カリブの国と言ってもこんなに違う ドミニカ共和国・セントマーチン・アンギラ・バハマ 4島5カ国周遊

カリブの国と言ってもこんなに違う ドミニカ共和国・セントマーチン・アンギラ・バハマ 4島5カ国周遊

カリブの国と言ってもこんなに違う ドミニカ共和国・セントマーチン・アンギラ・バハマ 4島5カ国周遊

さてクイズです。次の街や国はどこでしょう?

1、初めてアメリカ大陸でヨーロッパ人が入植した場所で、コロンブスによって発見されコロンブス一家により造られた歴史をもつ国。
2、カリブの島随一のグルメの街で、本場顔負けのフレンチレストランやブーランジェリーがある。
3、フォーシーズンズなどの超高級ホテルがある一方で、観光客が非常に少なく観光地されていない隠れ家的島。
4、実際にカリブの海賊の島として知られ、海外セレブ御用達のリゾート。

以上は全て今回訪れたカリブの島の国々についてです。これまで私が訪れたカリブの国といえばキューバやベリーズくらいでしたが、一口にカリブの島と言っても様々であることを実感しました。ヨーロッパの海外自治区のためその領主国の影響を受けやすかったり、カリブの国の中でもそれぞれ肌の色が違ったり、観光に重きをおく国がある一方で、税制で外貨を獲得しようとしている国もあったり、またはその両方を進めていたり、いなかったりなど。

そんなカリブの国々を私は12月前半に10日間かけて旅する機会を得ました。
カリブの島への旅行といえば、アメリカやプエルトリコから出発する大型クルーズが有名ですが、今回私は飛行機を使ってアイランドホッピングすることになりました。個人的には大型クルーズはアメリカ人客がメインで1週間近く一緒にいるので、英語がそこまで達者でない私からするとちょっと辛い。今回のように飛行機で移動してそれぞれの都市で気ままに行動する方が個人的にはあっているように思いました。

下記が私の10日間の行程。まだ知らぬカリブの国々への旅の一助になれば幸いです。

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1日目:成田ーダラスーマイアミーサントドミンゴ
2日目:サントドミンゴ1日観光
3日目:サントドミンゴーセントマーチン
4日目:セントマーチン(ダッチサイド)1日観光
5日目:セントマーチンーアンギラ アンギラ観光
6日目:アンギラーセントマーチンーマイアミーナッソー
7日目:セントマーチンのホテル視察
8日目:豚さんビーチは行けず、ダウンタウンを街歩き
9日目:ナッソーーマイアミーダラスー成田(10日目着)
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12月4日 成田ーダラスーマイアミーサントドミンゴ

【成田からサントドミンゴへ】
11:30に出発するダラス行きのアメリカン航空に乗るべく自宅を出発し、9時ごろに成田空港に到着。今年アメリカン航空を使うのは3回目。

最初に乗ったダラスの便はさほど混んでおらず、快適に過ごせた。12月初旬の火曜日の便だからだろうか、旅行に行く人はあまりいない時期なのだろう。機内食を食べて、見たかった映画を何本か見た。

ダラスに到着、いつものようにアメリカで入国審査を受けて、ダラス空港内をモノレールにて移動、マイアミ行きの搭乗ゲートへ。マイアミの搭乗まで2時間ほどあったので、メキシカンレストランで夕食をとった。夕食といってもアメリカの時間では午前9時くらいなので、夕食だか朝食だかわからなくなる。

ダラスからマイアミの飛行機はまるで国際線のように立派だった。席の前に大きなタッチスクリーンがあり、席の配列も成田と同じで2−4−2だった。しかも満席(日本人らしき人は0だった)。マイアミまでの機内では一度スナックと飲み物のサービスがあった(ちなみに帰りの便は3ー3の機材で、タッチスクリーンはなかったので便によって設備は違うようだ)。

マイアミに到着して、サントドミンゴ行きの飛行機に乗り換える。マイアミで約4時間乗り継ぎ時間を過ごしたのだが、お腹も空いていないのでレストランも行く理由もないし、空港内が寒いしで、マイアミ空港内の待ち時間が移動中一番しんどかった。

【サントドミンゴ到着】
マイアミからの出発便は搭乗時間が30分ほど遅れたがほぼ定刻に出発した。2時間ほどでサントドミンゴに到着。サントドミンゴの空港は思っていたよりも新しい。空港で配られた入国カードと税関申告書を記入して、「ドミニカ共和国住人」と「ビジター」の2レーンに分かれていたので「ビジター」の列に並ぶ。入館審査を厳しくないが、アメリカ同様なぜか指紋をとる。その後荷物をピックアップして税関申告へ並ぶ。食べ物を保持していたが、特に開けられることなく、通過できた。ゲートとくぐりドライバーと合流した。ドライバーは見事にスペイン語しか喋れず、英語で話しかけてもスペイン語で返してくるのであった。

空港から約30分後、この日のホテルである「オデルパ・カリべ・コロニアル」に到着してチェックイン。空港からの道は綺麗に舗装されており快適だった。

<Hodelpa Caribe Colonial オデルパ・カリべ・コロニアル>
オデルパ・カリべ・コロニアルはサントドミンゴ旧市街のど真ん中にある3つ星ホテルである。コロンブス広場まで徒歩2分、サントドミンゴ旧市街で最も賑やかなエル・コンデ通りまでも歩いてすぐの絶好のロケーションだ。ホテルは比較的新しく清潔。白を基調としたデザインもモダンで雰囲気が良い。室内はミニバー、セーフティーボックス、アイロン、コーヒーメーカー、無料のWIFI、エアコンなどがある。バスタブやスリッパはない。ホテル内には共有のテラスやジムもある。3つ星にしては質も申し分ない。観光目的でサクッと滞在したい方々にはこれ以上ない選択肢だ。

【夜のサントドミンゴを歩く】
夜もまだ10時半。10時半にしてはサントドミンゴの夜は思ってた以上に静か。出歩いている観光客はほぼいない。念のためにホテルのスタッフにこの辺りは安全だよねと確認したら、この辺はドミニカ共和国の中でも飛び抜けて安全だよ、とこと。じゃあ問題ないだろうということでホテルを飛び出して街に繰り出す。しばらく歩いていくがお店はほとんどやっていない。ここら辺一帯は観光地ではあるが観光客がほとんどいないのは、夜の飲み屋やレストランがないのと、観光地のライトアップなどもやっていないからだろうか。あてもなしに歩いていくと観光地から少し離れた場所に何件か飲み屋を発見。大音量で音楽が鳴り響いている。そこの辺にいるのは観光客というよりも地元の若者たちという感じ。
私も音楽につられてロックバーのようなところに入ってビールを注文。ドミニカンペソに両替をしていなかったので、USドルでも問題ないかを確認したらビール1本で4.5ドル、高い。しかもつり銭は誤魔化された。店員の中には日本に行ったことがある人がいたので軽く会話をして1時間ほど滞在し、ホテルに戻る。
本当は本場のメレンゲやバチャーダを聞きたかったのだが、それが叶わず残念だ。話を聞く限り金土日であればそう行った場所もあるようだが、平日の夜はなかなか難しいようだ。
これは私の予想だが、サントドミンゴのナイトライフが充実していないのは宿泊する観光客が格段に少ないからであろう。観光客はプンタカナなどに拠点をおいてサントドミンゴに遊びにくるので夜のサントドミンゴは寂しい感じになる。日本で例えていうと、京都や大阪に挟まれた奈良のような場所なのかも。

12月5日 サントドミンゴ1日観光

【サントドミンゴ1日観光】
9時前にホテルロビーに集合して、この日のガイドと合流。ドミニカ共和国の時間の感覚はかなりアバウトということを事前に読んでいたので、私よりもガイドが早めに来ていたのでビックリした。

<サンタ・マリア・ラ・メノール大聖堂>
最初に向かったのがカテドラル、サンタ・マリア・ラ・メノール大聖堂。
コロンブス広場のそばにあるサンタ・マリア・ラ・メノール大聖堂は、スペイン人が自分たちの権力を示すために「新大陸」に最初に建てたカテドラルとして知られている。
1510年にスペイン王の命を受け、建築家アロンソ・ロドリゲスが建設に着工したが、その後一時的に工事は中断。1519年、宣教師アレハンドロ・ジェラルディーニによって工事が再開され、完成したのは1540年。イスラム文化の影響を受けた細かな装飾が施されたゴシック様式と均衡を重要視したルネサンス様式をミックスした造り。1506年5月20日になくなったコロンブスの遺体は、彼の遺言に従ってこの大聖堂に安置されていたが、1992年に新大陸発見500年を記念して建てられたサントドミンゴ市内にある「エル・ファロ・ア・コロン」に棺は移された。
この大聖堂では入り口で英語のオーディオガイドが貸し出されているので個人でも観光しやすい。

<コロンブス広場の葉巻屋さん>
カテドラルを後にしてコロンブス広場の葉巻屋さんへ、ガイドさんにつられふらりと入ってみた
葉巻はキューバ発祥だが、「キューバ危機」によりアメリカとの国交をたったためキューバ産の葉巻はアメリカで販売されなくなった。そのため葉巻職人へ国外退去し、ドミニカ共和国やニカラグアにて葉巻ブランドが立ち上げられ、主にアメリカにて消費されることとなった。ブランド数は数多くあり、ヨーロッパでは販売されていない葉巻ブランドも複数存在する。

