ただ歩いているだけで楽しい街、グアナファト。昼と夜では違った顔を見せるが、どちらもなんとも魅力的なので丸一日歩いていても全く飽きない。十八世紀に世界の三分の一の銀を産出し栄えた町なのだが、その後衰退したため、町並みがそのときのまま残っていて、歩いているとまるで中世にタイムスリップしたような気分にさせてくれる。グアナファトは学生の町でメキシコ中から集まった学生であふれていて活気に満ち、夜も昼もカップルがいちゃいちゃしててなんともうらやましい。グアナファトを一望できる、ピピラの丘へはロープウェイを使って登った。見晴らしがよく、夜、昼の二回行ったが昼は色とりどりの美しいコロニアルの町並みが180度眺められ気分もすがすがしくなる。
夜は点々と明かりが灯りなんともロマンティック。(やはりここでもたくさんのカップルがデートをしていた。)一緒に行った友達と「将来、子供ができたらここにスペイン語留学させて、子供に会うのを建前に、一年に一度グアナファトに遊びに来よう!」なんて言ってみたり。そんな素敵な街なのだ。街の中心より車で約五分、カスティージャ・サンタセシリアは十七世紀に鉱山で富を得た大地主の城をホテルに改装したのだが、お城そのもので滞在が楽しめると思う。コースでよく使うミッション・グアナファトは町の中心まで車を利用することになるが、シャトルバスが何本かでている。古い建物を利用していて内装や家具もかわいい。
半日もあればタクシーで十五分ほどの距離で、かつて大量の銀を産出していたバレンシアーナへ行くこともできる。坑道跡も見学することもでき、ヘルメットをかぶり、地下へ降りていく階段を下りていくと、気分はまるで探検隊のよう。ガイドのおじさんはスペイン語で熱弁をふるうのだが、残念ながら理解できない。しかし、雰囲気を味わえるので是非とも行ってみてほしい。
メキシコ人はちょっとアバウトなところがあるが、どのホテルの従業員、レストランのウェイターも明るく、客商売に向いている民族だ。アメリカのすぐ南にあるのに英語がまっっったく通じず、その度合いはスペイン以上であるのにはびっくり。しかし言葉のコミュニケーションを超える「愛想のよさ」が彼らにはある。 メキシコといえば、遺跡とリゾートのイメージが強いが、こんなかわいい街もある、たくさんの魅力あふれた国でもあるのだ。
旅行期間:2005年11月11日~20日 辻理恵子