「南エジプトの魅力を探る!ピラミッドだけじゃないエジプト」

「南エジプトの魅力を探る!ピラミッドだけじゃないエジプト」

ピラミッドとラクダと私

ラクダちゃん

今回、エジプトへ行く機会を得た。エジプトといえばピラミッド、ピラミッドといえばエジプトだが意外にも私は南エジプトのアブシンベルに惹かれてしまった。そういうわけで今回はアブシンベルを中心に紹介したい。

カイロのハンハリーリ市場


<アブシンベル>
ルクソール、カイロは言うまでもなく必ず訪れていただきたいところだが、時間が許せばぜひとも訪れていただきたいのが、アブシンベルにあるアブシンベル大神殿だ。アブシンベルは距離としてはルクソールから車で8時間ほどだが、おすすめはカイロから一旦アスワンまで南下し、そこから寝台列車で訪れる方法だ。エジプトの寝台列車は清潔で、旅情たっぷりなのでぜひとも経験してみたい。
アブシンベルにははっきり言って見所はアブシンベル神殿くらいであるため、日帰りで訪れる観光客も大変多い。実際私が訪れたときは、観光客が私1人だけであり、アブシンベルの大きな楽しみの1つといっていい夜の音と光のショーが不催行になってしまった。
このショーは観光客10人が集まれば催行されるもので、もちろん私1人で10人分のショーの料金を払えばショーを見ることができ、しかもそのショーを1人占めすることができるというからすごく迷ったが、当然そんなお金の余裕はなく、その日はなくなく断念したのだった。
だがショーが見られなかったからといってアブシンベル観光が台無しになったわけではなく、ここで強く訴えたいことはアブシンベルは日帰りでは持ったいない場所ということだ。アブシンベル大神殿観光のもう1つの楽しみ、宿泊しなければみることができない、日の出鑑賞が翌朝に待っている。
アブシンベル大神殿の向かいにはナセル湖という湖があり、太陽はナセル湖から上がってくる。太陽が上がるにつれて、暗闇に沈み灰色だったアブシンベルが青紫、紫、薄紫と色を変えていく姿は大変美しい。しかも観光客は私1人だったため、その日の出を独り占め。非常に贅沢な思いをした。アブシンベル神殿の前には、ラメセス2世の巨像が4体、ナセル湖に向かって座っている。私は日の出を前にして、像たちがここに座ってから毎朝みた日の出、その3,300年に思いを馳せた。音と光のショーを見ることが出来ればなお良かったが、朝のアブシンベル大神殿の様子はとても特別なものに思えた。ここに来て本当に良かったと思った。

ナセル湖

ナセル湖の日の出

アブシンベル神殿

アブシンベル大神殿は、日があがりきって色がすっかり砂のオレンジ色になってしまってもその魅力を失わない。大神殿の内部で1番印象的だったものは、大神殿の奥に並んで座っている、4体の神像だ。その4体の神像はもはやかろうじて人の形を保っていて、神殿の外の4体のラメセス2世のような繊細なレリーフもなく、パツとみて引き付けられるような印象もない。たが、そのかろうじて人の形をたもっている神像の石が、日本にまだ影も形もなかった3300年前からこんな薄暗いところに座って、ここで起きた全てのことを見ていたのだなぁと考えたとき、その途方もない時間の長さを前に立ち尽くしてしまう。

ラメセス2世

ラメセス2世の足元にある繊細なレリーフ

奥に少し見えるのが4体の神像

さて、アブシンベル大神殿の横には、アブシンベル小神殿がある。ラメセス2世が王妃のネフェルタリのために建造した神殿である。アブシンベル神殿のすぐ隣にちょこんと佇み、少し小さめなのが女性的で愛らしい。最初に入ったアブシンベル大神殿ですっかり魅せられてしまった私だが、アブシンベル小神殿の前に立ったときにはもうすぐに入りたい!と思ってしまったものだ。何だかすごく愛らしい。小神殿のほうが女性は好むかもしれない。小神殿はそんな佇まいである。
中にある列柱にはネフェルタリの大きなレリーフがいくつもある。写実的ではなくキャラクターのように掘られた可愛らしいネフェルタリは必見だ。

アブシンベル小神殿

ラメセス2世とネフェルタリ

<シャルムエルシェイク>
エジプトは砂漠と遺跡ばかりではない。世界でも有数のダイビングスポットもある。
それがシャルムエルシェイクだ。シャルムエルシェイクはカイロから飛行機で1時間ほどで到着する。シャルムエルシェイクは不思議な街で、まっすぐな1本道が街に何本も通っていてその道に沿ってホテルが林立している。海まではホテルのシャトルバスを利用するか、オプショナルツアーに参加して海へいくことができる。

シャルムエルシェイク街の様子

売店がちょくちょくある

ラス・モハメッド国立公園

シャルムエルシェイクでは初心者でダイビングスポットに行ってシュノーケリングなどで美しい海を満喫することができる。私はそのオプショナルツアーにも参加したが、今回ご紹介したいのは4輪バギーで砂漠を駆け巡る、海ではなく砂漠でアクティブに楽しむオプショナルツアーだ。しかもラクダ乗りつきときたらこれは参加するしかない!!
ベドウィンナイトというそのオプショナルツアーは簡単にいうと1人1台の4輪バギーでキャンプ地まで行き、そこで夕食をいただき帰ってくるというもの。このツアーの魅力はなんといっても砂漠で4輪バギーを乗り回すこと!!スピードが出てスリリング!景色もきれいなのでずっと乗っていても飽きることはないだろう。4輪バギーはアクセルとブレーキがあるだけなので難しい操作はまったくないし、1列になって進む参加者の先頭と後ろにガイドさんがついてくれるため、はぐれてしまったり事故やその他心配することは全くない。
ただ全身砂まみれになるため、頭と顔にまくスカーフやストール(持っていなければ貸してくれる)とサングラスは必須だ。これらは日よけにもなる。

ちょっと怪しい

ラクダもいる

みんなの憧れ、エジプトのピラミッド。そんな北エジプトもいいけれど私がおすすめするのは南エジプトのアブシンベル。アブシンベル大神殿のラメセス2世は、今日も昇る朝日をあの場所で眺めたんだろうなぁ

アブシンベル大神殿夜明け前

アブシンベル・・★★★★ アブシンベル大神殿しかなくても訪れるべき。世界遺産。
シャルムエルシェイク・・★★★★ エジプトらしくないエジプト!海がすごくきれい
(2015 3月 楠本悠子)
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