「・・うまそうな奴がいるな・・・」と標的を定め、
ひたひたと静かに獲物の背後に忍び寄って・・・がぶりっ!
4km以上離れた地点からでも嗅ぎ分けられる鋭い嗅覚、
強靭なノコギリ状の歯、そして唾液に含まれる毒で、狙った獲物は確実に逃さない。
これが全長約3m体重約70kgにおよぶ世界最大級のトカゲ「コモドドラゴン」の狩りの手法だ。
このたび、ファイブスタークラブ・スタッフ中村は、
最強で最恐の大トカゲ「コモドドラゴン」とのツーショットを目標に、
インドネシア南部の島々を巡ってきた。
STEP1:<旅の始まりはインドネシアの人気観光地バリ島から>
バリ島・デンパサール空港からいざ出発、向かうは「フローレス島・ラブアンバジョー空港」!
所要時間は約1時間半、小振りな機体の国内線が冒険気分を盛り上げる。
STEP2:<ラブアンバジョー空港に到着後、車で港へ移動>
この日は、絵に描いたような晴天。
インドネシアは一般的に5~10月が乾季・11~4月が雨季と言われている。
しかし、今回の出張は4月中旬。
雨季と乾季の狭間ということでお天気が少々心配だったが・・・
時折雨がパラッと振りつつも、ほとんどの時間を快晴のもと過ごすことができた。
STEP3:<船に乗ろう!>
「ラブアンバジョー港」へ到着。ついにコモドクルーズの始まり始まり・・・!
実際は思ったよりも漁船に近い印象。
シャワー・トイレは完備だが、水圧はかなり弱めの仕様。寝室は簡素な2段ベッド式。
なお、寝室には効きの良いエアコンが付いており、
熱帯夜でも寝苦しくなく過ごすことができた。これは本当にありがたかった。
豪華クルーズを想像した人にとっては、
言っちゃぁ悪いが、「あれ?」と思うような必要最低限のシンプルスタイル。
しかし、きっとあなたも旅が終わる頃には、
1泊2日の苦楽を共にするこの船に対して愛情を感じているはずだ。
大丈夫、なぜなら、わたしがそうだったから。安心して!
イケメン船長が安心安全の船旅をお約束!
STEP4:<まずは綺麗な海を堪能!>
目的地はコモドドラゴンの住む島「リンチャ(リンカ)島」と「コモド島」だが、
まずは楽しい船旅の始まりとして、海の透明度抜群の無人島「ケラー島」に立ち寄る。
恐ろしく透き通っている。
STEP5:<リンチャ島へ。コモドドラゴンと初対面!>
底まで透けて見える海を堪能した後は、
さぁようやく本題、コモドドラゴンの待つリンチャ島へ船をつける。
ガイドはニヤリとしながら、
「このあたりは、海水浴は禁止だよ。なぜなら“奴ら”は海も泳げるからね」と話す。
“奴ら”・・・?
そう、“奴ら”とは、まぎれもなく、コモドドラゴンのことである。
まさかの水陸両用だったとは!!どこまでも最強な生き物である。
リンチャ島では、
手付かずの豊かな自然の中で、コモドドラゴン以外にもたくさんの生き物が生息している。
コモドドラゴンと絶妙な距離を置きつつ、共存する仔牛たち
国立公園内では、常にレンジャーと呼ばれる護衛の青年が同行してくれる。
いつどこからコモドドラゴンが襲ってくるか分からないので、決してレンジャーのそばから離れてはいけない。
むかって一番左側の青年がレンジャーだ。
レンジャーとともに国立公園を歩き出すこと、約1分、
私の目の前に、ついにコモドドラゴンが現れた!
まるで置き物のように、びくともしない。
こいつが本当に、誰もが恐れるコモドドラゴンなのか・・・!?と疑ってしまう。
レンジャーの説明によると、
彼らは長距離走が苦手で、ある程度の距離があると狩猟をあきらめてしまうそうだ。
射程範囲に獲物が入り込んできたとき、
彼らは別人のように、いや、別トカゲのように豹変し、牙をむくという。
勝てない勝負はしたくない、こう見えて慎重派のコモドドラゴン
念願のツーショットも果たせた。
レンジャーさん、お疲れ様でした!ありがとう!
