今回、フィンランド航空のお誘いでストックホルムとヘルシンキのファムツアーに参加させていただきました。実は2年前に同じフィンランド航空主催のファムに参加させていただき、そのときはヨエンスーやコリ国立公園を訪問してフィンランドの自然の美しさに魅了されました。また1ナイトストップオーバーでも十分楽しめるヘルシンキの魅力を知ることができ、非常に有意義な旅行となりました。
今回はヘルシンキと並ぶ人気都市・ストックホルムに訪問することが決まりました。
皆さんヘルシンキとストックホルムの大きな違いはなんだと思いますか?
またスウェーデンの魅力とはなんなのでしょう?
北欧都市ということで同じイメージで語られがちな2都市ですがどのように違うかを明確に答えられる人は多くはないのではないでしょうか。
このレポートでぜひストックホルム、ひいてはスウェーデンの魅力を伝えられればと思います。
今回の行程は以下の通りです。
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1日目:ストックホルム到着 ルーフトップツアーに参加
2日目:ストックホルム観光とシリアライン乗船
3日目:ヘルシンキ観光
4日目:プレゼンテーション後、空港へ ヘルシンキ出発
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フィンランド航空の皆様、およびストックホルム観光局、スウェーデン大使館のヨハンソンさん、シリアラインの杉浦様および現地のガイド、ホテル、ドライバーの皆様ありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。
1日目:ストックホルム到着 ルーフトップツアーに参加
朝8時成田に到着し、フィンランド航空にチェックイン。その後、顔合わせをすませ各自荷物検査と出国を経て機内へ。
●フィンランド航空
2018年の5月から1日2便へと増便したフィンランド航空。2年前にも乗せてもらったときにも感じたがグレーを基調にした青と白の配色が気持ちいい。機内が広々見えて、それでいて清潔感のあるシックな感じ。機内のオンデマンドモニターもタッチパネルの最新鋭。リモコンはなくとも感覚的に使える。もちろんスマホなど充電できるようにUSBの差込口もある。また機内のWIFIもエコノミー席の場合有料にて利用できる。
出発してしばらくするとエコノミーコンフォートの案内のアナウンスが流れる。搭乗中でも有料でその場で払えば席を移動可能だそうだ。後からフィンランド航空の方に確認すると、日本人のお客樣には往路よりも復路のアップグレードが好評のようだ。確かに復路は夜行便だし、ユーロも余っていたりするのでエコノミーの心づもりで乗っている往路よりも復路の方が利用価値高いよなーと納得。
●ヘルシンキ空港の乗り継ぎ
約10時間のフライトを経てヘルシンキ空港到着。空港での乗り継ぎは沢山経験してきたがヘ
ルシンキ空港での乗り継ぎは本当に楽。まずコンパクトなので乗り継ぎ時間が短く移動できる。そして日本からの到着する便に関しては各所に日本人のスタッフを配備している(フィンランド航空の方がいうには3人ほど日本語を話せる方がヘルシンキ空港に勤務している方がいらっしゃるのだとか)。さらに日本人・韓国人は無人の入管審査ゲートでシェンゲンに入国できるので有人の長い列に並ぶストレスが全くない。
そして最大限に嬉しいのはヘルシンキに乗り継ぎするだけでもフィンランドの空気を感じられること。つまりマリメッコやイッタラといったフィンランド土産をここで買えてしまい、尚且つ空港内なので免税手続きも楽チンなことこの上ない。
ストックホルムへの出発便までフィンランド航空の方と空港内のパブでビールを飲みながら出発まで待機。
●ストックホルム到着
