「(虫を)食べて、(ワットに)祈って、(旅に)恋をして。~新女子旅発掘の旅~」

「(虫を)食べて、(ワットに)祈って、(旅に)恋をして。~新女子旅発掘の旅~」

昨今、草食男子というキーワードと共に、世間に定着したものが「女子○○」という言葉。
「女子会」「女子力」「女子旅」これらの言葉から想像するもの、キレイな洋服をきてオシャレなカフェやレストランでキャピキャピする可愛い女の子たち・・。
こんな世の中で、私のように肩身の狭い思いをしているノット女子力な女子の方も多いのではないでしょうか。
基本旅先では、Tシャツ短パンサンダルで路地をウロウロするのが好きな、そんな女子力の無い私が、今回ベトナム航空様と日本旅行業協会様のご招待を受け、「女子旅現地視察」に行かせていただきました。
人生初のスパ体験、カフェ視察など、女子旅っぽいこともたくさんさせていただき、女子の人生はこんな楽しみ方もあるんだなぁと、非常に興味深い経験をさせていただきましたが、意外にもこの旅で一番盛り上がったのは、女子旅とは少しイメージの違う、ワイルドな部分でした。
帰りたくない病にかかるほど、大好きになったカンボジアでの、自由気ままな女子旅探しの旅。是非みなさまの旅の参考になりますように。

カンボジアといえばここ!

元バックパッカーの私は、海外に行って、良いホテルに泊まって、ホテルの食事を食べ、車で観光地から観光地へと移動するだけの旅に、すこしだけ違和感を持っていました。
旅をする際には、その土地にお邪魔させていただいているということを忘れず、現地の暮らしを尊重すべきであり、その国を知りたければ、その国の人を知れ、というどこかで聞いた言葉をずっと大切にしています。


今回、レストランでの食事の際にその話を参加者のみなさまにお話ししたところ「じゃあ、現地の人たちしか行かないようなところに、ローカルフードを食べに行こう!」となり、現地会社の方に連れて行っていただきました。
しかし、カンボジアのローカルフードって、一体何・・?
有志をつのって、いざ夜のシェムリアップの町へ!
何だか暗い道をバスで走り、着いたレストランは、ローカル色濃厚。
店内のライトが青色で、こんな食欲減退色使ったレストランで果たしていいのかと心配。

怪しげなライトの店内

いろんな意味でドキドキしながらバスから降りた我々一行を笑顔で出迎えてくれた現地会社のスタッフの方。その両手には袋いっぱいの黒い物体。その姿を見て、さらにドキドキを増す我々の心臓。
「あれは・・・絶対例のやつだ・・。怖い、あんなにたくさん・・」
しかしここまで来たのに回れ右しては女が廃る!いざ新天地へ!
その日いただいたメニューリストは「コオロギ・タガメ・カエル・孵化寸前のあひるの卵」
写真は、一応分かりにくいのをチョイスしましたが、苦手な方は飛ばして見てください。

コオロギの山

タガメの里

カエルのマーチ

口に入れるまで、女子旅らしくピーチクパーチクと言い続け、相当な時間をかけ、まず、最初に口に入れたのは、コオロギ。
「え・・めっちゃ美味しいやん」
なんと美味なコオロギさん。ピリ辛に味付けされており、おつまみに最適。
若干羽が歯に詰まりますが、なかなか癖になる味。
そしてカエルはコオロギに勝る美味しさ!満場一致で「鶏肉より美味しいかも!」となりました。
最後まで苦戦したのがタガメ。青い店内のライトの力をもってしても、その姿は日本で一番の嫌われ者であろう虫、Gにそっくり。
殻が固く、噛み砕くのも目を白黒させ、一苦労。しかし味は美味しい。しかし見た目が無理。食べたくても食べられないというジレンマに、みんなで頭を抱えました。
虫料理がポピュラーなカンボジアでは、バスを待っている女子高生がタガメをポリポリ食べていたりするそう。
「どっかで食用に飼ってるのかなぁ」などと、日本人らしい発想を口にすると、「田んぼの端から追い詰めて行って、捕獲します。なので、コオロギの中によくバッタも混ざっています」とのこと。なんて人間らしい。素敵です。
人生で虫を食べたのは初めてでしたが、憧れの、世界ウルルン滞在記に少し近づけた気がして、とても楽しく美味しい、大盛り上がりの夕食となりました。
やっぱりその国を知るには、食はとても大事だと再認識できました。
「フェイスブックに載せれば人気者になれるかも!」という、女子旅らしいアイデアも。
いいね!
その後、ローカル食ツアーの締めとして、屋台で売っているアヒルの卵を食べに。
東南アジアの色んな国で様々な名前で売られているこのアヒルの卵。有精卵を茹でたもので、まだ形の無い段階から、孵化寸前の羽やくちばしができかけている段階のものまで様々あり、現地の人はみんな自分好みの段階があるそう。
今回はそんなに日にちの経ってないものに挑戦。

