アイスランドを訪れる人々を魅了するのは多彩な自然の美しさだが、その魅力に迫るべくたくさんのアクティビティがある。アイスランド観光のハイライト、「黄金の滝」と呼ばれるグトルフォスを始め、間欠泉ゲイシール・地球の割れ目ギャウ(シンクヴェトリル)を訪れるゴールデンサークルツアー、活火山の鼓動を感じられる火口からの地底探検や、世界最大の露天風呂ブルーラグーン、今注目度ナンバーワンの氷河洞窟探検、冬の夜空を彩るオーロラ観察、巨大な姿に大興奮のホエールウォッチングなどここアイスランドでしかできないアクティビティが盛りだくさん!カラフルなレイキャビクの町並み散策や新鮮な海の幸を使った料理も楽しみ!今回の旅行ではゴールデンサークルとブルーラグーン、北部アイスランドでレンタカーに挑戦する旅程でそれを紹介したい。
アイスランド2日目は1日でブルーラグーンとゴールデンサークルをめぐるエキスプレスツアー。07:30ホテルピックアップ、08:00にレイキャビクのツアー会社のオフィスに集められチェックインして再度出発。 一時間弱でブルーラグーンに到着。ツアーデスクでは必ず帰りは12:00ブルーラグーン発のバスに乗ってねと言われたので三時間弱ほど時間がある。割りと長い。一人の私は水中ウォーキングの時間と考え、ブルーラグーンをぐるっと三周、水中ウォーキングをした。温泉と水中ウォーキングで汗をかいた後のビールがうまい!
ブルーラグーンは他国の温泉プールと比べてちょっと熱めなのが日本人にあっていて嬉しい。リストバンドがロッカーの鍵、ビールなどドリンクを頼んだときの後から精算できるようになっている。
12:45頃、レイキャビクのツアーデスクに戻ってきて、ここから13:00発のゴ
ールデンサークルエキスプレスのツアーに参加する。さすが、エキスプレスツアー、三ヶ所それぞれ45分くらいの時間があってなかなか駆け足プランだ。グトルフォスのカフェテリアのラム肉のスープは名物らしくゴールデンサークルのツアー客は10%オフとのこと。それでもカプチーノとあわせて2600円相当!物価の高さを感じる。野菜たっぷりの具だくさん。お代わり自由が嬉しい!(写真042 根菜がたくさん入っているラム肉のスープ)
この日はあいにくの雨。雨が途中で雹になってびっくり‼アイスランドは寒いって聞いてたけど6月初旬でこの寒さとは…手袋、帽子、マフラーを持ってくれば良かった… 19:00頃、ツアー終了。この頃はたぶん白夜で夜12時この頃でも明るい。元々治安もいいけれど明るいと外に長く歩けるからなんだか得した気分。
この日はbergsson mathusというレストランで、日替わりのメインが魚のメニューにした。これが抜群に美味しい!身がふわふわ、付け合わせも美味しい!盛り付けもおしゃれ!勝手ながら北欧は風土の問題で素材も限られ、その素材をありのままで、あまり凝った調理をせず、シンプルにそのまま食べるものだと思ってた。20年近く前に行ったフィンランドではそうだった。フィンランド以外の北欧の人々もあまり食に大きなこだわりがない
のかと失礼ながら思ってた。でも今回、印象が変わって伝統も大切にしつつ、創作料理のような新しさも取り入れ、盛り付けなど見た目もこだわり、おしゃれな料理が多かった。もちろん、魚の素材自体もいいものを使っていてさすが海の幸が豊かなのがうかがえる。うーん、美味しい!
北部アイスランドのハイライト ダイヤモンドリングで地球の大きさに感動!!
