今回、急ぎ足ではありましたがドミニカ、トリニダード・トバゴ、ガイアナ、スリナムを訪れました。ドミニカについては他のスタッフが詳細は報告しておりますので、トリニダード・トバゴ、ガイアナ、スリナムを中心にご紹介いたします。
カイエチュールの滝
スカーレットアイビスの群れ
トリニダード・トバゴの国鳥スカーレットアイビスを求めて
カリブ海の最南端に位置し、自然豊かなトリニダード・トバゴの人気アクティビティのひとつに、国鳥である「スカーレットアイビス」を見に行くジャングルクルーズがあります。
そのツアーが行われているのは、首都ポート・オブ・スペインから15kmほどの距離に位置する「カロニー湿原(カロニー スワンプ バード サンクチュアリ)」です。カリブ海の珍しい鳥や多様な動物の生態を、間近で見ることができる湿原の国立公園です。スカーレット アイビスは、11月から3月までの間に、多いときには約1万8000羽がアマゾンからやって来ます。
スカーレットアイビスは南米の熱帯雨林とカリブ海諸島に生息している鳥で、南米でスカーレットアイビスを見る場合、片道4時間近くかけて湿原へ行かないと見ることが出来ません。それに対し、トリニダード・トバゴでは首都から湿原まで車で30分程度でアクセスできるため、世界中からたくさんの観光客がツアー参加に訪れます。
スカーレットアイビスは、毎朝餌を求めてカロニー湿原を飛び立ちます。そして夕方になると採餌を終え、大群でカロニー湿原へと戻ってくるのです。そのためツアーは、スカーレットアイビスが湿原へ戻ってくる時間帯を狙い、夕方16時に出発。30人ほどが乗れるモーター付きのボートに乗り込み、最終目的地のスカーレットアイビスが寝床にしている島までジャングルクルーズを楽しみながら進んでいきます。
スカーレットアイビス・ジャングルクルーズ
ボート乗り場に着いたら早速虫除けスプレーを振りまくって乗船。
約60キロ平方メートルのマングローブ林のジャングルクルーズのスタートです。
船はマングローブがトンネルのように生い茂っている水路を進みます。
マングローブのトンネル
マングローブのトンネルを進むボート
蛇(ボア)
クロサギの仲間
クルーズ中はガイドさんが解説してくれる
カロニー湿原では、蛇やケイマンワニなど様々な動物を見ることができます。
様々な動物が観察できますが、動物たちは上手く森に紛れているので我々がパッ見つけるのは至難の業。でもご安心ください、ガイドさんが動物を見つけてはボートを止め解説してくれます。動物はボートから離れた距離にいることも多いので、双眼鏡を持って行くと良いでしょう。
バードウォッチングの聖地とも言われているトリニダード・トバゴ。ジャングルクルーズをしていると、水面ギリギリを飛んでいくクロサギやシラサギがボートを追い越して飛んでいきます。数年前からはフラミンゴも見られるようになり、ますますカロニー湿原でのバードウォッチングは盛り上がりをみせているようです。フラミンゴといえば動物園でスッと片足立ちしている姿が思い浮かびますが、飛んでいる姿もそれはそれは美しいもの。フラミンゴはツアーで必ず出会えるわけではないので、見ることが出来たらラッキーです!今回は運よくフラミンゴを見ることができました。
フラミンゴの群れ
フラミンゴの群れ
湿地帯の湖に出ると、スカーレットアイビスの寝床となっている島の対岸付近にボートを停泊させ、じっとスカーレットアイビスが来るのを待ちます。
そして夕方5時過ぎ。真っ赤な鳥の大群が、あちらこちらから飛んできました!