ストックホルム行きに乗り込みものの1時間でストックホルム・アーランダ空港に到着。アーランダ空港ではすでにシェンジェン条約国への入国をすませているので荷物のピックアップのみ。
空港にてストックホルム 観光局のアンナさんと合流。空港外に停車したバスに乗り込み、ストックホルム 市内を目指す。市内までは約45分。
我々は今回チャーターのバスを利用したが、特に送迎のサービスを予約しなくとも空港には列車が乗り入れているし、中心部へのバスも運行しているので個人での移動もさほど苦労はないだろう。
なおストックホルムには空港が2つあり、我々が到着したアーランダ空港の他にブロンマ空港がある。アーランダ空港とブロンマ空港は東京に例えると成田と羽田の関係に例えられる。郊外の長距離路線メイン大型空港と短距離メインのローカル空港。ブロンマ空港の方が市内には近いそうだ。
●ストックホルムの宿泊
バスで向かったのはこの日の宿 <CLARION HOTEL AMARANTEN>。
ストックホルム中央駅の裏側にある4つ星ホテル。エントランスに入ってまず目に飛び込んでくるのが北欧らしい洗練されたデザイン。一同思わず「かっこいい」と感嘆の声をあげる。駅近くのビジネスホテルなのにこのデザイン性とエントランスを広々使った設計はさすが北欧という感じ。日本のビジネスホテルチェーンではありえないだろう。
室内もエントランス同様ハイセンスな作り。広さはあまりないが、北欧のデザインって部屋にいるだけで落ち着いて、まるで自分も洗練された人間のような気分にさせてくれるから不思議。
バスタブ・スリッパなどはなし。ミニバー・テレビ・無料のWIFIはある。
1階にはレストラン兼バー、ホテルの目の前にはスーパーマーケットがあり便利。
中央駅には歩いて約10分の距離。メインの公共交通機関は地下鉄とバス。グーグルマップを使って乗る便を確かめてから行こう。もしそれが面倒ならホテルからタクシーを呼ぶのもいいだろう。
●ストックホルムの新名物・ルーフトップツアー
ホテルを出発してタクシーで向かったのが旧市街の中心部であるガムラ・スタンのすぐ隣の島であるリッダーホルメン島。この島には住宅はなく、ストックホルムの中でも比較的歴史深い建物が残っている一角で、13世紀後半に建てられた歴代国王も眠るリッダーホルム教会が有名。
この島の中の由緒ある裁判所の上で行われるのが今回のルーフトップツアー。その名の通り屋根の上を歩くツアーである。
まず中央の広場でその日のガイドさんと合流して、簡単な説明を受ける。大まかには下記の3つ。
・歩きやすい靴で参加すること。
・ハーネスで身体をつけるので落ちないから安心なし。
・ものが落ちて地上にいる人に怪我をされる恐れがあるのでカメラは必ずストラップで首からかけておくこと。スマホは専用のビニールバッグを渡すのでそれに入れること。
建物の中に入り、エレベーターか階段で4階まで上がり、そこから屋上へ。
屋上にはハーネスや防寒具、レインコート、ヘルメットなどが沢山ストックされている。
ガイドが一人一人にハーネスをつけてくれて準備ができた人から屋上へ。
屋根の上は見事な景色。目の前には王宮や大聖堂、ドイツ教会などガムラ・スタンの旧市街の街並みが一望できる。そのさらに向こうにはテレビ塔までもハッキリと見える。18世紀以降、ストックホルムは戦争に巻き込まれることがなかったので歴史ある風景がそのまま残っているそうだ。振り返って後ろに目をやるとストックホルムで3番目に大きいというリッダー湾と港の風景が広がる。首都のど真ん中に関わらずこの豊かな自然。リッダー湾とそれを縁取るような緑の美しさを見ているとスウェーデンの人々の自然に対する愛着の深さを思い知った気になる。
ツアーでは全長300メートルほどの屋根の上に設置されたステンレス製の足場を歩く、手すりがあるのは最初の部分のみ、それ以外の部分は足場に並行して設置されたワイヤーにハーネスの輪っかを引っ掛ける。
