西アフリカ6か国周遊―これぞアフリカ!な国々探訪記/第2弾 ギニア編

西アフリカ6か国周遊―これぞアフリカ!な国々探訪記/第2弾 ギニア編


コナクリの漁港


マルシェにて


コナクリの人々


マルシェ

色彩と音楽があふれ出すエネルギッシュな国ギニアへようこそ

エールフランスがパリからシエラレオネのフリータウン経由ギニアの首都コナクリへフライトを飛ばしている。かつてのフランスの植民地路線だ。よってフリータウンからコナクリへは大型の快適なフライトで30分ひとっ飛びであった。コナクリの後はまたパリへ戻る三角飛び周遊フライトだ。
コナクリ空港へ降り立つ。こういう国では入国検査が大変で身構えるのだが、ここは入国カードも税関カードもなし。イエローカードもざっと見るだけでおしまい。指紋検査はあるものの意外にシンプルで何も聞かれなかった。
フランスの植民地だけあって通貨はギニアフラン。本土フランスではフランを使わなくなって久しいが、こうした植民地だった国々ではフランという名の通貨が根強く残っている。1ドルが約1万フランなので、200ドル両替したら189万ギニアフランになってどっさり札束を抱えることになった。
現地ガイドさんの出迎えを受けて町中のホテルへ向かう。夜遅いのに道は渋滞し道端にはたくさんの露店が並び活気に満ち溢れている。アフリカのマーケット!という風景が広がっていて楽しくなる。
20分ほどで混沌としたアフリカから突然別世界に見えるシェラトンコナクリホテルに到着。海に面しているのでちょっとしたリゾートホテル風であった。インフィニティプールまであっておしゃれなホテルだが、さすがにサービスはアフリカ流にのんびりだ。ぬるいビールを冷たいのにしてほしいというと、平気で氷を入れたりするし、お食事の味の方も期待を見事に裏切られたが、これでも国一番の高級ホテル。これ以上の贅沢は言えるはずがない。ホテルのまわりに住む人々にとって確実にこのホテルは別世界だろう。なぜなら電気も水道もガスもない暮らしが普通で、ここもシエラレオネと並ぶ世界最貧国のひとつなのである。


マルシェ


マルシェ


漁港


漁港にて


マルシェ ドゥ ポワソン(魚市場)


漁港


漁港


マルシェ

コナクリの観光名所めぐり 堂々たるスリも登場?!

首都コナクリの街中を観光するとわかるのが、この国にはモスリムが多いということ。町中の観光地としてセントマリー大聖堂というカトリック教会もあるものの、グランドモスクはその規模の大きさで群を抜いている。細長いミナレットは遠くからでも目を引く。男性3000人、女性2000人が入れる大きさのモスクは内部に緑色の柱が並ぶ壮大な作りで、礼拝の時間がネオンサインのようにキラキラと表示されている。いろいろな民族の文化や風習に触れる国立アートミュージアムには、今も祭りやダンスショーで使われる神様の仮面なども展示されていて面白い。
海辺の町らしく、コナクリのマルシェには魚がいっぱいだ。マルシェ・ドゥ・ポワソンいわゆるフィッシュマーケットには、漁師さんたちが目の前の海で採ってきた魚を並べて売っている。エイやカジキマグロなど大きなものも並べてあるし、小さなカニが大事そうに売られていたりもする。仕事柄我々は写真を撮りたい。ところが写真を嫌がる女性が多い。お金を要求する人もいる。ガイドさんが今夜のおかずの魚を買って、代わりに写真を撮らせてくれた。西アフリカのディープな国々では写真を撮るのもひと苦労なのだ。
そしてマルシェにはスリも横行している。ギニアで出会ったスリの中には、ひたすら素早い動きで、なんだかとても自然で堂々としているのがいて驚かされた。リュックは抱っこするように前に持つのが常識であるが、それでも油断ができない。人が多いマルシェではすれ違いざまに前に持っているリュックの下の方のファスナーを堂々と開けたスリが登場!残念ながらそこにはティッシュしか入れていなかったのだが、その開け方があまりにもスピーディーですご技と言えるもので、本人はニコニコしているではないか。油断も隙もあったものではない。上のファスナーを開けられたら携帯とか入っているので、思わず私は携帯をバッグの奥の方にしまったのであった。