<オサマ砦>
1505年から1507年の間に総督のニコラス・デ・オバンドの名により造られた、サントドミンゴ を海賊から守るための要塞。防壁はオサマ川に沿って建てられて、内部には武器庫や砲台跡などがあり当時が偲ばれる。見張り台には上まで登れるようになっており、サントドミンゴの街並みを見下ろすことができる。砦を形成している石はライムストーンで、石の中にはサンゴや貝殻が見える。

<パンテオン>
旧市街で一番大きな公園・スペイン広場の近くにあるパンテオンはドミニカ共和国の歴代の総督や国民的な英雄が眠っている場所だ。元々は1714年にイエズス会の教会として建てられたものだったが1956年に霊廟として現在の姿に改築された。2時間おきに衛兵の交代式が行われている。

<ラス・カサス・レアレス博物館>
1492年から1821年まで歴代の総督が住んでいたとされる官邸で、現在は博物館となっている。天井にマホガニーを利用した石造りの堅牢な建物の内部にはコロンブスの自己筆の手紙、サンタ・マリア号など航海に使われた船のミニチュア、開拓史以前の出土品などドミニカ共和国の歴史を物語る資料や骨董品などが展示されている。英語のオーディオガイドあり。

<ドミニカ共和国人とは?>
博物館を後にして、ドミニカ共和国民族資料館に立ち寄りカーニバルのお面などを見せてもらう。その後、ガイドさんが「あまり観光客は訪れない場所だけど・・・」というかつて黒人街だった場所へ連れて行ってもらう。ドミニカ共和国はアフリカから奴隷が多く連れて来られた場所であった。ここのマーケットでは奴隷が売られて、ドミニカ共和国のサトウキビなどの産業を支えていった。
ドミニカ共和国に住んでいる人びとは所謂、黒人とは異なる。
WIKI調べでいうと割合は「ヨーロッパ系が16%、アフリカ系が11%、ムラートが73%」とされており、お肌が真っ黒な完全な黒人はほとんど見かけない。白人と黒人の混血であるムラートが最も多く、肌の色は褐色といっていいだろう。それが隣国ハイチとの大きな違いである(ハイチは約95%がアフリカ系)。ドミニカ共和国の人びとはハイチの人々よりも「より白い」ことに誇りを持っているようだ(確かに褐色の肌は健康的で男性は逞しく、女性はセクシーに見える。とはいってもドミニカ人の人々の平均的な体型はスレンダーというよりも少し丸っこい、つまり背がそこまで高くなく少し肥満がちの人が多いので愛嬌がある)。
ドミニカ共和国の人々の意識の中では「ほかのカリブの国とは違う、由緒ある国」というのが意識として少なからずあるのだろうか。コロンブスという見方によっては「カリブ海の歴史を踏みにじった忌まわしい侵略者」と捉えてもおかしくはない人物を「自分たちの偉大なる建国者」として街の中心に銅像や聖堂などを建ててしまうのだから。

<ラム酒博物館>
そんな複雑な感情を抱きつつ向かったのが旧市街にあるラム酒博物館。ドミニカ共和国の名産品であるラム酒工場跡をラム酒販売所兼博物館にした施設だ。この施設を運営しているのが「ロン・バルセロ」という老舗のラム酒メーカー。1瓶40USドルもする高級ラム酒もテイスティングでき、ラム酒のお土産も豊富に揃っているので是非訪れたい。

<琥珀博物館>
ドミニカ共和国はラリマールと並ぶ琥珀の世界的な産出地としても有名だ。ドミニカ共和国の琥珀は透明性が高いことと蛍光性を持つことで知られており、この施設はそのドミニカ共和国産の琥珀に加えて世界中から珍しい琥珀を集めた博物館で、映画「ジュラシック・パーク」の冒頭でも紹介された琥珀もここに展示されている。中でもこの博物館の目玉がブルーアンバーと呼ばれる、光に照らすと青色に発光する琥珀だ。世界広しといえどもこのブルーアンバーが産出するのはここドミニカ共和国のみだと言われている。

<昼食レストラン、BUCHE’ PERICOへ>
そして昼食のため「BUCHE’ PERICO」へ。12月ともいえども日差しが厳しい、サントドミンゴ。ようやく落ち着けたレストランは、熱帯雨林の中の中につくったようなエキゾチックでいて洗練された造り。食事はブッフェタイプで、サラダやパスタに肉料理など典型的なドミニカ共和国料理を楽しめるとあって店内は大賑わい。個人的にはよく冷えた瓶のコーラが飲み放題なのが嬉しい。しばらくするとローカルのダンサーがやってきて、レストランの中をバチャータで駆け巡った。

午後は旧市街から車で離れて観光。

<エスタディオ・キスケージャ Estadio Quisqueya>
まず向かったのがドミニカ共和国最大の野球スタジアム「エスタディオ・キスケージャ」。このスタジアムではサントドミンゴに拠点をおく「Tigres del Licey」と「Leones del Escogido」が本拠地を置く球場。12月はウインターシーズン真っ盛りだが時はお昼過ぎ。まだ観客の姿は見えなかったが球場周辺には各チームのグッズをうる売店が立ち並んでいる。私は見た目がカッコよかった「Tigres del Licey」のヘアバンドとキーホルダーを記念に購入して、売店のおばちゃんと一緒に写真をとった。
ドミニカ共和国といえば、ワールド・ベースボール・クラシックにおいて第3回目の2013年大会において優勝した超強豪国。その強さは折り紙付きだ。このドミニカ共和国にはメジャーリーグのみならず日本の広島カープも選手養成のためのアカデミーを置くというから、いかにこのドミニカ共和国出身選手達が優秀な選手の宝庫なのかがうかがえる。
実はこの日の夜、エスタディオ・キスケージャへ野球を見に行こうと思っていたのだがコロンブス公園近くにいたおじさんと少し仲良くなってのみに連れて行ってもらったので行けなかった。
現地旅行会社のスタッフに直接聞いたところ1時間くらいの観戦であればチケットと往復送迎込みで35USドルとのことなので、気になった方は是非足を運んで感想をお聞かせください。

ちなみになぜカリブの国で野球はなぜ人気があるのでしょうか?スペインからの支配を受け、現在もスペイン語が公用語である点からサッカー文化の方が根付きやすいと思うし、様々な道具を揃えなければならない野球と比べるとサッカーは手軽に始められる、現に南米のアルゼンチンやブラジルなんかは事実サッカーの人気が非常に高いし。カリブの国で野球が人気なのは、アメリカに地理的に近いのがやはり関係しているのでしょうか?野球選手になってアメリカの人気チームに移籍して、一旗あげてやろうみたいなアメリカンドリームを描いているのだろうか?しかしアメリカでは野球よりアメフトやバスケの方が人気高い訳なので、野球よりアメフトやバスケという選択をする人も増えてきておかしくないですよね。(以上、出口のない余談でした)

<ロス・トレス・オホス湖 Los Tress Ojos>
エスタディオ・キスケージャの後に向かったのがロス・トレス・オホス湖。サントドミンゴ旧市街から車で30分程度、「3つの目」を意味する地底湖。かつてスペインの征服者から逃れるためにインディヘナ達が隠れて住んでいた洞窟だそうだ。入場料を払い、ローカルガイドをつけて洞窟の長い階段を降りていく。地底湖の水は非常に澄んでおり、湖の底まで見通せるほど。かつては地元の人々が泳ぐレジャースポットだったが環境保全のためいまは遊泳は禁止されている。
2つ目の地底湖では筏でさらにその奥のエリアへ足が伸ばせ、現在そこに第4の湖もあるのだとか(筏の料金は一人10USドル)。

<コロンブス記念灯台 El Faro a Colon>
サントドミンゴ郊外に位置する全長200メートルの巨大な霊廟。コロンブスの死後、彼の遺言によって遺体はサントドミンゴ旧市街にあるサンタ・マリア・ラ・メノール大聖堂に安置されていたが、コロンブスが新大陸を発見した年である1542年から500年を記念して建造されたこの灯台に移された。毎年、「新大陸」を発見した10月12日はコロンブスの棺が開けられ一般公開されるという(本当か?)。夜にはライトアップが行われて空に巨大な十字架が浮かび上がるのだとか。

その後、旧市街に戻りお世話になったガイドとお別れ。ガイドと別れた後は旧市街のスーパーマーケットに行ったり地元のおじさん飲んで回ったりとサントドミンゴの街を楽しんだ。

【ドミニカ共和国・サントドミンゴを楽しむには?】
2泊してサントドミンゴの街を楽しんできたわけだが、これからサントドミンゴに行く方に向けてて、楽しんでほしいことベスト5を発表したい。

5位 人々とのふれあい・・・これまでカリブの国だとキューバも旅してきたが、キューバよりも旅行客が少なく、街中の人々も素朴な方が多い印象。ドミニカ共和国の人々は愛嬌たっぷりで写真も喜んでとってくれる。さすが陽気なカリビアン。

