2017年社員旅行!歴史・宗教・民族のはざまに揺れるイスラエル&パレスチナを訪問!

2017年社員旅行!歴史・宗教・民族のはざまに揺れるイスラエル&パレスチナを訪問!

2017年11月3日~9日、社員旅行に行って参りました。
行き先はイスラエル&パレスチナ。中近東です。
A班とB班の二手に分かれて行って参りましたが、こちらはB班の旅行記となります。
既にA班の旅行記が更新されていますが、イスラエル&パレスチナの詳しい歴史については是非そちらをご覧ください・・非常に詳しく書かれています!
★スケジュール(3泊6日)
2017/11/3 【1日目】 成田出発
2017/11/4 【2日目】 いざ入国!エルサレム市内観光
2017/11/5 【3日目】 ベツレヘムでイエス・キリストゆかりの地巡り
&ラマッラ―でアラファト議長のお墓と博物館訪問
2017/11/6 【4日目】 ネゲヴ砂漠で迫力満点!ドライブツアー!
2017/11/7 【5日目】 エルサレムで嘆きの壁、ベツレヘムでバンクシーのアート探し
2017/11/8 【6日目】 成田着
【1日目】
B班全員、遅刻することなくチェックイン。ターキッシュエアラインズのTK53便に乗り込みます。21:25成田発、04:05に乗継地であるイスタンブールに到着。07:45にTK784便に乗り換えて、いざイスラエルへ!

乗り継ぎ地のイスタンブールにて。


【2日目】
08:50、テルアビブの空港に到着。
実は、このテルアビブの空港は、入国審査が世界一厳しいことで有名。
近隣の中東諸国への渡航歴があると別室に連行されてしまうという噂があり・・・恐る恐る入国審査にチャレンジするファイブスター一行。
噂通り、イラン渡航歴のあるスタッフが別室へと案内されてしまいました!

とはいえ、正直に質問に答えていけば案外すんなり審査を通過できるようです。
ちなみにイスラエルへの渡航歴を示す出入国スタンプがパスポートに押されていると、今度は近隣の中東諸国に旅行したい!という時、入国を拒まれてしまうという事態が起こり得るため、イスラエルの出入国の際にはパスポートにスタンプは押されません。
スタンプを収集している方、ごめんなさい。
その代わり、パスポートに添える形で、出入国を証明する小さな紙が配られます。入国時に渡されたこの紙は、必ず出国まで保管してくださいね!出国時に提示する必要があります。

無事帰還。

さあ、全員なんとか審査を通過し、入国完了!
A班の待つエルサレムのホテルへと向かい、合流を果たします。
それでは、いざ、エルサレム旧市街観光へ。

バスの中でわきあいあい!

日差しが強いので、帽子をかぶりましょう!

エルサレム旧市街では、イエス・キリストが十字架を背負って歩いたといわれる「ヴィア・ドロローサ(苦難の道)」を辿ります。

元気いっぱいのファイブスター社員。

ヴィア・ドロローサには第1留から第14留まで、「~留」と呼ばれる中継点があります。イエスが有罪判決を受けた第1留、十字架を背負うこととなる第2留、力尽きて倒れてしまった第3留、(中略)、再び倒れる第7留、(中略)、またまた倒れる第9留、服を脱がされる第10留、十字架に釘つけにされる第11留、息を引き取る第12留、(中略)、墓に葬られる第14留。現地ガイドさんの詳しい説明を受けながら1~14の中継点を我々ファイブスター社員一行は辿っていった訳ですが、このヴィア・ドロローサ、とにかくひたすら混んでいます。人口密度がかなり高いです。大勢でお越しの際は、はぐれないように。そして、スリにも気を付けましょう。

リュックは前に下げてしっかりスリ防止!!さすが旅のプロ!

途中、ザクロジュース屋さんを発見!目の前で絞りたてを作ってくれます。どことなく、某有名アニメ映画監督・宮○駿さんに似ています!