時々ワイヤーがひっかかってうまく動けないことがあって焦ったが、それ以外は楽しんでストックホルムの景観を楽しんで歩くことができた。
14の島からできているストックホルムの特徴的な景観を楽しむにはうってつけのツアーである。
●Traditionにて夕食
ルーフトップツアーを楽しんだ後、そのまま歩いてガムラ・スタンのレストランへ。
この日の夕食は伝統的なスウェーデン料理をモダンにアレンジして提供してくれるレストラン「Tradition」へ。流石、ストックホルム観光局のアンナさんのチョイスのお店だけあって地元の人で大変賑わっている。
メインの料理はミートボールかタラのバター焼。ミートボールはIKEAなどでおなじみのスウェーデン定番料理で以前食べたこともあるので私はタラをチョイス。白身魚の日本人にも食べ慣れた味。バターの風味でお酒が進む。
夕食後はタクシーに乗ってホテルへ移動、その後有志だけでホテルのバーで一杯飲んで就寝。
2日目:ストックホルム観光とシリアライン乗船
朝8時半に宿泊したCLARION HOTEL AMARANTENの視察して、その後はストックホルムの市内観光へ。
●市庁舎
ストックホルム中央駅の西側に建つ、赤いレンガ造りのまるで宮殿のような中世風の建物。
1923年に約10年の歳月をかけて完成された。
市庁舎の中に入りまず向かったのが青の広間。この広間はノーベル賞の祝賀会場として使われているため、テレビでも目にしたことがある人も多いだろう。「青」とつくがレンガの赤色だけなのは、建設当時は青色に彩色される予定だったが、寒色の青より暖色の赤の方が寒い季節にはいいだろうということで、レンガ色そのままが残されることになったそうだ。
青の広間から階段を登って、結婚式の時に使われるという王の広間を抜けて、市議会室へ。バイキングの船の形をもした天井デザインをもち、今もストックホルムの市議会室として使われている。
最後は、市庁舎観光のハイライトとも言える黄金の間へ。黄金の間は1800万枚もの金箔のモザイクガラスを使用したという煌びやかな広間。ノーベル賞受賞パーティーの舞踏会広間としても使われている。
個人で訪れる際はガイド付きのツアーでしか参加できないので事前にホームページでツアーがいつ開始されるかを確認しておこう。なお日本語ガイドツアーはないため日本語で説明を聞きたい方は市庁舎の観光を含む日本語市内ツアーを予め予約するのがおすすめ。
●ガムラ・スタン
ストックホルムの発祥の地と呼ばれるエリア。「古い町」を意味し、13世紀ごろに街は形成されていったと言われている。昨日のルーフトップツアーの上空からの眺望だけでは気づかなかった、カラフルな街並みが地に足をつけて歩くと気づくはず。石畳の風情のある街並みもいい感じ。「魔女の宅急便」の舞台とも言われている通りまるで物語の中に入り込んだような気分になるはず。ガムラ・スタンにはリッダーホルム教会、大聖堂、ドイツ教会、王宮など見所が満載。夜は路地にオレンジ色の街灯が灯されとってもロマンチックな風景に。ぜひ時間をとってじっくりとそぞろ歩きを楽しみたいスポットである。
●ノーベル博物館
ノーベル賞の歴史の展示や映像を楽しめる博物館。1901年から現在までの受賞者を紹介するタッチパネル式のコンピューターや、ノーベル賞協会から候補者に受賞の連絡をした際の電話内容の音声なども聴けるなど大変興味深い展示。スマートフォンをお持ちであればQRコードから日本語のオーディオガイドを聞くことも可能。
なお館内のカフェではノーベル賞の晩餐会と同じデザートを味わうことができる。さらにカフェの椅子にノーベル賞受賞者の椅子が使われており、自分が座った椅子の裏側を調べるのも楽しい
