「タリンのクリスマス・マーケットのお店に並べられたミニチュアの置き物」
エストニアのタリンと、フィンランドのヘルシンキのクリスマス・マーケットに行きました。
「クリスマス・マーケット」というと、その発祥の地とされるドレスデンをはじめ、ドイツ各地のものや、オーストリアのウイーンや、近頃はパリのクリスマスマーケットなども知られてきましたが、タリンと、ヘルシンキでも開かれています。
エストニアは、日本ではまだまだ馴染みの少ない国ですが、引退した大関 把瑠都の出身国、ということで知られています。
1991年に、旧ソ連からバルト三国の他の2国(ラトビアとリトアニア)とともに独立しました。
ボクが乗った飛行機はタリン空港に夕方17:00に到着しました。タリンは北緯59度。北欧フィンランドとはバルト海のフィンランド湾をはさんで向かい合う位置にあり、緯度が高いので、冬は夕方5時頃までには太陽が沈み長い夜の闇に包まれます。
ボクがタリンの街に着いた時は、すでに辺りは真っ暗。でも、旧市街の真ん中にあるラエコヤ広場に行くと、クリスマス・マーケットが華やかに開かれ、街の人々がたくさん集まっていました。
街の人たちの多くは、手に手に紙コップのホットワインを持ち、ある人は歩きながら、またある人は広場に設けられた木造りのカウンターで、湯気を立てるホットワインを飲んでは買い物をしたりおしゃべりして楽しんでいます。
この時期にしては暖かく、小雨がぱらついていましたが、人々はフードをかぶるだけで傘も差さずにいます。
ボクも、7ユーロを払って、紙コップのホットワインを受け取りましたが、なんとまあ、その甘いこと。クランベリーのワインで、ベリーらしい酸っぱさもありましたが、甘さが格別。でもその温かい甘さが、冷えた身体を内側からホコホコと温めてくれました。
並んだお店は、みんな、年に1度しか開かれないマーケットのためにしては立派な構えで、観光客向けのおみやげになるようなものを多く売っていました。
でも、マーケットに来た人の口を楽しませるお店も、ホットワインの他、ソーセージを炒めたもの、フライドポテトの店や、子供向けの大きなアメを売っている店など並んでいました。
広場には、街の観光名所を巡る、蒸気機関車の列車を模したバスもやってきます。また広場の真ん中では舞台が作られ、子供たちを中心にダンスや楽器の演奏が披露されていました。舞台の前では、ホットワインを手にした人たちがいっぱい見ていました。
タリンから飛行機で約30分。バルト海のフィンランド湾をひとまたぎすると、フィンランドの首都ヘルシンキに着きます。こんどは昼間にヘルシンキのクリスマスマーケットを訪れました。
ヘルシンキのクリスマスマーケットは、ヘルシンキ大聖堂前の元老院広場で開かれています。ここは、街の中心で、ヘルシンキの中でも最も古くからの歴史を持つエリアです。
立ち並ぶお店は、タリンのものよりさらに立派で、とても一時期だけの臨時の露店とは思えない造りです。また、売っている商品の種類がタリンのマーケットより多く、海産物の店や、なんと鍛冶屋さんまでありました。
広場の真ん中にはメリーゴーラウンドが設置されていて、たくさんの子供たちも遊びに来ています。
ヘルシンキのクリスマスマーケットはタリンのマーケットより、観光客向けではなく、地元の街の人たち向けの色合いが強いと感じました。
フィンランドは、サンタクロースの故郷といわれるロバニエミや、オーロラ、ムーミンワールドなどを目当てに訪れる観光客が多いですが、クリスマスの時期に旅行されるなら、ぜひ、クリスマスマーケットに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
おすすめ度
タリン ★★★★
たっかい城壁に囲まれた旧市街の中は、中世の町がそっくりそのまま残っています。
城壁の上の展望台から眺める景色もすばらしく、世界遺産登録にナットクです。
ヘルシンキ★★★
歴史を感じさせる古い建物が、広い通りに沿って整然と並ぶ町並みは、「北欧の古都」というイメージそのまま。買い物や食事も楽しく、フィンランドの旅を演出してくれる町です。
(2014年12月 小澤誠)
エストニア
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