鮮やかな赤色をまとったスカーレットアイビスの姿は、遠く離れた場所からでもはっきりと見ることができます。
スカーレットアイビスの群れ
スカーレットアイビスの群れ
スカーレットアイビスの群れ
こちらがスカーレットアイビスの寝床となっている島。
緑色の木々に、ポツポツと鮮やかな赤い花が咲いているように見えます。
この赤い花のように見えるのは、実は全てスカーレットアイビス。
スカーレットアイビスの群れ
緑色の木々が生い茂る島は、夕方になりスカーレットアイビスが島へ戻って来ると、赤い花が咲いたように華やかになるのです。
トリニダード・トバゴを訪れた際はぜひこの場所を訪れてみてください。
注)トリニダードではスカーレットアイビスが年中365日毎日見られますが、
4月〜10月にかけて産卵期には、ピーク時のような数千羽の群れは見られません。
大群を見たい方は11月から3月に訪れるといいようです。
にも出会える動物パラダイス。
カーニバルへ向けてスティールパンの練習風景も必見!
スティールパンの練習風景
スティールパンの練習風景
スティールパンの練習風景
夜は現地会社の森本さんにスティールパンの練習に案内していただきました。3月のカーニバルへ向け、すでに熱気すごい!仕事が終わったあと、出欠簿をつけて熱心に練習に参加しています。120人編成のバンド演奏は壮観です!
トリニダード・トバゴのカーニバルは毎年2-3月頃トリニダードの首都ポートオブスペインで、Ash Wednesday(灰の水曜日)の直前、月、火曜日に行われます。毎年世界中から数十万人の観光客が訪れるそうです。灰の水曜日から復活祭まで断食(現在では贅沢をしない、控えるなど)が始まるので、その前に思い切り、派手に騒いで、断食の日々を乗り切るのでしょう。ただ見ているだけではなく、参加できるカーニバルです。参加団体に費用を払えば、衣装も着られるようです。スティールパン(ドラム缶から作られた音階のある打楽器)発祥の地で、カリビアンミュージックを堪能するのもよいでしょう。
南米最後の秘境 ギアナ三国へ
スペイン語、ポルトガル語が飛び交う南米にあって、異色の国・地域が3つあります。
その名もギアナ三国。ガイアナとスリナムという2つの独立国と、フランス領のギアナから構成されています。そのうち今回はガイアナとスリナムを訪れました。
まずは南米最小の国スリナム。あまり日本では馴染みのないスリナムですが、その首都であるパラマリボは、一年を通して温暖な熱帯雨林気候に属している地域で、寒いのが苦手な方には特にオススメしたい旅行先です。スリナムは、1975年までオランダの植民地だったため、ヨーロッパのような雰囲気が今でも残っています。川沿いのパラマリボ市街歴史地区は世界遺産に登録されていて、コロニアル様式という建築物が並んでいます。コロニアル様式とは、オランダ建築にアジアとクリオールの文化が融合した独特な建築様式で、白い壁に黒い窓枠が特徴です。大統領官邸や、教会堂など見どころが多いので、旅行ガイドの説明付きのツアーがお勧めです。
もう一つの特徴的な建築物に、南米最大の木造教会である聖ペテロ・パウロ大聖堂があります。外観は黄色と青色という特徴的なデザインですが、内部はヒマラヤスギを活かしたシックな雰囲気となっています。
聖ペテロ・パウロ大聖堂
聖ペテロ・パウロ大聖堂
ゼーランディア要塞博物館
ウァーテルカント
モスク
モスクの隣にあるシナゴーグ
パラマリボの繁華街のお土産物屋さん
また、スリナムは大自然の宝庫でもあります。今回はスケジュールの関係上いけませんでしたが首都パラマリボから南西に200km程の場所にある中央スリナム自然保護区には、熱帯雨林の自然が広がっています。そこは、ジャガー、オオアルマジロ、リスザル、オウギワシなど様々な動物たちが生息している自然の楽園です。
最後は今回の旅のメインともいえる、ギアナ高地にあるカイエチュールの滝へ。
一段滝として世界一の高さを誇るというこの滝は、カイエチュールは、Kaie というこの地域に住む首長が、tuer(滝)に見を投げたのが名前の由来。滝の高さは741フィート(約223メートル)。ナイアガラ滝の5倍。アフリカのビクトリア滝の2倍の高さ。幅は、乾季の200(約60メートル)フィートから、雨季の400フィート(約120メートル)という。高さは確かにすごい。日テレ系【謎解き冒険バラエティー世界の果てまでイッテQ】では、マイナスイオンの量を元に世界で一番癒される場所として認定されました。
そんなカイエチュール滝へのアクセス手段は…、なんとセスナ機のみ!
