ふと、冬のヨーロッパに行きたいと思った。
今年の6月に東欧を旅した時には、ヨーロッパに行くならやっぱり夏だよね!!と思っていたけど。
ん~どこに行こうかな。12月、寒くて日が短くても楽しめるヨーロッパってどこだろう?と考えたとき、真っ先に浮かんだのはドイツだった。
クリスマスマーケットと温かいグリューワイン、屋台のソーセージやかわいいクリスマスグッズを売るお店、イルミネーション…そして寒くても暑くてもオールシーズンビールがおいしいところ。
そうだ、ドイツ行こう!
クリスマスマーケットは12/24までの4週間ドイツの各地で開かれる。
私がどうしても行きたかったのはニュルンベルク、ローテンブルク、そしてミュンヘン。あれやこれやと都市を考えていたら、7泊10日で全6都市を巡るという、よくばりプランになってしまった。
まず最初に訪れたのは、フランクフルト。大きな都市で、乗継だけで通り過ぎてしまう人も多いけれども、割と大きなクリスマスマーケットが開催されている。観光するところはあまり多くないので、早速到着してからレーマー広場のマーケットへ向かった。まず目についたのが、天井からぶら下がった大きな鉄板の上で大胆に焼かれるソーセージたち。
この鉄板の上で焼いたソーセージをパンにはさんで食べ歩きするのがドイツ流!早速私も例にならってみた。そして通りを抜け広場に出るとそこはメルヘンの世界!
いかにもドイツな木組みの家に大聖堂、巨大なクリスマスツリー、そしてクリスマスマーケットの定番メリーゴーラウンド。
あぁぁ~~おとぎの国ですか、ここは。
ドイツの冬は17時になるともう真っ暗。あっという間に夜の帳がおりてしまった…
でもそこからが本番!日が短くたって夜も楽しめる、というのがドイツを選んだ理由の一つなのだ。
翌日、フランクフルトから直通で約2時間のニュルンベルクへ。周囲を全長5kmの城壁に囲まれていて、オレンジ色のレンガ屋根や石畳の街並み、ゴシック様式の建築など、私の想像する中世ヨーロッパのイメージそのものだった。
そして、ニュルンベルクのクリスマスマーケットはドイツで最も有名と言っても過言ではなく、この時期、世界中からたくさんの観光客が訪れる。なんと1628年には開催されていたという記録が残っているのだそうだ。
ニュルンベルクは昔から、おもちゃの町として知られていて、クリスマスマーケットでも木製のオーナメントやクルミ人形、パペット、キャンドルハウスのようなおもちゃの屋台が多いことが特徴でもある。
そして、今回の旅で一番楽しみにしていた街、ローテンブルク。ここは古城街道とロマンティック街道の交差するところ。さぞかしメルヘンチックなところだろう、と行く前からワクワクしていた。
城壁に囲まれた旧市街は、ロマンティック街道を代表する街と言われるにふさわしい、ロマンティックっぷりだ。ロマンティックが止まらない。
城壁内はどこを歩いても絵になるのだが、特にプレーンラインと呼ばれる一角は、木組みの家々とシュピタール門が綺麗に見える場所で、絶好の写真ポイントだ。もう一つの写真ポイントは市庁舎の高さ60mの塔なのだが、これが非常にハード。狭く急な階段をぐるぐる登って頂上にやっとの思いでたどり着いたが、人がすれ違う事が出来ないくらいに狭い!だからこの塔には人数制限があり、私も20~30分ほど並んだ。それでもこの塔に登る価値は十分にあると思う。
クリスマスマーケットではどの街でもグリューワインというホットワインが売られている。温めた赤ワインにシナモンやフルーツシロップが入ったもので、これを飲みながらぶらぶらするのが定番!都市やお店によってマグカップが違い、お店に返却すると数ユーロ戻ってくる仕組みだ。かわいいマグカップであればお土産にもちょうどいい。
ローテンブルクから少し南下し、電車を3回も乗り継ぎ、ネルトリンゲンに向かった。この街は1500万年前に隕石の落下によってできたクレーター上にできた、直径1kmほどの円形の街だ。真ん丸の状態を写真に収めたいと思ったが、残念ながら飛行機にでも乗らない限り、真ん丸の全体像を見ることはできない。