4位 野球観戦・・・ドミニカ共和国の国民的スポーツ、世界で最も野球がうまい人口が多い国で野球観戦をしたい。

3位 ラム酒と葉巻・・・カリブ海の国を代表する飲み物と言えばやはりラム、さらにアメリカでの消費量が最も多い葉巻と言えばドミニカ共和国産。ということでラム酒と葉巻でしっぽりするのが大人の過ごし方。

2位 ドミニカ共和国発祥の音楽・メレンゲやバチャータ・・・やはりカリブの国の代表的な楽しみと言えば音楽鑑賞。メレンゲやバチャータなど陽気な音楽を聴きながらトロピカルな雰囲気を満喫したい。

1位 アメリカ大陸で最初に造られたという中世の街並み・・・ドミニカ共和国がユニークなのは何と言ってもアメリカ大陸でも最も歴史ある街であること。そのため旧市街には当時のままの面影が残る街並みが広がっており、特にカテドラルなど当時の栄華を物語る建造物があちこちに建てられている。歴史の教科書でも馴染みあるコロンブスの辿った歴史をそのまま身体で感じることができるはず。

12月6日 サントドミンゴーセントマーチン

【セントマーチン行きの飛行機にチェックイン】
14:00出発の便に乗るべく、10:30にホテルをチェックアウトして、空港に向かう。11:00には空港に到着してしまうものの、未だ航空会社のカウンターは開いていない。
仕方なしに空港のファストフード店で時間をつぶす。サントドミンゴからセントマーチンへの直行便はWindward Islands Airways、通称WinAir。あまり聞いたことがない航空会社である。
2時間前にチェックインを終えて、出国審査。特にドミニカ共和国の出国審査は厳しくはない。
ボーディングの時間まで大人しくベンチに座って待つ。

【セントマーチン到着】
バスに揺られて乗った機体はWinAirのモノではなくて、機体にはバッチリ「air antilles」という別の航空会社の名前が入っていた。借りているのだろうか。
ボーディングパスには席番号が入っていたが乗務員がいうにはフリーシートらしく、好きなところに座って良いとのこと。私は進行方向左側の場所に座った。混み具合は5分の2程度、半分より気持ち少なめ。客はリゾート客というよりも、仕事や家族の関係で乗っている人が多いように見受けられる。
サントドミンゴからセントマーチンは飛行機で2時間。到着の時、観光客で賑わうマホビーチを見れるのではないかと思ったが進行方向左側の席からは観光客の姿は見えなかった。

【セントマーチン空港からホテルへ】
セントマーチン到着して空港の中へ。セントマーチンの空港は巨大なテントの中にあった。セントマーチンの空港ってアフリカの地方空港みたいな佇まいだな、と一寸思ったが、もしかしたら去年のハリケーン(IRMA)で空港建物が損害を受けてそのまま建物が復旧していないのかもしれない。
セントマーチン入国審査。入管の職員は白人のスタッフ、何と無くオランダ人ぽい。入国カードなど必要はない。ターンテーブルはなく、荷物は直にフロアに置かれていた。自分の荷物を見つけてテントの外へでる。テントの外にはいくつかのホテルの送迎スタッフとレンタカー会社のボードを掲げたスタッフがやってくる旅行者を待ち構えていた。私はタクシーを探していたが、タクシー乗り場などそれらしい場所が見つからなかった。
タクシーの看板があったのでそこにいる人に聞くと、そこのブルーのシャツを着た人に聞いてみな、というので言われたとおり道を挟んだ向かいのブルーのシャツのおじさんに尋ねてみた。

どこのホテルだ?と聞かれたのでDivi Little Bay Beachと答えた。そうすると乗り合いのバンを指さされ、これに乗れと言われた。タクシーじゃなくて乗り合いバスじゃん。この空港では、市内までの一般的な移動手段は乗り合いバスのようである。
空港からホテルのあるリトルベイまではおよそ10キロの道のりで、普通にゆけば15分程度の距離だが、16:30頃の市内行きの幹線道路は非常に混雑していた。これも推測になるがマホビーチの観光客がホテルへ一挙に戻るために発生した渋滞なのであろう。(あとから聞いてみるとマホビーチ付近に架けられている橋は船が通る度に開くため渋滞するらしい)
私がホテルに到着したのは結局18時前となった。

<ディヴィリトルベイビーチ Divi Little Bay Beach>
リトルベイのプライベートビーチに面するリゾートホテル。マホビーチへは車で20分程度、フィリップスバーグまでは車で5分程度の立地にある。周囲には海以外ないため、このホテル内にはちょっとしたカフェやスーパーマーケット、水着などを売る売店、さらにレストランもプールバーを除き3軒あり、基本的にはホテルを出なくとも事足りるような仕組みになっている。
客室は全ていくつかの棟に別れており、全て海側に向かって建てられている。私が宿泊したのは1ベットルームの家族向けの客室。室内には専用のキッチン、ダイニングルーム、バスルーム、ベッドルームと部屋の数だけでも4つ。一人で利用するにはもったいなすぎる広さ。長期滞在するにはぴったりだろう。高級過ぎないカジュアルな雰囲気のためか客層はカップルというよりも、欧米人の家族連れ、シニア、夫婦が多く見えた。

本当は歩いてフィリップスバーグのレストランで夕食でも食べようかとも思ったのだが、思ったよりも到着が遅れたため、すでに外は暗い。ホテル内の売店で簡単に済ませることにした。

12月7日 セントマーチン(ダッチサイド)1日観光

朝起きて朝食。昨日チェックインの時に「朝食のレストランはここだからね」とホテルの地図上に描かれた四角を指さされて言われたので、あー朝食入っていているんだ、と思い、海を見ながらの爽やかな朝食。残念ながら朝食は含まれておらず、ちゃんと注文したミネラルウォーター代金も込みで約25ドルだった。

朝食を食べた後は本日の計画を練って、午前中はマホビーチ、午後はセントマーチンのダッチサイド(オランダ側)の首都のフィリップスバーグに行くことにした。

【セントマーチンの代名詞、飛行機の着陸が間近で見られる大迫力のマホビーチへ】

まず一般的な旅行者が使うセントマーチン交通手段はタクシーか乗り合いバスに限られる。タクシーは場所にもよるがフィリップスバーグ付近から空港までだと通常1名20ドル。乗り合いバスであれば1〜2ドル。乗り合いバスはバス停でなくとも手を上げれば止まってくれるらしい。なので私はホテル入り口の道路に立ち、乗り合いバスが来るのを待った。しかし20分くらいしても一向にやってこない。もしかしたら乗り合いバスのルートからここは外れているのかもしれない。これ以上待っても乗り合いバスが来る確証がないので仕方なくホテルに戻り、タクシーを使うことにした。
マホビーチまでは車で15分程度。これまで写真や映像でマホビーチを幾度となく見たことがあったが想像していたよりもずっと小さかった。100メートルあるかないかくらいのビーチの両脇にはバーが2軒あるのみ。

そうこうしていると飛行機がやって来た。機体の音は近づくにつれて徐々に大きくなり、上空を通る過ぎる時にはつんざくような轟音へ変わる。そして飛行機はビーチのすぐに目の前の空港に着陸する。
なるほどこれがマホビーチか、しかし思ったよりも機体が小さかったからか写真や映像でみるよりも迫力はなかったかな、というのが第1印象。ジャンボジェット機狙いに絞って、その時までベストポジションを探しておこう、と思いマホビーチを一通り歩いてみた。

マホビーチの周辺にはいくつかのホテル(ソネスタ・マホ・ビーチは2軒とも2017年のハリケーンの影響で以2018年12月現在も依然として修復中)とそれに沿って宝石店や時計屋など高級ブティック、それにスポーツバーやレストランが数軒並んでいた。しかしホテルが修復中のためかホテルの周辺のお店にはあまり活気がなかったように見受けられた。

唯一人の行き来がみられたのはマホビーチそばのラウンドアバウトにあるスーパーマーケット。値段は観光客価格でなく、一般的な価格。スーパー内にはサンドイッチなどのランチにできそうなものも充実している。ビーチで飛行機を眺めながら日がな1日過ごしたい旅行客には非常に重宝するスーパーマーケットだろう。ちなみにスーパーでビール1本を買うと大体1.3ドル位だか、ビーチ沿いのバーで購入すると4ドルほどする。

スーパーでいくつか飲み物を購入して、ビーチ沿いのバーでビールを1本だけ買ってビーチを見渡せる角度の席に腰を落ち着かせる。あわよくばこことスーパーで購入したビールを飲みつつ午前中を過ごそうと考えていたが、途中でバーのスタッフが私に「ランチ時間で混んで来たら、場所を移動してもらいますからね」と言われる。同じことを考える人が多いのでしょう。
しばらくバーに陣取って写真をバシャバシャとっていると、良い写真を撮るコツのようなものにいくつか気づいたのでそれを伝授したい。

