~トビリシ・ムツヘタ・ボルジョミ・ヴァルジア・ツカルトゥボ・クタイシ・プロメテウス鍾乳洞・ゲラティ修道院~
今回ジョージア政府観光局からご招待を受け、ジョージア視察研修旅行に参加させていただきました。トビリシ→ムツヘタ→ボルジョミ→ヴァルジア→ツカルトゥボ→クタイシ→トビリシの8日間のスケジュールです。飛行機はターキッシュエアラインを利用・乗り継ぎも比較的スムーズでした。トルコ国境に近い山間のヴァルジアの朝晩は少々冷えましたが大半の訪問地は日中30度を越える真夏日でビールを飲みたくなるような陽気でした。以下訪問した主要な観光地のご紹介をさせていただきます。
ほっこりする町トビリシの散策も楽しみ
南コーカサスに位置し、アルメニア、ロシア、トルコなどと国境を接する秘境の国ジョージア。その首都トビリシは古くからジョージア聖教の教会、大聖堂や旧ソ連時代の雰囲気を残す少し陰のある町並み、そして我々日本人が愛してやまない温泉(ハマム)など沢山の見所があります。またワイン発祥の地であることから郷土料理も豊富でチーズ入りパンのハチャプリやジョージア版小籠包ヒンカリなど日本人の口にも合う料理を食べ歩くのも楽しみです。4世紀に建設されたナリカラ要塞からの旧市街の夜景は絶景です
3つの世界遺産を持つ古都ムツヘタへ
ムツヘタはかつてイベリア王国の首都として栄えた町です。ムトゥクヴァリ川とアラグヴィ川が交わるところにある所から交通の要所と栄え、ローマ帝国やペルシャ・シリア・ビザンチンなどの影響を受けながらも独自の文化を発展させました。6世紀に首都がトビリシに移転してからも文化的・宗教的な中心として機能しており、ムツヘタの教会建築は中央コーカサス地方の代表的なもので、6世紀に建てられたジュヴァリ修道院、グルジア最古といわれるスヴエティツホヴェリ大聖堂、サムタヴロ修道院と町並みは世界遺産になっています。ジュヴァリ修道院からの見たムツヘタの町並みは絶景です
ジョージア版カッパドキア ヴァルジア洞窟都市は見ごたえあり
ジョージアにはいくつかの洞窟住居跡(修道院)がありその代表的なものがウプリスツィとヴァルジアです。今回は後者のヴァルジアを訪れました。ボルジョミから約70キロの場所にあるヴァルジアは12世紀頃ギオルギ3世がペルシャの侵攻に備えて創建、のちギオルギ3世の娘タマルが修道院と洞窟都市としての機能を拡張いたしました。一時期は約三千もの洞窟と約5万人の人々が居住していたようです。洞窟都市には、教会、王室、台所、トイレ、ワインの製造室などや水を引いて作った井戸もあります。洞窟は完全に守られていましたが1283年の地震により崩壊し、隠されていた部屋が表にあらわれることになり、1551年にはペルシャの侵攻により内部の文化遺産は没収されました。残念ながら今回教会がしまっていたため見られませんでしたが内部にはギオルギ3世とタマル王の素晴らしいフレスコ画が描かれているそうです。トルコのカッパドキアと比べると希望は小さいものの見ごたえは十分あります。
天然炭酸水と温泉の町ボルジョミ
旧ソ連圏で最も有名なミネラルウオーター「ボルジョミ」をご存知だろうか。ボルジョミはほかのミネラルウオーターと比べ圧倒的なミネラル分3100ミリグラム/リットル(ペリエの約5倍、コントレックスの約1.7倍)を含んだ超天然炭酸水です。ミネラルウオーターには様々な治癒効果があることで知られ、現在ジョージアの輸出品の第一位となっているそうです。今回このミネラルウオーターの原産地であるジョージア中西部のリゾート地ボルジョミを訪問しました。この町の中心部にある欧州最大の国立公園「ハラガウリ国立公園」内にも鉱泉があり入園者は無料でボルジョミを飲むことができるとあって容器を片手に人だかりができておりました。ジョージアの人はよく「ボルジョミはミネラルウオーターではない。ボルジョミはボルジョミだ」という。ジョージアの暑い夏、きりっと冷えたボルジョミを飲むと、心身ともに生き返ったような気分になる。少々塩分を含むこの強い炭酸水ののど越しはボルジョミならではかもしれません。町にはこの水を利用した保養施設が立ち並び長期滞在する旅行者もいるそうです。
ジョージア版秋吉台? 神秘的な自然の造形美プロメテウス鍾乳洞
ジョージアの特に西部には多くの地底川と地底湖によってもたらされた巨大な鍾乳洞があり、プロメテウス鍾乳洞はその代表的なものの1つです。全長約11キロにも及ぶ鍾乳洞で、1984年に発見され、2011年より公開されている。ライトアップされた奇怪な鍾乳石が林立する約1キロの地下ルートを英語ガイドと一緒に約1時間見学するコースです。赤・青・緑・紫などにライトアップされていてBGMも流れていました(コウモリ避けの意味もあるそうです)。この日は催行されておりませんでしたが地底湖のボートとリップも可能とのことです。
ジョージアにおける中世建築の傑作 世界遺産ゲラティ修道院は必見!!
ゲラティ修道院は12世紀初頭、グルジア国王ダビッド4世によりクタイシ郊外に創建された中世ジョージアを代表する建築物で当時の姿がよく保存されている貴重な世界遺産です。
ダビッド4世には様々な業績がありますが、特に国の根幹の重要な1つとして教育に注力したことが有名で、学校や学院が多数建設され、このゲラティにもアカデミーが建設され、中世グルジア王国の最盛期を迎えた12世紀以降、ゲラティアカデミーは宗教、文化、学術の中心として役割を担っていたそうです。主聖堂である聖母マリア教会内の壁は、おびただしい数の中世のフレスコ画で埋め尽くされており、息を呑むような荘厳な雰囲気に包まれています。特に入り口広間のフレスコ画と祭壇上の聖母マリアのモザイクは12世紀のものとされる貴重な遺物です。また祭壇に向かって左側の壁には建設王ダビッド4世を始め王族たちの肖像が描かれている。修道院南門の中には建設王ダビッド4世の墓がある。彼は踏まれ、その度に思い出されることを望んだという。
最後に、天候にも比較的恵まれ充実の視察旅行となりました。治安も比較的よく、美味しい料理とワイン、見ごたえのある文化遺産がある魅力あふれるジョージアを是非訪れてみてください。
視察旅行を企画いただいたジョージア政府観光局はじめ現地で同行いただいたガイドのツィスマリさん、参加者の皆様大変お世話になりました。この場をお借りし御礼申し上げます。
スタッフおすすめ度
ゲラティ修道院 星4つ ジョージアにおける中世建築の傑作
ヴァルジア 星4つ 12世紀の洞窟都市は必見!
トビリシ 星3つ 温泉(ハマム)につかって旧市街の散策を楽しみたい
ボルジョミ 星3 有名なミネラルウオーター「ボルジョミ」の源泉地は要訪問
プロメテウス鍾乳洞 星2つ 神秘的な自然の造形美は必見
(2017年9月 渡邊竜一)
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