STEP6:<船の上で一晩過ごす>
リンチャ島ではコモドドラゴン20匹ほどと出会えた。
たくさん写真も撮れたことだし、大満足である。
次なるコモドスポット、「コモド島」に向けて、船はぐんぐん進む。
しかしコモド島までは少々距離があるため、船の上で1泊することになる。
夕暮れ時には、船の屋上で、船員たちがギターや歌を披露してくれた。
また、船内の小型キッチンで、朝・昼・晩、3食すべて船員たちが作ってくれるため、
食には何も不自由しなかった。
船の上でこんなに美味しい物を作れるなんて・・・、と感心した。
STEP7:<さぁ、ついにコモド島へ!・・・の前に、マンタ、見たくないですか?>
翌朝、船のモーター音で目が覚めた。
船の上で熟睡できるのか?と最初は不安だったが、いつのまにか爆睡していたようだった。
デッキに出ていくと、ガイドが「ここ、潜ってみな。マンタがいるよ」と、海底を指さす。
マンタに会いに行こうぜ!と陽気に誘ってくるガイド
あいにく、わたしはカナヅチなので、「ごめん、マンタは見たいけれど潜れないよ」と断ろうとしたが、
船員たちが、水かき(フィン)やゴーグル、ライフジャケットを用意してくれて、
なんだかもう潜らない訳にはいかない雰囲気であった。
結果として、マンタ4匹を目視することができ、最高の経験であった。
あいにく写真は無い。水中カメラを持っていけばよかったのだが。
何より、ライフジャケットの偉大さに感動した。
私のように泳ぎに自信の無い人も、是非ライフジャケットを装着して、マンタチャレンジしてほしい。
STEP8:<今度こそ、コモド島へ上陸!>
さあ、マンタにちょっと浮気もしたが、本命であるコモドドラゴンに話を戻す。
コモド島は、初日に訪問したリンチャ島よりも面積が広く、
また、リンチャ島よりも住んでいる人間の数が多い。
時々、お客様からリンチャ島とコモド島の違いについてご質問いただくが、
私個人の体感としては
リンチャ島・コモド島、両者ともに
コモドドラゴンに遭遇できる確率はほぼ変わらないし、レンジャーが付き添ってくれることも変わらない。
コモド島でも、リンチャ島同様、頼れるレンジャーが案内してくれる
ただし、より人間の生活感が感じられるのはコモド島、という印象を受けた。
そのため、お土産屋さんも充実していた。
可愛さよりもリアルさ重視のコモドグッズは、見ているだけでも楽しい。
木彫りのコモド、まるで本物みたい~!
STEP9:<そして1泊2日の船旅が終わる>
コモド島でもコモドドラゴンとの出会いを満喫し、船はふたたび、コモドクルーズの出発地点である「フローレス島・ラブアンバジョー港」へと戻っていく。
長いような短いような、あっという間の1泊2日であった。
船の上で寝泊まりしたことも人生初、コモドドラゴンと出会ったことも人生初。
マンタと海で対面したことも人生初。
ああ、そういえば、そもそもインドネシアという国自体、人生初の訪問であった。
たくさんの人生初を体験して、
コモドドラゴンに襲われることなく無事生還したわたしに、
フローレス島の美しい夕焼けが、おかえり、と言ってくれているようだった。
おすすめ度:
<リンチャ島:★★★★★>
自然も豊かで、コモドドラゴンもたくさん生息しています。大自然に生きるコモドを見たい、そこのあなた。行くしかない!
<コモド島:★★★★☆>
人間の暮らしとコモドの暮らしが重なり合う島。コモドグッズをお土産に選びたいあなた、リアルな木彫りコモドがおすすめです。
<コモドクルーズに使う船:★★★★★>
たったの1泊2日とはいえ、移動手段でもあり宿泊施設でもあり、とにかく旅の相棒として大活躍してくれる船。コモドクルーズの最後には、「この船ともお別れか・・」としみじみ、・・・あれれ?思わず涙が・・・!?
2019年2月 中村未来