【インスタ映えするマホビーチでの撮影方法3か条】

1、常に連写
飛行機によって通り過ぎるスピードが違うのでよほどの反射神経がないと、ç。常に連写モードにしておこう。

2、広角レンズを使って近くで撮る
かなり離れたところだと望遠レンズの良さも生きてくるのだが、ビーチで撮影するのであれば飛行機が通り過ぎるであろう場所に近づいて広角レンズで撮りたい。広角レンズの特性で近くのものは大きく写り、遠くのものは小さく写る。ただしあまりに近づき過ぎると機体がレンズに収まらないのでカメラの画角に合わせてベストポジションを見つけよう。
ちなみにスマホのカメラも広角タイプなので近づいて撮ることで簡単に迫力ある写真や映像が撮れる。

3、大きい機体を狙う
マホビーチに到着する飛行機は9割がプロペラ付きの小型機。大きな機材を使っているのはデルタ航空やKLMオランダ航空、アメリカン航空、ジェットブルー。小型機と大型機の迫力は全く違う。これらの機体が上空からやって来ると、観光客のテンションもガンガンに上がって、まるでパーティー状態。なのでマホビーチでは大型機狙いでいきたい。ビーチ沿いのバー「SUNSET BAR & GRILL」の店頭に大型機のその日のスケジュールが確認できる。もしくはセントマーチンのプリンセス・ジュリアナ空港のホームページを予めチェックしておこう。

【乗り合いバスでダッチサイドの首都 フィリップスバーグへ】
結果、30度を超える炎天下の中カメラを構えて、朝10時から午後2時までマホビーチに4時間も滞在してしまった。でも面白かった。また明後日時間を見つけて行こう。
とりあえず大型機のフライトは一通り見られたので、午後はバスでダッチサイドの首都・フィリップスバーグへ向かう。

マホビーチのバス停はスーパーマーケットのあるラウンドアバウト。バス停らしき目印はない。タクシーの運転手にバス停どこかを聞いたら丁寧に教えてくれたのだ。

15分くらい待っているとフロントガラスに「Philipsburg」と書かれたバスがやって来た。皆バスに乗り込む。ちゃんとエアコンも効いていて涼しい。と言うかバスもタクシーもほとんどハイエースのような箱型のタクシーなので乗り心地は変わらない。

午後2時半くらいにマホビーチを出たが、昨日の到着時と同様フィリップスバーグ行きの道は大渋滞だった。

結果、渋滞がなければ20分くらいで到着できる道のりを1時間ほどかけてフィリップスバーグに到着。

【フィリップスバーグの街】
ダッチサイドの首都・フィリップスバーグはセントマーチン随一の賑わいを見せる街だ。
観光客向けとそうでない庶民のエリアがグラデーションを描きながら共存していると言う意味ではセントマーチンにおいては最も興味深いエリアと言っていいだろう。

ビーチサイドには海に沿って遊歩道が整備されており美しいグレート湾の景色を眺めながら食事をとれるバーやレストランが軒を連ねている。
ビーチサイドから一本通りを挟んだ目抜き通りにはカジノや宝石店・高級時計店・ブランド店が並ぶ。白を基調とした爽やかな南仏風の建物が多い。セントマーチンは無税のためかこういった高級ブティックがやたらに目につく。
さらにフィリップスバーグが面白いのはここから。さらに通りを一本挟むとグッとローカル感が強くなる。ビーチサイドや免税店の通りでは白人観光客や観光客相手のスーツを着たアフリカ系の人が多かったが、さらにビーチから離れた通りになると身なりもキレイでなく、独り言をボソボソ言っているようなちょっとどうかしているアフリカ系の人もいた。また住宅もポツポツと見られ散乱している生活ゴミなどと見るとこの国の貧富の差がありありと伝わって来るようだった。

セントマーチンにやって来る観光客のほぼ大多数がマホビーチと宿泊ホテル(もしくはフェリー)の単純な往復なので、観光客が普通に過ごしていればセントマーチンのローカルの部分を見ることはないがフィリップスバーグの裏路地はセントマーチンの本当の一面を見れたような気がした。

私はフィリップスバーグの街をぶらぶら歩き、途中カジノで足を休めた。「WIFI FREE」のシールが入り口に貼ってあったからだ。
入るときにセキュリティのおじさんに「写真はダメよ」と言われただけでショートパンツ、サンダル履きでも特に咎められることはなかった。私はまずカジノの様子を見ながらトイレで用を足した。気がついたのはカジノをしているのは旅行客ではなくどう見ても地元でたむろしているそこまで裕福には見えないアフリカ系のおじさんとおばさん。
観光客をターゲットにして出来たであろうカジノのメインの客層が地元民というのはちょっと笑えない話だ。

店内に座れそうな椅子とテーブルがあったのでそこに腰掛けようとしたが、すぐ近くにバーがあったので、ただで座らしてもらって悪いな、と思いビールを飲むことにした。一本いくら?と聞くとバーテンダーの女性は無料だよ、という、本当に?
ラスベガスのカジノに行ったとき、確かにアルコールは無料だと聞いた。つまりお客さんが気持ちよく酔って気を大きくしてもらうために・・・。ここセントマーチンも同じ方式をとっているのだろうか。
あまり裕福に見えないセントマーチンのおじさん・おばさんがギャンブルにのめり込み、アルコールで気を大きくして散財しないように願うばかりだった。

カジノを後にして私はフィリップスバーグから歩いてホテルへ戻ることにした。徒歩で約20分の距離だ。途中で、中華レストランに入って昼食兼夕食。
カリブ海を目の前にして食べる四川風麻婆豆腐は超絶美味だった。

【セントマーチンの食事事情】
ちなみにセントマーチンはカリブ海随一の美食の島として知られている、その理由はなんだろうか?
セントマーチンには120以上の国籍の人々が集う人種のるつぼ。オランダ領とフランス領を分け合う「フレンドリーアイランド」という愛称がある通り様々な人種が受けられている。
そのため食文化も非常に豊か。オランダ側はアメリカの影響が色濃く、カリビアン料理の他にハンバーガーやサンドイッチ店、さらにメキシカンにイタリアン、中華料理、インド料理もある。もちろん日本でもお馴染みのKFCやサブウェイなどのファストフード店も豊富。
一方フランス領には食に対して一家言あるフランス人達が住むエリアなだけあり、フランス料理店が多く本場よりもカジュアルにリーズナブルに、さらに新鮮な食材を生かした料理を堪能できる。高級フレンチだけでなく常に焼きたてのバケットを用意してくれている地元密着のブーランジェリーやエスプリの効いたパティスリーも数知れない。
こういったインターナショナルな刺激的な環境下で、さらに人口の割合に対してレストランの割合が非常に高いため、レベルの高い食文化が形成されているのである。

12月8日 セントマーチンーアンギラ アンギラ観光

朝9時にホテルをチェックアウトして、フランス領のマリゴのフェリーターミナルへ向かう。マリゴはフランス領の首都であり、イギリス領アンギラへ向かうフェリーターミナルがある街だ。マホビーチへ行ったときと同じくタクシー代金は20ドルだった。

オランダ領からフランス領へ通りすぎる時、特に国境らしきものがあるわけではない。しかし街中や店頭の看板には徐々にフランス語が目立ち始め、ああフランス領に来たのだなと感じた。
アンギラ行きのフェリーターミナルは街の中心に位置する。
本当は港の前のパン屋さんで美味しいフランスパンのサンドイッチでも食べてからフェリーに乗ろうと思っていたが、チケットを買ったら、もう出港だよ、とパスポートチェックのおじさんが言うのでフェリーに飛び乗った。

【マリゴ港からアンギラ島へのフェリー】
マリゴ港からアンギラへのフェリーの乗り方はさほど難しくない。まず「出国審査」としてパスポートチェックがある。パスポートにスタンプを押されるとフェリー乗船の際に係員に渡すカードも受け取る(おそらく出国審査済みと言うことを証明するためだと思われる)。
パスポートチェックが終わったら出国税として次のカウンターで5ドルを支払う。すると出国税のレシートのようなものを渡される。
その後、フェリーの出航まで待合室があるのでそこで待つ。フェリーが到着したら係員が呼び込みをするので、パスポートチェックの際に受け取ったカードとレシートの半券を渡して乗船。船はさほど大きくなく満席で60人乗れるかどうかの大きさ、フェリーというよりは大きめなモーターボートと言う感じだ。船賃の20ドルは移動中に船員のお姉さんが徴収したのでその場で支払う。特にレシートのようなものはくれなかった。
すごいスピードでモーターボートは飛ばす。船が波に揺られ大きく上下するので、ちょっと気持ち悪くなる。心配はそれよりもこんなボロ船が転覆しないかどうかだった、そこらの遊園地よりもある意味怖い。
無事20分かけた航海は終了、アンギラに到着。

【アンギラ島内の交通手段と日本の謎のシンガー&運転手と喧嘩】
アンギラの港の周辺は「アンギラの玄関口」と言うにはあまりに寂しいところだ。駐車場とレンタカー業者、スナックやTシャツやキーホルダーが買えるような売店が申し訳程度にあるくらい。

