2015夏ギリシャ観光産業の「底ヂカラ」を見た! 最っ高にきれいな景色と素っ敵なホテルとすっごくおいしい酒と料理

2015夏ギリシャ観光産業の「底ヂカラ」を見た! 最っ高にきれいな景色と素っ敵なホテルとすっごくおいしい酒と料理

<ザキントス島のシップレックビーチ>

ギリシャ経済破たんの危機が取り沙汰された今年の夏。これで、しばらくはギリシャを旅することはできなくなるのだろうかと嘆いておりました。が、しかし、アテネの現地旅行社に聞いてみると予想していた答えとは全く逆のものでした。「サントリーニ島のホテルは、相変わらず空きがなく困っている」と。そんな中、私のギリシャ視察が決まり、アテネ⇔サントリーニ島間のフライトの混み具合を調べたところ、かろうじて早朝か夜遅いフライトに空席があるだけという状況が9月末までずっと続いていました。一時的に銀行は閉まり、ATMから引き出せる金額が制限されていたというのに・・・。
しばらく、日本からのギリシャツアーの予約は減りました。しかしながら、ギリシャへの海外からの渡航者数は過去最高を記録する勢いだというニュースが現地で流れたそうです。恐るべしギリシャ観光産業の底力。


さて、今回の視察の最も大きなミッションは、ザキントス島のシップレックビーチの写真撮影にありました。
ザキントス島。ザ・キントス島ではありません。一気にザキントス島です。
ガイドブックでその景色を初めて見たとき、「うわっ」と思わず叫んだのですが、目に飛び込んでくるパーツすべてが美しい。
でもどうやって撮影したんだろう。
ガイドブックを閉じても、その景色は目の奥に張り付いたままでした。
実際、本物の景色を見たときの感想は、「来てよかったぁ~」
写真をご覧ください。何の説明もいりません。たっぷりとご覧ください。



<展望台から撮影>






<断崖絶壁から撮影>

ところで、この光景を見て、「あ~あれねっ」とか、「へ~ここかぁ」と思った方もいらっしゃるでしょう。そう、スタジオジブリの映画「紅の豚」のポルコの隠れ家のモデルになった場所のひとつと言われています。
私がこの場所に辿りついて初めてこの景色を見たとき、海の底に飛行機の黒い影が映っているように見えました。ポルコの真っ赤な飛行艇の影。でしょ?

<ポルコの赤い飛行艇の影?>

このビーチには、ボートに乗って海からアクセスする方法しかありません。ザキントス島のいろんなビーチからシップレックビーチへのボートツアーが出ています。また、ザキントス島のいたる場所に、波の浸食によってできた洞窟があり、光と碧い海の幻想的な世界「ブルーホール=青の洞窟」も楽しむことができます。
ところで、ビーチの真ん中に船が横たわっています。これは30年ほど前に難破して打ち上げられた密輸船です。それ以来、シップレックビーチと呼ばれるようになりました。難破船は、長い年月で朽ち果て瓦解寸前です。地元の人たちは、このビーチをナヴァギオビーチと呼んでいました。


<シップレックビーチの難破船>

一方、岸壁の上のビューポイントには小さな展望台があります。しかし、そこからでは身を乗り出してもビーチの全貌を眺めることができません。ビーチのほぼ対面まで岸壁が伸びているので、そこまで移動すると、全貌を見ることができます。でも、柵が何もないので、際まで行き過ぎると転落の危険が・・・。要注意です。私は、高所恐怖症なので先端の方までは行けず、途中で妥協し、震える手でレンズを望遠や広角に変えながら写真を撮り続けました。岸壁から完全に離れるまで心臓はドキドキ、めまいが止むことはありませんでした。他の観光客は、岸壁の縁まで行って景色を眺めたり写真撮ったり・・・。それを見ただけで、私はさらに心臓バクバク。お股が「ひゅん」となりました。


<怖いもの知らずの人たちです>

不思議なことに、こんな絶景が見れる、このビューポイントには、大型のツアーバスは入れません。禁止されているのです。十分なスペースがあるにもかかわらずです。小型専用車かタクシーをチャーターすることになります。私は、近くのヴォリメス村に住むタクシードライバーのおじさんに連れてきてもらいました。途中、「あれが俺の家だ」と指さした家は、白い壁と青い窓枠の大きな家でした。村を行きかう人全員に、運転しながら挨拶する、陽気で愉快なおじさんでした。