道端の屋台で一個1ドルほど

私はフィリピンで一度挑戦したことがあったのですが、何を隠そう、アヒルの卵はとっても美味しい。何でこんなに美味しいのか分かりませんが、普通のゆで卵の数倍美味しいのです。
見た目はなかなかグロテスクなものもありますが、コオロギと共に、是非お勧めしたい一品です。

中がどんなのかは、開けてからのお楽しみ

「女子旅」最後は、シェムリアップの目玉、アンコールワットへ。
パワースポットとしても有名なアンコール遺跡は、本当に今年中にプライベート旅行で行こうと思っていたほど行きたい場所だったので、観光の日の私のテンションはマックス!
しかし、今回は研修旅行のため、観光時間はたったの4時間!
憧れのアンコールワットにきたのに、そんな殺生な!と言っても始まらないので、「お昼にしましょう・・」「一休みしましょう・・」とつぶやくガイドさんに五体投地しかねない勢いで頼み込み、ぶっ通しで観光につれていっていただきました。

数ある顔の中で一番の美人さんと言われる観世音菩薩

タ・プロームごっこ

実際に訪れてみて、想像以上に素晴らしく私の心に残ったアンコール遺跡。
行ってみて感じたのは「とても混沌としていて、愛すべき遺跡だなぁ」ということ。
アンコール遺跡は、未だに多くの場所で発掘が行われており、修復と破壊が同時に行われているという、何だか不思議な遺跡。
そんなアンコール遺跡には、愛さずにはいられないポイントがたくさん隠されているのです。
そんな愛すべきアンコール遺跡のお勧めポイントをご紹介。
ポイント1「時間が足りず(?)作成途中でおわっているレリーフ」
アンコールワットは、中心から外に向かって、一番中心にある中央塔から、第三回廊、第二回廊、第一回廊へと作られていきました。その時に、時間が足りなかったからなのか何なのか、中途半端なままで取り残されたレリーフが第二回廊に残されています。

右から左へと作業されていったと思われる

「あーもう時間ない!ここはもう良いか!」と途中で投げ出した人も、まさか未完成のまま世界遺産になるとは思いもよらなかったでしょう。
面白いのは、予想以上に落書きみたいな下書き。この下書きからあんなに美しい彫刻が彫れるものなのかと、感心してしまいました。
ポイント2「世界遺産なのに、武士に落書きされている」
「大野さーーん、ここに落書きありますよーーー」というガイドさんの陽気な声に誘われ、言ってみると、何と日本語の落書きを発見!

意外と高い位置にある落書き

江戸時代にインドの祇園精舎を目指していた日本人一行が間違えてアンコールワットにたどり着き、こともあろうに柱に墨で落書きをしていったそう。
江戸時代にこんな遠くまでやってきた日本人がいたことも驚きだが、なぜ柱に落書きをする必要があったのか。日本人の恥と、少し居心地悪くしていると「これは歴史的に重要ですからね、気にしないで」とガイドさんに慰められてしまいました。
三つ目「壁のレリーフが意外と笑える」
第一回廊には、桃太郎のモデルにもなったと言われる、インドの叙事詩ラーマヤナが素晴らしい彫刻により語られています。お姫様が奪われ、それを奪還しに旅を始めるという設定が、スーパーマリオに似てるなぁとどうでもいいことを考えながらじっくり見ていくと、ところどころに狙ってなのか、それとも純粋になのかは分からないが、面白い彫刻がちらほら。

「噛みつくの攻撃で、敵をみんなやっつけました」(ガイドさん談)

「人々の日常の生活を表しています。みんなワニと戦って、時に負けました」(ガイドさん談)

こんな、ふっと笑えるようなところもありながらも、やっぱり有名どころの、池に映るアンコールワットやタプローム、アンコールトムの微笑みは、絶対外せない観光スポットでした。
「ああ、これも知ってる!これも見たことある!」の嵐となり、ありとあらゆる角度から写真を撮りまくり、どこで記念撮影しても絵になるアンコール遺跡に、もう大満足でした。
たった四時間でしたが、こんなに充実感を味わえる観光地っていうのも珍しいのではないでしょうか。
今回の研修旅行は、いつもより少し短めの五日間という日程でしたが、本当に海外行ってきたなぁ!と感じられる旅になりました。
こんな貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
女子旅だからと構えずに、これからはスパやカフェも楽しみつつ、虫もたべていこうと、そう思えた旅でした。
男性の前でコオロギを「めっちゃ美味しいー!」と、むしゃむしゃするのもちょっと気が引けるので、やっぱり女子旅っていいですね。
世界は楽しいことだらけ!なんでも挑戦して、みなさんも、是非自己流女子旅をお楽しみください。

「もう、一生ここから離れたくない」の図

【スタッフおススメ度】
アンコール遺跡群 ★★★★★L
何も知らなくても凄さが伝わる、素晴らしい観光地。
ナイトマーケット ★★★
値切り交渉が楽しい。現地の人との触れ合いを楽しんでみては。
スパ ★★★
他のアジアの国に比べても安く、レベルの高いお店が多い。
2014年7月 大野史子
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