私はアンギラに訪れる前から決めかねている件があった。アンギラ島内の交通手段である。セントマーチンの情報はある程度事前に集まったのだが、アンギラに関してはあまり情報がない。事前にわかっていたことはレンタカーで移動することが一般的と言うことだ。しかし私は運転がそこまで得意でないし、一人で運転したくない、ただでさえ出所不明のボロボロの車なので途中エンストなど何かあったら心配だ。もし何かに乗るとしたら一番この状況にしっくりくるのはレンタバイクだろう。そこでレンタカー業者に聞いてみるとレンタカーは全て込みで55ドル、レンタバイクはあるにはあるが数が少なく45ドル、10ドルしか変わらないけどレンタバイクがいい?と言う。確かに10ドルしか変わらないなら車の方が楽かもしれない。ますます思い悩む結果となった。
そこで売店のWIFIを使ってこれから泊まるホテルについて調べてみた。宿泊ホテルでは無料で自転車を貸し出ししているようなので、少なくともサイクリングは楽しめそうだ。よし、とりあえずタクシー(料金18ドル)払ってホテルまで行って、ホテルで考えよう。サイクリングで問題なければそれでいいし、もしバイクや車が借りたくなったらそれはそれでホテルのスタッフに相談すればいいや。と言うわけで少し迷いはあったが港からホテルはタクシーで移動することにした。
事前に料金を聞いていたタクシーの運転手に、この日宿泊するCARIMER BEACH CLUBへ連れて行ってもらった。
タクシーの運転手の車はトヨタの中古車のミニバンだった。車内のカーナビシステムは壊れていたがハードディスクには前の持ち主が聞いていたであろう音楽データが残っており、なぜか日本から遠く離れたここアンギラで日本の歌を聞くことになった。歌手の名前はわからなかったが、どことなく90年代後期につくられた歌唱レベルが高いシンガーの作品で松田聖子を思わせたが、どれも知らない曲だったので松田聖子ではないと思う。運転手のおじさんに、いつもこれを聞くのか、と確認したところ、いつもじゃないけど時々聞くよ、彼女は非常に歌が上手いシンガーだ、と言う。数々の音楽の発祥の地であるカリブの島の市井の人で、しかも言葉の全く違う場所にも関わらずファンがいるなんて、この日本のシンガーがそれを聞いたらきっと喜ぶだろう。誰かはわからないのだが。
少し仲良くなってきたので、アンギラを移動するならやっぱりレンタカーがいいかな?と質問してみる。ドライバーのおじさんは、そりゃそうだ車がなければ始まらないよ。でも車の運転が得意じゃないんだ、バイクの方がいいかな。借りるならブラザーのバイクを貸すよ。へぇ、いくら?。電話するからちょっと待ってな。(電話を終えて)全部込み50ドルで貸すけどどう?(ブラザーにしては高いやん。でも、やっぱりバイク借りるならホテルで借りるよりも港から借りて行った方が明日ホテルから港へ戻る時もタクシー代金分安上がりだよな・・・と思い始めて)じゃあ借りるわ。
と言うことでタクシーは港へ戻り始めた。来た道戻る道すがら、運転手のおじさんが考えかねないよからぬこと頭をよぎったので聞いてみた「まさかこのタクシー代金18$はレンタバイク代金の55$に含まれているよね」。そうすると運転手のおじさんは堰を切ったように「ブラザーのビジネスはブラザーのビジネスだ。俺のビジネスとは関係ねえ!」と言う、つまり港からホテルへ3分ほど向かって引き返したタクシー代金は18ドルちゃっかり頂くつもりだったらしい。私は私で「そんなこと承知していない。だいたいまだ目的地についていないし、レンタバイク50ドルとタクシー代金を全額支払わないといけないなら最初から言うべきだ。もし納得いかないなら俺はバイクを借りない、18ドルでホテルへ向かってくれ」。
憮然とした様子でホテルに向かって戻るドライバー。「You’re not smart」だの「You bothering me」だの「Sorry to help you」など言ってくるのでこちらも気分が悪い。言い返そうかと考えたが、相手はよくわからないカリブ人。狭い車内の中、何をしでかすかわからないので無言の中ホテルへ向かって移動。
無言の空間が5分くらい続いた後、おじさんから日本は島が多いのか?と聞く。私は(なんだ藪から棒にと思ったが)島は多いよ、と言った。中国は近いか。中国はそこまで近くないかな、飛行機で4時間くらい、朝鮮は近いね、2時間くらいだね。朝鮮って北か南どっちだ。南だよ。実は兄弟が中国で買い付けの仕事をしているのさ。へえ。。。。と言うような会話がホテルに到着するまでの間続いた。
ホテルに到着したらドライバーのおじさんは「良い旅を!」「God bless you!」などと5分前と180度異なる態度になっていたので、きっとこのおじさんも言い過ぎたと思ったのであろう。でもたった5分前の悪い出来事もすぐに転換できるカリビアンの陽気さは私も含めて日本人は見習いたいところである。でもすぐに怒るのはもっと良くないけど。

<カリマービーチクラブ CARIMER BEACH CLUB>
フェリーターミナルから車で約13分。アンギラ島の北西部の位置するビーチ「Meads Bay」に面した中規模のリゾートホテル。ほぼオンザビーチのロケーションなので部屋から水着のまま飛び出したくなるほど。ホテルは庭園を中心にいくつかの棟に広がっており、ゲストルームの建物は2階建で1棟につき4部屋の造りとなっている。白を基調とした爽やかなデザインで統一。アンギラ島のターコイズブルーの海と美しく調和している。私が宿泊したのは2ベッドルームの家族向けの造り。セントマーチンのホテルもそうだったが、ここには1は当然ないとしても2名向けの部屋というのはないのだろうか?室内にはシャワールームが2つ、アイロンにセーフティーボックス、レンジやコーヒーメーカー等付きのキッチンがあった。無料のWIFIはあるが室内では繋がらなかった

ホテルには11時半くらいに到着した。部屋はいま掃除中なのでもう少し待ってね、と言うのでその間に昼食をいただく事にした。

【アンギラ島のランチ Blanchards Beach Shack】
オススメのレストランある?と聞いたところ隣の「Blanchards Beach Shack」が美味しいよ、という。隣のよしみで言ってるんじゃないの?と思ったが、このレストランがめちゃめちゃ大当たりだった。この旅で一番美味しかったかもしれない。
「Blanchards Beach Shack」には2つお店があるようで、一つは海の家的なハンバーガーなどファストフード系を出すビーチクラブ、もう一つはテーブルサービス付きのレストラン。お昼の時間帯なので、ビーチクラブで海を見ながらランチを食べた。食べたのは定員の女の子がお勧めしてくれたブルーチーズバーガーとマヒマヒのタコス。ブルーチーズバーガーは風味豊かなブルーチーズとカリカリのベーコン、さらにジューシーなハンバーグをふわふわのパンに挟んだ一品。マヒマヒのタコスは醤油風味のマヒマヒをメインにトッピングしたタコス、付け合わせとして最高だった。サイズも大きすぎず適度。またプライベートで訪れていたらきっとここにばかり通う事になったであろう。そのくらいナイスなレストランだった。

お腹を満たしところでホテルに戻ってチェックイン。その後、レンタバイクなどについていくつか質問した。レンタバイクは借りられるようだが、ホテルにデリバリーしてくれない、なので取りに行く必要がある。話を聞く限り歩いて20分とのことだったが、グーグルマップで調べると1時間かかる。これはグーグルマップの間違いなのか、それともこの受付のおばさんの間違いなのか?おそらく(というかほぼ間違いなく)後者だろう。あてずっぽうにもほどがあるぞ。ホテルからはレンタサイクルを借りてレンタバイクを取りに行く事にした。

【レンタバイクを借りて島内半周】
ホテルを出発して自転車で地図を見ながら約30分、ようやくレンタバイクのお店に到着。道すがら必死にペダルを漕ぎながら、どこが歩いて20分だよ!と頭の中で受付のおばさんをよぎったのは言うまでもない。

レンタバイクのお店では黒人の痩せた女性が対応してくれた。料金は50ドル、明日は休みだけど電話して貰えれば店を開けて引き取るからね。しかし一つ大事なものを忘れていた、日本の免許証が必要らしい、ホテルに置いてきてしまった。片道30分かけてまたホテルに戻りたくないなぁと話すと、この女性のご主人がそろそろ戻ってくるから時間が合えばホテルまで車で連れて行くよという。そこまで話しているとタイミングよくご主人が戻ってきた。ご主人はやせ型で腕にはびっちりタトゥー、顎髭を長く伸ばし先端をリングで束ねていた。私が察するにアンギラが気に入った西洋人が、現地の方と結婚してレンタバイクやバイクや自転車の販売店を立ち上げたのだろう。世の中には色々な人がいるものである。

親切にホテルまで送ってもらい、免許証をピックアップしてレンタバイクのお店に戻る。
レンタバイクの手続きとバイクの動かし方を教えてもらった後、島内ツーリングへ出発。