素敵な絨毯がたくさん。非常に雰囲気のある通りが複雑に入り組んでいました。迷路のようです。

ヴィア・ドロローサの最終地点はこの聖墳墓教会。


イエス・キリストはゴルゴタの丘で十字架にかけられて息を引き取ったと言われていますが、聖墳墓教会はその丘の上に建てられた教会です。そして、現在この教会の敷地内には複数の教会が存在しています。というのも、カトリック・東方正教・アルメニア使徒教会・コプト正教会・・キリスト教にはいくつも宗派があり、その複数の宗派でこの聖墳墓教会を共同管理し、各々自分たちの祈るスペースを確保しているという訳です。どの宗派にとっても大切な聖地だからこそ、ちゃんとシェアされているんですね、なるほど。
学び多き観光を満喫したのち、旧市街のレストランにて昼食です。さて、気になるイスラエル料理ですが・・・、

皆様、お手を拝借。いただきます!

料理とビールが並びます。

フムスと呼ばれるひよこ豆のペースト、ファラフェルと呼ばれるひよこ豆のコロッケ、サラダ、ラム肉、チキン、ピタパン、お米・・。お料理のアップ写真は撮り忘れてしまいましたが、野菜や豆が豊富な印象でした。どのおかずもピタパンと相性抜群!みんなで大皿をまわしながらワイワイ美味しくいただきました。楽しいお笑い芸や、感動のサプライズ、美味しいイスラエル料理で、ランチタイムは大盛り上がりでした。

よっ!美人四姉妹!

この日の夜、全員ではありませんが、有志を募り、数人でぶらりと夜のエルサレムをお散歩してみました。エルサレム・ライトレールという名のトラム(路面電車)に乗って、中心地であるヤッフォセンター駅へ。なんだか愉快な気持ちになれる駅名です、ヤッフォ!ところで気になる乗車賃ですが、1回乗車につき6.9シェケル(約220円・2017年12月現在)。どこまで乗っても一律この価格、なんともシンプル、明朗会計。また、トラムの乗車券はクレジットカードで購入することも可能。便利な世の中です。
ヤッフォセンター駅近辺は、飲み屋さんでにぎわっています。へそ出しTシャツを着たファンキーな美人店員さんがいるバーでお酒を飲むことに。メニューを見ると・・・なんと、カクテルが1杯1500円!!うっひょ~、高い~!と思っていると、どうやらお酒をオーダーすると水たばこマシーンがテーブルに1台提供されるシステムのようです。水たばこ代も込みだと思うと、むしろお得かもしれませんね。

もわ~ん。

ちなみに水たばこは紙たばことは全く別物で、甘い香りがします。まるで甘い紅茶の蒸気を吸っているような、そんな感覚。皆さんも、ぜひエルサレムにお越しの際は、バーで水たばこを体験してみてください!水たばことお酒・・・へそ出しスタイルの店員さん・・・なんだかちょっぴり悪いことをしているような気分を楽しみつつ、エルサレムの夜は更けていきました・・・。

地元のおじさまと乾杯~!

【3日目】

この日はベツレヘム観光と、ラマッラ―にあるアラファト議長のお墓・博物館訪問です。エルサレムから南におよそ10km離れた地点にあるベツレヘムは、パレスチナ自治政府管理下のヨルダン川西岸地区にある都市です。そう、たった10kmしか離れていないのに、エルサレムとベツレヘムは違う政府によって管理され、車のナンバープレートの色も区別され、そして何より、巨大な壁で隔てられているのです。この壁は、イスラエル政府が、パレスチナ人によるテロを防ぐために建てたものとされています。イスラエル政府はこの壁を「セキュリティフェンス」「セキュリティバリア」と呼んでいるそうですが、世界的には「分離壁」だとか「アパルトヘイトウォール」と呼ばれています。

わたしたちのような観光客は、パスポートを検問所に提示することで、もしくは団体観光であればいちいち個人のパスポートなど確認せずドライバーの許可証のみで、壁の外側(イスラエル側)と内側(ベツレヘム)を行き来することができます。しかし、壁の内側に住む人々(ベツレヘム住民)が壁の外側(イスラエル側)に行くためには、通行許可証が必要となります。様々な条件があり、許可証を手に入れることはそう容易くありません。

『まあ、でも壁の内側でも十分生活できるんじゃない?』と思う方もいるかもしれません。わたしも恥ずかしながら一瞬そう思ってしまいました。
しかし、よくよく調べると、そして、想像力を働かせると、この壁によってどれだけ多くの人が困っているかが分かります。
たとえば、壁の内側に自宅を持っているけれど農地は壁の外側にある農家の方。壁が出来るまでは自由に自宅と農地を行き来して生計を立てていた訳ですが、壁が出来たことにより職場である農地に行けません。どうやって家族を養っていきましょう?
たとえば、壁の内側の医療機関では対応不可能、壁の外側の救急医療を必要とする患者さん。壁のせいで救急車も到着が遅れます、命にかかわることです。
たとえば、パレスチナとイスラエルの関係が悪化したならば。イスラエル側が壁の検問を厳しくすることで、壁の内側であるベツレヘムへの物資は絶たれることでしょう。
これ以外にも、もっともっと、たくさん困ることがあるのです。