<タクシーのおじさん>

私「なぜ大型バスが入れないのですか?」
おじさん「わからない」
ホテルに戻ってフロントで聞いてみると「道路が狭いからですよ」
アテネに戻って現地旅行社のスタッフに聞いてみると「イギリス政府の要請って聞いています」
ちゃんと、事情を知っている人を見つけることはできませんでした。
私がこの場所を訪れたのは午後4時頃です。そのため、太陽の光が向こう側の岸壁に遮られ影ができています。もし、午前中に来ていたら、手前の岸壁で遮られ影ができます。だから、12時頃にくると影のないビーチの景色を撮影することができるでしょう。また、西側を向いているので、夕日とビーチの撮影も可能です。車をチャーターする時間を選んで撮影を楽しむことができます。広角や、望遠レンズもあった方がよいと思います。
次の日、シップレックビーチへのボートツアーに参加しました。今度は、ビーチから岸壁を見上げる景色を見ます。参加したツアーは海賊船をモチーフにしたヨットでシップレックビーチと青の洞窟(ブルーケーブ)を訪れます。

<乗客を出迎える海賊>

<海賊船には大砲が>

途中のビーチで休憩がてらスイミングタイムがあります。10月中は泳げるそうですが、元々、水温は低いので覚悟は必要です。泳ぐつもりはなかったので水着を持っていきませんでしたが、シップレックビーチには桟橋はないので、碧く透明な海に入ってから歩いて上陸します。だから、少なからず服は濡れます。またあの美しい景色をゆっくり見られるので楽しみにしていました。しかし、残念ながら風が強く波が荒かったので、青の洞窟に近づけず、また、シップレックビーチに上陸することはできませんでした。残念。でも、快晴の中、クルーズすることができたので、良しとしましょう。船内には売店があり、ビール、ワインはじめ飲み物、サンドイッチなどいろんなものが売られていました。







<ブルーケーブやシップレックビーチに到着したが波が荒い>



<スイミングタイム>

ブルーケーブには行けませんでしたが、別の日、ザキントス島の西側にある、ポルト・ヴロミの青の洞窟を見学することができました。ツアーでは、小さなボートで洞窟の中に入ります。また別に、小さな手漕ぎボートのレンタルもあって自由に洞窟に入ることができ、洞窟の中で泳ぐことができます。





<ポルト・ヴロミの青の洞窟ツアー>

おまけで、ザキントス島から高速フェリーを使ったケファロニア島バスツアーにも参加しました。ザキントス島から2時間くらいで到着するイオニア海最大の島です。ザキントス島をさらに田舎にした雰囲気で、のんびり過ごせます。ケファロニア島の見どころのひとつに「メリッサニ洞窟」があります。ここは、海の青の洞窟とは違い、淡水と海水が混じり合った地底湖です。ここも太陽の光が差し込みどこまでも澄みきったターコイズブルーの水面が幻想的な空間を造りだすケファロニア島一番人気の場所です。

<ケファロニア島ツアーの高速フェリー>






<メリッサニ洞窟ツアー>

ザキントス島もケファロニア島も、自然豊かなグルメの島です。オリーブやピスタチオ栽培はもちろんのこと、漁業、畜産、農業、そしてワイン醸造も盛んで、新鮮な食材を使った、おいしいお料理とワインを楽しめます。ギリシャの料理は酒の肴になる料理が多いよう思いました。思わずビールやワインがすすみます。新鮮な魚は、店頭の冷蔵庫の中から選べる店もあり、調理方法もグリルかフライか、シンプルな塩味か、トマトソースの煮込みかなど、メニューにこだわらず、いろんな注文を聞いてくれます。初めてランチを食べる時、「グリークサンドウィッチ」の文字に目が留まり注文し、日本では不足がちの野菜も食べなきゃということで、思わずグリークサラダを注文しました。ギリシャ名物のヤギ乳で作ったチーズがボンッとサラダの上に乗っているやつです。胃にやさしくヘルシーでおいしくいただきましたが、グリークサラダをパンに挟んだものがグリークサンドウィッチなので、最後はちょっと飽きてしまいました。日本で言うと、きつねうどんといなり寿司をセットで注文したようなものですね。
ロブスターなどの豪華な食材じゃなくても、心の底から満足できる充実したひとときを過ごせます。

<グリークサラダとグリークサンドウィッチ>

<マッスルのグリル>

<玉ねぎとコリアンダーのサラダ>

<わかさぎに似た揚げアセリーナ>

<夏の定番トマト料理のゲミスタ>

<おなじみオイルサーディンのビネガー漬け>

<新鮮いわしのグリル>

<新鮮たこのから揚げ>

ザキントス島や、ケファロニア島は、イギリスを中心にヨーロッパからの観光客が多く、人気の観光地となっています。特にザキントス島には、オンシーズンの期間限定で、ロンドンなど主要ヨーロッパ都市から直行便が飛んでいます。びっくりです。美しいビーチもいたることころにありますが、豪華ホテルと言えるほどのホテルはありません。サントリーニ島やミコノス島の魅力のひとつである、どこまでも贅をつくした豪華なホテルに泊まるのとは対照的で、のどかでゆったりとした素朴な雰囲気が味わえることが観光客から支持される理由なのではないかと思います。