島内をバイクで爆走。車はさほど多くはないので気持ちいい。ただ所々舗装が剥げて、穴がボコボコ空いている道路もあるので、多少の注意は必要。島のドライバーはちゃんと方向の指示器も出すし、クラクションを出すタイミングも適切なので車のマナーはさほど悪くはないように見受けられた。
レンタバイク屋さんに教えてもらった景勝地「SANDY GROUND」にまず向かった。丘の上から三日月型のビーチが見えて大変美しい。その後も教えてもらった景勝地へ向かうも、日本みたいに看板が出ているわけでないので見つけられなかった。旅行者に対してそういう意味では不親切な島である、しかしながら自分だけの隠れたビーチやとっておきの風景を探すにはこれ以上ない島とも言える。観光が発展しすぎていないからこそ、楽しめることもあるのだ。
バイクに乗っているアジア人が珍しいらしく、色々な人に話しかけられたのが楽しかった。
約4時間かけて島の東側を一周してホテルに戻った。

【アンギラの魅力とは?】
たった1泊のみだったが、アンギラを楽しむことができた。アンギラの素晴らしさはまずは第1にその真っ白な砂浜と果てし無く広がるターコイズブルーの海。セントマーチンの海も大変美しいものだったがアンギラは観光客が少ない分さらに美しく、そして観光客でごった返すストレスが全くない。カリブの海が最も輝くベストシーズンでも、観光客が誰一人いないビーチを見つけることはここではさほど難しい事ではない。
またオンザビーチのラグジュアリーなホテルや気の利いたレストランがある一方で、そこまで観光地されていないのも大きな魅力であろう。情報が少ないため、旅行者達は地元の人々のアドバイスを頼りに美しいビーチや景勝地を探す事になるが、陽気でフレンドリーなアンギラの住人とのやりとりはきっと楽しいはず。アンギラでの滞在は誰しもが思い出に残る事になるだろう。
アンギラに来るのであれば必ず1泊することをお勧めする

12月9日 アンギラーセントマーチンーマイアミーナッソー

朝9時にホテルをチェックアウトしてバイクに乗ってレンタバイク屋さんに向かう。本当はレンタバイク屋さんにバイクを返した後は、お店に預けていた自転車でホテルに戻ってホテルからはタクシーを呼ぶつもりだったが、なぜかレンタバイク屋さんが気を利かせてホテルに自転車を戻してくれたので、私は全ての荷物を持ってバイクでレンタバイク屋さんに行く羽目になった。返却した後はレンタバイク屋さんにフェリーターミナルに送ってもらう事になった。

【アンギラ名物のバーベキュー】
これで楽しかったアンギラ島ともお別れだ。一つ心残りがあるとすればアンギラ名物のバーベキューを食べ損ねた事だ。昨日バイクで島内を走っているとたくさん目にしたのがバーベキューの屋台。一見するとお店のような佇まいのものもあれば、近所のおばさんが個人的に近所に振舞っているようにも見える。お腹が空いていなかったので昨日は食べ損ねたのだが、フェリーターミナルに行く道すがら見つけたら是非味わってみたいと思っていたが見つけることができなかった。
レンタバイクの女店主に聞くと、バーベキューの屋台はやはりお店でやっているとこともあれば個人でやっているものも多いのだとか。一人でバーベキューするのもアレだから、通りすがりの人に有料でバーベキューを販売しているらしい。値段は部位によってまちまちだがおおよそ一人分で10USドル。確かに少人数でバーベキューしても後片付けが大変だからどうせなら近所に有料で配って売りたいよね。とても理にかなった行動だと思う、日本では衛生的に無理そうだけど。

礼を言って、車を降りアンギラ島のフェリーターミナルにチェックイン。

【アンギラ島からマリゴ島へ】
アンギラのフェリーターミナルの待合室は簡易テント。アンギラ島に上陸した時に利用した建物は出発の時は利用していなかった。去年のハリケーン・イルマの影響でまだ完全に建物が復旧出来ていないのだろうか。港の建物のカウンターで出国税23US$を支払い(日帰りだと8US$)、フェリー代金として20US$を支払う。アンギラからセントマーチンへ向かう時のフェリー代金は前払い制(セントマーチンからアンギラへのフェリーは船中にて支払った)。
なおアンギラ出発のフェリーはフランス領のマリゴ行きと、オランダ領の空港そばの港行きがあるようだ。私はマリゴを観光するつもりだったので、マリゴ行きに飛び乗った。
マリゴ行きのフェリーはきた時に使った船と同じ、60人まで乗れる高速船。帰りも高速でぶっ飛ばして約20分でマリゴ港に到着。
アンギラでは到着時のイミグレーションはあったのに出国時はイミグレーションがなかったな。マリゴ港ではイミグレーションがありちゃんとスタンプも押してもらった。港の出口では何人かタクシーの客引きがいた。マリゴの街を観光した後はバスでマホビーチまで向かうつもりだが、もしバスがこなかったらタクシーを使う事にしよう。

【フランス領の首都・マリゴ】
セントマーチンのフランス領の首都・マリゴ。カラフルで可愛らしい街並みと港に停泊した真っ白なヨットが高級な南仏リゾートを思い起こさせる。オランダ領のフィリップスバーグはまさに免税店とカジノのための街だったが、それとはまた違った高級感と優雅さを感じる。マリゴ港から徒歩で10分くらい歩けばフランスの有名スーパーマーケット「モノプリ」もあった。
私は一通りぶらぶらした後、港の前のベーカリー「L’express by bacchus」にて昼食。1階がパン屋で2階がカフェテリアになっている。1階にはパンの他にスイーツなども売られており、オランダ領では目にすることもないだろう、フランスらしい職人技が光る凝ったスイーツが多数陳列されていた。2階では1階で販売しているパンやコーヒー・ジュースなどをテラス席で楽しめる。私は一番安い朝食のセットを注文した。バケットとマドレーヌ、コーヒーとオレンジジュースで9USドル。フレンチ領は基本的にユーロ払いが基本だがほとんどのお店ではUSドルでも支払いができる。お店によっては1US$=1ユーロというかなりお得なレートで換算してくれるところもあるようだ。フランスパンは本場さながら美味しい。流石にフランス領だけある。

【マリゴからマホビーチへ、出発時間までマホビーチのバーで過ごす】
パン屋さんでバス停の位置を聞きだしたので、マリゴからマホビーチはローカルバスを使っていこうと思う。しばらく待っているとバスが来たので私は運転手に、マホビーチへ行きたいんだけどこのバスは行きますか?と聞くと、ダイレクトじゃないけどいい?と言ったのでいいですよと言って乗る事にした。ダイレクトじゃないということはかなり遠回りして行くのかなと思っていたが、運転手はここで降りろという、なぜと聞くと、そこからマホビーチ行きのバスが出るから。なるほど乗り継ぎだったのか。言われた通りのバス停で待つとすぐにマホビーチ行きのバスがやって来たので飛び乗った。
マホビーチに到着。すでに写真と一昨日たっぷりとったので取る必要はないのだが、前よりもいい写真が取れるかもしれないという淡い期待を抱いてやって来たのだ。しかしこの日の空模様は曇りがち、この前とった写真の方が雲は少なくて爽やか。カリブの海って感じがするので、今日の写真はちょっとボツだな。天候ばかりはどうにもならないので、もしマホビーチで迫力ある写真を取りたいなら、何回か来た方がいい。天候によっても写真の見え方も違ってくるから。

【セントマーチンの空港 2018年12月現在】
マホビーチからセントマーチン空港へは歩いて10分くらいの距離なのだが、車の往来が多いためバスに乗って空港まで向かった。
空港は去年のハリケーン・イルマの影響で破壊され、現在は仮設テントで営業中だ。新空港を目下建設中のようで、仮設テントに貼られているポスターによると新空港はこれまでよりも「Bigger and Better」になる予定とのこと。
仮設テントではまずはパスポートチェックを受けて、荷物の重さを計測、その後各航空会社のカウンターに行ってチェックイン。チェックインを終えたら再度パスポートチェックとて荷物検査。そして出国手続きを受けて待合室へ。
当然ながらテントの中は搭乗客で溢れかえり、人口密度が高い。設備も最低限のものしかないため手続きに時間がかかる。結局空港に着いてから待合室に到着するまで2時間近くかかったのではなかろうか?ずっと立ちっぱなしだったので疲れた。

【ナッソー到着 荷物はスルー?】
セントマーチンを出発した飛行機はマイアミにて乗り継ぎを経てナッソーへ。
ここで一つ疑問が。マイアミで預けた荷物はそのままナッソーまで流れたのだ。
通常国際線同士の乗り継ぎの場合は、一回アメリカで税関を通るはずだ。セントマーチンからマイアミに到着した時もアメリカ入国手続きをとったので荷物は受け取るものだと思っていたがそうではないみたい。なぜだろう。とにかくアメリカ国内で乗り継ぎの時は荷物の受け取り場所をその都度確認した方が良さそうだ。

ナッソー到着。ナッソーでは入国カードを記入している必要がある。入管のスタッフに提出して入国。特に難しい質問はされなかった。そして荷物を受け取り、税関審査へ。税関審査の時も申告書を記入したのだがなぜだかそれは没収されなかった。