さらに、この壁、イスラエルとパレスチナの間で定められた正式な境界線よりも、パレスチナ側に食い込んで建てられています。
イスラエルにとって有利なように作られたこの壁は、世界から批判的な目でみられることが非常に多いです。

バンクシーの絵。

世界的に有名なイギリスの覆面芸術家・バンクシーは、平和を祈るイラストをこの壁面に何点か残しています。また、イラストだけでなく、バンクシーは「世界最悪の眺めのホテル」を、分離壁のすぐ目の前に建設。バンクシーにとっての「世界最悪の眺め」とは、目に見える以上に大きな隔たりを生み出している、この分離壁のことでした。
おっと。少しシリアスな話が続きましたが、もちろん観光も楽しみました。

分離壁の前で集合写真。


聖母マリアが赤ん坊のイエスを連れて逃げ込んだとされるミルク・グロットにも立ち寄ったり・・・



ケーブルカーに乗って「悪魔に試みられた誘惑の山」を訪れたり・・・

途中、お昼休憩をはさんだり・・・

旅の疲れを癒したり・・・

たそがれたり・・・

ビジャム宮殿に立ち寄ったり・・・

ラマッラーにあるアラファト議長のお墓と博物館も駆け足で立ち寄ったり・・・

内容てんこもりの三日目となりました。
【4日目】
この日は、ネゲヴ砂漠に向かいます。

4この青空!どこまでも続く壮大な風景!CGじゃないですよ、本物ですよ。

砂漠は遮るものがないので、日差しがとても強いです。サングラス必須!

がったんごっとん、道なき道をワイルドに突き進むスリル満点ドライブを楽しみました。

この日(4日目)は砂漠ドライブをしただけ。他には特に観光をしていません。
なぜなら、エルサレムから砂漠に行くまで片道4時間ほどかかるので、行って帰ってくるだけで一日が終わってしまうから。
けれども、この迫力満点の景色は、丸一日を費やして見に行くだけの価値があります。
イスラエルにお越しの際は、是非、ゆとりあるスケジュール設定をして、一日かけて砂漠を訪問することを強くオススメします。

砂漠のど真ん中でランチタイム。いきなり始まるビュッフェ!

この巨大なクレープに、野菜や豆、肉、なんでも挟んじゃいます。

敷き物を広げて、みんなで円になって・・・。
毎日会社の中で顔を合わせてはいるものの、そういえば、こうやって青空のもと一緒にピクニックする機会はなかなか貴重ですね!

ピクニックのおかげで、絆もよりいっそう深まったようです!

青空ピクニックが嬉しくって、ついつい木にも登っちゃう。

ビューティフル!
砂漠しか訪れていませんが、とても良い一日でしたね!

【5日目】
あっというまに滞在最終日となりました。
この日は、21:00テルアビブ空港発のTK789便に乗るまで、エルサレム市内観光と、ベツレヘムを再訪問し、バンクシーのアート巡りを楽しみました。

まずは岩のドームを見学。見学といっても、外観のみです。イスラム教徒でないと中には入れません。

とても天気が良かったのは有難いのですが、かえって合成写真のような仕上がりに。

・・・と、まぁ、ここまでは順調だったのですが、なんと、会社の旗を広げて記念撮影をしていると、岩のドームのガードマンさんに「旗をしまいなさい!!」と注意されてしまいました。どうも旗に「Israel」と書かれていたことが問題だったようです。
冷静に考えれば、それもそのはず。
イスラエルとは、ユダヤ教を信仰するユダヤ人がつくりだした国家です。それに対して、わたしたちが旗を広げた地はイスラム教徒にとって神聖な空間、「岩のドーム」(モスク)。「Israel」と書かれたこの旗は、イスラム教徒のガードマンさんの目に、「ユダヤ教を支持する」「ユダヤ人がつくりだした国家イスラエルを支持する」という意思表明にうつってしまったのでしょう。
悪気は無かったとはいえ、非常に配慮に欠けた行動でした。大いなる反省です・・・。
皆さんも、岩のドームにお越しの際は、ユダヤ教やイスラエルのモチーフの入った物はカバンの中に閉まっておきましょう。
そんなアクシデントもありながら、岩のドームをあとにして、お次は「嘆きの壁」へ。こちらは、ユダヤ教にとっての聖地となります。

