ついに来た!教科書で見た!エジプトはあなたの期待を裏切らない!!

ついに来た!教科書で見た!エジプトはあなたの期待を裏切らない!!

最近ようやく日本人観光客が戻ってきた印象のある、エジプト。ファイブスタークラブにとっては大定番ともいえるが、実はまだ一度も行ったことがなかった。
やはりファイブスタークラブに長く働いていたら見に行かなければならないだろう!と今回選んだ訪問先がエジプトだ。

ギザのピラミッドでラクダ乗り

今回の日程は、イスタンブールとカイロで乗り継ぎ、ルクソール IN →アブシンベルへ砂漠を縦断→アスワン→アスワンから夜行列車でカイロという、ザ・定番中の定番の行程だ。
時間のかかる2回乗り継ぎを経て、ようやくルクソールに到着。まずはルクソールの町を散策してみようと、スークへ向かった。ものの5分歩いただけで、何人の人に話しかけられただろう…やれ馬車に乗れ、やれタクシーだ、ここのスークよりあっちのエジプシャンバザールの方が楽しいよ、あなたをさっきホテルで見た、1ダラー、チョットミルダケー・・・うるせー!と言いたくなるくらいに右から左から声がかかる。物売りはとにかく無視が一番。たまにいる外国人と話したいヤツはいいやつか否か、見極めが難しい。とにかく怪しい人にはついていかないこと。初日は時間もなかったのでスークをふらついて地元民と触れ合い翌日へ備えた。

賑やかなスーク


さぁ、ルクソールの観光だ!
エジプトはナイルの賜物といわれるが、エジプトの文化、歴史はナイル川が支えてきた。ナイル川を挟んで右側が生きる者の町、左側が死者の町とされている。勘のいい方ならお気づきかもしれないが、日の出が生、日の入りが死を表しているのだ。
ルクソールは古代エジプトが最も輝いていた時代の首都である。そのため、ルクソール周辺にはたくさんの見どころにあふれている。
ナイル川東岸は生者が祈る場所としてルクソール神殿、カルナック神殿が作られ、そして日の沈む西岸には王家の谷やハトシェプスト女王葬祭殿が作られた。
まず西岸、かの有名なツタンカーメン王の黄金のマスクが見つかった王家の谷から観光をスタート。王家の谷は前述の通り、ツタンカーメンをはじめ歴代のファラオが眠る谷だ。盗掘者を避けるため、ここではピラミッドのような目立つものではなく、地中にお墓を掘るスタイルとなっている。依然として発掘中の墓もあり、現在公開されているのは10数か所のみ。1枚のチケットで3枚の墓を見学することができるが、ツタンカーメン王の墓のみ別料金だ。教科書で見たヒエログリフや壁画を実際に目にしていることに感動!

ラムセス4世の墓ヒエログリフ

ラムセス4世の墓

ラムセス9世の墓

王家の谷


ハトシェプスト女王葬祭殿

エジプト発の女王ハトシェプスト女王のお墓は、没後、生前より不仲であったトトメス3世によってレリーフが破壊されている。せっかくの巨像や壁画が見るも無残に削り取られているのだ。どこかのお家騒動を見ているよう。古代エジプトの時代から人間の本質って変わらないんだなぁ。

メムノンの巨像は思ったより崩れていた

そして東岸の観光の目玉、カルナック神殿へ。

ラムセス2世の巨像

数あるエジプトの神殿のなかで最大規模なのが、カルナック神殿だ。私が一番印象に残ったのは、高さ23m、100本を超える大石柱。石柱にも壁にも壁画が彫られていて、その荘厳さに言葉を失う。まるで巨人に囲まれているかのようだ。

大石柱

カルナック神殿の壁画

オベリスク

ルクソール神殿

ルクソール神殿は、かつてその参道3㎞にわたって、ずらーっと羊の頭のスフィンクスが並んでいたそうだ。なんとルクソール神殿からカルナック神殿までスフィンクスは続いていたらしい。ただいま絶賛改修中。

スフィンクス

翌日はルクソールからアブシンベルまで更に車で南下する。約6時間の移動となるが、途中、ホルス神殿、コムオンボ神殿を経由。
ホルス神殿はハヤブサ(鷹の説もあり)を祭った神殿だ。
なので、このホルス神のレリーフがあちこちで見られる。

ホルス神

ホルス神殿はとても保存状態がよく、壁を掘って作ったレリーフもそれはそれは綺麗に見ることができる。ホルス神の活躍を今に伝えている。そして高さ36mの巨大な塔門は東岸を走る列車からも見ることができるのだとか。

ホルス神殿の塔門

コムオンボ神殿は規模こそ小さいが、変わった2重構造になっている。左側はワニの神様ソベク、右側はホルス神を祭っている。部屋や回廊、通路も2つずつあるのが特徴だ。

コムオンボ神殿

珍しい、医療器具をモチーフとしたレリーフ

長時間の移動の末、アブシンベルへ到着
アブシンベル神殿はアスワンにダムを建設する際、水没の運命にさらされた。しかし、エジプト政府の働きかけでユネスコが救済措置をとり、なんと神殿を60m上の丘に移動させたのである。この偉大な神殿と岩山をどうやって移動させたのかと、その技術にただただ驚くばかりである。