ここはあの有名な進撃の巨人のモデルとなったという話を聞いたが、真偽のほどは定かではない。もちろん原作ほど壁は高くないが、たしかに似ているような気がする…。
この街では至る所で豚の置物を見かける。
これは15世紀のとある夜、豚が逃げたことがきっかけで敵の奇襲を防ぐことができたことから、街のキャラクターになっているのだとか。
そしてここ、ネルトリンゲンでも小さなクリスマスマーケットが開かれていた。
こじんまりしているが、アットホームな雰囲気で温かみのあるマーケットだった。
そして翌日、ロマンティック街道の終着点である、フュッセンへ。
フュッセンに向かう電車の、車窓風景がとても絶景だった。ずーっと続く緑の草原と、雪をかぶったアルプスの山々、途中に湖まで見る事が出来る。頭の中に世界の車窓からのテーマソングが流れていた。
かわいいパステルの街並みと高地のすがすがしい空気を楽しみながら、まずロマンティック街道の終着点である場所を目指した。それはフランツィスカーナー修道院の奥にひっそり、なんともあっさり存在していた。
普通に家庭用ごみ箱とか置いてあるし…(笑)この扉の奥が気になるなぁ。
フュッセンはノイシュバンシュタイン城、ホーエンシュバンガウ城に行くのに起点となる街。この二つの城は近くにあり、簡単に観光ができる。まず、フュッセン駅からバスにのり、チケットセンターを目指す。そこでチケットを購入し、決められた時間の場内観光ツアーに参加するのだ。
夏場などはかなりチケットセンターは混み合うそうなので、ネット予約のシステムを利用するのがお勧め。
旅の最終地はミュンヘン。
オクトーバーフェストがあまりにも有名だが、私もおいしい料理とビールを楽しみにこの街へやってきた。ミュンヘンには有名な博物館、美術館が多々あるが、私はビアホールめぐりしかしていない。
たまたま土曜日だったためか、まだ午前中だというのにものすごい混みようだ。
店内に入っても席に案内などしてくれない。自分で店内をぐるぐる回り、空いてる席を見つけないといけないのだ。席はみんなで相席。店員を呼ぶにも一苦労だ。
でもこうやって知らない人と席を共有するのもビアホールならでは。周りの人と仲良くなれるのも醍醐味の一つ。
ミュンヘンで一番楽しかった思い出、それは、世界一有名なビアホールといわれる、ホフブロイハウス!
店内に一歩足を踏み入れると、そこはオクトーバーフェストの会場のような雰囲気。
生演奏の音楽が流れ、ビールの乾杯の音が鳴り響き、たくさんのビールを運びあわただしく店内を移動する店員さん。いろんな音が溢れかえっている!
民族衣装を着てオシャレをしながらビールを飲んでいる集団がちらほら。彼らはここホフブロイハウスの常連さんで、MYビアマグを店内に置くことを許された人たち。かっこい~~(笑)!
さんざんビールを楽しんだ後は、クリスマスマーケットでホットワインを飲む。
さすが大都市のマーケットだけあって、ものすごい人出だ。スケート場まで設営されている。
そしてミュンヘンの空港へと向かうが、ガイドブックの見落としてしまいそうな欄外に気になる情報を発見。なんとビールの街、ミュンヘンは空港内になんと自家醸造しているビアホールがあるんだと!行くしかない!!
その名もエアーブロイ!かっこいい~~~
最後の最後までおいしいビールにありつけるとは思ってもいなかった。
こうして私の、クリスマスマーケットとビール漬けの旅行は幕を閉じた。
スタッフおすすめ度
フランクフルト ☆☆☆ クリスマスマーケットの時期であればオススメ
ニュルンベルク ☆☆☆☆ 中世の雰囲気を感じられる。ドイツ三大クリスマスマーケットの一つ。
ローテンブルク ☆☆☆☆☆ ロマンティック街道を代表するかわいらしい街並みが素敵
ネルトリンゲン ☆☆☆ 城壁にぐるっと囲まれた、まぁるい街
フュッセン ☆☆☆☆☆ 素晴らしい自然と美しいお城にため息が出そう
ミュンヘン ☆☆☆☆☆ ビールと芸術の街。ビアホールは絶対にオススメ
(2015年12月 久保井奈々子)
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