すでに深夜0時をまわっていたのでタクシーがすぐに見つかるか心配だったが、問題なくみつかった。料金は33ドル。空港から市内中心部のホテルまでは25分くらいなのに結構高い。
車内では007のサンダーボール作戦のDVDを見させられた。ショーン・コネリー時代の古い作品だ。なぜ007でサンダーボール作戦なのかは教えてくれなかったが、バハマが舞台なのだろう。しかし冒頭から25分のうちにはバハマらしい景色は一向に現れず、ホテルに到着。

<ブリティッシュ・コロニアル・ヒルトン・ナッソー British Colonial Hilton Nassau>
ナッソーのダウンタウンど真ん中に位置する格式高いホテル。ストローマーケットや高級ブランドショップが並ぶベイストリートに徒歩圏内。ホテル付近にはバス停やパラダイス・アイランド行きのフェリー乗り場もあるためアクティブに動き回るにも非常に便利だ。ダウンタウンのロケーションにも関わらずプライベートビーチを持つのものこのホテルの強み。リゾート気分を味わいながら街歩きを楽しみたい方にはうってつけのホテルと言ってもいいだろう。館内には中華料理店やスターバックス、日用品やスナックなどを購入できる売店もあるのが嬉しい。客室内はバスタブ、冷蔵庫、セーフティーボックス、コーヒーメーカー、無料のWIFI完備。

12月10日 セントマーチンのホテル視察

この日は朝9時半、現地旅行社のユリさんと待ち合わせして、ナッソーのホテルを視察する。まず向かったのは海外セレブも訪れるというバハマールのSLS。

<SLSバハマール>
バハマールは2017年末ケーブルビーチに開業した3つのホテル(グランドハイアット、SLSバハマール、ローズウッド)とコンベンションセンター、ショッピング街、カジノ、スパ、ジャック・ニコラウスが設計したゴルフコースなどを含む複合リゾート。ナッソーのホテルの代名詞とも言えるアトランティスと並ぶ巨大施設である。その中でも最もおすすめなのがSLS。SLSの親会社は元々レストランのマネージメント会社(sbe)で、そのお洒落でラグジュアリーな店舗設計とコンセプトに定評があり(そして派手なオープニングパーティーを開くことで知られている)、ナッソーの他にはビバリーヒルズやマイアミ、ラスベガスにもホテルを持っている。ホテル館内はまさに海外セレブの豪華リゾートといった趣き。実際オープンニングパーティーには映画スターや世界的なモデルを招待するという、かなり豪勢なものらしい。館内は明るいグレーを基調としながらも球体のシーリングライト、艶のある素材の椅子や曲線が印象的なテーブルなど、落ち着いた雰囲気ながらも遊び心の聞いたアイテムが散りばめられている。客室はまるで欧州の皇族のビーチサイドにある別荘を想起させるような爽やかで高級感のある、尚且つ可愛らしいデザイン。室内にはもちろん無料のWIFI、ドライヤー、セーフティーボックス、アイロン、ミニバーを完備。バスタブは一部の部屋のみとなっている。
もちろんバハマール全体の施設も利用可能なので屋外プールやプライベートビーチのみならずバハマで最も巨大なカジノなども利用可能だ。日本食レストラン「KATSUYA」、イタリアンレストラン「Fi’lia」などSLSの親会社がマネージメントしているレストランやバーを含めてバハマールには全24のレストランとバーが併設。流行に敏感な女性にぴったりなホテルなので、女性同士またはカップルなどで訪れてほしい。

<Breezes Resort ブリーズリゾート>
次に向かったのがバハマールの隣に位置する老舗のオールインクルーシヴ・リゾートホテル。風が通る抜ける開放感のあるロビーが印象的、館内はトロピカルな雰囲気満点で、陽気でフレンドリーなスタッフはリゾート気分をさらに盛り上げてくれる。全400室の室内は古さを感じるものの清潔に保たれており、セーフティーボックス、アイロン、冷蔵庫、無料のWIFIあり。バスタブはない。
しかしながらブリーズリゾートには広大なプライベートビーチやお洒落なピアノバー、カップル向けのプライベート感のあるレストラン、さらに日本食もあるアジアンレストランやナイトクラブまで備わっている。もちろんオールインクルーシヴのため日本食のアラカルトメニューを頼んでもナイトクラブで夜通し遊んでもお金はかからないのが良い。
また無料のアクティビティが非常に充実している。一例を挙げるだけでもセーリングレッスン、プールバレーボール、フラフープコンテスト、テニスレッスン、マジックショーなど。さらに毎晩ホテルのロビーではホテル従業員によるダンスショーやクイズ大会が行われており大盛り上がりだそうだ。アメリカの大学生のバケーションシーズンにもこのホテルは大人気とのこと。
比較的リーズナブルにオールインクルーシヴプランを楽しみたいグループの旅行にぴったり。なお14歳以上の子供でないと宿泊はできないので要注意。

【ナッソーのグルメを楽しむならアラワク・キーへ】
バハマに来たなら美味しいシーフードを味わいたい人々は多いはず。そんな方々にオススメしたいのはダウンタウンから徒歩圏内のアラワク・キー。アラワク・キーは元々埋立地だった場所であるが、「GOLDIES」という屋台がその日揚がったばかりのシーフード料理を出すことで人気を博した。その人気にあやかろうと同じシーフードの屋台は増え続けて一躍人気のスポットへ。今ではそれぞれがレストランを構えるほどとなった。「GOLDIES」は一番の老舗だけに観光客からの人気が高い一方、最近はその人気にあぐらを書いて味が落ちてきたとも言われている。その中でも現地旅行社のユリさんのオススメは「Twin Brothers」と「OH ANDROS」。「Twin Brothers」はカリブらしい可愛いデザインのレストラン、味も良い。「OH ANDROS」は味やサービスともレベルが高いが、店内がちょっと薄暗いのでパッと見、入りづらいかも。
私たちは「OH ANDROS」に入店して、コンクサラダとフライドスナッパー、飲み物はスカイジュースを注文。
コンクサラダはその名の通りたっぷりのコンク貝とオニオン、トマトなどの野菜をあえて、レモンをギュッと絞った暑い気候にぴったりなカリブ料理。チリソースもお好みに応じて。日本人にはあまり馴染みのないコンク貝だが癖がなく歯ごたえがあって美味しい。フライドスナッパーはタイに似た赤色の魚・スナッパーを丸ごとフライした料理。味わいもタイのようにホクホクした白身が特徴的。付け合せには焼き芋のようにほんのり甘い焼きバナナをチョイスした。スカイジュースは、飲むと「空に昇る気分」になれるからということで命名されたカクテル。ココナッツジュースとジンを半分ずつの量で割って練乳を加えた一品。アルコール度数がめちゃくちゃ高いのだが、甘さと練乳のまろやかさで見事にかき消されてしまい、すっきりした味わい。気付かないうちに飲みすぎてしまうので要注意。
私はコンクサラダに激辛のチリソースをかけて食べていたので口の辛さを抑えるためについついスカイジュースを口元へ運んでしまう。このコンビネーションはうまく出来ている。

<アトランティス ATLANTIS>
ナッソーを代表する宿泊施設、アトランティス。古代ギリシアの哲学者プラトンが著書の中で記述した「海に沈んだと言われる古代都市アトランティスが現代に蘇った」というコンセプトのテーマパーク型ホテル。幻想的な雰囲気に包まれたメインロビーでは巨大な水槽がお出迎え、我々を伝説の海底都市の世界へいざなってくれる。客室棟は大きく5つに分けられ予算や目的に応じて選択可能だ。全室スイート仕様の「THE COVE」、アパートメントタイプの「THE REEF」、メインビルディングの「THE ROYAL」、モデレートな「THE CORAL」、最もリーズナブルな「THE BEACH」。いずれの客室にも無料のWIFI、冷蔵庫、ドライヤー、バスタブなど完備。もちろんどのタワーに宿泊したとしてもアトランティス内の巨大ウォーターテーマパーク「アクアベンチャー」や館内の水族館「ザ・ディグ」に無料で入場可能(外部からのお客は有料となる)。もちろんホテル内にはスパにカジノ、ショッピング街、さらには21のレストランと19のバー・ラウンジが備わっている。特にカジノエリアにある日本料理店「ノブ」はバハマでの最もグレードの高いレストランの一つとしても知られており、常に予約でいっぱいの人気店。
ホテル滞在中はその壮大なスケールに子供だけでなく、大人までも現実を忘れて楽しめるはずだ。
なおアトランティスのそばにはマリーナビレッジと呼ばれるボードウォークがある。カラフルなビーチクラブ風の家々が立ち並ぶヴィレッジ内には約20店舗の土産物店やカフェ、レストラン、ブティックが営業している。ナッソーでクラフトビールを製造する醸造所の直営店「Pirate Republic Brewing」やアラワク・キーで人気のお店「Franky Gone Bananas」などバハマのグルメも充実しているのが嬉しい。ダウンタウンのお店は午後6時に閉まってしまうため、夜遅くまで営業しているお店が多いマリーナビレッジは夜になると観光客で大きな賑わいを見せる。