壁におでこをつけているユダヤ教徒。

ちなみに、ユダヤ教徒の皆さんは、この壁を「嘆きの壁」と呼びません。
彼らにとって、この壁は「西の壁」。
かつて、この地はイスラエル王国として栄えており、その王国のシンボルであるエルサレム神殿が立派に建っていました。しかし、紀元70年、ローマ軍に侵略され、神殿は崩壊、王国も滅ぼされ、祖国を失ったユダヤ教徒は世界に散り散りに。
この壁は、崩壊した神殿の外壁の一部。ちょうど西の壁にあたるそうです。
彼らは、この壁に触れながら、かつてここにあったはずの祖国を想って涙を流し、また、祖国の復興を祈っている訳です・・・。

弊社社員も、かつてあったはずのイスラエル王国に想いを馳せてみます。祈るスペースは男女別々。男性は、頭頂部を隠さなくてはなりません。この帽子は、無料レンタルできます。

さあ、イスラム教徒の聖地(岩のドーム)、ユダヤ教徒の聖地(嘆きの壁)を見学したところで、3日目にも訪れたパレスチナ自治区・ベツレヘムを再訪します。
目的は・・・バンクシーの描いた壁画めぐり!

まずは、平和の象徴、鳩を描いた作品。よ~く見てください。鳩さんが何かを着ています。さらによ~くよ~く見てください、なんと、鳩が防弾チョッキを着ているのです!

お次は、何かを投げようとしている青年。投げようとしている物は、火炎瓶でしょうか?手榴弾でしょうか?・・・いえいえ、花束です!

どのイラストにも、争いがなかなか絶えない世界に対する風刺とともに、平和への熱い願いが込められているように感じました。

ファイブスター社員も、平和に向かって花束を投げてみようと思います!とりゃっ!

そして、平和への願いを込めて、分離壁にスプレーアートをしてみました。

プシューーッ。なかなか難しそうですね。

はい、可愛い謎のキャラクターが出来上がりました!

会社の名前も残しておきましょう。FIVE STAR CLUB!

これにて旅は終了です。TK0789便(テルアビブ21:00→イスタンブール00:25)に乗って、イスタンブールにて乗継をし、TK0052便(イスタンブール02:10→成田19:50)で日本に帰国。往路はひたすら「長いな~」と感じていたフライトも、復路は、旅の疲れがどっと出たのか、気持ちよく爆睡。あっという間に成田空港でした。
最後に。
帰国してから、一か月ほど経った12月上旬、アメリカ大統領トランプ氏が、「エルサレムはイスラエルの首都」と発言しました。
その発言を受けて、パレスチナ側は猛反発。抗議活動が起きました。負傷者も出ました。
そういったニュースだけを見た人が、イスラエル&パレスチナを単なる「怖い場所」「危ない場所」と考えるのも無理はありません。
でも、実際に訪問した私たちからすると、こんなにも魅力ある土地が、単なる「怖い場所」「危ない場所」として認識されてしまうのは、悲しいものがあります。
この旅行記が、負のイメージを少しでも和らげて、イスラエル&パレスチナの魅力を届けることに役立てば幸いです。
そんなことを考えながら長々と書いてしまいましたが・・・・
現地にてお世話になった皆様、ありがとうございました。社員の皆様、お疲れ様でした。そして、読者の皆様、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
☆おすすめ度☆
・夜のエルサレムで水たばこ ★★★★★
甘~い煙につつまれて、なんだかちょっぴり悪いことをしている気分!優等生な旅に飽きたアナタにおすすめです。
・ベツレヘムでバンクシーの壁画めぐり ★★★★★
バンクシーが壁画に込めたであろう想いが、見る者の魂を揺さぶります。そして、絵心のある人は是非、分離壁にスプレーアートを!未来のバンクシーはアナタかも!?
・ネゲヴ砂漠でド迫力ドライブ! ★★★★☆
地球って広いんだな。自分ってちっぽけだな。・・・どこまでも続く砂漠を前に、是非、人類の無力さを感じてみましょう。
(2017年 11月 中村未来)
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