セスナ機を利用しない場合は、川をボートで下り、ジャングルの中を歩き、何と5日間もかかるそうです。
首都ジョージタウンのセスナ専用空港からは約一時間の空の旅。
セスナ機の窓を眺めていると、青々とした熱帯雨林、そしてテーブルマウンテンのぼこぼことした地形が広がります。
熱帯雨林とテーブルマウンテン
熱帯雨林のジャングルを約1時間。 ジャングルの先に、滝が見えてきた。カイチュールだ!
セスナ機から見たカイエチュールの滝
セスナ機から見たカイエチュールの滝
セスナ機から見たカイエチュールの滝
セスナは、滝の上を旋回。 窓から見える。見える。すごい迫力!
滝の真横、テーブルマウンテンの上にある滑走路に到着。
セスナ機で滝横の滑走路に到着
滑走路に降りると【KAIETEUR NATIONAL PARK】の看板が見え、その向こうにはパークの管理棟が一軒立っています。管理棟には簡易的なお土産屋さんとトイレくらいしか設備はありません。
カイエチュール自然公園の管理棟
出発前にネイチャーガイドからパーク内での注意事項の説明を受けました。
国立公園なのですから当然のことですが、「ゴミを捨てるな」から「パーク内では石ころひとつ拾ってはならないし、絶対に持ち帰ってはいけない」などなど。
さあ確認できたら、いざ出発。ここから滝まで、歩いていきます。
いざカイエチュールへ
いざカイエチュールへ
ジャングルを30分ほど歩き、ついに滝が見えるポイントへ到着。
カイエチュールの滝
カイエチュールの滝
カイエチュールの滝
カイエチュールの滝
カイエチュールの滝
カイエチュールの滝
ナイアガラの滝の約5倍高さから垂直に落ちる滝、そして200m以上も舞い上がるという飛沫。大迫力の滝を前にして、自然の偉大さを感じずにはいられません。
落差226m。1本で落ちる滝としては世界最大級の落差を誇ります。勿論柵などはないため、ゴーッと落ちる滝のぎりぎりまで近づくと、思わず吸い込まれそうな大迫力!
晴れ間のタイミングに浮かび上がった虹。まさに絶景と呼ぶにふさわしい景色でした。
ギニア高地に振った雨が集まり、滝から落ち、ジャングルを抜けて、エキセボ河に流れます。そして大西洋と注がれます。
まじかに見るカイエチュール滝の大迫力はまさに一生もの。秘境中の秘境、カイエチュールの滝は必見です。
注)今回2つの展望台を訪れましたが、滝のすぐ真横の第一展望台は残念ながら現在立ち入り禁止となっております。
日程に余力があれば、ジョージタウンから車で約1時間半、マングローブ林が生い茂るデマラ川に足を延ばすジャングルクルーズもおすめです。ガイアナの国鳥ツメバケイ(ホーアチン)やホーラーモンキー、珍しい野鳥を見ることが可能です。
ガイアナの国鳥ツメバケイ
【スタッフおススメ度】
●カイエチュール滝 ★★★★
1本で落ちる滝としては世界最大級の落差を誇る滝は必見!
セスナ機でアクセスする冒険感も◎
●カロニー スワンプ バード サンクチュアリ ★★★★
深紅の野鳥の大群は圧巻!
●スチールパンの演奏 ★★★★
カーニバルの時期でなくても120名編成のバンド演奏は必見!
(2019年2月 渡邊竜一)