またこちらのギフトショップにはノーベル賞のメダルを模したチョコレートが売られておりストックホルムの定番のお土産となっている。
●HOBOにて昼食
HOBOはストックホルムの新しいホテル。ホテル内にはセレクトショップ、レストランにルーフトップバーなど様々な人が集まる交流を目指すコンセプトの今時のホテルである。
我々はこのホテルの1階にあるレストランにてローストビーフをいただいた。
昨日のレストランやホテルにも言えることなのだが、スウェーデンのお店のデザインはスタイリッシュでモダン。「北欧デザイン」としてフィンランドもスウェーデンも一括りで語られてしまうが、フィンランドのデザインがマリメッコやアラビアなどほっこりするようなデザインが多いのとは対照的に、スウェーデンのデザインはかっこいい。それでいて無機質ではなく、どこか日常の暮らしをちょっと上品に、ちょっと優雅にするような気分をあげてくれるようなデザイン。日本人にもよく知られているブランド、イケアやH&Mなどをみればよく理解していただけるのではないだろうか。
●ヴァーサ号博物館
ストックホルム郊外にありながらストックホルムで最も入場者数が多いと言われているのがこのヴァーサ号博物館。その名の通りヴァーサ号を展示する博物館で、全長61m、高さ52.5mもの巨大な戦艦をはじめて目の当たりにした人は誰しもが驚くはず。
ヴァーサ号は現存する最古の完全な船として知られている。建造されたのが17世紀のスウェーデンが強大な力を誇っていた時代。1628年8月10日にドイツ三十年戦争に参加するために処女航海にでた。しかし出航からわずか20分後、突風により水深32mの海底に沈没。原因は重心のバランスの悪さ、砲台の数など様々な要因が考えられている。
そんなヴァーサ号が引き上げられたのは約300年後の1961年。海水と淡水の入り混じる港近くで沈没したことや水温が低いことが幸いし腐敗することもなく、ほぼ完全な形で残っている。
特に素晴らしいのが船尾の彫刻。細かい彫刻は当時金色に塗られた大変美しいものだったことがわかっている。
●シリアライン体験!
日本人のお客様にも大人気のシリアライン。ヘルシンキーストックホルムを一晩かけて移動する大型船だ。今回我々が乗船したのはシリアラインのセレナーデ号。
<乗船>
我々は16時前にストックホルムの郊外にあるバッタハムン港に到着。荷物をバスから取り出し、ターミナルの建物に移動しチケットを受け取る。このチケットには部屋番号から含まれている食事タイプ、WIFIのパスワードなど重要な情報が記載されているので無くさないように注意。
乗船時はこのチケットのバーコードにかざして改札を抜ける。スウェーデン出国というのに非常に簡単であっけない感じ。なお船に乗る前は記念写真を撮影するフォトブースがあり我々のテンションも上がる。なおこれらの写真は船内で張り出され後から20ユーロで購入することができる。
乗船後はチケットに記載のある部屋に各自チェックイン。
<室内>
今回、宿泊したのはプロムナード側に面したお部屋。こじんまりした部屋ではあるが寝るだけであれば十分な造り。私は1人で使ったので狭さは感じなかったが2名だとやはり狭さは感じることだろう。室内にはシャワーと洗面所、ドライヤーやタオルも完備。スリッパやテレビはない。冷蔵庫もないが、冷蔵庫のロッカーが船内にある(1回2ユーロ)のでもし食材や飲み物を冷やしておきたい場合は活用すると良い。なお無料のWIFIはあるものの制限がかかっており、利用者が多数いるとほとんど繋がらないのであまり期待しないほうが良い。
<買い物スポット>
吹抜けが印象的なプロムナードにはバーやレストランなどの飲食店や高級ブランド店がずらり。中でも嬉しいのがマリメッコやイッタラ、ムーミングッズが市内の販売店や空港の免税店よりも安く買えること。シリアラインだけでしか買えないマグカップやトートバッグなど限定品も取り揃えている。さらにプロムナードの下の階は免税店となっている。高級ブランドの化粧品や香水はもちろん、お酒も各種取り揃えており現地の人々にも大人気。中にはカートにビールのケースを山積みして買って帰る人もいるほど。