スケールの大きいアトランティスに圧倒され、次に向かったホテルはワーウィックへ。

<ワーウィック WARWICK>
世界的に展開するアメリカのホテルチェーン、ワーウィック。2016年末にパラダイス・アイランド内にオープンしたオールインクルーシヴ・ホテルだ。館内はモダンなデザイン、ロビーやバーに設置されたパックマンやピンボールなどのレトロゲームがいかにも今風でスタイリッシュだ。全245室を擁し、室内にはドライヤー、バスタブ、無料のWIFI、冷蔵庫、コーヒーメーカー、セーフティーボックスなどを完備。5軒あるレストランはピッツェリアからアラカルトのアジア料理店までバラエティ豊か。もちろんプールバーなども併設されておりアルコール各種無料。
プライベートビーチもあるがラグーンに位置しており、エリアは小さめ。どちらかというとリゾートよりも観光重視の若者同士やカップル向けのホテルだ。

<コンフォートスイート COMFORT SUITES>
最後に訪れたのはコンフォートスイート。アメリカにおけるコンフォートスイートはモーテルのような位置づけで、クオリティ的には決して高くないというイメージだが、ここナッソーにおけるコンフォートスイートは一味違う。
アトランティスの真隣に位置するアメリカ系チェーンホテル、コンフォートスイート。なんと言ってもここのウリはアトランティスの施設が、アトランティスに宿泊するのと同様に全て無料で使えること。アトランティスに泊まりたいけど希望の部屋が満室だったという場合や少しでも安くアトランティスを楽しみたいという方にはピッタリのホテル。客室は全223室。ダブルクイーンかキングサイズの2カテゴリーのシンプルな料金体系で、小さめな屋外プールの他に2つのレストランと2つのバーが併設されている。広めの客室にはセーフティーボックスや冷蔵庫、無料のWIFI、バスタブが備わっている。なお無料の朝食が含まれている。

以上、一通りホテルを見学させてもらった。これでバハマの主なホテルは制覇したと言っても過言ではないだろう。私が一番心惹かれたのはやはりアトランティスだ。ドバイで見たアトランティスも素晴らしいホテルだったが、ここナッソーのアトランティスはドバイのそれよりもさらに大きく、設備が充実しているように見え、それでいて従業員もフレンドリーで好感が持てる。さすが本場のアトランティスである。印象的だったのは子供向けかと思ったアクアベンチャーや水族館のザ・リッジが子供達よりも大人が楽しんでいる光景である。それはあまりにアトランティスの創り出す世界観が独創的で完成度が高いからであろう。例えていうならディズニーランドのアトラクションを巨大化したような、泊まること自体をエンターテインさせてくれる唯一無二のホテルだった。

12月11日 豚さんビーチは行けず、ダウンタウンを街歩き

実はこの日、豚さんビーチとして知られる、日本人の中でも人気急上昇中の「エグズーマ」に行く予定だった。前日の夜まで船は運行予定だったが、急遽ユリさんから深夜連絡があり風が強いためツアーは中止に。
うーん、残念。このためにバハマにきたと言っても過言ではないのに。バハマできっと豚さんビーチをメインで考えているお客様も多いはずだが、風が強くなると船が運航しない可能性があるので個人で申し込むのではなくちゃんと連絡が取れ信頼できるツアー会社に申し込むのはもとより、天候の安定しているシーズンを狙っていくのと少なくとも4泊以上はナッソーにステイしておきたい。

そんなわけで私はこの日急遽暇になったのでホテルで身体を休ませつつダウンタウンをうろうろした。
実は二日くらい前からお腹の具合が思わしくなかったので、豚さんビーチは行きたい気持ち70%・ホテルでゆっくりしたい気持ち30%だった。原因はセントマーチンのホテルで冷房が効きすぎている中で寝てしまったのと毎日動きすぎ&食べ過ぎだと思われる。カリブ海の国の施設はホテルに限らず冷房をガンガンにかけて冷やす傾向にあるので、皆様暑いカリブの国とは思わず必ず上着をお持ちください。

【徒歩で観光できるナッソーのダウンタウン】
ダウンタウンの中心となるのは高級ブランドや宝石店、土産物屋が並ぶベイストリート。ナッソーは旅行者に限り消費税は0%。お目当のブランド物があればかなりお買い得だ。その時はパスポートをお忘れなく。また土産物として一番人気なのはラムケーキ。カステラ風の焼き菓子にラム酒をふんだんに使ったラムケーキはちょっぴり大人の味。お酒のおつまみにもなるし、お茶請けとしても使えそうだ。アルコールを使用しているため賞味期限は1年近く持つ。中でも有名なお店はラム酒ブランド「Tortuga」製。一番小さなサイズで7ドル程度から。
Tシャツやキーホルダーなどバハマらしいお土産をお求めであれば巨大な市場「ストローマーケット」、バハマの食品や日用品をお求めであれば、ダウンタウン中心部、バーガーキングの向かいにあるスーパーマーケット「Bayside Food Store」が良いだろう。
観光については外観のみとなるがバハマの政府機関が集中するローソン・スクエア付近を見学しておきたい。コロニアルスタイルのガバメント・ハウスやパーラメントなど、バハマの政府機関の建物の色は全てピンクで統一されている。これは国の鳥であるフラミンゴの色から取られているそうだ。最も堅苦しいイメージのある「お役所」の建物を対極にある陽気なピンクに統一するとは日本では全く考えらないことだろう。いかにも陽気なカリブの国らしい楽しげなアイデアで私は好きだ。
その他「パイレーツ・オブ・ナッソー」という博物館もある。18世紀前半にはカリブの海賊が一時期このナッソーに2000人から3000人住んでいたという。そんなカリブの海賊たちの生活の実態を模型や人形などを使い再現した内容となっている。

12月12日 ナッソーーマイアミーダラスー成田

この日は朝6時半に出る飛行機に乗るために、朝4:30にホテルを出て空港へ向かう。
ユリさん曰く、バハマの出国審査の始まるのが朝5時半ごろになるそうなので空港には朝5時の到着を目指す。

事前にフロントにタクシーを電話で依頼したが、いつも入り口に待機しているから大丈夫との話だった。
ホテルをチェックアウトしてタクシーで一路空港へ。空港に到着しアメリカン航空にチェックインを済ませて、手荷物検査などの搭乗手続き。
バハマ空港内にはアメリカの入国審査場があるため、バハマに居ながらにしてアメリカ入国ができる。そのため乗り継ぎ地であるマイアミでは入国手続きどころか荷物の引き取りもない、成田までスルーで流れるということになる。

マイアミからダラスへ移動、そしてダラスでは約40分の非常に短い乗り継ぎ、しかも一番後ろの席だったので、乗務員にお願いしてビジネスクラスよりも優先して先頭で出してもらった(アメリカン航空のクルー、マジでありがとう!)。ダッシュして成田行きへ無事搭乗。なんと到着してから15分でCからDへのターミナルの移動含めて乗り継ぎできた。この記録はこれまでダラス空港ができてからもかなり早いのではないか。乗り継ぎがかなり短い場合は、ダメ元でもクルーに相談すべきだなというのが身に染みてわかった。

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以上、カリブ海の国々を訪れてきましたが、それぞれの国の事情や成り立ちがそれぞれあって大変興味深いものでした。
中でも観光地として成熟を感じたのがバハマ。ニューヨークから4時間程度ほどのロケーションから、アメリカ人の旅行客に最もメジャーなのでしょう。アメリカの入国手続きが空港内でできるというのも驚きでした。
バハマのようにまるでアメリカの一部のようにアメリカ人御用達リゾートになっている島もあれば、セントマーチンのフレンチサイドのようにあくまでも通貨はユーロで公用語はフランス語のままというアメリカに侵略されまい(?)とする島もあります。かといって英国領アンギラのように素晴らしく美しいビーチを持っているにもかかわらず、特に観光誘致に熱心ではない島もあります。
そして、カリブ海において最も「アフリカ」を感じたのがドミニカ共和国のサントドミンゴ。本文には記述していませんが、夜の街を探索しようと地元のタクシーに乗った時、車がオンボロ過ぎて、サイドミラーがもげてなかったことや夜のコロンブス公園にいた街娼のおばさんが印象的でした。またドミニカ共和国の人々はアメリカ大陸の最初に開発された街であることとそのセクシーな褐色の肌に他のどこのカリブの国よりも誇りを持っているように見受けられました。
それぞれ違った輝きを持つカリブの国、まだまだ探索し甲斐がありそうです。

(2018年12月 橋本 康弘)

<おすすめ度>
サントドミンゴ ★★★★ 「新大陸」にてヨーロッパ人による開発が始まった歴史的な場所。カリブの国の中では最も歴史深い場所。

セントマーチン ★★★★ やはりマホビーチでの飛行機の着陸は一度見ておきたい。フレンチサイドとダッチサイドの違いを比べるのも楽しい!

アンギラ ★★★★ カリブの隠れ家的島。豪華ホテルと洒落たレストランがある一方、ビーチの人口密度は以上に低い。のんびりしたいならココ。

バハマ ★★★★ バハマに来たなら他のカリブの島にはないアトランティスのようなテーマパーク型ホテルに滞在したい。そして豚さんビーチに行くなら前もって予約と余裕を持った行程を!


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