国立アート美術館


国立アート美術館


グランドモスク


グランドモスクの管理人


グランドモスク


国立アート美術館


コナクリの人々


グランドモスク

マルシェで圧倒的な魅力を見せているパーニュ屋さん

魚のマルシェからしばらく歩くと布地を売るコーナーがあった。山積みされているパーニュと呼ばれる布地はまるで色の洪水のように美しい世界を生み出している。パーニュで仕立てたカラフルなドレスを普段着にしているギニアの女性たちが店番をしているのも見ていて楽しい。髪の毛の編み方も人それぞれ個性があって面白い。
積み上げられたパーニュはカラフルでアフリカらしく魅力的なもので、どれもが欲しくなるものばかり。マルシェでパーニュを買ってワンピースなどをオーダーメイドもしてくれるらしい。マルシェだと20ドルから25ドルでワンピースを作ってくれるからお買い得だそうだ。


マルシェ


マルシェ


マルシェ


マルシェにて


ドレスの仕立て屋さん

ギニアでパーニュのドレス仕立てを体験

私も布地をお土産に買って、洋服をオーダーメイドしようとガイドさんに相談すると、せっかくなので、本格的なオーダーメイドをしてくれる生地屋さんに行けばいいと紹介してくれた行きつけの生地屋さんは、マルシェのような露店ではなくて、一軒家の立派なブティックであった。マルシェで山積みされている布地とは違って、パリ直輸入モノなんかもあるセンスのいい生地がずらりと並ぶ。コットン素材のきれいな染布にも目を奪われたが、化繊ながら斬新な色柄の布地を発見。自分で作ってほしいデザインを描けば、それに近いものを作ってくれるのだ。シルキー素材で柄が派手な分、カットはシンプルに、丈はひざ下10cmくらい・・などと注文を付けて、デザインも決定する。同柄のスカーフとセットで生地代が40万フラン(約40ドル)仕立て代が25万フランで、合計65万フラン(約65$)。それでも自分だけのワンピースが好きなデザインでオーダーできたから、かなり嬉しい気分だった。


ジャンベ(太鼓)演奏鑑賞


ジャンベ(太鼓)演奏鑑賞


ジャンベ(太鼓)演奏鑑賞

ジャンベ太鼓のセッションに大感動

ギニアに行くなら絶対聴いてみたかったのがジャンベと呼ばれる太鼓の演奏だ。ギニアが発祥の地で西アフリカの民族の伝統打楽器ジャンベは細長い太鼓で、両手で敲く。ガイドさんに連れられてジャンベのセッションを聴きに行った。4人ほどの男女が集まり、大きな太鼓と共に2人がジャンベを敲く。ダンスを踊る人もいる。普通の民家の中庭で、洗濯物が干してあったり、子供たちが集まってきたり、村の長老らしきおじいさんも姿を見せた。素朴なムードの中で人々とのふれあいもまた楽しい。
ジャンベの演奏が始まった。迫力ある太鼓の音が体の中まで響いてきてすごい。一番迫力がある上手な奏者はなんと女性だった。すごくパワフルでびっくりだ。ダンスもニコニコしながら激しく踊って見せてくれた。これぞアフリカの鼓動。感動的な時間であった。これを聴けただけでもギニアへ来てよかったと思った。
ジャンベの演奏に酔いしれて、私はギニアが大好きになった。

帰国後、完成した私のオーダーメイドのワンピースが届いた。華やかなワンピースはギニアの香りがした。袖を通すといつも、どこもかしこも色彩と音楽があふれ出すようなギニアでの日々を懐かしく思い出す。
ドレスは今ではパーティーや食事会で重宝するお気に入りの1着になっている。


コナクリの子供


コナクリの子供


コナクリの子供達


ジャンベ(太鼓)演奏鑑賞 演奏者と


コナクリの人々と・・・

(写真・文 井原三津子)

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