天候の良いベストシーズンに北欧のスウェーデンとフィンランドの両国へ行く機会を得ることができた。
今回お世話になったのはフィンランド航空。関西空港からヘルシンキ・ヴァンター国際空港まではおよそ10時間の飛行時間で到着する事ができる。
日本から最も近いヨーロッパと呼ばれるフィンランドまで直行便で行ける!という事もあり、少し眠っている間に、思ったよりも早く着いたように感じる。
ヘルシンキ以遠の多くのヨーロッパ各都市へのフライトを網羅するフィンランド航空は日本から最短、最速のフライトでヨーロッパに行けることがポイント。イギリスの航空サービスリーサーチ会社SKYTRAXによる、ワールドエアラインアワードにおいて、北欧のベストエアライン賞を2010年から昨年まで6年連続で受賞している安全性・信頼性共に高い評価を受けています。
ヴァンター国際空港は綺麗でモダンな印象。ハブ空港だが比較的規模は小さく、ターミナルは全て一続きで徒歩移動圏内にあり、シンプルな造りになっている。乗り継ぎ時間が短い事が気になるケースもあったが、そんな心配は全く不要で、迷うようなルートもなく、実にスムーズに進んだ。空港内のお土産屋にはムーミングッズや、マリメッコのショップが有り、待ち時間も退屈する事なく過ごせる事でしょう。
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港から乗り継ぎ、ストックホルム・アーランダ―国際空港へ16:00頃に到着。国土の半分ほどが森林に覆われているとの事だが、空港から市内へ向かうバスの車窓から見ただけでも緑の多さが伝わる。
この時期の良い点は、涼しい気候も嬉しいのですが、夜の9時台になってもまだ日が落ちていないので、到着したその日からの観光もできるのです。
3泊5日で2か国を周遊する、おまけに船内で1泊も含めてなので、全体的にやや駆け足な旅にはなりましたが、主に印象に残った箇所をご紹介します。
ストックホルムの旧市街、世界遺産のガムラスタンは古い街という意味です。13世紀発祥といわれる風情のある石畳の道は、まるで中世にタイムトリップしたかのような雰囲気です。ジブリの魔女の宅急便のモデルになったとも言われている可愛い街並みは、何でもないような路地裏でさえ絵になる魅力があります。広いエリアではないので、じっくりと徒歩で見て回れます。
〇大聖堂、ドイツ教会、フィンランド教会などがあり、古い街の様子ととても合い魅力的です。
中心部にある有名なノーベル博物館。歴代受賞者がイスの裏にサインをする様子は日本でもテレビで見た方もいるのではないでしょうか。
京都大学の山中教授がサインを書いたイスは、博物館入ってすぐ左側のカフェにロープに吊るされているのですぐに見つかります。下から見上げるとサインが見える仕組みです。他のイスは裏返さないとサインが見えないのに、日本人観光客もよく来るのでしょうか、山中教授のだけは特別扱いされているようで誇らしくなります。
ここのカフェでは授賞式の晩餐会で出されるのと同じアイスクリームを販売しています。また、この博物館限定で売られているチョコレートはお土産に最適。ノーベル賞のメダルの形をしています。味は少しビターで高級感があります。空港や他のお土産屋では売られていないのでレアなアイテム。山中教授はこのチョコレートをなんと1000個も買って帰ったのだとか。
〇スウェーデンでの食事の楽しみは、名物のサーモン料理。とても分厚く、
このメインディッシュだけでもお腹いっぱいになります。
丸一日にも満た無かった程のストックホルム滞在の後、次の国、フィンランドへ移動します。数年前にフィンランドには数時間だけ滞在したことがありましたが、当時観光はいっさいしていなかったので、事実上初めての訪問とも言えます。
しかも飛行機ではなく、豪華客船シリヤラインでの一晩かけての大移動となりました。シリヤラインとは、ヘルシンキ・ストックホルム・リガ・タリンなどのバルト海沿岸都市を結ぶ、1991年に就航した毎日定期運航をおこなう国際フェリーです。