<ザキントスタウンの夜明け>

<ロンドンに帰るチェックイン待ちの大行列>

もうひとつ楽しみにしていたのが、エーゲ海1DAYクルーズでした。エーゲ 海のクルーズと言えば、一般的には短くても3泊4日。長くなると1週間前後です。そんなクルーズを手軽に1DAYで体験するのでエーゲ海ミニクルーズ(現在の名称はエーゲ海1DAYクルーズ)と呼ばれていました。

<クルーズの船内>


<ダンス教室>

<ビュッフェランチ>

でも、ミニとは言っても所要時間約14時間の長時間のツアーです。朝、7時30分に決められた集合場所に集合し、戻ってくるのは夜9時頃です。クルーズは、アテネから車で30分くらい離れたピレウス港を08:30に出発し、イドラ島、ポロス島、エギナ島の3つの島々を巡ります。ピレウス港からイドラ島まで約3時間、ポロス島まで約2時間。この間に船内で品数豊富なビュッフェスタイルのランチ。(飲み物は別料金)エギナ島まで約2時間。あとは各島での滞在時間です。最初に訪れるイドラ島での滞在時間が一番長くなります。3つの島の中で最も華やかで一番人気の島です。

<イドラ島に到着>

<再乗船の時間をはっきり知らせてくれる>



<絵になる町並み>


<アクセサリーショップを営むカロリーナさんは関西弁を話します>

最後に訪れるエギナ島では、希望者に季節ごとに2つのオプショナルツアーが用意されています。私が参加したのは歴史散歩コースで、アフェア神殿と聖ネクタリオス修道院をみました。なかなか見応えがありました。お申し込みは船内でどうぞ。移動中の船内では、ギリシャ伝統舞踊のスィルタキダンス講習会や歌と踊りのショーが催され、乗客を飽きさせないよう工夫されています。船は客席階、食堂・ラウンジ階、デッキ階の3層の造りになっています。一応外洋なので、風が強い日は多少揺れます。乗り物酔いが心配な方は、酔い止め薬を持っておきましょう。
この日もクルーズ日和の快晴でした。爽やかな海風にあたり景色を見ながらビールを飲んだり(最高ですよ!)、ギリシャ伝統楽器、ブズーキの演奏を聴いたり、客室でうたた寝をしたり、のんびり気ままに過ごせました。

<エギナ島のアフェア神殿>

<聖ネクタリオス修道院>

<ブズーキの演奏>

ギリシャは晴天率が高い国だと言われています。私のギリシャ滞在の7日間で雨が降ったのは、たった1日だけ。他の日は、快晴または、晴れ時々くもり。確かに晴天率は高かったです。雨の日はパルテノン神殿や古代アゴラを観光していました。アテネの街の中心
地の中の中心にありますので、地下鉄を使っても、徒歩のみでも簡単に観光が可能です。
9月末だったので夏のピークは過ぎてはいましたが、どこへ行っても観光客でいっぱい。サントリーニ島でもメインストリートは多くの観光客が行き交い、活気に溢れていました。いくつかのホテルに見学希望を伝えていたものの、ほぼすべての部屋が予約済みで、部屋の中を見られたのはごくわずかでした。


<ゴージャス感が溢れ出るサントリーニの豪華ホテル>

<イア(サントリーニ島)のメインストリート>

<大規模修復中のパルテノン神殿>

<古代アゴラのテセウス神殿>

ギリシャの観光産業は、経済危機の国にありながらも大盛況でした。

<韓国人経営の韓国料理店>

最後に・・・。ギリシャ料理はおいしかったものの、アジアの味がどうしても恋しくなります。そんな時は、アテネのプラカ地区に行きましょう。そこにはいろんな国のレストランがあります。私は、韓国料理レストランに行って、シーフードプルコギ、キムチチゲを
いただきました。落ち着きました。
おススメスポット
・シップレックビーチ  ★★★★★
息をのむ美しさです!
・ギリシャ料理  ★★★★★
肉料理も充実していますし、特にシーフードが日本人の口に合います。
・ギリシャのお酒   ★★★★★
ワインの産地なので種類もたくさん。ビールも旨い!
・各種洞窟ツアー  ★★★★★
透き通ったブルーの海が綺麗
・エーゲ海1デイクルーズ ★★★★★
朝から晩まで1日たっぷり楽しめる
(2015年10月 森 裕)
このエリアへのツアーはこちら

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