<食事>
事前に予約できるブッフェタイプのレストランやイタリアンレストラン。もちろん予約不要のシーフードレストラン、ハンバーガーにケバブ屋さんなどのファストフードからパブまで。飲食には困ることはなさそうだ。安くあげるなら免税店でビールをケース買いして仲間内でシェアするのも楽しいだろう。
<船内での過ごし方>
船内には1日では足りないほど施設が充実している。屋上デッキにはDJブース、さらにサウナにジャグジー、カジノ。夜にはダンサーやアーティストによる無料のエンターテイメントやショーが行われている。屋上のバーではカラオケやディスコもある。
小さなお子様連れでも安心。キッズルームはもちろん完備しているし、ムーミンのショーも子供に大人気。
最初はサウナに行こうかなと考えていたのだが、お酒が入ってくるとなんだかそれもめんどうくさくなって、夕食のあとは皆でカジノやエンターテイメントショーを楽しみながらお酒をかわし、カラオケバーで深夜までセレナーデ号の夜を楽しんだのだった。
3日目:ヘルシンキ観光
起床したのは朝7時、集合は朝10時なのでまだ早い、もっと寝られるぞーと思っていたらスウェーデンとフィンランドには1時間の時差があることに気づく。つまり現時点ですでに8時を回っていることになる。なんだか1時間損した気分。下船の準備をして決められた時間にデッキ集合。
こうして楽しかったシリアラインの1日は終了。
シリアラインは単なる移動手段というよりもそれ自体がショッピングセンターのようで、子供から大人まで楽しめるような仕掛けがいっぱい。一度では全て回りきれなかったのでまた乗ってみたい。
個人的には夜まで飲み明かすのも楽しいけど今思えば、早起きして船上から朝日をみればよかった。次回また乗るチャンスがあったらお酒もほどほどに朝のシリアラインも楽しみたいと思う。
10時にヘルシンキ・オリンピア港に到着したあとはトラムに乗り換えホテルに移動。
●ヘルシンキの宿泊
この日のホテルは<SCANDIC PARK HELSINKI>。
ヘルシンキ中央駅から北西に徒歩15分程度。トラム駅の目の前にある広い敷地を持った9階建ての4つ星ホテル。エントランスや室内はヘルシンキらしい無駄のないスタイリッシュなデザイン。日本人には嬉しいことに広々した室内にはバスタブを完備。そのほかにテレビはもちろん、ドライヤーやミニバー、セーフティボックス、無料のWIFIあり。スリッパはない。ホテル内にはジム、サウナやプールもある。
●マリメッコの聖地 本社内にあるアウトレットへ
ヘルシンキ中央駅の地下鉄に乗り約10分、ヘルットニエミ駅へ向かった。こちらに日本人に大人気のフィンランドブランドのマリメッコ本社内に併設されたアウトレットショップがある。駅から歩くこと徒歩10分。ここにアウトレットが本当にあるのか少し不安になってくるようなタイミングに看板が見えてくる。アウトレットショップにはアウトレット品はもちろん量り売りのマリメッコ柄の布も購入できる。また最新の商品も展示しているため、あらゆる商品を一度に見ることができるのが魅力。そしてアウトレットに劣らず人気なのがマリメッコ本社の社食。10ユーロ程度の料金でオールマリメッコの食器を使った体に優しいフィンランドの家庭料理を食べられる。
●お土産にピッタリ!フィンランド有名チョコレートブランド直営のカフェ