ストックホルムからヘルシンキまでは、およそ17時間、シリヤラインはシリヤシンフォニー号と、シリヤセレナーデ号の2種類がありますが、今回はシリヤシンフォニー号に乗船。とはいえ、内部の時計のデザイン(両国には1時間の時差が有るため短針が2本ある。それぞれの時刻がひとつの時計に刻まれる)や内装の色が異なるくらいで、あまり大きな違いはないそうです。
14層のデッキから構成され、約1000の客室、2852人の乗客を収容でき、全長203m、全幅31.5m、総トン数は 5万8400トンと、とにかくスケールが大きい豪華客船です。
様々なタイプの客室が備わっていますが今回はプロムナードキャビン。
外の見える海側も面白いと思いますが、船内を見下ろせる(部屋から数メートル下を歩く人と目が合ってしまいそうな距離です)プロムナードに宿泊しました。シャワーとトイレは部屋の中にあり、やや狭いがホテルとほとんど同じ感覚です)
開放的な吹き抜けが印象的なこのシリヤシンフォニー号は、船内に7つのレストラン、6つのバー、免税店、洋服屋、カジノ、サウナ、スーパーマーケット、会議室など、あらゆる設備があります。
〇あいにくのお天気だったが、デッキからの眺めは素晴らしい
フィンランドのヘルシンキ着後、市内の観光には公共交通機関と徒歩でまわりました。それが可能なほどヘルシンキはコンパクトでまわりやすい街なのです。市内観光での主なハイライトは白亜のシルエットにグリーンの屋根が美しいヘルシンキ大聖堂と、北欧最大のロシア正教のウスペンスキー寺院。ヘルシンキ大聖堂は大学の卒業証書授与式のため、中には入れませんでしたが、天候に恵まれ青空との見事な調和が素晴らしいものでした。
また、フィンランドは日本でも人気の高いマリメッコに代表されるブランド品や、ムーミンキャラクターグッズを扱うお店が街中にたくさんあり、特に女性の方にはお買い物も旅の楽しみになると思います。
今回、マリメッコのアウトレットに立ち寄りましたが、特に女性にとっては重要なショッピング拠点となるでしょう。食器や衣類、生地や傘などたくさん揃っています。ヘルシンキ中央駅から地下鉄と徒歩で30分程で着きます。
アウトレット併設のレストランではマリメッコ食器を使用してのヘルシーメニューの食事を楽しむことができます。店内のカラフルなアイテム見ているだけでも楽しいものですが、日本では見かけないレアモノがあり、しかも格安に購入できるようので、お得に一足早く入手してみてはいかがでしょうか。
ヘルシンキからちょっと足を延ばして行けるスポットでおすすめなのが、市内から北西に車で1時間ほどにあるヌークシオ国立公園。初心者向けからある3種類のハイキングコースがあり、1時間程度の散歩でも美しい森と湖を眺めながら景色を楽しむ事ができ、川のせせらぎや鳥のさえずりが響き渡ります。
この時期はベリーやワタスゲの花が咲いていました。
映画、かもめ食堂のロケ地となった景色もあり、マイナスイオンたっぷりの森林浴で癒されてみるのもおすすめです。
朝の早い時間に訪れたなら他に観光客も少なく、静寂な空間を味わう事ができるでしょう。
今回は事前の天気予報ではいまいちという情報でしたが、全般的に天候にも恵まれ、いい時期の北欧を体験する事ができました。落ち着いた北欧で、気軽にグルメ・ショッピング・街歩きを楽しむなら今の時期はベストだと改めて感じる旅となりました。
おすすめ度
ガムラスタン・・・★★★★★
中世の街並みが雰囲気抜群。じっくり歩いてみたい
シリヤライン・・・★★★★
スケールの大きさを感じながら、贅沢なクルーズを
ヘルシンキ大聖堂・・・★★★
白亜に輝く大聖堂はヘルシンキの必見建造物
マリメッコアウトレット・・・★★★★
お土産を探すならココ!豊富な種類が揃っています
ヌークシオ国立公園・・・★★★★
おすすめは朝の散歩。フィンランドの森林の空気は格別です
(2016年5月渡航 南口佑也)
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