アブシンベル神殿

こんな巨大なもの、動かそうという発想がすごい!
そしてなにより、アブシンベル神殿がすごい!
知らなかったがこの4つの巨像はすべてラムセス2世の姿なのだそうだ。どんだけ自分の力を見せつけたいんだ!でもすごい!!左から2番目のラムセス2世は地震で崩れてしまったそうだ…
そしてこちらの小神殿は、ラムセス2世と彼の最愛の妃ネフェルタリが交互に並んでいる。

なんて自信家だったのだろう!しかも90何歳まで生きていたらしい。大往生なうえに、3300年後にも自分の功績を伝えるなんて計り知れない。

エジプトでは現在4か所で音と光のショーが行われているが、アブシンベル神殿のショーが一番評判がいいということで、私も見に行ってみた。日本語音声テープがあり、ラムセス2世の功績とこの遺跡の大移動について語られる。小神殿と大神殿をスクリーンにしたワイドでダイナミックなショーだ。神殿に当てられたライトがより一層、神殿を神秘的に魅せている。

アブシンベル音と光のショー

次の日は夜行列車に乗るため、また3時間かけてアスワンへ移動した。
途中延々と広がる砂漠・・・遠くに蜃気楼が見えるのがなんとも神秘的。

アブシンベル~アスワン間の砂漠

アスワンからカイロまで1,000㎞の道を12時間かけて列車で移動する。飛行機で飛んでしまえば1時間の距離だが、あえて寝台列車に挑戦してみた。何事も経験だ。
とはいえ20時の列車までだいぶ時間があるので、アスワンから日帰りでヌビア村へ行ってみた。ジェットボートに乗って約30分、まるでシャウエンの様に青い壁に囲まれたヌビア村に到着。ヌビア人が住むこの村は、家の壁を青で塗ったり、巡礼やヌビアの絵を壁に描いている、今流行りのインスタ映え間違いない!






かわいいヌビア村

なんともフォトジェニック。来てよかった~♪
そしていよいよ夜行列車に乗車!

寝台列車

寝台列車の夕食

ナイル特急は2名1室の個室で、室内に簡易的な洗面台もついている。折り畳み式の2段ベッドがあり、毛布も備え付けだ。
夕・朝食が提供されるが・・・とても粗末!アスワンの市内にはケンタッキーやマクドナルドなどがあるので、お腹が空いている人はあらかじめ何か持ち込むのが良いだろう。
また冬場はかなり冷える!私はインナーダウンを着て寝ていても寒さで何度も目が覚めてしまった。吐く息も白い。冬場は防寒具持参で乗車すべき。また布団もきれいとは言えない。ただ、明け方ナイル川沿いを走る車窓風景はやっぱり綺麗!ゆっくり車窓風景(明け方に限るが)を楽しみたい方にはお勧め。ただし、バックパッカーになった気持ちで臨まないと心折れるかもしれない。12時間と聞いていたものの、15時間後にようやく目的のカイロ・ギザ駅に到着した。やっと解放される~という思いで下車。ちなみに1車両に一人のコンダクターついており、事前に降りる駅を教えてくれるので乗り過ごしの心配はない。

さよならもう二度と乗らないよ、ナイル特急

今日はいよいよピラミッドとスフィンクス。
カイロの町を走っていたらいつの間にかピラミッドが見えてきた!で、で、でかい!(当たり前)

一段の石がこんなに大きい!

カフラー王のピラミッド

ラクダに乗って記念撮影

スフィンクス

なんでこんなおっきなお墓を作れたのだろう・・・
子供のころ、祖母と一緒に世界ふしぎ発見!を見るのが大好きだった。あの場所に今自分がいるということが本当に信じられないし、とてもうれしい。
楽しかったエジプト旅行もそろそろ終わりを告げようとしている。その前に是非考古学博物館を見なければ!世界三大博物館の一つとして知られているが、現在ギザ地区に日本の援助ですっごく大きな博物館を建設している。ゆくゆくはツタンカーメンの黄金のマスクや棺もこちらに移されるそうで、そうなると三大の1つは変わるのだろうか・・・とにかく日本が大きな支援をして大層立派な博物館は間もなく完成予定だ。

考古学博物館

あっという間に過ぎた8日間・・・。
子供のころから教科書や映画で見てきたものが本当に実在するということを当たり前だが目の当たりにして、感動という言葉では言い尽くせない経験になった。
行く先々では日本語の説明があり、それらはかつて日本人がたくさん来ていた事を偲ばせる。日本人が少なくなったと嘆くみやげ物屋の主人がいた。日本の協力で発掘が進んでいる遺跡も数多くある。こんなに魅力的な国なのに、まだまだ日本人が少ない!このジレンマ。でも実際に行ってみるとたくさんの旅行者であふれているし、ルクソールやアスワンなんて平和そのものだ。行く先々で中国語が飛び交っていたが、近い未来エジプトでもっとたくさんの日本語が聞ける日が来るよう、エジプトの楽しさ、すばらしさを伝えていきたいなと思った。

ハトシェプスト女王葬祭殿に来ていた若者たちと

ルクソール ★★★★★ まるで街全体が野外博物館!古代エジプトの全盛期の遺跡群
アスワン ★★★★ ファルーカが浮かぶナイル川が美しい。近郊のデイトリップも見どころたくさん
カイロ ★★★★★ 絶対に期待を裏切らない、教科書で見た世界
(2018年 1月 久保井奈々子)
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