フィンランドのお土産として誰もが一度は目にするだろう1891年創業のフィンランドの老舗チョコレートメーカーFazer(ファッツェル)のチョコレート。小包装なのでバラマキ用の土産としても使い勝手がいいのが人気の秘訣。そんなファッツェルのカフェがヘルシンキ中心部にある。私たちはこちらのカフェでランチをいただいた。チョコレートのお店ではあるがパンやデザートにも定評があり、人が途絶えることがない。私が選んだのはおかわり自由の3種のスープを含んだランチバイキング。10ユーロで野菜たっぷりのスープがお腹いっぱい食べられるので大変おすすめ。
もちろんこちらのカフェではチョコレートも販売しているので大切な人へのプレゼントとして直営店で購入するのもいいだろう。
●ヘルシンキ大聖堂とウスペンスキ寺院
ヘルシンキに滞在するのはこれで2回目ではあるがやはりこれをみなければヘルシンキにきたという感じがしないので、今回も訪れたヘルシンキ大聖堂。白亜の建物が印象的なルーテル派の総本山。大聖堂の前の階段からはヘルシンキの街並みが楽しめる憩いの場になっている。
大聖堂からも見えるのが西ヨーロッパ最大級のロシア正教会。祭壇はとても荘厳な雰囲気。
●マーケット広場とオールドマーケット
港に面したエリアで日曜日を除き毎日開かれているのが青空市場。果物や野菜、獲れたての魚介類に加え、ハンドメイドの品やお土産物、さらには屋台のお店も軒をつられている。歩いているだけでも楽しくなってしまう場所。そんなマーケット広場近くにあるのがオールドマーケット。かつてはフィッシュマーケットとして使われた建物だが現在はシーフードの加工品を中心に日用品店やカフェなどが出店している。
●食事とサウナを楽しめる?! Neighbour Bistroでの夕食
一通りヘルシンキの滞在を楽しんだ後はホテルに戻り午後7時まで休憩。
7時にホテルフロントに集合して、今回の研修参加者全員集い、大型バスで夕食の会場であるNeighbour Bistroへ向かう。Neighbour Bistroはエテラ港に新たにできた話題のスポット。ヘルシンキ近郊で採れた食材を中心にフィンランドの家庭料理をモダンな形で提供してくれる。
このレストランの面白いところは1階にカフェ付きのサウナを併設しているところ。つまり食事の前でもあとでもサウナを楽しめるのだ。もしあなたが関わり始めたばかりの仕事のパートナーや気になっている異性がいたとして、ここで食事に誘ったらいいかもしれない。せっかくサウナがあることを口実にして一緒にサウナを楽しめば、まさに裸の付き合い。仲が一層深まること間違いなし(ちなみに男性用・女性用のサウナの他に水着着用の混浴のサウナもあります)。
我々はもちろん食事の後サウナに入った。体がポカポカあったかい。よく寝れそう。
4日目:プレゼンテーション後、空港へ ヘルシンキ出発
この日はプレゼンテーションの日。ヘルシンキからメガファムに参加した7チーム約70人がそれぞれの視察先を他のチームやフィンランド航空の本社スタッフにプレゼンテーションするというフィンランド航空お馴染みの企画だ。審査委員はフィンランド航空の本社スタッフ、会場は宿泊ホテルの会議室にて。
我がチームを代表するプレゼンテーションの発表者は、決して喋りが上手でない私になってしまい、僭越ながら皆様の前でストックホルムの紹介をさせていただいた。残念ながら優勝は逃してしまったが参加者一丸となって良いプレゼンテーションが作れたと思う。他の参加者の方々も大変完成度の高い内容ばかりで驚かせるばかり、2年前に参加した時よりも確実に全体のレベルが上がっているような気がした。
プレゼン企画の後はホテル内のランチ、そして大型バスで空港へ向かう。
空港に到着して、それぞれの参加者が東京・大阪・名古屋・福岡への帰路へつく。
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今回5日間のファムに参加してきて、今まで自分の中で不明瞭だったヘルシンキとストックホルムという2都市の違いというものがはっきりと理解出来た。
