの氷河を眺望できるソルスモルクという観光地をまわった。
ホテルに旅行会社の巡回バスが来るので、それに乗り、催行する旅行会社まで行く。そして、バウチャーをオフィスで受け取りそこで目的地別のバスに乗り込む。ガイドはドライバーも兼任しており、運転しながらしゃべる。器用なものである。
夏にはなかなかお目にかかれない氷河を堪能できる。アイスランドの自然をもっと満喫したいかたにお勧め。しかし、ハイキングといっても足場が悪いところにいくのでトレッキングシューズも持っていくのが吉。
また他のオプショナルツアーにもいえることだが、基本的に昼食がついていないので、途中休憩する売店にて何か買っておくこと。
5月19日(ウエストマン諸島観光)
ウエストマン諸島ウエストマン諸島は数十の岩島からなり、その最大の島がヘイマエイと呼ばれる。
レイキャビックからは市内の国内線空港をつかって1時間で到着する。
1973年に噴火した火山があり、いまだ火山灰や溶岩が残る町である。また1963年には海底火山の活動により新しく誕生した島があるという。まだできて40年ほどしかたっていない、人間で言えば赤ちゃんの島である。火山好きにはたまらない島であるらしいが火山だけではない。夏にはさまざまな種類の鳥があつまり、バードウォッチングに絶好の場所である。あのパフィンもここで見ることができる。ちなみに私たちは、バードウォッチングクルーズに参加したが、初夏とあってみることができなかった、残念。だが、昼食をとったレストランのおじさんがパフィンの肉の燻製をご馳走してくれた。味はレバーのようだった。外側は見られなかったけれど中身は食べられたというわけである。
5月20日(イーサフィヨルズル観光)
レイキャビックの国内線で1時間。
イーサフィヨルズルイーサフィヨルズルはアイスランドの北西に位置する港町である。高くそびえる美しい山脈が連なる風景はスイスを思い起こさせる。夏には新緑も綺麗で、まさに高原リゾート。欧米からの旅行客でホテルがいっぱいになるとか。私たちは日帰りを余儀なくされたが、是非1泊でもしたいものだ。北の大地の果てに、このような美しい自然にあふれた町があるというのは何とも不思議だ。アイスランドの北端というといかにも極寒の風景を思い起こさせるが全くそんなことはない。
町ではカヤックを体験、交易の歴史を物語る海洋博物館を見学した。また当時の格好をして昔の漁師生活を説明してくれる名物おじさんもいた。
5月21日(レイキャビック出国)
レイキャビック出国の便は朝早い!市内のホテルに宿泊していると、7:40発の国際線ロンドン行きに乗るには朝3時台には起きて、5時にはホテルを出なければならない。
疲れた体をむりやりたたき起こし、なんとか空港まで到着。だがお土産もほとんど買っていなかったので買うまで気が抜けない。空港内にはお店が沢山あるからまだ買っていない人でも安心。ロンドン行きの飛行機に乗った瞬間、眠りに落ちました。
ロンドンに到着後、来たときと同様、預け荷物をピックアップしターミナルを移動。成田行きのブリティッシュエアウェイズに搭乗。
なんとなく、世界の果てだと思えたアイスランドだが、全く旅行に不便ではない。飛行機だって乗り継ぎ1回で行けるし、ホテルや旅行会社等の観光のためのインフラは十分整っている。また気候も極寒ではなく、夏は暖かい。冬は寒いことは寒いが、オーロラが市内から見えるという良い面がある。食事も魚料理中心で日本人向き。まさに観光にもってこいの国ではないだろうか。意外に身近な国、アイスランドでした。
2008年5月  橋本

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