ホーチミン5日間 

アオザイ、生春巻、かわいい雑貨!・・・誰もが思うそんな当たり前のイメージを持って初めてのベトナムを訪れた。時間の割には内容が充実していたので、空港に降りたときから心が自然にあせっていた。お客様もよく訪れるホーチミン。この目でよく観ておかなければという使命感(?)はいつのまにか欲張りな観光客に変身してしまっていた。


(ホーチミン到着)
町の様子(ホーチミン)飛行機から降りるなり一番初めに私を迎えてくれたのが蒸し暑い熱気だった。
じっとしていても汗がじとじとしてくるのが感じられたが、心地のいい風が取り去ってくれる。
空港から出ると、現地のガイドさんが迎えにきてくれていた。本日は空港からホテルへの送迎のみ。早速のフリータイムで散策開始!
(市場へゴー!!)
案の定、ホテルを出て5分としないうちに汗だくとなった。こんなに汗をかいているのは私だけではないかと思う。ふと周りを見ると欲張って私のように足早に歩いている人なんて一人もいない。ご存知の方も多いと思いますが、移動の手段は専らバイクである。そのバイクの数の多いこと!初めはなかなか道路横断ができない状況だったが、そんな私をみかねてか、声をかけるでもなくなんとなく渡らせてくれようとする現地の人にやさしさを感じる。しつこいバイクタクシーやシクロを振り払って、やっとの思いで市場に到着。どうやら、大きな建物の中にお店がひしめきあっているらしい。目指すは雑貨一直線。と思いきや…その前に「ベトナムコーヒー買わない?」という声について行ってみよう。
日本で何度かベトナムコーヒーを飲んだことがあったが、気が向いたとき以外は飲みたいとは思わなかった。この時は初夏ということもあり、入れてもらったのはアイスコーヒーだった。お決まりの練乳が底の方にたくさん沈んでいる。まぁ、喉も乾いているし…と一口。初めてベトナムコーヒーがおいしいものだと感じた。そして飲み終わる早々値段の交渉が始まり、買う気満々であるが、ちょっと渋ってみる。
これも海外での買い物の楽しみのひとつである。結果、ちょっと安くしてもらった上におまけが付くと言う。(お買い上げ)「他に欲しいものはない?」と聞かれたが、さよならを言って立ち去った)
市場内のサンダル屋(ホーチミン)さてさて、雑貨を見に行かなくては。 日本でもここ数年ベトナム雑貨の人気が沸騰、もちろん私も興味を持っていた。日本で売られているものも消して高いと思ったことはないが、なぜか手を出せずにいた。しかしここ市場にきてあまりの激安振りに驚いてしまった!あれもこれも…と落ち着いてはいられない。同じようなお店が軒を連ねており、どれにも値札はついていない。店によって値段が違うということだし、そこは交渉力だ。同じエリアをぐるぐると回っているうちになんとなく良し悪しの判断を下して行く。そのうち一軒の雑貨屋さんと仲良くなる。
特にそこの店がいいかと聞かれるとそれは微妙だが、人柄に引かれたのは間違いない。どこも同じようなお店に見えるので、お店を見極める一番大事なポイントかもしれない。
私にとってはサイゴン教会(ホーチミン)これ以上安くても…という値段であったのに、進んで値引きをしてくれる。そこのお店は商売上手とはいい難いが、とても素直で心の澄んだ人というのを短いやりとりでなんとなく感じた。買い物が終わっても身振り手振りでの会話は続く。「同じ年齢」ということが判明し、更に親しみがわく。「もう一度来るね」という約束をして別れようとしたその時、一寸前にコーヒーを売ってくれた人が「何やっているの?」と声をかけてきた。
その人を見るなり雑貨屋の女性が私にこう言う。「この人悪い人」。ガーーン…。
(地下クチトンネル)
広がる田園風景(クチ)市内から2時間ほどであろうか、見渡す限りの田園風景の中を車で走る。
戦争の傷跡が残るこの場所を訪れるのも今回の楽しみでもあった。楽しみだというのがぴったりな表現かどうかが分からないけれど、とにかく興味があった。
ベトナム戦争時、激しい空爆を逃れるために掘られたトンネルは250キロあるという。
実際のトンネル入口(クチ)三段構造になっているトンネル内は台所や寝室、会議室、そして病院まであったというのだから驚きだ。またサイゴン川へつながっており、そこから脱出することもできた。
そんなトンネルの入り口は枯葉に巧みに隠され、ここだといわれない限り分からない。
更にアメリカ軍からの攻撃や進入を防ぐ為の工夫も見逃せない。当時の人の知恵を絞ったトンネルの構造に感心してしまう。
そんなトンネルが観光用に用意されているので喜んで入ってみた。
私よりもずっと背の高いガイドさんがささっと走り去って行く。トンネル内に置いて行かれては寂しさ極まりないので、私もついて行く。が、当然ながらトンネル内部とガイドさん(クチ)トンネル内は人が一人やっと通れる広さ。背中や腕を擦ってしまう。湿度のせいか、ちょっと息苦しい気もする。
そんな貴重な体験もベトナムならではだ。
そして、ただ感心するだけでなく以前日本でも起こっていた戦争、その傷跡や悲惨さを今の私たちは知る必要があるというのも忘れてはならない。改めて歴史の重さを感じる。訪れる価値が十分にある場所だと言える。
ライスペーパー作り(クチ)

(カオダイ寺院)
クチから更に一時間、タイニンという小さな町に着く。
そこにはカオダイ教という混合宗教の総本山があり、私はその礼拝の時間に訪れた。
寺院にしてはカラフルで装飾も異例な感じである。あちらこちらにはなんとも変わったモチーフが点在し、その一つ一つはなんらかの意味をなしているらしい。仏教と儒教色が強いかと感じたが、不思議な空間がそこにはあった。どこかできいたことのある楽器の演奏と共にその礼拝は行われていた。延々一時間にも及ぶ礼拝を待つまでもなく、この寺院を後にすることになる。
カオダイ寺院(タイニン)カオダイ寺院【お祈り中】(タイニン)
(何が一番良かった?)
料理教室での完成品!ここでは挙げていなかったけれど、ベトナム料理教室はなかなかのお薦めです。短時間で何種類も作ることができ、そのまま試食。帰ってきてからでも一人で手軽に本物のベトナムの味を再現することができる。今では揚げ春巻きは私の得意のレシピとなっており、結構好評です。レストラン「VY」は実際にツアーでも行くお店のひとつ。ぜひアオザイをきて出かけたいもの。
ミトークルーズ(メコン川)また、ミトークルーズは市外の素朴な町を小船で回る風流なコース。シクロも乗ったし、どれをとってもベトナムを満喫でき、私は満足でした。
そして忘れてはならないのが、人との出会い。これこそ旅の一番の醍醐味。
道端の屋台では食べ方が分からず困っていたら、隣のテーブルにいた女性が身振り手振りで教えてくれ、毎日通ったスーパーでは荷物を預かってくれる人が「こんにちは」と言ってくれるようになった。親しみを感じた雑貨屋に再び訪れると、家族を紹介してくれた。(そして更に雑貨購入…)あまりにも小さな出来事なので相手の人は忘れちゃうかもしれないけれど、私は忘れない。
過ぎてしまうと本当にあっという間のホーチミン滞在。帰国のときには「次はいつ来ようかな~」と次の旅行の候補の一つとなっていました。
村上 祐子
2003年5月

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