私なりにおおざっぱまとめると下記のように言えると思う
1、歴史・民族・経済
バイキングの王国として古い歴史あるスウェーデン。一方、かつてはソ連領で歴史に翻弄されてきたフィンランド。そのためフィンランド人はロシア系の人々やアジア系の人種が混じり、ゲルマン民族の背が高く美男美女の多いスウェーデン人の顔つきと比べると少しおっとりして親しみやすい顔つきの人が多い。
フィンランドは独立してから100年少しの新興国であるため、経済的にはスウェーデンの後塵を拝している。スウェーデンは車メーカーのボルボなどの世界的有名企業やスタートアップ企業が多いことでも知られている。音楽サブスクリプションの雄・スポティファイもスウェーデン発祥だ。
経済的な格差のためか、スウェーデンの街角の方がゴミがすくなく、ホームレスや汚い服装をした人達はヘルシンキほど見かけなかったような気がする。
2、街並みの違い
ヘルシンキとストックホルムに訪れたならすぐにわかるのが街の風景の違い。17世紀前後の歴史的な高層階建築が立ち並ぶストックホルム。特に古い建物が残るガムラ・スタンはカラフルで可愛らしい中世の街並みが残る大人気観光地だ。
一方で戦争に巻き込まれたため、ほとんど全ての建物が戦後20世紀に立てられたのがヘルシンキの街並み。またヘルシンキは建物の高さ制限を行っており、大聖堂よりも高い建物がないため空が広く開放感を感じられる。
3、デザインの違い
本文の中でも触れたが、スウェーデンとフィンランドのデザインは根本的に違う。
スウェーデンはエッジが効いているモダンでスタイリッシュデザイン。一言でいうと「かっこいい」のがスウェーデン。
それとは対照的にマリメッコやアラビアなど代表されるフィンランドデザインはどこか安心感のある「ほっこり」したデザイン。
スウェーデンの人々に言わせるとどこかフィンランドのデザインはよくいえばレトロ、悪く言えばおばさんくさい印象とのことで、日本人にも人気のマリメッコはスウェーデンではあまり着る人は見ないそうだ。
ざっくりとしたまとめ方になってしまったが、今回スウェーデン大使館の方とご一緒できて、詳しくスウェーデンについて話を聞くことができて本当にためになった。スウェーデン人の環境に対して、仕事について、子育てについて、税金について・・・など、ここには書ききれないほど様々な考え方が日本人だけでなくアメリカや西ヨーロッパの国々よりも先をいっていて「大人の考え方」を持った国だなと感じた。
世界の国々がスウェーデンのような考え方を持ったらよりよくなるのではないか、というのは考えすぎだろうか。
毎度フィンランド航空のファムは5日間というあっという間の時間にもかかわらず内容が充実していて、今回も大変勉強になった。フィンランド航空の皆様、特に木下様・北野様・永原様にはご迷惑をおかけした事もあるもののいつも気さくで場を盛り上げていただき、頭が下がるばかり。
お陰様で一層フィンランドが好きになり、さらにスウェーデンを知ることができて、ますます北
欧に魅了されるようになった。
非力ではあるがぜひこの魅力あるフィンランドを初めてとした北欧諸国の素晴らしさを日本人の皆様に伝えられるように尽力していきたい。
【スタッフおすすめ度】
ガムラ・スタン ★★★★★ 「魔女の宅急便」のモデルと言われるカラフルでキュートな街並み
ルーフトップツアー ★★★★ 人気急上昇のストックホルムの屋根歩きツアー まるでキキの気分
ヴァーサ号博物館 ★★★ 出港からわずか20分で沈没、ほぼ完全な形で保存されている巨大戦艦
ノーベル博物館 ★★★ ストックホルムの定番土産メダルチョコをGET&晩餐会のデザートをご賞味あれ
シリアライン ★★★★ 「海上のデパート」、またの名を「海を走る居酒屋」、とってもワクワクする豪華客船
(2018年6月 橋本 康弘)