翌日は朝一のフライトでアークレイリへ。9時前に到着する。北極圏に近い、アイスランド北部の中心アークレイリはアイスランド第二の都市。ホエールウォッチングの聖地フーサヴィーク、火山活動が盛んなミーヴァトン湖、ヨーロッパで最大級の水量を誇る滝デティフォス、そして世界最北にある地熱を利用した温泉ネイチャーバスなど主な見所はダイヤモンドリングと呼ばれる周遊路上にある。
この日は海外で初めてのレンタカー!日本でも運転歴半年でようやく運転にも慣れ、
軽自動車しか乗らない超初心者の私が四駆で左ハンドル、右車線で走るなんて果たして可能なのだろうか?とかなり心配だった。車種はシュコダのイエティ。MAZDAのCX5くらいの大きさ(より少し小さいかも)。運転中、アイスランドの音楽を聞こうとCDをレイキャビクで買ってきてたがUSBの差し込み口しかなかった。最初の右折では間違って逆車線に入ってしまった。中央分離帯があったのでバックして、もどる。ここまで聞いて大丈夫?と思うかもしれないが交通量が少ないので何とかなった。ウィンカーとワイパーを間違えるのもご愛嬌。町を一旦離れると信号もないし、特に北部アイスランドはすれ違う車も少ない。
法定速度は90キロだが慣れるまでは60キロで走ってた。かなり遅いけど後ろから抜かしてくれるから大丈夫(たぶん)。
その日はドライブ日和できれいな風景が広がり、その中で運転できるのは気分爽快!運転中は写真が取れないけど、途中でビューストップのようなところがあるのでそこで休憩もできる。混載ツアーだと他の人のペースにも合わせないといけないし、自分の好きなところで過ごしたいだけ時間がを費やせるのがレンタカーの魅力!
さて、最初の目的地、ゴーザフォスは海外で初めて運転の練習にはうってつけの目的地!遠くないし、風景も素晴らしい。ゴーザフォスはパーキングに止めてすぐの場所にある。
次の目的地はフーサヴィーク。ホエールウォッチングの聖地だ。夏にクジラは多く見れるそうだ。スピードボートのツアーは二時間半で値段が倍するがクジラの近くまでいけて遭遇率も高くなるらしい。かつパフィンも見に行けるそう。残念ながら満席だったので通常の三時間のツアーにした。10300ISK。受付時に酔い止めの薬をもらう。船に乗って思ったことはこの時薬をもらっておいて良かった。船はかなり揺れるからだ。ここでランチを食べる場合もホエールウォッチングが終わってからがおすすめだ。クジラを写真に撮るのはなかなか難しい。
途中、4WDしか通れません、という意味の標識がでてくる。舗装はされてないけど整備されてるのでスピードを落とせば難しくない。こんなところを運転する私ってワイルド!なんて思っちゃう。
夜遅くなってきたけど今日1日の運転の疲れを温泉で癒したい!(遅いといっても外は明るいのも夏のドライブのいいところ。街灯はないし冬は積雪できっと危ない)ネイチャーバスに夜九時頃到着。昨日行ったブルーラグーンと比べると規模は小さい。お湯もぬるい。ああ、でもいい湯だな。車できてるからビールは我慢、我慢。夕食はここでサラダ&
スープ。
夜22時、ミーヴァトン湖のホテル、セルホテルに到着。今日1日、ご苦労様、よく頑張ったね、と自分を誉めてあげた。明日もドライブだから今日はよく寝てね。おやすみ、私。
翌朝の朝食後、ホテルの近くのミーヴァトン湖の周りのハイキングコースを歩いた。小さなクレーターがぽこぽこある。子供が生まれる時期なのかかわいい赤ちゃんを連れた親子の羊がたくさんいた。怖がってお母さんから離れない子、兄弟とじゃれあって遊ぶ子、色んな子達がいてとてもかわいい。ミーヴァトンとは蚊を意味するそうで、蚊が多いから頭から被る蚊除けのネットをカウンターことをすすめられていたけど、思ったほど蚊はいなかった。でも口の中に入ると嫌だから口はしっかり閉じておいた。
その後、車でクヴェリルへ。黄土色の大地に煙が立ち込める地熱エリア。泥の池からは煮沸したかのようにぼこぼこと気泡が放出され、地面から絶えず吹き出される白煙で硫黄の匂いが立ち込める。うーん、臭い。スターウォーズにでてきそうなところで、ここが地球?と思わせるような風景だ。
さて、ここから車を返すアークレイリ空港まで100キロあるからそろそろ向かうか。昨日は最初60キロしか出せなかったけどもう慣れて80キロくらいは出せるようになった。進歩がみれて嬉しい。13時前にアークレイリ空港に到着。日曜なのでレンタカー会社のデスクも閉まっていた。鍵を航空会社のチェックインカウンターの横にあるボックスに入れておいて、返却完了。今までレンタカーをあまりしたことがないけど、え?これでいいの?誰もチェックしなくて大丈夫?って思ってしまう。治安の良さと業務がシンプルでシステマティックなのを感じる。フライトに乗って再びレイキャビクへ。
翌日、向かったのはスウェーデンのストックホルム。レイキャビクと比べると暖かく、初夏らしい清々しい天気。青空が広がり、その下で芝生にねっころがったり、オープンテラスでコーヒーやビールを飲んで、太陽の光と夏の訪れを謳歌する人がたくさんいる。ストックホルムは夜10時半頃まで明るい。夜も歩けるのは嬉しいけどついうっかりショップは18時くらいに閉まるのを忘れてしまう。
今回楽しみにしていたのが、中世の香り漂うストックホルムの旧市街ガムラスタン。魔女の宅急便の舞台のモデルにもなり、細い路地を覗いてみればキキがはじめてトンボと会ったシーンが目に浮かぶ。王宮で衛兵交代を見学し、ノーベル博物館や大聖堂など主要なみどころをおさえた後は思いのままに歩いてみる。お土産屋さん、レストラン、アイスクリーム屋さんが軒を連ね、風情ある石畳の道をのんびり歩くだけでまるで中世の街に迷い込んだような気分になる。
この日は国民の休日でスカンセンの近くで王室のパレードがあった。
ストックホルム郊外にあるドロットニングホルム宮殿は世界遺産にも登録されている。ここに行った日はたまたま祝日で旧市街から出る船は大幅に減便。地下鉄で行ってバスに乗り換えて数分、思ったより近い。世界遺産ドロットニングホルム宮殿はローヴェン島に王族の離宮として建設され一度は焼失するものの、再建されて「北欧のべルサイユ」と呼ばれている。1981年より国王と家族の居城になったが2,3階の一角は一般見学者に開放されている。美しい宮殿の見学はもちろん必見だが、特筆すべきは周りの庭園と豊かな自然で、白鳥の浮かぶ湖、鮮やかな緑の芝生、深緑の森はまるでおとぎ話のよう。祝日のこの日は家族連れでピクニックをする人達でとても賑わう。ここでは是非たっぷり時間をとってこの美しいおとぎ話の世界を楽しんでください。
魔女の宅急便の舞台 ゴッドランド島
「ジジ、見て!海に浮かぶ町よ!」キキの声が空から聞こえてきそうな町ビィスビィ。この町はバルト海のゴッドランド島にあり、魔女の宅急便の舞台のモデルともなった。かつてハンザ同盟の貿易港として繁栄し、ヨーロッパ各地を結ぶ中継地としての役割を果たし、いまでもかつての繁栄ぶりが遺跡、教会として町に残っていて世界遺産にも登録されている。リゾート地でもあるこの島には夏になると多くの観光客が訪れ、美しい町並だけでなく、海沿いの遊歩道、咲き乱れる花であふれる公園で日光浴をし、夏を謳歌している。スウェーデンの人々と一緒にこの美しい島での休日をお楽しみください。
今回の旅の最終日、ガレット屋さんで満足、満足、さあ支払いを、とこの時気づいたのは財布をホテルの部屋に忘れてしまった。一人で来てるから私が財布を取りに行くしかしかない。店員さんに事情を説明し必ず戻って支払うから、質として携帯をおいて行こうか?と話したところ「I trust you!」と携帯などは預けなくていいとのこと。私を信用してくれた店員さん(しかもイケメン)、ありがとう!わたしだったら見ず知らずの旅行者を信用できるかしら?サザエさんは財布を忘れて愉快というが、財布を忘れて愉快なことなど一つもないこと、店員さんの親切を身に染みて感じる出来事でした。初夏の美しさと人々の優しさに包まれる旅でした。
スタッフおすすめ
★★★★★ アークレイリ発レンタカーの旅 車の量も少なくて初心者も安心!
★★★★ ストックホルム旧市街ガムラスタン 路地を歩けば中世の世界
★★★★ ドロットニングホルム宮殿 まるでおとぎ話の世界
★★★★ ゴッドランド島ヴィスビィ 魔女の宅急便の世界にようこそ
(2017年6月 辻理恵子)
アイスランド
スウェーデン